22話
あれから昨日の1件依頼、スレッドは落ち込んだ表情が多くなっていた。
それは第三者からみても明らかで、レイナ以外屋敷の使用人も気づいていた。
あの後、シャーロットはレモンタルトを渡してスレッドと和解したようだが彼女に対して、スレッドがどう対応したか、レイナには分からなかった。
☆
一悶着があっても、期末テストは慈悲もなくやってくる。
太陽が照りつける火月の下旬、いつものように中庭でテスト結構にため息を着きながら見つめていた。
「これじゃあ、父様に心配されるわね」
結果はギリギリ合格ライン。
頼みの綱だったスレッドが、ポンコツになってしまったから仕方ないが、教授である父にバレたらレイナは生きていけないかも知れない。
赤に近い点数の紙を燃やしてしまおうかと考えたとき、スっと上からそれをとりあげられてしまった。
「あ!」
「うわぁ、眠り姫。
これは流石にヤバいですよ……」
いつの間にかジョシュアが後ろに立っており、レイナのテスト用紙をとりあげられてた、いるではないか。
流石に、あの点数を見られるのは恥ずかしすぎる。
「ちょっと返してください!」
「姫様は、魔法苦手なんすか?」
「殿下に関係ありません!」
ブンっと良い音と共に紙を引っ張ると、流石にジョシュアも苦笑している。
……サイト様がいないと何でこう、子供みたいな事をするのかしら
睨みを聞かせながら、今サイトが居ない事に気づきため息をはいた。
まるでいたずらっ子のように、クスクス笑いながらジョシュアはレイナの隣に座る。
「まさか、眠り姫が魔法が苦手なんてな」
「違います、筆記が苦手なだけです。
いつもなら、スレッドが見てくれるんですが。」
「あー。」
スレッドの態度を分かってか、ジョシュアは苦笑する。
「どうだい?スレッドは?」
「まだ何か悩んでます……」
「うーん。
やっぱり、恋煩いなのかなぁ。」
「でも。」
チラッとジョシュアをみると、頭に情報が入ってくる。
シャーロットのこと、スレッドのこと。
……私の能力も話したら決定的なんだけどね。
話したくても、信じてもらえるか事情が無かった。
あの日、スレッドは頭痛が酷かったらしい。
そして図書館での1件の後、気がついたら中庭でジョシュア達に名前を呼ばれていたと。
つまり、何故殿下を襲ったのか記憶にないというのだ。
だから、最初スレッドの恋煩いからの暴走ではとなった、あの1件は謎になった。
ただ、スレッドはシャーロットと仲良くなったのは最近で、これが恋かは分かっていない。
……まさか本当に神様のイタズラ?
「神様のイタズラかねぇ」
「え?!」
まさか思っているのを言われると思わず、隣のジョシュアをみると眠そうに欠伸をしていた。
「シャーロットが、神様の声がきこえるというし。
あの時もその通りに行動したらしい」
「それなら」
スレッドは遊びのコマでは無いか!
思わず立ち上がったレイナに、ジョシュアは苦笑する。
「サイトも偶に頭痛を訴えるんだ。
アイツは、あの一件からシャーロットと離れている」
「サイト様も?」
「何故かシャーロットの周りではよくあると。」
「……殿下は?」
レイナが不安になり聞くと、ジョシュアは寂しそうに笑いながら、彼女を見つめる。
「レイナが話してくれたら、はなすよ。」




