言いたいことはわかる、でも違うんだネタが思い付かなかったとかじゃないんだ、そう、全ては伊崎が悪い
もうどうにでもなれ、です
「『ヒーロー』と聞いて思い浮かべるものは人によって様々だろう。
小さい頃に見たことあるような特撮もののヒーロー、仮面を被ったライダー、自らの頭を引きちぎり子供達にあたえるヒーロー、所謂異世界ものの物語に出てくる勇者、ヒーローのライバル的な立ち位置のダークヒーロー、まぁ色々なヒーローがいるだろう。
近年世界ではそういった『ヒーロー』が存在している。
テレビの中や物語の中ではなく現実に存在している。
化物と戦ったり、どこからか攻めてきた敵と戦ったり、泥棒や強盗を捕まえるヒーローもいる。
ざっと今から十年前ほどに一人の少年が何もないところから炎を放った。
世界はその子を保護し、研究対象にしようとしたがその次の日ぐらいからそういった『超能力』が使える人間が多発した。
世界は一時的に混乱するも幸いに『超能力』を使える人間達は善人ばかりであったので『超能力』による犯罪が起こることはなく逆に『超能力』をうまく使い世界は良くなっていった。
しかし、ある程度『超能力』を使える人間が増えたところで異変がおきた。
世界に人間でないものが攻めてきたのだ。
巨大な敵から掌サイズの敵まで、色々な敵が攻めてきた。
『超能力』を使える人達は対抗しなんとかそれを追い返した。
それからは週に2、3回敵が攻めてくるようになった。
そこで世界は『組織』を作り『超能力』を使える人間を『ヒーロー』と称し敵の撃退のために対策をした。
今では敵は特に脅威ではなく一種の見せ物になっていた。
それはTVで生放送され子供から大人まで老若男女、幅広い人達に人気でTV局はウハウハである。
勿論有名な『ヒーロー』が戦う所しか放送されないので世間的には『ヒーロー』は数人しかいないという認識だ。
実際は何百、何千といる。
そしてその認識されていない『ヒーロー』の中に彼はいた。
23地区を任されている『ヒーロー』、通称『カラーレンジャー』。
通常は一人か二人で一つの地区を任されるのだが23地区には複数の『ヒーロー』がいる。
TV局と組織が手を組、TV用に用意された所謂特撮戦隊ものをモチーフにされた『ヒーロー』なのだが途中で企画を『ヒーロー』の中でも有名な『魔法少女☆デジタルゆーにゃん』に取られてしまい中途半端というか適当に集められて適当に地区を任せられた『ヒーロー』、それが『カラーレンジャー』である。
そして彼、登録ナンバー、A―628木嶋 真塒こと『カラーレンジャー』のリーダー『ブラック』は今日も『秘密基地』と称されるただの事務所の一室のソファで寝転がっていた。
「物凄く……暇だ…」
彼は大学には通っておらず高校卒業と共に組織に就職しており、敵と戦う以外することがないのだ。
手を伸ばせば届く距離にある机の上からペットボトルをとり、中の飲み物を飲み干す。
それと同時に部屋のドアが開かれた。
「……ピザ」
そこに立っていたのはピザの入った箱をもった白髪の少女だった。
彼女の名前は木嶋 縁 。
彼女は人間ではない。
組織が『ヒーロー』の力によりつくらせた人工知能つきのアンドロイドだ。
家事洗濯など家政婦などを人の変わりにさせるためにつくられ商品化されるはずであったが倫理的にどうなのかと問題になり中止になったのだが試作品である『EN』だけはもうすでにつくり終えていた。
壊すことは出来ないということで組織の幹部の推薦でマトヤに預けることになったのだ。
マトヤは『EN』と呼ぶのはなんとなく嫌だったので“えん”と名付けた。
名字はそのまま彼のものを使っている。
「ありがとな、エン」
「……。」
エンはコクリと頷くと座り直したマトヤの横に腰を下ろした。
マトヤは冷蔵庫から麦茶と青汁を取りだしピザの横においた。
エンはまず青汁に口をつけごきゅごきゅと飲み始めた。
エンはアンドロイドであるが『ヒーロー』の力によりほぼ人間に近くなっているので食事もちゃんとするのだ。
「毎回思うのだがうまいか?それ」
「……“ちょべるぐ”です」
「あー…そー…」
またネットで変なこと調べたなと思いながらピザに手を伸ばし食べた。
そして二切れ目に手を伸ばそうとしたとき事務所内にアラームが鳴り響いた。
エマンジェンシーコール、Eコールと略されるそれはジリリリリとやかましく響く。
これは敵の出現を察知し、その地区の『ヒーロー』に知らせるものだ。
マトヤは立ち上がると地面に落ちていたヘルメットを拾い上げてドアの向こうへ歩き始めた。
「あー…ピザ全部食っといて良いからな」
「……了解です」
Eコールが鳴り止んだ事務所にドアの閉まる音が響いた。
→→で♪←←
「さぁ!思う存分暴れるよー!」
ゴスロリ幼女が両手を上げくるりと回る。
23地区に現れる敵『黒騎士団』。
絶対に月曜日と水曜日にしか現れない何とも不思議な敵である。
ゴスロリ幼女の後ろには黒いゴツゴツしたピッカピカの鎧を纏った痛い子がいた。
「漆黒の黒魔女よ、早く街を破壊しようではないか」
「えーでもでもー『ブラック』がメッて言ってたよー?それに漆黒と黒被ってるーネーミングセンスなさすぎーアハハハー」
「敵の言うことを聞いてどうする!余達は悪の中の悪、最強にして最凶の――」
「待て」
「―何奴!」
ゴツゴツ鎧は声のした方に視線を向ける。
そこにはいつのまにか岩山があり、その上に大小様々な影があった。
「えっと…正義を乱す悪を絶つ漆黒の戦士『ブラック』!……漆黒とブラック被ってるよな…」
「みんなのモフモフ『ブラウン』!」
「にゃにゃにゃにゃ、にゃにゃ『にゃにゃにゃー』!」
「因みに『シルバー』って言ってます」
「パオーンパオーンパオーン『パオーン』!」
「因みに『グレー』って言ってます……『シルバー』と被ってるよな」
「ちゅんちゅん、『ちゅんちゅん』!」
「因みに『ブラウン2号』って言ってます……何かこう…おかしいよね
えーとっ………我ら不屈のヒーロー!色とりどり!『カラーレンジャー』!」
「「「ワンにゃパオーちゅん」」」
「ヒーローつーか動物園?」
ドッカーーンッ
岩山の後ろから派手な色つきの煙があがる。
そして五つの影はそこから飛び下りゴスロリ幼女とゴツゴツ鎧の目の前に立ちはだかった。
因みに右からスカーフを巻いたゾウ、スカーフを巻いたトイプードル、バイクのヘルメットを被った黒いパーカー男、スカーフを巻いた猫、スカーフを巻いたスズメ。
この五人というか一人と二匹と一頭と一羽がこの23地区の『ヒーロー』、『カラーレンジャー』である。
それを見た銀髪ゴスロリ幼女、改め『黒騎士団』のラスボス『漆黒の黒魔女』はブラックに突撃した。
否、抱きついた。
「ブラックだぁ!ブラックブラックえへへー」
「……。」
――って小説を書こうと思うんスけど」
「勝手にやってろ」
「ナシッチが冷たいッス!?というかこのやり取り前もや――ってナシッチいないッス!?放置ッスか!放置プレーなんスか!……あれ?なんか興奮してry」




