2話
「ん……」
眩しい光で目が覚める。
何か長い夢を見ていた気がする、覚えてるのが断面的にしかなく、体がめちゃくちゃダルい。
「お嬢様……?」
聞きなれた声がして視線を向けると、自分の専属メイドでもあるポプリが心配そうな顔をしていた。
「ポプ…リ」
「お嬢様!よかった、目が覚めたんですね!」
今にも泣きそうな顔のポプリが、直ぐに駆け寄ってきた。
目には涙が溜まっており、大袈裟だなぁ、なんて考えてしまう。
でも体がダルいのと、声が掠れてるのに気づいた。
「私は……」
「待っていてください、今果物水をお持ちしますので!」
バタバタと走っていくポプリを見ながら、またメイド長に叱られるよ。と声を掛けたかったが、出たのは小さなため息だった。
一体私の体に何があったの?
体はダルいし、足は痛いし、オマケに綺麗に整えていた髪は、少し痛みがある。
自分のアッシュ色の髪を触りながら、いつの間にこんなに伸びたのだろう。と不思議におもってしまう。
そういえば、専属メイドのポプリも少し大人びていた。
彼女は、自分より3つ上だから大人らしいが、記憶のポプリより少し落ち着きがあったような雰囲気がある。
ますます不安になって、体を起こそうとした時にドアがノックした。
「入りますね」
返答も待たず入るポプリの後ろには、白衣を纏った老人が後に続く。
彼は見覚えがあった。
私の家である、コストレイス家の専属医師である方だ。
昔大きな病院の医者だったようで、父が腕に惚れ雇ったと聞いている。
優しいお爺さんだが、腕は確かでしょっちゅう怪我をすると怒られたものだ。
「では、レイナお嬢様ちょっと診察しましょうかね」
ポプリに支えらながら起き上がると、ベット横にお医者様は座りふむふむと何がメモり始めた。
「あの、私何があったんですか?」
「まず、そこから話そうかね」