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 ぼっち脱却計画。

 その1。

 突然姿を現すことを実行してみる。

 そうすれば、実力があるのだと少なからずわかってもらえるはず。

 その2。

 今まで自分がやったとばれないように行動していたけれど、ばれるようにしてみる。

 そうすれば、実力があるとわかってもらえるはず。

 その3。

 もっと話しかけてみる。

 少しでも仲良くなるための計画。


 私はずらずらとそんなことをメモに書いていた。そのメモをヴァルに見られて、何とも言えない顔をされた。まあ、でも、「がんばれ」とは言ってくれたけど。

 ついでにまた一緒に昼食食べないか誘われたけど、却下したよ! 悪化するから。

 そしたら、ヴィーが認められたら食べていいだろとか言われちゃったよ。まぁ、それなら大丈夫かもだけど、美形と食事とか、あらぬ疑いをもたれるんだよ。だから嫌なんだよね。

 それにしても、どうしようか。どのタイミングで出ていけばいいだろうか。私結構、こそこそ常にしているけど。急に現れたら、驚いて、「そんな実力があったのか」的なことに出来るのではないか……と思うんだけど、出来るかな?

 どういうタイミングでぱぱっと姿を現すかっていうのが、問題だよね。少しずついつの間にかいる存在になるべき? ラーちゃんがいるから、ぼっちではなくなったけど、もっと仲良くしたい。このまま勘違いされっぱなしって絶対嫌だから。

 そんなわけで、私は、ちまちま姿をあらわそう作戦を実行した。

 しかし……、

 「あら、貴方今までどこにいたの?」

 「急に現れた気がするけど、よっぽど影が薄いのね」

 的な感じにしか今の所、捉えられていない。会長とかならすぐに気づいてくれたんだけど、そっか……会長レベルの人は入ったばかりの人にはいないからか。……えー、でも頑張って少しずつ姿あらわそうって私、してるんだけど。それだけでは難しいっぽい。これ、どうやって少しずつ私が実力があるんだぞって示していくべきだろうか。

 とかいう、こんな行動してたらこっそりヴァルのところいったら、

 「面白い事しているみたいだな。頑張れ」

 ってヴァルに言われた。

 ……面白い事って、私一生懸命に、やってるんだから! って思ってしまった。しかし、あれだね、少しずつ自分の実力を見せれるように頑張ろうと思っているけど、中々難しい。もっとばばって活躍出来たら別なんだけど。正直私の魔法って派手なわけでもないし、そんなばばって見せつけるの難しいんだよね。その辺が簡単に実力がわかりやすいものだといいのだけど。うん、でもまぁ、仕方ないね。これが私だし。

 仲良くなろうと、少しずつもっと話しかけるぞってしているけど、それも中々難航している。私に話しかけられて嫌な顔されるし、ショックだよ! 私ともっと仲良くしてほしいよ。

 私の能力とか、いい感じにわかってくれそうな人いないかな。入団したばかりってあんまり私が活躍出来そうな仕事ないしなぁ。それでどんなふうにやっていくべきか。どのようにしたらばばって私の魔法とかわかってもらえるだろうか。……このまま、私の魔法が生かされる任務とかまでほぼぼっち……ラーちゃんいるからぼっちというわけではないけどさ、そういう状況になっちゃうかと思うと嫌だよ。

 なんかそんな思いでタチークさんの前でも同じようなことしていたら、

 「お前、なんだ?」

 凄く訝しそうな目で見られてしまった。

 タチークさん、凄く冷たい。冷たいクール系の美しいショタとか、凄い大好物だし、見ていてうおおおってなるけど、自分に向けられている分はなんか微妙な気分だよ!!

 「なんだとは、なんでしょうか!」

 ああ、でもこんな美形ショタ前にして興奮しないわけはない。見ているだけで幸せです。ありがとうございます。

 「……突然現れたりしているだろう。俺でも気づけなかったが……とはいえ、今まで突然消える事はあってもこんな風に不自然に出てきたこともなかっただろう」

 「ええっと……」

 なんというべきか。素直に言えばいいのだろうけど、美形ショタに見つめられるとこう、口ごもってしまう。

 「………ノーヴィスの能力はそういう能力なのか? あの、サラガント様がノーヴィスをここにいれたのは」

 タチークさんがぶつぶついっている。おお、これは、タチークさん、他の人と違って察してくれた感じなのだろうか。それだと嬉しいけど。というか、私はタチークさんとも仲良くできた方がいいんだけど。いや、まぁ、タチークさんに関しては外から見守るだけでもいいんだけど。

 それにしてもタチークさんって本当綺麗だよね。学園にはいないタイプの美形というか、というか、流石乙女ゲームの世界というべきか、顔面偏差値高くて凄い幸せな気分になる。うんうん、良いよね。眼福な気持ちになる。

 「ノーヴィス」

 「は、はい!」

 なんかぶつぶつ言っていたタチークさんに名前を呼ばれてびくっとする。

 「君は――――、幼馴染だからとコネで無理やり入ったわけではないのか?」

 そう、タチークさんは問いかけた。

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