6話
元々魔法学園に早めに入るには、国王と学園の許可がいる。
それは正式に魔法について学ぶ為、早めに入学が難しいからだ。
スレッドいわく、スレッドも既に入る域にはあったが、まだ幼いという理由と目覚めたレイナが苦労しないようにと、2年間魔法学園にいる父の助手をしており、入学はしていなかったそうた。
最悪の自体も想定して助手になっていたが、生活に支障がないレイナを見て、スレッドは安心したようだった。
「手なわけで、俺も姉様と一緒に入学することになったから安心して」
「なんか、父様にもスレッドにも申し訳ないわ。
歩けるようになったのは、よかったけど。」
最悪の自体、つまり歩けないという事を想定して2年も学園に行かせなかった父にも、スレッドにもレイナは申し訳無かった。
多分、そうなっていたら。スレッドは学園を辞めて領地に戻るとか言いかねないからだ。
「大丈夫だよ、あ、ポプリお菓子を貰える?」
落ち込むレイナを慰めつつ、慣れたようにポプリに頼む。2年前はポプリにも敬語だったのに、毎回顔を見に来ていたのだろう。
「かしこまりました。」
「どーせ、レモンタルトでしょ?」
何気なく呟いた言葉に、ポプリもスレッドもキョトンとした顔で見てきた。
「どうしたの?」
「いや-……誰だよ。びっくりさせようとおもったのに。」
…なにかあったのかしら?
少し拗ねた顔をしたスレッドに、レイナは何か癪に障る事を言ったかと不安になる。
ブツブツいうスレッドを心配しながら、隣のポプリを見ると、彼女も苦笑するだけだった。
ますます訳がわからなくて、首を傾げながら「ほら食べよ!」と勧めることしか出来なかった。