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データベースなら、華麗に逃げてみせます  作者: なつやさい
データベース 暴走する
41/41

39話


 静かな書斎で一つ、うっすらと炎が燃えている。

時刻は深夜、周りには人の気配すらない、そんな時刻だ。


月も隠れたそんな夜、影が二つ書斎の炎とともに立っている。


「また失敗か……」


そんな声を発したのは、白いローブを深くかぶった人影だ。


背丈もそれほど高くないが、月の色で輝くローブはまるで月夜の使者のようである。


「まぁ、いつものことデスネ」


片言に近いその声は、黒いローブを被っている人影だ。

二つの影はともに、ろうそくを手に持ち向かい合っている。


「ちょっと、うまく行ってないデスネ」


「またそんなノンキな事を言って、だれかが脚本を変えているんじゃないの?」


「そんなハズ……聖女でもない限りありえないデショ」


手に持っている本を開きながら、ローブの影は楽しそうに笑っている。


真正面に座っている白いローブは、そんな影を見ながら思わず口元に手を当ててしまう。

彼がこうなってしまっては話にならない。

いや、話にならないどころではなく「使えない」が正しいかもしれない。


思わず立ち上がって怒鳴りたくなる衝動に耐えながら、「もう一人」を見つめて大きくため息を吐いた。


似たような姿形をしていて、それでいて「全然違う自分」には、正直不快すら覚えてくるのだ。


これ以上彼を煽ってはいけない、嫌な予感に白いローブの人は咳払いをして話をそらすことにした。


「では、このまま聖女を連れ出してみますか?」


「嫌、いやいや、別の方法を考えよう」


「別の方法?」


「そう、ボクだって創造できるでしょ?いや、想像?なんでも一緒ダネ。

ここを少し変えてみようと思う」


そう言って「もう一人」は楽しそうに笑うのだった。


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