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絡まれている女子を武力介入して助けるとか無理

4月21日晴れ、視界良好、前方に障害物なし、左側何処かの家の壁、右側は知らん、今の俺の状況相棒のママチャリがパンクし、かなりの距離を歩いて帰ることに、現在地学校から数百メートル進んだ人通りの少ない場所、現在時刻4:20。


特に異常なし、降也二等兵家へ帰宅します。


「ち、近づくんじゃないわよ!」


別に右側から声なんか聞こえないしむしろこの場に音など存在しない、否、存在してはいけない。


「うるせぇ!少し黙ってろこのアマァ!」


怒声など聞こえもしないちらりと右側に見える数人の男子生徒と一人の気の強そうな女子生徒など見えない。

恐らく中学生どもだろうがそんな幻覚は俺には見えない、見えてはいけない。

何故ならば俺がザッ・普通の高校生であるからだ。

あんな幻想は主人公に頑張ってもらおう。


「や、やめてよぉ…」


「大人しくしてれば良いんだよ!」


チラッと右側にある所謂空き地を見る。

あっ目があった。

うるうるしてる。

実はこれでも視力はいい方だ。

というかめっさうるうるしてる。

捨てられた子犬みたいに。

………………これはけして助けるためだとかではない、自己満足である。

ほら、なんか見捨てたら人として…ねぇ?

しかし残念ながら俺は普通の高校生だ。

戦うすべなどないわけでどうしよう。

んー………あぁ警察に電話するか

あ、でも警察がたどり着く前にやられちゃったら可哀想だよね、というか中学生が盛ってるんじゃねーよ、お前ら猿か。

まだ午後4時ですが?確かに人通りは少ないですが全くないわけではなくて実際俺通ってますし。

何?バカなの?死ぬの?

そうだ、大声で警察に連絡してますよアピールでもするか。

もしそれで逃げなくて俺に迫ってきた場合は死を覚悟しよう。

いや、もしかしてあいつらがどっちもいける口ならば俺も危うい。

まさか俺の貞操が危険な目に合うとはこの16年間思いもしなかった。

いや、良く考えると俺はイケメンではない。

俺がイケメンなら今頃彼女と腕を組ながらもしくは後ろから抱きつかれながらママチャリで疾駆していることだろう。

くそっ、イケメン爆ぜろ!むしろもげろ!お願いします!!

あれ?もしかしてあいつらがブサイクでも普通でもイケメンでもいける口ならば俺も危うい。

何だあいつら5刀流か、変態め。

やばい、どうしよう俺の貞操が……

あれ?何か違う話がすり変わってる気がする。

何の話だっけ………まぁ良いか、帰ろう。


「だ、誰か助けてぇ!!」


oh…そういえば助ける方法考えてたんだったよ。

俺としたことが全く肝心なところ抜けてるんだからーもーてへぺろー。

……やらなきゃ良かった。

それよりどうしようか

本当に武力介入は無理だし、ザッ・普通だし。

武力介入とかできるとしたらそれはきっと武装組織に所属しているMS大好きな少年に違いない。

それかどっかの主人公だな、うん。


「い、いやぁーーーー!」


そう言えばアプリにパトカーのサイレンを鳴らせるやつがあったようななかったような。

少し待ってろよ名も知らぬ女子生徒よ。

えっと…


「や、やめてぇ…お金ならだすからぁ…」


確かここらへんに………あれ、見つからないな…


「うぇ……ぅ……やめて………」


おっ見つけた。

あと少しだぞ女子生徒よ、頑張れ女子生徒


「やめてぇええええ!!」


「DL完了!アプリ起動!サイレンカモーン!」


とまぁ小声で言ってみたり。

取り合えずアプリ起動。

音量最大っと


ウーウーウーウーウーウー


「なっ、察かよ!ずらかるぞお前ら!」


「おう!」


「わかりやした!」


…………何あの男子生徒。

おかしすぎるだろ、もはやネタだろ

見てるこっちが恥ずかしいわ。

…帰ろう。

俺は携帯をポケットに戻し、ママチャリを押しながら家路についた。

その際に女子生徒と目があったので一応一礼しておく。


こうして危機はさった。

良くやった降也二等兵、頑張ったよザッ・普通の高校生降也二等兵、よし、帰ろう!


ガシッ

ゆっくりと振り返るとそこには女子生徒がいた。

……いや、まて空き地からここまでまぁまぁ距離あるぞ?

まさか能力者!?

なんて冗談は置いといて何だこの女子生徒はまさか早く助けなかったから文句良いに来たのか?

恩知らずめ!最近の中学生はみんなこんなのなのか!盛ったり助けてもらった奴に文句良いに来たり!だいたい中学生と言うのは――中略――なんだよ!


「ぁ…ぁ……あの!」


「ん?あぁ何でせうか」


文句言うなら言ってきやがれ返り討ちにしてやんよ

といきこんでいたら女子生徒が顔を真っ赤にして


「そ、その……ぁ…ありがと………あ、えっと、えっと、べ、別に感謝してるわけじゃないんだからね!」


と、言って青い針ネズミもびっくりなスピードで去っていった。


「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………どっちだよ」




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