19話
保健室に到着すると、シャーロットはやっと握っていた手を離してくれた。
この時間生徒もいないので、保健室に入るとシャーロットは保険医に事情を話、2人きりにしてくれた。
「シャーロット?」
シャーロットは、レイナの問いかけに答えず、そっとレイナの手を取ると治癒術を掛けてくれた。
しかし、その表情は真正面にいるレイナでさえ見ることが出来ない。
泣いているのか、はたまた呆れているのか、あるいは怒っているのか。
「レイナは神を信じられますか?」
「神様……ですか?」
突然の問いかけに、レイナはポカンと口を開けてしまったが直ぐに咳払いをして表情を戻した。
淑女としての立ち回りを忘れない辺、伊達に長く令嬢をしていない。
「はい。」
「見たことは無いですが、魔法が使える以上いると、私は思います。」
……それにこのデータベースの力も。
一般人として生きて行こうとしたのに、映像でみた方に囲まれてるやら、シャーロットと仲良くなるやら、レイナは神を信じるしか有り得ない。
しかし何故それを聞くのだ?と首を傾げていると、シャーロットは口に手を当てながら考えてる最中だ。
「シャーロット、なにかあったの?」
ここには、二人しかいない。堅苦しい言い方を止めていつもの様に友達として、レイナは問いかけた。
それほど、シャーロットの表情が沈んでいたのだ。
「私は、分からないんです。
昔かりこの治癒術が使えてそれに偶に主の声が聞こえてました。
父も国王様もそれが素晴らしい事だと言います。
でも、先程のスレッド様のを見ると悩んでしまうんです。
庭に居たのも、主が王子とお話しなさいと行ったからでした。」
「主……神様の声が?」
それは凄い事だ、国の神官でさえ神の声を聞くのは大量の魔力を使う。
この国ではそれ程魔力が強くないと難しいのだ。
シャーロットは本物の聖女だと、認めてるようで軽く目眩を覚えてしまう。
これは軽く話てはいけない、聖女の加護があればどんな戦争も起こせてしまう、治癒術があるからだ。
額に手をあてながら、レイナはため息をはいた。
周りに人がいない事を確認して、レイナはとりあえず椅子に腰掛ける。
やれやれ、手のかかる子供を持った気分だった、レイナの姉属性が反応してしまう。
「はい……。
ただ、この力を使うと怒る方がいます。
ジョシュア様もあまり使うのを勧めません、でも私はコレしか取り柄がないんです。
主がくれる言葉通りに今までやってきたんです。
」
「私は、神様の声は聞こえないけど。
シャーロットの力は本物だって思うわ。」
「なら……。」
「でも、それを悪用する人だって必ずいると思うわ。
シャーロットの神託で戦争起こせちゃうし、治癒術があれば無敵じゃない。」
「戦争……」
「そう、こんな平和だけど他国は戦争してる国もいるでしょう?
多分使わないで、っていった方もそれが心配なんじゃないかしら?」
今にも泣きそうな、シャーロットにレイナはキツく言いすぎたかな?と少し不安になった。
自分のデータベースは、喋らなければいいが彼女は違う。
治癒術はバレてしまっているし、聖女として祭り上げられるのも、時間の問題だ。
だから、レイナはやりたく無かったが悩む彼女に助言する事にした。
抗って逃げている自分が。少しだけ申し訳なくなったからだ。
「私が言えるのは、【スレッドは落ち込んでるあの子レモンタルトが好きだから、プレゼントしてあげて。】」
優しく笑いながら、レイナはシャーロットの頭を優しく撫でてその場を後にした。




