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 魔物退治に向かう日になった。

 魔物退治に向かうための準備はきちんとできている。何が起こるか分からないから、色々下準備している。

 魔物退治って、正直緊張する。

 学生時代も、ルビ先輩が大変な目にあってたし、魔物ってやっぱり怖いし、戦闘もやっぱり怖いと思うから。やっぱり私が転生者だからこそ、そういう感情が人一倍強いのだろう。私は、一度死んでる。死んだって自覚がある。―――だからこそ、こうして生まれ変わる奇跡が起きてるけど、いつ死ぬか分からないからこそ死なないように気をつけようと思っている。でもあれだよね、私って真正面から戦うのはあんまり得意じゃない。だから後ろから補助とかしたいんだけど、そういう風にしたいって伝えてやらせてくれるかな?

 メンバー次第だけど、魔法師団の先輩って誰だろ? あと一緒に戦う面子も。何組かに分かれていくから誰とグループになるか分からないんだよね。それ次第では動きやすいとかあるんだろうけど、でも誰かにどうにかしてもらおうなんて他力本願な事思っていたら駄目だよね。私の事コネ入団だって思い込んでいる皆に、私は実力があるんだっていうことを示す良い機会なんだから。私の事を知ってもらって、仲間だと認めてもらえるように頑張る。うん……無理だったらルビ先輩とかラーちゃんに慰めてもらおう。でもやる前から無理だって思い込んでいるのとかって駄目だよね。やりたいことは出来るだけやってみて考える。うん、失敗したら失敗しただよね。

 

 さてそんな風に意気込んで、望んだ魔物退治はヴァルともラーちゃんとも違う班だった。



 引率してくれる先輩は確かヴァルと少し仲良かった気がする。話を少しは聞いたことあるから。でも一緒に行く新人の方は私の事コネ入団だって思い込んでる美人な年上の人のグループだ。なんかキツイ目でこっち見てる。

 んー、美人さんに嫌われるとなんか嫌だ。というか、綺麗な見目の人たちは笑顔の方が断然良いと思う。まぁ、美女な人たちはどんな顔をしていても美女なんだけどね。

「ノーヴィスさんと一緒なのね、貴方の実力を解き明かしてみせますから」

 そんな目で向けてくるのはノノアンさんである。ノノアンさんは相変わらず美人だなぁ。真面目な人みたいだから私の実力をきちんと把握しようとはしてくれているみたいだから。なればこそ、ちゃんと自分の実力を見せる事が出来たら何とかなる気がするんだよね。他二人はノノアンさんの友人みたいだから、ノノアンさんを攻略(というか見せつけられれば)出来れば何とかなる気がするんだよね。

「ノノアンさん、私ちゃーんと実力で入ってますから! だから、見ててくださいね」

「……っ」

 ノノアンさんは、私の言葉に驚いた目を向けた。いつもより強く、やる気に満ちた返答を私がしたからだろう。

 でも今回は特に気合い入ってる。私がどれだけ魔法が使えるか分かってもらいたい。そして仲間として認めてもらいたい。―――私の力を、私の手で理解してもらう。

 うん、頑張る。

「私の得意な魔法、隠密とかなので派手にはいけないかもですけど、頑張りますから!!」

「え、ええ」

 そんな感じで、私が宣言したら私の勢いにノノアンさんたちは引き気味に頷いていた。先輩の男の人は、その様子を黙ってみていた。さて、魔物退治である。魔物を倒しに向かうのは、魔物の量が少し増えてきているという森だ。森の魔物を減らしておかないと、外に出てきてしまう恐れがある。あとは魔法師団の訓練も含めてだ。そして異常がないかの確認。何かしら異常を発見する事が出来たら、この後対応がしやすかったりするから。

 魔法師団って、そういうのにも気を配らなければならないから大変な仕事だ。そして民の平和にかかわるのだから、失敗をしないように乗り切るのが第一。うん、こっちが失敗して誰かが死ぬとか、誰かに迷惑をかけるとか普通にある仕事だからね。そう考えると責任重大だ。

 本当……魔法師団に入るつもり、一切なかったんだけどなぁ。前世の記憶もあるから戦闘とか苦手だし、そういう仕事につこうと思ってなかった。平凡にほのぼのとした仕事をしながら人間観察しようと思ってた。

 でもまぁ、ヴァルにいれるといわれて入ったけど、結果的にそれを受け入れたのは私だ。本気で私が嫌がれば、ヴァルは入れなかっただろうから。うん、結局私自身が選んだ道でもある。――だから、頑張ろう。魔法師団の一員として、きちんと頑張る。やりきる。皆に仲間と認めてもらう。沢山の目標ややりたいことがあるから、私は、そのために少しずつでもいいから頑張るんだ。


 よし、頑張ろうと気合いを入れた私は先輩やノノアンさんたちの後をついていくのだった。




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