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データベースなら、華麗に逃げてみせます  作者: なつやさい
データベースと王族
28/41

27話


「え、どうしたんですか?」


思わず聞いてしまった問いに、ジョシュアは少し唇を尖らせながら子供っぽい表情をする。その姿が可愛いと思わずおもってしまう位、普段のジョシュアでは見せない幼い表情をしているのだ。


「レイナは、そんな話を俺が信じないと思っていたのだろう?」


「まぁ、それもありましたが。ひっそり学園を謳歌すればいいかなと。」


「そんなに頼りなくみえていたのか・・・。」


「え?」


何か言ったかと聞き返すと、そっけなく視線をそらしながらジョシュアは庭園を見詰めている。

その表情は読み取れないが、落ち込んでいるように感じる。


……この殿下はどうしたというのだろう?


いきなり拗ねて小さい頃のスレッドを思い出し、レイナはそっと得意の緑魔法で花を手元に集めると小さな王冠を作りジョシュアの頭にかぶせてあげる。


「何に怒っておいでか分からないですが、我が王様にもう隠し事はしませんよ。」


「怒ってなどない。ただ、せっかく仲良くなったのに秘密にされたのが癪なだけだ。」


「怒ってるじゃないですか、ふふ。意外と子供っぽいですね。」


「笑うな。眠り姫に言われたくない。」


「それは関係ないでしょ。」


思わず反論しようと腕をのばしたが、その手はあっさり捕まり尚且つジョシュアの方へ、ぐいっと引っ張られる。


「え!」


思わず目をつぶったレイナの体が暖かいのに包まれている感覚で、そっと目をあけた。目の前には一面黒い色しか見えるしかしがっしりと、だれかに包まれている感覚はある。


自分より少し背の高いジョシュアによって、あっさり抱きしめられていると気づくのに時間はかからなかった。

それより、その行動自体にパニックである。


「殿下?!」


思わず、殿下呼びをすると包んでいる腕に力が入る。さらに強く抱きしめられてしまい、レイナは顔に熱が集まるのを隠せない。

なんせ、異性に抱きしめられる事すら初めてなのだ。

弟であるスレッドを抱きしめることはあっても、それも小さい頃の話である。今はしようとすると逃げられるくらいだ。


「レイナ、このまま聞いてくれ。」


少し落ち着いた声を耳元でささやかれ、レイナの頭は真っ白になってしまう。

普段の聞きなれたジョシュアとは違い、少し大人っぽい声質になっているのだ。


「俺も、黙っていたことは悪い。実際父上の考えにあまり賛同できないのも本音だ。

君のいうように、シャーロットが聖女になったら戦争になるのは目に見えてわかる。どの国も聖女は欲しいからな。」


「でも・・・。」


「止めれないのは知っているだろう。実質俺は父上の息子ではあるが血がつながっていない。だから、俺は父上に反対する力があまりなかった。」


……やっぱり


そっと腕をジョシュアの背中に回すと、レイナは優しくたたいた。それはいつも泣きそうなスレッドにしていた慰め方である。レイナ自身母を早くになくしており、ジョシュアの寂しさがわかるのだ。

その行動に驚いたようだが、ジョシュアはそっとレイナの肩に頭をのせると見えないように屈んできた。


今、彼女の頭に浮かぶのは彼の情報である。詳しく聞かなくても理由は理解できた。

 国王の血は含まれず、しかし若くして亡くなった兄の子供であるジョシュアを引き取った国王に口を出せない、それがジョシュアの本音である。


 国王は生まれつき「可能」がない病気だった、だから子供に恵まれず兄の子供を育てるしかなくなったのだ。しかしこれはトップシークレットであり、レイナやスレッドは勿論シャーロットも本来しらない王族の話である。


つまりジョシュアと国王は血がつながっていないのだ、いや遠くでは繋がっているが本来の親ではない。


・・・・・・実の親じゃなくても、育ててくれて王子として接している国王を裏切れないわよね。



「殿下自身は、シャーロットをどう感じているんですか?」


「彼女に関しては、流されやすいから心配ではある。」


ずきっと痛みが走る気がしたが、レイナはその感覚を知らないふりをした。

少し胸が苦しくなるのは、抱きしめられているからだろうか。そんなことを思ったがすぐに振り払う。


「大切なんですね。」


「まぁ、聖女にはしたくないな。彼女も本音を言えばいいのだが。」


「本音ですか?」


「ああ。彼女が思っていることだ。」

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