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ケモ耳美少年のなすがまま異世界観光   作者: にがみつしゅう
5/13

ヒロイン集合!みんな集まれ勉強会!

「まどうしょう、かんりきょく・・きょくちょう・・で、この国の・・じょおう、ほさかん・・の、マイラス・・さん、ですね。初めましてっ!ぼくはくすのk・・じゃないや、エンジュ・クスノキと申します!よろしくお願いいたします!」

「よろしく、()()()()()()。君がドリュースを止めてくれたんだね。彼は、僕の昔馴染みでね。幼い頃から、共に魔法の研鑽を積み重ねてきた仲だったのだが・・君も知っての通りの人物になってしまった。とても悲しかった・・怒りも沸いた。出来る事なら、僕自身の手で彼を止めたかったんだけどね。クスノキ少年・・僕に変わって彼を止めてくれた事・・本当にありがとう。心からの感謝を、君に伝えるよ」

「いっ、いえそんな・・ぼくは何もしてません。女神様が守ってくれたんです」

「いや、どんな形であれ・・君が行動した結果、ドリュースを止める事ができたんだ。本当に何もしていなかったら、それこそもっと罪無き子供達への被害が広がっていたよ。君が()()()子供達を守ったんだ。クスノキ少年、僕は勇気ある君の行動に敬意を払うよ」

「ぼくが・・子供達を・・守った・・・」


ーーマイラスの言葉を聞き、円寿はふと思った。自分の持っている(ちから)は所詮、たまたま女神から与えられた物に過ぎない。しかし、借り物の(ちから)でも誰かを助ける事は出来る。女神デメティールから言われた『何をするのか、それを探すのがこの世界に行く理由』という漠然的な言葉を思い出す。円寿は、この世界で自分がすべき使命が少しだけ分かったような気がしたーーー


円寿くん、早くもマイラスてイケメンさんと話し初めている・・・だっ、大丈夫かな円寿くん?普通に話しているけど、ドリュースさんみたいに最初は良い人そうに見えて実は悪い人でしたってパターンが無いとも言えない。少し・・いや、かなり不安。いや多分あの人は大丈夫そうだと思うんだけど・・あぁでもやっぱし初対面の魔導士さんは警戒しちゃう・・・

「・・・ふふっ、アキナちゃん。安心して。あの人は・・マイラスは大丈夫」

「アオイさん!そっ、そうなんですか?」

「うん、だってあの人は・・・」

「それで・・クスノキ少年。この場に向かっている時に、()()()()で様子を見ていたのだが・・・」

えっ?マイラスさん、見ていたって・・どこから?あっ、さっきそういえばドリュースさんを止めてくれたって言ってた・・・て事は、円寿くんが女神の加護を使っている所を見ていたって事だよね?これって結構まずいんじゃ・・・女神の加護なんて反則(チート)技能(スキル)、持っているなんて知られたら大変な事になるのでは!?あわわわわわ・・・

「クスノキ少年・・君は・・・」

「はいっ!」

()()の才があるんだね!」

「はいっ!・・・はい?」

せっ・・説論?何故?どうして説論?マイラスさんは何を見てそう思った?

「僕は見ていたよ。君がドリュースの前に立ち、目に涙を浮かべながら必死にドリュースを説得している所をね。僕も思わず目頭が熱くなったよ。外道に落ちたとはいえ、流石のドリュースも少年の魂の叫びには敵わなかったみたいだね。獣人の身体能力なら、子供の腕っぷしでも十分成人を拳で制裁を加える事は出来るたろう。しかし!少年!君は!拳では無く!言葉で!ドリュースを説得してみせた!つまり、説論の才があると言う事だ!・・・まぁ、僕は見ていただけだから、実際に少年が何を話していたのかは正確には分からないのだが・・・分からないけど・・分かるっ!分かるよっ!どんな言葉を言ったのか分からなくとも、少年の気持ちが・・獣人としての魂がっ!ドリュースの腐った心にも届いたと!僕はそう思うよ!」

「あっ・・えぇ・・えと・・はっはい!あっ、ありがとう・・ございます!」

えっ、円寿くんが少し困惑している・・おおらかで天然な円寿くんが困ってしまう程のマイラスさんの熱量。話しを聞く限り、マイラスさんが見始めたのは多分ドリュースさんが自分に向けて幽霊を放とうとして円寿くんがそれを消した直後ぽい・・かな?たしかに、その場面だけ見たら円寿くんがドリュースさんを説得している・・みたいに見える・・のかな?て事は、円寿くんが女神の加護を使っている所は見ていない・・・それにしてもマイラスさん、円寿くんを見る目が・・何と言うか、凄く純粋と言うか・・キラキラしている?この場に来た時は、凄いクールそうな人に見えたんだけど・・ギャップだ、ギャップ萌えだ。イケメンのギャップ萌え・・良いな・・・

