サイト視点 29話
お待たせいたしました
遅くなり、話が進まない。
☆
眠り姫との会話を終えたらしく、殿下が戻ってきたのは夕方過ぎだった。
殿下がコストレイス家の令嬢である、レイナ様を気に入りだしているのは俺は勿論、エディも気づいている様子だった。
エディは口には出さないようだが、不安そうな表情で殿下を見るし
ついでに俺を見て来るのもやめてもらいたい。
俺は、一応側近として近くにいる訳であって、殿下…ジョシュアの相談役でもなんでもないのだ。
「サイト。」
ふと、書類から顔をあげるとジョシュアが手招きしてくるのがわかった、女性が見たら歓喜するであろう、整った顔立ちをしているジョシュア殿下だが、俺たちには友人の様に接してくれる。
まぁ俺たちがそっけない態度をとらないようにしているのも、彼が「普通の魔法学園生徒」となれるようにしてだったりするんだが
「なんですか?」
そっとジョシュア殿下が防音魔法をかけたので、俺は口調を崩すことにした。
「どうしたんです?眠り姫に喧嘩うってきたんすか?」
「いや。むしろ彼女から驚きの事を聞いて混乱しているだけだ」
「はぁ?」と無意識に声が出たのは許してほしい、何を聴いてきたんだこの人は。
これ以上問題を増やさないでほしい気がするが、この二人の関係は俺から見て楽しいので黙っておく。
そんな俺を他所に、ジョシュア殿下は書類を渡してきた。
そんなぷくっとした顔したって、俺はしりませんからね。
こう見えて、側近なだけであって保護者でもないんですし、なんなら俺だって彼女欲しいですよ。
エディも最近心がここにあらずだし、なんで俺だけ持てないんだろうなぁ
騎士ってモテるもんじゃないんすかね?やっぱりこの人のせいだろうか。
「サイト、次の月にシャーロットが儀式をするらしい。それによって俺の婚約が決まるらしい」
「よかったじゃないですか、可愛い奥さん出来て」
「思っていないだろう、明らかにシャーロットが王妃になったら戦争が開始しちゃうだろうが」
「まぁそうっすね。で、俺に何をさせたいんすか?」
俺が眉間にしわを寄せながら聞くと、殿下はため息をつきながら話してきた。
その内容に俺はため息をつきたくなる。
人使い荒すぎる仕事だ
「わかりましたよ」
「すまない、あと、エディには内緒で頼む」
「あいつには教えないんですか?とりあえず、騎士団で支給動けるもので陛下の息がかかってない者ですね」
「父上はちょっとな」
そうため息を吐く殿下に俺は「そっすねー」というと、そっと防音結界の外に向かって目線を送った。
「ライ、そこにいるんだろう?」
そう話すと、暗闇からそっと白銀の少年が姿を現す。いつになく呼んだらすぐにくる「ライ」に俺は関心してしまう
「お呼びですか、サイト様」
「殿下から勅令だ、シャーロット様を確認しろ」
「確認とは?」
「白魔法を出来る限り使わない様に」
「かしこまりました」
そういうと、ライはスッとまた暗闇に溶け込んでいった。そのまま殿下に視線を送りつつ「儀式はいつですか?」と確認を取る
「聖女になる予定の日が月頭だ、それ前に隣国が動く可能性が高い」
「ですよね、ライ曰く結界が歪んでいるみたいっす」
「やっぱりか」
「できる限り使わせないように護衛しつつ、状況を見ておきましょう」
「あと、エディには内緒で頼む」
「かしこまりました」
そういうと、俺はそのまま殿下の部屋を後にするのだった。




