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#02

2話目です




俺は、十三歳になる年に、この国の貴族子女が学ぶ学校、王立高等学園に入学した。



同じ歳の子供たちと一緒に学ぶというのは新鮮で、入学式から各クラスに移動して説明まであっという間だった。


ちなみに、裕福な平民の子女たちも同じくらいの数が入学しており、貴族と平民で半々の構成となっている様だ。


貴族は無試験で、平民は家庭の査定と難易度の高い選抜試験を経て入学しているとの事。


ザ階級社会である。



貴族子女と言っても、一学年30人程度で、平民を入れて60名を欠けるくらい、それをクラスに割るので、1クラスは20人弱だ。




教師からのクラスでの説明会が終わり、今日はこれで終了。通常授業は明日から開始だ。



席の周りでは、以前から顔見知りの子女や、初めて会う平民の子たちが交流を始めている。



俺は席に座ったまま、俺から挨拶に行かなければならない王族や高位貴族の子女をポイントしていた。


まずは、この国の第一王子であるレナード殿下だな。父上が現国王陛下の直下で情報部を束ねている事もあり、殿下とは以前から面識がある。


殿下は当然の如く高位貴族子女の皆さまに囲まれており、敷居が高いが挨拶をせずに帰る訳にも行かず。突貫する。



「レナード殿下。ご無沙汰しております。タクト・アルカーナでございます。一年間同じクラスとなります。何卒宜しくお願い致します」



殿下の視線を捕まえ、俺がそう声を掛けると、殿下はニッコリ笑いながら鷹揚に答えてくれた。


「タクト君。久しぶりですね。ここは学園です。殿下は止めましょう。身分は変えられませんが、学園内では同等で良いと思っていますよ。私の事はレナードと。

 ワクワクして入学が待ち遠しかったのです。共に学園生活を楽しみましょう。宜しく頼みますね」



うーん。何て良い子なのだろう。

俺は前世も合せるともう四十路なので、レナード殿下のかわいらしさに思わず微笑んでしまった。


「はい。レナード様。宜しくお願い致します」



俺は言葉が軽い分、頭をしっかり下げて、取り巻きの高位子女の皆さまにも同様の挨拶を済ませ、その場を離れた。




本来ならこのクラス全員と面識を持つべきだろうが、それは明日以降にしよう。俺にはやるべき事がある。



ルルカからのファーストミッションだ。



彼女曰く

「一番最初が肝心です」との事。







俺はミッションを果たすべく、生徒会室に向かう。

場所は先生に聞いておいた。





「失礼します」

ノックしたあと、ドアに手を掛け、そう告げて生徒会室に入室する。



「はい。どうぞ。どなた?

 あ、タクト君じゃない。さっきも見つけたわよ。お久しぶり。少し合わない間に大きくなったわね。どうしたの?」



そう、俺に答えてくれたのは、先ほどの入学式で挨拶をした生徒会長で四年生のソフィアさんだ。


ソフィアさんは、父同士が親友で家の交流があり、ある意味幼馴染で、ソフィアさんが学園に入るまでは良く遊んだ仲だ。


幼い頃から可愛かったが、プラチナブロンド見事な髪を綺麗に巻き、大きな目に軽くメイクをして、赤縁メガネを掛けた様子が、俺の超どストライク過ぎて尊い。



後ろ手にドアを締めながら生徒会室を見回すと、好都合な事に誰も居ない。



「急に来てすみません。最近お会いしてなかったところに、会長挨拶で顔をお見掛けしたら、懐かしくって。つい来てしまいました。もうお帰りですか?」



「私も懐かしいわ。そう、もうみんな帰ってしまって。私も戸締りをして帰るところよ」





俺は気づかれない様にドアに鍵をかけると、笑顔のままソフィアさんに近づき、話を進める。


「いや、正直、ソフィアさんの顔を見た瞬間に、昔の事を鮮明に思い出してしまって。

二人の秘密、覚えています?」



俺の言葉を聞いた途端、ソフィアさんが少し顔を赤くして、もじもじした後、俺にこう告げる。


「タクト君たら。もー。そんなにお姉さんと、、、キスしたいの?」




俺は、ソフィアさんに近づくと、彼女も乗り気で体を近づけてくる。

そう、俺たちは子供の頃、物陰に隠れて唇を吸い合っていた。


年端もいかない子供同士のキスは、いけない背徳感に満ちていて、刺激的で、ソフィアさんと俺との秘密だった。



だが、今の俺のキスは当時とはレベルが違う。

今なら、キスだけで体の自由を奪える。ルルカにそう仕込まれたし、自信があった。



俺を甘く見ているソフィアさんを書棚の陰に誘導し、唇を重ねる。

今は俺の方が身長が高くなっており、彼女の腰に手を回してリードする格好だ。


最初は余裕がある様子だったソフィアさんも、徐々に快楽に負け、体の力が抜けて、目がトロンとして来ている。キスより先の経験は無いのだろうか。キスだけで相当に感じてしまっている。