「あ~・・・と、これは・・どういう事ですか・・アオイさん?」

「ふふっ、彼・・マイラスはね・・()()()なのよ」

「しっ・・しんじゅうか?」

「えぇ、獣人や獣人の文化に対してとても好意的なのよ、彼。まず、彼が支えている()()()()()()・・ナンシェーヌ・ドーター・ティリミナ女王陛下が親獣家なのよ。魔導省大臣のドミニック様もそうね。本来この国は、女王陛下の意思で獣人に対して好意的な国民が多いはずなんだけど・・やっぱり、少なからずそう思わない人もいるのが現状ね。女王陛下と彼・・マイラスは、何とかその現状を変えようと日々活動しているの。彼が魔導省管理局局長の立場にいるのも、それが理由よ」

つまり・・マイラスさんは本当に信じて良いと・・円寿くんに危害を加える様な人では無いと・・信じて良いんですかね?

「クスノキ少年!少年はドリュースに、どの様な言葉を伝えたんだい?」

「えっ?あっ・・え~・・とぉ・・その、感情が溢れ反っていて・・その、必死だったので・・もっ、申し訳ありません!何を話したのか、思い出せないです・・・」

「なんだって!?・・そうか・・記憶が飛ぶ程に感情を爆発させていたと・・・それ程までに、少年・・君は・・なんて純粋・・そしてなんて熱い男なんだ・・・くっ・・・」

「!?まっ、マイラスさん!?」

「・・・すまないクスノキ少年・・また目頭が熱くなってしまったよ。少年、君のその純粋であり熱き気持ちを・・これからも大切にして欲しい。少年がこの世界に生きているだけで、僕と・・僕達・・女王の今までの苦労は報われる。本当に・・本当にありがとう、クスノキ少年」

「はっ、はいっ!こっ、こちらこそっ!」

「そして誓うよ・・少年の思いに答える為・・ドリュースの罪を生きて償わせる為・・彼は僕達管理局が全身全霊を掛けて死神の手から守ろう」

「はいっ!よろしくお願いします!」

マイラスさん、片膝ついて円寿くんを見上げて手をとっている・・・この絵面・・まるで・・まるで、ぷっ・・プロポーズしているみたいだ!!イケメンが、美少年に・・プロポーズ・・・ほっ、ほほ・・ほほほほほほ・・これは、なかなか・・なかなかに・・良き絵面ですな・・こう・・丹田(たんでん)が熱くなると言いますか・・ふひひっ・・ありがとうございますご馳走様です眼福です助かります生きてくれてありがとう女神に感謝!!!

「あっそだ・・マイラスさん、その・・トゥモシーヌさんが・・・」

「ん?トゥモシーヌ?・・・そういえば、先程から彼女は眠っているみたいだが・・何があったんだい?」

「はい・・その、先程ぼくを庇ってドリュースさんの薬の入った香水をかけられてしまいまして・・それで今()()()眠っているんです・・・」

あぁそだ!トゥモシーヌさん眠りぱなしだぁ!どどどどうしよう・・薬で眠らされているんだよねトゥモシーヌさん。その薬はちゃんと効果が切れる奴なのかな?永久的に眠りにつく薬だったらどうしよおう・・・

「マイラスさん・・トゥモシーヌさんは、大丈夫でしょうか?ちゃんと目を覚ますのでしょうか?もし・・もし出来るのなら、トゥモシーヌさん助けて下さいますでしょうか?」

「っ・・・」

はうっ!?円寿くんの潤んだ瞳からのお願いの言葉・・これは、あたしだったら100%・・いや1000%断れない奴・・・マイラスさんも()()となっている・・まっ、マイラスさん!あたしからもお願いします!トゥモシーヌさんを助けて下さい!

「何を言っているんだ、クスノキ少年・・君からの願いを、僕が断る訳が無いだろう。そんな謙虚にならなくても大丈夫だよ。そして安心してくれ。トゥモシーヌなら、今この場で助けるよ」

「!!ほっ、本当ですか?!」

「あぁ、本当だとも。それでは早速、彼女の目を覚まさせて上げよう。アオイ、トゥモシーヌが眠った時の経緯を教えてくれ」

「えぇマイラス。薬をかけられて、5秒もたたずトゥモシーヌは眠ってしまった。そこから今に至るまで目を閉じているわ。時間は・・そうね。多分10分はたっていないと思うけど・・息はしているわ。薬の効果がどれ程なのかは分からないわ。ドリュースから薬の事を聞いておけば良かったわね・・・」

「ふむ・・いや、大丈夫だ。ありがとうアオイ。10分はたっていない・・か。ならば、まだ間に合うかもしれないね」


パチンーーー(右手でフィンガースナップをするマイラス)


「!」

あっ、また指パッチンで魔法を発動した!地面から水滴が沢山浮かび上がっている!?円寿くんも指パッチンと浮かび上がった水滴両方に反応している。おっ、おぉ・・浮かび上がる水滴がどんどんどんどん増えて来て・・・


タットッーーパチンーーー(舌で音を二回ならし右手でフィンガースナップをするマイラス)


「!!」

沢山の水滴が集まって水のベールになった!?そしてトゥモシーヌさんに被さって・・トゥモシーヌさんの口から粒子?みたいなのが出てきた?こっ、これは・・薬の成分・・かな?それを水で吸い上げている!?

