11話
学園の生徒会長でもあり、次期王位継承者でもあるジョシュア王子。
そして、その側近であり騎士の家系であるリーダス家の三男にあたる、サイト・リーダスである。
どちらも幼い頃会っていると、スレッドから聞いていたがレイナには記憶がなかった。
それ位、2人とも大人へと成長していたのだから無理もない。
2人が新入生への挨拶で上がった時に、スレッドと同じく情報が流れてきたから、確定なのだろう。
夢の子いわく、データベース。
正夢にならないように、レイナは、できる限り殿下とサイト騎士から距離を取るようにしていた。
そしてもうひとつが、スレッドが【神に愛されし少女】こと、シャーロットと仲良くなった事も気がかりだった。
「やっぱり正夢になっちゃうのかしら。」
シャーロットは、夢で殿下達に囲まれていた少女で間違えないし、実際そろってしまった。
「いやいや。正夢にしたら私死んじゃうのよ。
なんとか逃げなきゃ。」
どう死ぬのか、その話は無かったが夢の映像では死んでしまう自分。
スレッドが悲しそうに話たり、はたまた殿下が話したり、まるで神様が操作しているように、毎回レイナは死ぬのだ。
……卒業式までに逃げてやるわ。
☆
今日はスレッドは父の手伝いということもあり、レイナは放課後学園の庭園に足を運んでいた。
学園の外れにあるこの場所は、土の加護が多く緑が生い茂っている。
元々レイナ自身が、土や木の関係がある緑属性と相性がいいのもあり、彼女のお気に入りの場所になっていた。
少しうるさい学園の騒音もなく、庭園は静かで風の音しかしない。
庭園の真ん中には、水魔法の練習用に大きな噴水があり、それが見えるようにひっそりベンチがある。
隠れた場所にあるベンチは、彼女のお気に入りでスレッドが居ない時は小説を読んで時間を潰すのにピッタリの場所なのだ。
……今日もサンドウィッチをつまみながら、読書をしようかしら。
スレッドから一緒に帰ろうと提案があったので、彼を待つまでの時間潰しにはちょうどいい。
先程、売店でサンドウィッチを購入したのでそれを食べながら、本でも読もうとウキウキする。
この時間がレイナのお気に入りなので、少し鼻歌交じりになってしまう。
「うそ……でしょう?」
ウキウキの上機嫌は、目の前の現実によって吹っ飛んでしまった。
ポツリと呟かれたセリフと一緒に。




