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予定調和

作者: 雉白書屋

 もしもーし、やあどうも、次期大統領殿。そう、僕だよ、僕。隣の国の大統領候補。

 いやー、ちょっと相談があってさ。お互い大統領になったら、戦争でもどうかなと思って電話してみたんだけど――おおっ、そっちも同じこと考えてたの? うんうん、いいねえ、さすがだ。話が早くて助かるよ。

 じゃあ、就任してから二年後くらいに始める感じでどうだろう? ほら、うちの国もさ、高齢者とか、不良移民とか囚人とか、いろいろ抱えちゃっててさあ。みーんなまとめて戦地に送ればいいと思ってたんだよ。そうそう、内需も増えるし、お得だよね。

 それでさ、やっぱり戦争って始まりが肝心だよね。歴史に残るわけだし、派手にいきたいなあと思ってさ。そこで、まずうちがおたくの国の工場を爆撃するよ。うん、大量破壊兵器の開発をしてたってことにしてね。

 え? いやいや、別におたくを悪者扱いしようってわけじゃないよ。まあ、聞いてくれ。あとでそれはうちの勘違いでしたって言うから。でもその頃には、おたくがうちの小学校を爆撃しているから、やむなく開戦という流れでどう? え? ははは、いいでしょ。うん、お互い後に引けない状況にしないとね。うん、それでいこう。決まりね。

 じゃあ、よろしくねー。はーい……ふう……おっ、あ、もしもーし。どうもどうも。え? うちと戦争を? いやあ、それがさ、ついさっきもう一つの隣の国と戦争の予定を入れちゃったんだよね。うん。いやあ、でもさあ、え? うん、うん、いや、うん、はい、わかりましたよ、はい、はい。じゃあ、おたくが軽く仕掛けてきたら、うちがガン! といく感じで。はい、はーい、じゃあ、はーい、どうもー……ふう、苦手なんだよなあ、あの人……おっ、もしもし、どうも、え? おたくも? いや、もうお隣の二つの国と戦争の約束をしちゃってて、え? でも待って、じゃあ、僕はどうなりますか? 亡命できますか? あー、はいはい、あの国にね。それで、え? ああ、結局

殺されちゃう感じですか……。はあ、まあ、はい、はい、はい、では失礼します……。


 はあ、もう今後の予定、全部決まっちゃったよ。僕、まだ小学生なのになあ……。

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