「この水のベールは、対象の人物の身体を調べ・・異物を探知する。今回の場合は薬の成分だね。その薬の成分()()()水で吸出し・・取り除くっ・・・よし、これでもう大丈夫だ。すぐに目を覚ますよ」

「!!!」

マイラスさんが大丈夫と口にした瞬間に水のベールも霧散した。円寿くんもさっきから反応しっぱなしだ。トゥモシーヌさんの安否も気になるけど、マイラスさんの魔法も気になっているんだろうな。

「・・・・・っ・・・」

「!!トゥモシーヌさん!」


パチパチーースッーーナデナデーーー(瞬きをし寝た状態のまま円寿の頭を撫でる)


「トゥモ!良かった・・起きてすぐエンジュくんを撫でられるて事は・・なんの問題も無いて事ね」


コクッーーー(寝たまま頷く)


トゥモシーヌさあああああんんんんんん!!!良かったぁ・・良かったよぉ・・いつも通りのトゥモシーヌさんだよぉ・・目を覚ましたら目の前に円寿くんがいるんですもの。そりゃ円寿くんを撫でたくなりますよね!良かったぁ・・ちゃんと変わらないトゥモシーヌさんだよぉ・・・


スッーーー(上体を起こす)


「トゥモシーヌさん・・その・・・ごめんなさい!ぼくがもっとちゃんとしていれば、トゥモシーヌさんにご迷惑を・・トゥモシーヌさんが眠ってしまうなんて事にならなかったのに・・・」

「・・・・・」


スッーーナデナデーーー


「ふふっ、トゥモは気にしていないみたいよエンジュくん。それにね、エンジュくん。謝るよりも、お礼を言った方が・・トゥモ、喜ぶと思うよ」

「!そうですか!えと・・ぼくを庇ってくれて、ありがとうございます!トゥモシーヌさん!」

「・・・・・///」


スッーープニィーーー(円寿の頬をつつく)


「ははっ、なんて微笑ましい光景なんだろうか。トゥモシーヌ、他人に興味の無い君がこんなにも()()少年に親身になるなんて。やはり獣人の・・いや、これはクスノキ少年の魅力だね。少年、これからも君は君自身の輝きを大切にして生きておくれ。うむ・・まだまだ聞きたい事が山程あるな・・・クスノキ少年!君の故郷の話しとか・・・」

「局長ーー!!そろそろ帰りますよーー!」

「・・・とぉ・・うむ、時間が来てしまった様だ。あぁ、とても残念だ。今度また会えたら、その時は沢山話しを聞かせてくれるかい?クスノキ少年。もちろん、君の聞きたい事も沢山答えよう」

「はいっ!またお会いしましょう!マイラスさん!」

「素敵な返事だ。それでは、また会おう!」

そう言うとマイラスさんは、右足で軽く地面を踏み鳴らす。すると、この場に来た時に乗っていた箒がどこからともなく飛んで来る。

「!」

円寿くんがまたもや反応する。その飛んで来た箒はマイラスさんの足下でピタッと止まり空中で待機した。そして、その箒の持ち手にスケートボードに乗る様に足を乗せそのままマイラスさんは華麗に空へと舞い上がった。

「!!!」

うわぁ・・カッコいい・・円寿くんも目を輝かせている。いやこれは円寿くんじゃなくても見とれてしまう。箒てあんな(ふう)に乗るんだなぁ・・・ん?あれ?トゥモシーヌさん?どうしたんですか、そんな()()()()()()()顔をして。シフォンさんが飛行魔法の話しをした時も、同じ表情してたけど・・・

「ふふっ、トゥモ・・あなた、またエンジュくんが飛行魔法に興味を持ったからて妬いているの?まぁそうよねぇ。トゥモ、あなた飛行魔法使えないものねぇ」

「!?そっ、そうなんですか?トゥモシーヌさん」

「・・・・・」


ズーーーンーーー・・・


「!?」

えっ!?トゥモシーヌさん、転移魔法は使えるのに飛行魔法は使えないんですか?トゥモシーヌさん、テンション下がってるて顔してる。落ち込んでいるトゥモシーヌさん見て、円寿くん焦り始めている・・転移魔法て、それこそ最上級も最上級でトゥモシーヌさん以外使える人いないんですよね。そんな転移魔法を使えるトゥモシーヌさんは、ありとあらゆる魔法のエキスパートだって勝手に思っていたけど・・・そっか、トゥモシーヌさんにも苦手な魔法てあったんだ・・・なんかむしろ、逆にちょっと好感度上がった。あんまり非の打ち所が無いと、人間味が無くて好きになりづらいからなぁ・・いやいや、非の打ち所が無くてもトゥモシーヌさんは友達になりたいと思っていましたよ。でも、なんかこう・・苦手分野もあると知ってさらに()()気持ちが増しました!トゥモシーヌさん!できまきたら、あたしと一緒に飛行魔法を勉強しましょお!