ここが責め時と思い、続けて唇を重ねながら、口内を蹂躙し、さらに骨抜きにしていく。彼女はもう自分で立っていられないほどに力が抜けている。思考も低下している様で、荒い息使いとあえぎ声以外言葉が出て来ない。




俺はここまで来れば、と彼女の首筋に舌を這わせながら、制服のスカートに手を忍ばせる。そこは熱を帯びており、潤いが足を伝って垂れている。



秘部にソフトに指を当て、声が漏れ出す口を唇で蓋をする。

間もなくソフィアさんは軽く痙攣し、達した。



さてここまでは導入部。

ここから数時間でどこまで俺の物に出来るかだ。



俺は、息も絶え絶えで思考力が低下しているソフィアさんにこう畳みかける。

「ソフィア姉さま、続きがしたい。このまま一緒にもっともっと気持ちよくなろう?」


昔の呼び名で甘えると、俺は念のため、生徒会室のカーテンを全て閉め、明かりを遮断して、ソフィアさんとの続きを始めた。



数時間掛けて、慎重に調教して行く。

これまでメイドたちで試した方法を、焦らず、相手の様子を観察しながら、じっくりと。



ルルカから、

「タクト様は与える人にならなければなりません」


 と教育された。

自分の欲望を叶えるために事を成すのではなく、相手の欲望を叶えてあげるために事を成し、満ち足りた幸せを与える。

それが支配者の義務であり、自らの喜びにしなければならないのだと。



ソフィアさんの欲望を叶えてあげる、その事に全神経を集中し、彼女が望む様に快楽を与えた。


俺のものも、自らの欲望のまま与えるのではなく、彼女が「欲しい」と願うまでお預けした。


こうして、その日、ソフィアは身も心も俺のものになった。




ファーストミッション コンプリートだ。






もちろんその日は帰宅して、ベッドでルルカに報告した。

どんな風にソフィアの欲望を叶えてあげたか、説明しながら、ルルカにも沢山与えた。


その日の彼女の気は、それまでより一掃深かった。極みに果ては無い。




俺は幸せを感じていた。









翌日から、通常の授業が開始されたが、授業は平穏そのものだ。

そして俺は人間観察を始めた。このクラスを掌握するには、誰と仲良くなり、誰に言う事をきかせるべきか、そのために誰を利用するべきか。

しっかり作戦を練る。


更に俺は生徒会長の推薦で、生徒会執行部に入る事になった。まず頭を取りなさいというルルカの指示通り、会長を落とした俺はすんなり学園の中枢に潜り込む事が出来た。



当然、ソフィア会長には、放課後の生徒会室や、生徒会が管理している倉庫など、学園内の目立たない場所で、彼女の望みを叶えてあげる。


入学して一月が経つ頃には、彼女は俺とのキスだけで達する事が出来る様になった。




生徒会には、高位貴族が多数名を連ねており、ソフィア会長のお陰で俺は人脈作りに苦労する事無く、学園在学中も、卒業後もその人脈を活かして渡って行けそうだ。


ルルカは事が分かっているな。




もちろん、俺は学業もおろそかにする訳には行かない。

ルルカとの約束で、学年主席を維持しなければならないからだ。

俺自身それほど地頭が良い訳ではないし、授業は難解だ。しかし俺には超優秀なルルカが付いている。


夜のご褒美につられた事もあり、学園と家での勉学に励み、一年目の最初の定期試験では、見事に首位を獲得した。

二位のレナード殿下にはギリギリで勝ったが、人の好い殿下は、悔しがるどころか、俺を褒めてくれ、また、王陛下にも話したらしい。



家に帰ると、父上から王陛下から聞いたぞ、と褒められた。

それに生徒会で交流している高位貴族子女からの覚えもめでたいらしい。



これを好機と俺がルルカの事を切り出す。


「父上、お願いがあります。これも全部ルルカのお陰です。私はルルカと一生一緒に居たいと思っています。彼女もそう思ってくれています。まだ子供の戯言ですが、気持ちは本気です」



俺がそう告げると、一瞬考えた後に父上がこう切り出した。



「お前はここ一年で大分成長した。それは認めよう。年の差も年を経ればそれほど問題にはならん。だが彼女は難しい事情を抱えておる。それを解決しない事には先に進めぬ。現状では約束はできんぞ」



もちろんそんな事は分かっています。

俺とルルカは秘密を共有しているのだから。



「今はその言葉だけ頂ければ十分です。私は味方を増やして彼女を守りたい、それだけを考えています。今はただの子供ですが、きっと成長して彼女をその事情から守ります。父上もお仕事の上で難しい事もあるかもしれませんが、応援して下さい」



父上は、お前は全部知っているんだなという目で俺を見るので、視線でそれを肯定して見せた。




「よかろう。成長せよ。我が息子」





そうして大きな目標が出来た俺の充実した学園生活は過ぎて行った。



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