21話
「スレッド様がシャーロット様に恋焦がれてるとか、聞いた事はありますか?
一応、彼女は殿下の許嫁になりますが。」
ピクっとレイナの眉が反応する。
許嫁だからと釘を刺されては、もしスレッドが片思いならと考えると、レイナは姉として応援する気でいた。
レイナはいつもよりぎこちない笑顔を貼り付けながら、サイトを見つめるしか無かった。
全てを見透かしているような、漆黒の日がまるでヤタカラスのようにさえ感じられる。
睨み合っても仕方ないと、はぁっと息を吐くとポーカーフェイスを崩して腕を組んだ。
もう悩みすぎて頭が痛いのだ。
「無礼を承知でいいます。
私は2年程眠っていたため、私の中ではスレッドは12歳の可愛い弟のままです。
でも、目覚めてからもそんな浮ついた話は聞いた事がありませんし。
なんなら、殿下達が詳しいんではないですか?」
少し強めに話すが、この騎士には聞かないだろうと思っている。
有無を言わず嘘なんて付いたら、何があるか分かったもんじゃない。
しかし、実際問題レイナは知らなかったのだ。
「やはりか……。」
「えっ?」
何故か納得したように、ウンウン頷く二人を他所にレイナは状況が読み取れずキョトンとしてしまう。
先程まで真剣な表情をしていたジョシュアがサイトの肩を叩いて、下がらせた。
「サイト顔が怖くなっているんだよ。
レイナがビビっているだろ。」
「殿下、そんなの生まれつきです!それに!」
「決まりじゃないか、レイナの話を聞いた限らだと。」
ニッと笑いながら、ジョシュアはサイトに注意すると空気が一気に変わる。
サイトは苦虫をかみ潰したような表情をしていたが、そっと後ろにいくとブツブツ生まれつきだし。などと言っていた。
……笑うのが苦手なのね。
新たに頭に入る情報に、ちょっと可愛いところがあるなぁ、とマイペースに考えている余裕が生まれていた。
「実は、先程スレッドに聞いたんだよ。
シャーロットを好きなのかと。」
「ちょ、直球ですね」
「まぁ、仮にも聖女様だし、名前では許嫁だしな。そしたら、スレッドがこう話したんだ。」