「あっ、そういえばエンジュくん。その・・どっ、ドリュースが発動していた・・・あ~・・うっ・・・」

ん?アオイさんが言葉を言い澱んでいる?なんだからしく無いな。

「!どうしましたアオイさん。ドリュースさんが、発動したぁ・・・!もしかして、しりょうまほう・・の、事ですか?」

「!?そっ、そう・・その、死霊・・魔法なんだけど・・・うっうん・・あの時、あたし恥ずかしいんだけど・・怖くてずっと下を向いていたじゃない。それで、エンジュくんがドリュースの死霊魔法相手にどう立ち向かっていたのか・・よく、見てなかったの。なんとなく、エンジュくんが戦っているのは音とか気配で分かっていたんだけど・・その、死霊が怖くてそれ所じゃなかったから。エンジュくん。あの時、エンジュくんは死霊相手にどう戦っていたの?」

「はいっ!女神様のご加護で戦って・・戦った訳じゃないか・・女神様のご加護で幽霊を成仏させてました!」

「・・・女神様の・・ご加護?成仏?」

「はいっ!女神デメティール様に授かった(ちから)です。その(ちから)で幽霊を成仏できました!」

「・・・その、女神様のご加護て言うのは・・魔法なの?」

「魔法?う~ん・・そうですね。まるで魔法()()()()(ちから)です!」

「みたいな・・て事は、魔法では無いの?」

「う~ん・・・ぼくにもよく分かりません!」

「・・・アキナちゃん・・・」

「はっ、はいっ。如何なされましたか?」

「どういう事?」

「はっ、はい・・どういう事とは、どういう事でしょうか・・・」

「もぉ・・だから、エンジュくんの・・この本人も理解していない謎の女神様のご加護と言うのは、つまりどういう事なの?」

「あぁ・・えとぉ・・それは、ですね・・・」

どっ、どうしよう・・正直説明を要求されても、あたし自身女神の加護の事、今さっき知ったばっかだから分からないよぉ・・あたしが説明して欲しい位だし・・そもそも当の本人である円寿くんが分からない事をあたしに説明出来る訳なくないですか?てかぁ!デメティールさんが女神の加護があるとか説明していないのが悪いと思います!むむむ・・こうなったら(ちから)技で・・・

「えぇ・・とですね・・アオイさんには言ってなかったのですが、実はあたしと円寿くんなんですが・・この大陸とは別の大陸から来たんですよ・・・」

「別の・・大陸?」

「はっ、はい・・ニッポン大陸(で、合ってるよね?)て所から、色々あってこのアトラピア大陸に来たんですよ。それでですね、そのニッポン大陸では・・ごく稀に円寿くんみたいな()()()()()を持って生まれてくる子がいるんです。円寿君くん女神の加護も、その祝福で受けた(ちから)・・みたいなぁ・・そんな感じです・・・」

「・・・祝福?・・・」

どっ、どうかな?大丈夫かな?自分でも言ってて物凄くフワッとしているけど・・あっ、アオイさん・・凄い疑った目でこっちを見ている!?そりゃそうだよね・・こんな説明で納得する方がおかしいよね・・・どどどどうしよお・・・

「・・・トゥモは、どう思う?」

「!・・・・・」


チラッーーー(円寿に視線を向ける)


「!」


ジーーーー・・・


「・・・?」

はっ!?トゥモシーヌさん円寿くんの事、凝視している・・流石にトゥモシーヌさんも疑っちゃっているのかなぁ・・・


スッーームニュッーーー(円寿の頬を両手で挟む様に掴む)


「!」


モニュモニュモニュモニュモニューーー・・・(円寿の頬を揉みし抱く)


「~~~~~」

とっ、トゥモシーヌさん!?このタイミングで、いつぞやかにもした円寿くんの頬の揉みし抱き!?なっ、何故今この場面でその行為を?


モニュモニュモニュモニュモニューーー・・・


「・・・・・」

「・・・トゥモ?」

「・・・大丈夫・・・」

「!」

「エンジュは・・・大丈夫・・・」

・・・なっ・・なにが!?なにが大丈夫なんでしょうかトゥモシーヌさん?円寿くんの頬をそんなに堪能して得た物はなんなんですか?!

