イザベラ・フォーティア
「え~と、王子が5歳の誕生日ということは一応私と同学年だよね。王子が同学年なら、イザベラさんがいておかしくないんだけど……。もしかしたらドーラさんにも合えたりして……」
心のどこかで少し期待をしてしまっている私がいる。
私は緊張をかき消すよう、料理に口をつける。
「美味しい。さすが王のシェフ、レベルが高いな……」
料理に感動していると、人がどんどんと多くなってきた。
子供から、大人まで多くの人であふれかえっている。
「ここにいる人たちみんなすごい貴族ばかりなんだろうな……」
私は自分の雰囲気が何か違うような気がしてならない
「私、大丈夫かな。浮いてないかな。だってこんなところに来るの初めてだし……」
「お~い、フォルビア! 見つかってよかった。こういう時は見つけやすくて助かるな」
「お父さんそれってどういうこと!」
「いや……別に深い意味はないよ」
ーーやっぱり私浮いてたんだな。
お父さんが来てから会場がざわめきだした。
その場にいた人たちが皆その一点を見つめる。
そこには、他の人とは一味も二味も違う雰囲気を放つ存在がいた。
ーーあの姿は間違いない、まだ少し若いけどイザベラさんだ。
「皆さま、こんばんわ。フォーティア家長女イザベラ・フォーティアと言います。以後お見知りおきを」
イザベラ自身の着ている綺麗なドレスの裾を手ですっと持ち上げ、お辞儀をした。
その姿はもう型にはまっており、神々しい。
周りの人々は皆、イザベラさんに夢中になっていた。
そして、人々がさらにざわめきだす。
「諸君! よく集まってくれた。今日は我が息子、レイスがとうとう5歳を迎えた。ようやく皆に紹介出来る。さぁ、レイス、皆に挨拶をしなさい」
「はい! お父様」
そうして、周りの男児とは別格の美貌を持つ少年が現れた。
美しい黄色い髪、整った顔立ち、吸い込まれそうな青色の瞳に透き通るような肌。
もう見ただけで、将来カッコよくなるのは当たり前のような存在だ。
「皆さま! 今日は僕のために集まっていただき、どうもありがとうございます。今日で僕は5歳となりました。ようやく皆さまとお話をできる年齢となり、この国のことをもっと知ることが出来ます。この国の為、国民の為、どうか僕に皆さんのことを教えてください。これから僕は、お父様を超えこの国をさらに豊かにするために精進して行きたいと考えておりす。長くなりましたが、どうか楽しんで行ってください」
ーーまるで5歳とは思えない。初めてで緊張せずあれだけ喋れるな。
レイスが喋り終えると、多くの人が一列になり挨拶をしている。
「フォルビア、私たちも行くぞ。レイス様に挨拶をしなければ」
「は、はい。分かりました」
ーーどうしよう…すっごく緊張してきた。
長蛇の列がレイスの前に並んでいる。
私達はほぼ最後尾の方に並び、前方の人たちの挨拶を眺めていた。
どの人たちも大人と子供の2人組が多く、きっと親子なのだろう。
皆挨拶になれているのか、淡々とこなしていく。
レイスと王様は1人1人しっかりと握手を交わし、一言二言短めの話しをしている。
列がどんどんと進んでいき、イザベラさんの番が来た。
「レイス王子様、こんばんわ。私の名前はイザベラ・フォーティアと言います。ぜひ覚えていってくださいね」
ーー凄い笑顔だ。あんなのを食らったらレイスは、きっとただじゃ済まないだろう。
「イザベラ、今日は来てくれてありがとう。君は周りの者とは一風変わっているね」
「それは、私が他の者よりも美しいという意味でお間違いないですか?」
「ははは! さすがフォーティア家の長女と言うべきか! 面白い娘じゃないかフォーティアよ!」
「お褒めいただきありがとうございます」
ーー何だろう……。他の人よりもすごくいい雰囲気なんだけど。というか、あの2人が初めて会ったのここなんだ。ゲームでは仲が良いなと思ってたけど納得だな。
でも、レイスとイザベラさんがくっつくエンドは無かったと思うんだけど。
イザベラは主人公に皇子を奪われる役目……というか噛ませ犬というか、そう言った悲しいストーリー内容も人気の理由だった。イザベラさんはずっと慕ってたのに……。
「でも、こう見ると1番お似合いの2人だよな」
2人が笑い合う姿は、例えるならば絵と額縁ではなく花と宝石。
それぞれがお互いの美しさを引き立たせている。
☆☆☆☆
「それではレイス様また後でお会いしましょう」
「そうですね。また後で」
イザベラはレイスのもとを離れ、他の参加者のもとへ向かった。
――前の人たちはあと3組。3組終わったら私の番が来ちゃう。どうしよう、どうしよう……。凄く緊張してきたよ。部活の大会ではこんな緊張したことなかったのに。
1組目が終わり、また2組目が終わる。
3組目の前の人たちが挨拶をおこないに行った。
そして、あっという間に挨拶を済ませてしまった。
――ああ、もう私たちの番が来ちゃったよ!
私はお父さんの方を振り向く。
きっと私の顔はさっきのお父さん見たく、ブリキの玩具みたいになっているだろう。
逆にお父さんは全然緊張していないみたいだ。
私たちの前の組が階段を下りてきた。
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