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データベースなら、華麗に逃げてみせます  作者: なつやさい
データベース、巻き込まれる
18/41

18話


「スレッド!落ち着きなさい!」


まさか、スレッドがそんな事を考えるとは。

急いで外に出てみると、今にも食いつきそうに睨むスレッドと、泣きそうな顔のシャーロット、そして胸元を掴まれているジョシュアが目に入った。


ジョジュアは仮にも王族であり、この国の王子だ。

もし殴ったとあったら、スレッドもだがコストレイス家が迫害されてしまう。

姉として出来るのは、頭に上がっているスレッドを止めるしかない。


嫌な予感がしていた、レイナは、スレッドがシャーロットに興味がある姿を見せてなかったから、大丈夫だろう。と余裕をしていた自分を殴りたくなった。

大人びて見えるが、スレッドはまだ14歳なのだ。

姉が大好きで、恋など知らない子供だと思っていた。

しかしよく考えたら、あの映像にいたではないか。


「スレッド!落ち着きなさいって!」

「姉様離してください!

俺は殿下が許せないんです!」


何とか胸元から手を離させると、それでも食ってかかるスレッドに、レイナは思わずビンタをかました。


「え……」


キョトンとした表情のスレッドに、ビンタをしたままレイナはまっすぐ見ていた。

彼女の瞳は怒りに燃えていた、それを感じ取ったのか、痛みでなのか段々、スレッドの焦点があっていく。


彼女が弟を叩いたのは初めてだったし、スレッドも叩かれたのは初めてだった。

乾いた空気の中、シャーロットがゆっくりレイナの近くに歩み寄るまで、誰一人動けない。


「手を出してください……」

「シャーロット様。」

「ジョシュア様、レイナ様の手当をして来ます。ここは失礼します。」


凛とした声を発しながら、ジョシュアの返答もまたずにシャーロットはレイナを引く。

まだピリピリ痛む手を見つめながら、レイナはその流れにのるしかなかった。


彼女はショックだったのだ。あの状況でレイナ自身、どうすればスレッドを止められるのか分からなかったし、まさかあんなに暴走してしまうとは考えもしなかった。


夕暮れに近い時間帯で、学園はもちろん図書館も人が居らず、二人の女子生徒の影が広い廊下に伸びる。

真っ直ぐ歩くシャーロットの表情は読み取れず、それがレイナには不安を仰いだ。


……あれは、スレッドがシャーロットを好きだから嫉妬よね。


自分の恋愛はそっちのけだが、恋愛小説を沢山読んだので相手の心情がわかる。

それだから、レイナは余計唇を噛み締めた。

データベースとしては個人情報が分かるが、あまり見たくないのが本音だ。



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