「・・・はぁ・・もういいわ」

「!?あっ、アオイさん!?それは・・つまり・・・」

「もういいわよアキナちゃん。なんか考えるのが間違っていたのかもしれないわ。え~と・・つまりエンジュくんは、このなんとも言えない愛くるしさでトゥモシーヌを()()()()みたいに、女神様も魅了した・・だから女神様の加護を受けている・・て事ね。()()()()()()しておくわ」

「いっ、良いんですか!?そういう事で・・・」

「良いのよ。ドリュースも言ってたでしょ。この世界の魔法にはまだ未解明の魔法が沢山あるって。エンジュくんの女神様の加護も・・多分その未解明の魔法みたいな物なんでしょ、多分。はぁ・・・もう、女神様も魅了するなんて・・見かけによらず()()()なんだから、エンジュくんは・・・」


プニィーーー(円寿の頬をつつく)


「!」

のっ、乗り切った!いや、乗り切れたのか?いやっ、乗り切った乗り切った!乗り切ったて事にしておこう!良かったぁ・・まさかドリュースさんの言葉に救われるとは・・ありがとうドリュースさん、感謝します・・感謝するけど許しません。しっかり反省して下さい、でも許しません。

「・・・アキナ・・・」

「!?はっ、はいっ!どっ、どうしましたかトゥモシーヌさん?!」

「・・・何が・・・あったの?・・・」

「えっ・・えっ?何が・・ですか?何が・・とは?」

「・・・!先輩!多分、トゥモシーヌさん眠っていたので、さっきまでこの場にいたドリュースさんやマイラスさんの事を説明して欲しいんじゃないでしょうか?そうですよね!トゥモシーヌさん!」


コクッーーー


「なっ、なるほど・・・」

たしかに、トゥモシーヌさんからしたらドリュースさんに香水をかけられて・・気がついたらドリュースさんいなくなってて何故かマイラスさんがいる・・て事だもんな。何が何やら分からないよね。そりゃ何があったか説明しなきゃですよね。

「分かりました。トゥモシーヌさん・・トゥモシーヌさんが寝てる間に何があったのか・・・あたくし明奈が説明させていただきます!」


コクッーーー


「トゥモシーヌさんが眠ってしまった後・・かくかくしかじか・・・」

「・・・・・」

「・・・そこで円寿くんがぁ・・これこれこうこうでどうのこうの・・・」

「・・・・・」

「・・・てぇ、事があったんです!円寿くん、大活躍だったんですよ!トゥモシーヌさん!」

「・・・・・」


ズーーーンーーー・・・


「!?」

あっ、あれ?トゥモシーヌさんまた落ち込んでいる!?なっ、なんでっ!?

「・・・トゥモ、あなたもしかして・・エンジュくんの活躍見れなかったから・・ショック受けてるの?」

「・・・・・」


コクッーーー


そっ、そうか・・そうですよね。そりゃ円寿くんのカッコいい所、見てみたかったですよね。もしあたしがトゥモシーヌさんで同じ立場だったらそれはそれはショック・・ショックもショック大ショックですよ・・うぅ、想像しただけでショックで吐きそう・・吐かないけど・・ごめんなさいトゥモシーヌさん。あたしもあの時余裕が無かったんです。最初から円寿くんに女神の加護があるなんて知っていたら、余裕があったらスマホで撮影してたんですけど・・申し訳ありませんトゥモシーヌさん・・・

「・・・・・」


チラッーーー(円寿に視線を向ける)


「!・・・?」


スッーーー(円寿に人差し指を見せる)


「・・・?」


スッーースッーーー


「・・・もっ、もしかして、トゥモシーヌさん・・()()()()見たい・・て事ですか?」


コクッーーー


「!?」

「あっ・・あの、トゥモシーヌさん・・見たい気持ちは凄く分かるんですけど・・・見ようとする場合、円寿くんがまた襲われる様な目に会わないといけなくなると言いますか・・あたしとしましては、円寿くんにこれ以上危険な目に会って欲しくないので・・その、もう一回見たいは・・流石に無理・・ですよ」


ガーーーンーーー・・・


いやガーーーンじゃありませんよトゥモシーヌさん。駄目ですよ、駄目に決まっているじゃないですか。トゥモシーヌさん、頭は良いはずなのに・・変な所で抜けているというか・・・

「・・・!そうだ。先輩、そういえば・・シフォンさんはどうしたんでしょうか?兄であるドリュースさんがあんな事になったのに、シフォンさんの姿が無いのはおかしいです。どうされたんでしょうか?」

「はっ!そっ、そうだね円寿くん・・・」

たしかにシフォンさん、後で合流するて言ってたのに姿が見えない。そういえば、さっきマイラスさんが自分達を呼んだのがシフォンさん・・みたいな事言ってたような・・・あっ、ヤバい・・今一瞬()()予感が(よぎ)った・・急に不安になってきたぁ・・・

