31話
大変お待たせいしました。
お話動き出します。
ポプリを連れて自室に戻ると、彼女は椅子を引いて座らせてくれた。
その流れで、いつもの様に紅茶を注ぎつつ、レイナの好きなお菓子をトレイに置く。
相変わらずの手際の良さに、こちらまで申し訳なってきてしまう。
でも今はどうしても聞いておきたかったのだ。
このままもし、病気だった場合。2年間寝ていたんだし、また家族に迷惑をかけてしまう。
「あのね、ポプリ。」
「はい、どうぞ。」
そう言ってお茶を渡してきたので、レイナは素直に受け取ると落ち着かせるように喉を潤した。
「話しにくい事でしょうから、いいタイミングで大丈夫です。
私はいつでもお傍に使えています。」
「ありがとう。
大丈夫よ、あのね……こう、胸が痛むのって病気なのかしら?」
すっと自分の胸に手を当てて唱えると、彼女は目を細めながら見てきた。
「痛むと言いますと、どんな感じなんですか?」
「そうねぇ、とある事で悩んだりしたらかな?」
殿下が、とは言わなかった。
なんかいうのも恥ずかしい気がしたから。
でも、長年一緒にいたポプリは何を思ったのか「ふむ」と言うと、うっすら微笑んでくれた。
「私の口から素直に言えませんが。
多分、病気ではありませんよ。」
「え、でも胸が痛いのって……。私眠っていたんだしありえるんじゃない?!」
「そうですね、もし眩暈がしたり。倒れたりしたら大変なので、私も気にしておきますが。
勘違いでなければ、大丈夫です。」
そう言いつつ、ポプリは「あの男が相手って尺ですけどね」など、ぶつぶつ言っているのだが、当然レイナの耳には入ってこない。
病気じゃないってだけで安心なのだ。
……そう、ポプリがいうならそうよね!
今までもやもやしていた物が、すーっと消えた気がして、レイナはつられてポプリに笑いかけた。
彼女がいうなら間違いない、だってずっと仕えている大事な人でもあるから。
ポプリと話終わった後、レイナは自室で一人背伸びをして考えていた。
「やる事って言ったら、シャーロットが聖女にならない事なのよね。
でもこればかりはどうしようもないし、私はただ情報が見えるだけだし……。」
これを何に使えというのだ?
もしシャーロットがエディが好きだっていうなら、エディのを見せてほしかった。
「私が見れる人は、スレッドと殿下……後……。」
……そういえば、今まで意識していなかったけど。彼らだけなのかしら?
そう考えると、もしかして私の知らない事があるのかもしれない。
「シャーロットを止める為に、私が出来る事。
もう黙っている暇はないわね」
仕方ない、自分がこの力をもらったのも何かの縁だろう。
それに……。
ふと出会った少女を思い出した、彼女は「救って」と泣いていたのだ。
なんの誰の事か分らないけど。
その為に力をかけてみよう、そう思う。




