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 ルビ先輩の所に行って、久しぶりにリーラちゃんやシエル君と会う事が出来て私は嬉しかった。学生の頃に戻ったような気分になれた。

 やっぱり学生という時は、大事なのだというのが実感出来た。

 学園を卒業して、同じ学園に通っていた人たちとは道が別れる。学生時代のように毎日会う事はなくなる。だけれども、こうしてつながっていけている。

 例え、同じ学園に通っている生徒という枠組みがなくなったとしても——学生同士に紡いだ絆はつながっている。それはとても素晴らしい事だと私は思う。

 こうしてルビ先輩とも卒業した後も仲良くできる事も嬉しくて仕方がない。

 ルビ先輩たちと会った事や、アイルアさんからの手紙の事、それを全てヴァルに報告した。ヴァルは「そうか、良かったな」と話を聞いてくれる。

 ヴァルはとても聞き上手なのだ。

 だから私は昔からヴァルに色々な事を話す。

「そうだ、ヴィー、少し問題が起きているんだ。もし何か気づく事があったら教えてもらっていいか?」

「問題? 何? 私が出来る事ならやるよ」

 一通り、ルビ先輩たちと会った事などを話し終えたらなんかヴァルが急に問題が起きていると言い出した。なんだろうか。こうしてヴァルが真面目な顔をしているっていう事はそれだけ何かしら問題が起きているってことだろうし。

「実はだな……魔法師団内で行方不明者が出ている」

「って、ヴァル、それって凄い大事じゃん!! 私みたいな下っ端に話しちゃって大丈夫なの!?」

「大丈夫だろう。俺はヴィーの実力も、性格も信用している。それにきちんとヴィーに話すことは父上や母上から許可を得ているから問題はない」

 信頼してくれていることは嬉しいけれども、いいのか? と正直思った。でもまぁ、そんな重要な事件が起こっているのならば動けるだけ動きたい。だって行方不明になっているって下手したら死んでいるかもしれないって事だよね。私はそういうのなるべく回避できるのならば回避したい。

 前世で人の死なんてあまり見慣れていなかった私としてみればこの世界は命が前世よりも軽くてびっくりしちゃうよ!

「それで、私にどうしてほしいの?」

「前のようにヴィーしか気づかない不審者とか居るかもしれないだろう? それと不審な点がないかなどを調べてほしい。だが、危険な真似はしないでくれよ?」

「しないしない。私は私が出来る範囲で手伝う気はあるけれど、死ぬかもしれないって場面なら自分の命を優先するよ」

「ああ、そうしてくれ。ヴィーには死なないで欲しい」

「全力で危険なことはしないようにするよ! あと、なんだっけ、その行方不明になっている人の私物とかあるならもしかしたらどこにいったかとか分かるかもしれないのだけど……」

「ああ……それがその者は寮暮らしでもなくて私物といった私物があまりないんだ。それに入団して間もないしな」

「そうなの……じゃああまり手がかりはないのね。もしかして魔法師団の仕事が嫌になったとかもある?」

「かもしれない。事件性があるのか、ないのかも分からない」

 一先ず、その行方不明者が何で消えたかさっぱり分からなくて困っているという事か。本人の意志でここで働いていけないと思って去ったのならばまだそれは個人の問題だけれども……。

 魔法師団で働いている人が居なくなったとなると事件性がある可能性もある。前に魔法師団の中をうろうろしていた不審者のような存在によって大変な目に合わされているのかもしれないし。それかもしかしたら他国の陰謀もあるかもしれない。

 うう、面倒だ。でも私もなんだかんだで自分の意志で魔法師団に入る事を選んだのだから、しっかりしなければ。面倒で、ややこしいなぁと思うけれども人の命がかかわっている可能性があるのだから頑張って調べなければ。

「んー……ただいなくなってさぼっているだけならいいけど」

「それはそれで、そんな存在を採用してしまったこっちも問題だけどな。ただ……何となくそうではない気もするが。現状、手がかりがない」

「……それは困るね。私も、頑張って色々見て回るよ。何か気づいた事があったらすぐにヴァルに報告するから」

「ああ。頼む」

 幼馴染のヴァルが私の事を信用してくれているのはなんだかんだで嬉しい。私ならば何か気づいてくれるのではないかと頼られるのも普通に嬉しいので、なるべく周りを気にかけて、何かしら気づけたらいいなぁ、と思った。

 それからヴァルのいる部屋を後にした。もちろん、周りに悟られないように魔法を使ってだけどね!




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