「えっ、円寿くん!シフォンさんの匂いとか、気配は感じないの?」

「そうですね・・先程から探しているんですが、匂いも無いし気配も感じません。シフォンさん、何かあったんでしょうか?」

「とりあえず、シフォンさん探しに行こうか」

「はいっ!」

「それならまず、魔法適正審査をした部屋に行ってみましょう。トゥモ、お願いできる?」


コクッーーー


おっ、トゥモシーヌさんの転移魔法ですぐ移動する流れですね。ありがとうございますトゥモシーヌさん。ありがとうございます転移魔法。

「お願いします!トゥモシーヌさん!」


コクッーーー


ブオンーースゥーーカッーーパッーーー


「!」

「この部屋には・・いないみたいね。儀式に使った物は、片付けてあるみたいだけど・・・」

「ここにいないとなると・・トゥモシーヌさんの部屋か、それともアオイさんの部屋でしょうか?」

「・・・もしかしたら、一旦自分の部屋に戻った可能性があるかも。トゥモ、シフォンの部屋に移動してみて」


コクッーーー


ブオンーースゥーーカッーーパッーーー


ーーあれから、どれ位時間がたったのでしょうか。信じていた兄に裏切られ、それを信じられなかった己に失望し・・心は折れていた。己が過ちにより・・今、魔法の掛橋となろうとしている未来ある少年の身が危機に扮している。いや・・もしかしたらすでに、悪しき魔の手に犯されているのかもしれない。もう動かせぬ口で、何度も何度も謝罪をした。何度も・・何度も・・でも、この言葉を届く事は無い。そう思い、さらに絶望する。おそらく・・次にあたしが目にする光景は、意識を失った少年を抱える()()()兄の姿・・そう・・思っていた・・思って、いたのですがーーー


あっという間にシフォンさんの部屋らしき場所につく。ん?何か空気がひんやりしている?て、うおぉっ!?こっ、氷の塊!?何故!?何故に氷の塊が部屋のど真ん中に!?ん~・・・ん?あれ?氷の中に・・何か入っているような・・・!?こっ・・これって・・ままままさか・・・

「!?シフォンさん!?先輩大変です!シフォンさんが氷漬けになっています!これは・・シフォンさん、生きているんでしょうか?早く助けないといけません!」

「おおおおおおおちっ、落ち()()()()円寿くん・・こっ、氷・・氷漬け?いいっ、生きて・・るの、かな・・・」

シフォンさぁん!あわわわわどどどどどうしよう・・カチンコチンに凍らされているよぉ・・だっ、誰がこんな事を・・・ドリュースさんか・・ドリュースさんしかいないよな・・おお己ドリュースぅぅ!!実の妹であるシフォンさんに手をあげるなんてぇ・・許さない!許さないけどぉ・・今はとにかくシフォンさんを助けなきゃあ・・・

「とっ、トゥモシーヌさん!ああアオイさん!シフォンさんが・・シフォンさんが・・・」

「落ち着いてアキナちゃん。あたしも正直嫌な予感はしていたけど・・()()の展開にはなっていないみたい」

「さっ、最悪の・・展開?」

アオイさんもトゥモシーヌさんも落ち着いている。人が氷漬けになっているのも、あたしからしたら十分最悪の展開なんだけど・・・

「氷漬けになっているけど、しっかりとシフォンから魔力を感じるわ・・ドリュースが氷魔法を使ってくれて良かったわ、()()()。これなら・・シフォンを助けられる・・・」

「!」

「あっ、アオイさん!本当ですか?!」

「えぇ・・待ってて・・・(あたしの氷属性の魔力を流し・・退消魔法を発動する・・これで・・・)」


ピキッーーー


「!」


ピキピキピキピキッーーガッシャアァァンーーー


「・・・っ・・・」

「!シフォンさん!」

アオイさんが氷に触れ、少し青白く手が光ったと思ったその瞬間に氷に()()が入り瞬く間に氷の塊が砕けていきシフォンさんが解放される。(ちから)無く倒れ様とするシフォンさんを円寿くんが支える。よっ、良かったぁ・・シフォンさん意識があるみたい。さっ、寒くないかな?寒いですよね?毛布とか持ってきたほうが・・・


ブオンーースッカッパッーーー


バサッーーー(魔方陣から毛布を出しシフォンに被せる)


「!」

トゥモシーヌさんナイスぅ!気がきくぅ!しかもシフォンさんをさすってあげている・・そうですよね。トゥモシーヌさんも表情には出していなかったけど、心配だったんですよね。でも良かったぁ、シフォンさん無事で・・ん?シフォンさん?

「・・・っ・・うぅ・・・」

「!?しっ、シフォンさん!大丈夫ですか?お怪我はありませんか?このハンカチで、涙を拭いて下さい!」

「・・・はい・・ありがとうございます、クスノキくん・・怪我は、ありませんよ・・そっ、それよりも・・・」

シフォンさん・・涙が溢れ出ている。そうだよね・・実の兄にこんな事されて、相当ショックだろうなぁ・・心中御察し致します。

「・・・っ・・くっ、クスノキくん・・ぶっ、無事だったのですね・・良かった・・本当に良かった・・っ・・・ごっ、ごめんなさい!本当に・・本当にごめんなさい・・今回の一件は、あたしの・・全てあたしの責任です・・・そうだ、管理局は?管理局の方々をお呼びしたはずです・・兄は?お兄様はどうなったのですか?あっ、あたしも・・お兄様と一緒に・・・」

「落ち着いてシフォン・・ドリュースなら大人しく管理局に連行されたわ。その管理局ももう帰った。もう全て終わったのよシフォン。だから落ち着きなさい。とにかく、シフォンが無事で良かったわ。キッチン借りるわよシフォン。暖かいお茶でも飲みながら、何があったのか聞かせて。」

「・・・はい・・・」

声を震わせ、取り乱した様子のシフォンさんをアオイさんが静める。アオイさんがお茶の準備をしている間、トゥモシーヌさんは部屋に散乱している氷の破片を転移魔法で片付け、円寿くんはシフォンさんの涙を拭ってあげ、あたしはとにかくシフォンさんの背中を擦ってあげた。お茶の準備が出来る頃には、シフォンさんも少し落ち着いてきたみたいだ。そしてシフォンさんは、魔法適正審査の後・・あたし達と別れた後にドリュースさんと何があったのかを話し始めた。ドリュースさんを止めようとしたが出来なかった事。ドリュースさんが獣人の子供達を使って魔法の研究をしていたのを()()から知っていた事。あたし達も伝えた、裏庭での出来事を。円寿くんの活躍でドリュースさんの野望を止める事が出来た事を。一応、女神の加護の事はやんわりとぼかしながら伝えた。そして、ドリュースさんが管理局に連れて行かれた所までを話し終えると、シフォンさんは顔を俯かせ少しの沈黙の後再び口を開く。

「そう・・ですか・・お兄様は、管理局に・・・皆様、今回の騒動はあたしにも責任があるんです。あたしがお兄様の悪行を認め、もっと早く()()()を管理局に伝えていれば・・クスノキくんやミズツラさんを危険な目に合わす事も無かったのです。お兄様の罪は、あたしの罪なのです。ですから、あたしもお兄様と共に管理局に連れていかれるべきなのです。そうでなければ・・あたしは・・・っ・・・」

しっ、シフォンさん・・たしかに、シフォンさんがドリュースさんの研究を知っていたのに見て見ぬふりしていたのは良くない。自分に責任を感じてしまうのも分からなくもない。でも、元はと言えばドリュースさんが闇落ちしなければ済んだ話しなのだ。しかも、ドリュースさんは自分を信じていた妹のシフォンさんを氷漬けにした。それに、結果的には無事だったけど円寿くんにも襲い掛かった。全ては自分の私欲の為の行為だ。ドリュースさんに同情する必要は無い。でも、それは第三者だから言える話しだ。どうしよう・・どうしたらシフォンさんを励ます事が出来るのかなぁ・・むむむ・・・

「・・・はぁ、シフォン。あなた、もう少し自分にわがままになっても良いんじゃない?」

「!?わっ、わがまま・・ですか?」

「そう、シフォンは固すぎるのよ考え方が。あなたの話しを聞けば、大体の人がドリュースが悪いて言うわよ。もうそれで良いじゃない。たしかに、中にはシフォンも同罪と言ってくる人もいるかもしれないけど・・シフォンが今まで積み上げてきた物は、これ位じゃ崩れないと・・あたしはそう思うわ。これからも魔導省で誠心誠意働かせていただきます、これで良いのよ。良いじゃないわがままで。トゥモもそう思うでしょ」


コクッーーー


「・・・トゥモシーヌ・・・」

「エンジュくんも、シフォンに何か言ってあげて。」

「はいっ!」

「・・・クスノキくん」

「シフォンさん、あなたは悪い人です!」

「・・・えっ?」

「そう、シフォンは悪い人・・・て、えぇ!?エンジュくん、ちょっと・・あれ?あたしの話し、聞いてたかしら?」

「くっ、クスノキくん・・・」

えっ、円寿くん!?どっ、どうしたの?そんな急に辛辣なっちゃって・・円寿くんらしくない・・はっ!?もしかして円寿くん、実は結構怒っているんじゃ・・そっ、そうだよね・・もしかしたら一生眠ったままになりそうだったんだもんね。シフォンさんが止めていればこんな事には・・て、思うよね。思うかもしれないけど・・円寿くん、今はシフォンさんを励ましてあげた方が良いと思われ・・・

「シフォンさん・・シフォンさんは、自分にも責任がある・・そう、言いましたね」

「・・・はっ、はい・・そう、言いました」

「責任がある・・罪の意識がある・・ならばっ!償うべきです!ただし!ドリュースさんと同じ所へ行く必要はありません!()()()で受ける罪はドリュースさん一人で十分です。なので、シフォンさんは()()()で罪を償う様にして下さい!」

「償う・・塀の・・外で・・・」

「はいっ!・・・ごめんなさいシフォンさん。本当は、シフォンさんを励ます言葉を送るべきなのかもしれません。ぼくも、本当はシフォンさんは悪くないと言いたいのですが・・()()()の一人として・・簡単に許す事は出来ない・・いや、しちゃいけないんだと思います。なぜなら、ぼくが許した所で亡くなった子供達が許すとは限らないからです。人は、どんな善人でも・・どこかで必ず、なにかしらの過ちを犯します。それは、ほんの些細な事だったり・・とても大きかったり、人各々(それぞれ)です。でも、その過ちも含めて経験です。その経験が、人生を歩んで行く為の道になるんです。過ちで出来た道は消えません。でも、それならその道は二度と踏まなければ良いんです。そして、その道を践まない様に正しい道を・・真っ直ぐに進んで行けば良いんです。その正しい道とは、罪を償って・・(おの)が人生を生き抜く道です。この道は、とてもつらい道かもしれません。逃げ出したくなるかもしれません。それでも、シフォンさんに罪の意識があるなら・・逃げ出さず、この道を歩んで下さい。」

「・・・クスノキ・・くん・・・」

「・・・!?ごっ、ごめんなさい!ぼくなんかが偉そうに人生を語ってしまって・・シフォンさん!とっ、とにかく・・これからもシフォンさんは、シフォンさんが信じる道をつき進んで下さい!それが、償いになると思います!」

「・・・ふっ、ふふふっ・・・」

「シフォン・・さん?」

「はぁ・・何でしょうか・・とても心が軽くなりました。まるで、神父様に悩みを聞いていただいた様な感覚です。そうですねクスノキくん。塀の中に入るのは簡単・・ですが、それでは駄目なのですね。お兄様はお兄様として、あたしはあたしとして罪と向き合って生きていく・・ありがとうございますクスノキくん。おかげで目が覚めました」

「はいっ!お役にたてて光栄です!」

少し涙を浮かべながら、円寿くんの手を取り柔らかく微笑むシフォンさん。円寿くんの表情もパァッと明るい。それにしても、今日だけであたし円寿くんの大人っぽい所滅茶苦茶見れている。円寿くん普段は()()()()()としてるのに、ちゃんと自分の考えはしっかり持っている。見た目は幼いけど、やっぱり中身はちゃんと18歳なんだなぁ・・いや、むしろ18歳には思えない位大人なのでは?現に年上のあたしなんかよりも凄くしっかりしてるし・・・

「ふふふっ・・あっ、そういえば・・先程言っていた女神様のご加護・・()()()()・・でしたっけ?ふふっ・・なるほど、たしかに納得です。このクスノキくんの誠実な説得で、お兄様も考えを改めた・・という事なのですね。あぁ・・素晴らしいです、クスノキくん」

「!?はっ、はいぃ・・あっ、ありがとう・・ございますぅ・・・」

ごめんなさいシフォンさん。女神の加護の事は()()()()()にさせていただきます。マイラスさんも円寿くんには説論の才があるて認識だしね。円寿くん、凄く申し訳なさそうだけど・・ごめんね円寿くん、年齢の件に加えてまた嘘をつかせてしまって・・・そういえば、シフォンさん円寿くんを神父様に悩みを聞いていただいている様・・て、言ってたな。円寿くんが・・神父様・・・あっ、不味い。悪い癖で神父様じゃなくて()()()()姿()の円寿くんを想像してしまった・・・むふっ、むふふふふ~・・シスター姿の円寿くん可愛いぃ~♡シスターベールに頭の耳の輪郭が出ちゃっててね。円寿くんがシスターしている協会があったら、あたし毎日通っちゃう!推しに悩み相談とか贅沢の極みだなこれぇ!・・あっ、でもあたしの悩みとかしょうもな過ぎて()()()()()寿()に聞いてもらうのなんだか気が引けるなぁ・・あぁでも、シスター円寿だったらそんなあたしの悩みでも慈愛を持って聞いてくれそう・・好きぃ・・シスター円寿・・・うむ、我ながら妄想が気持ち悪い。おっと・・あたしが想像(イマジナリー)円寿くんを描いている間に、話しは進みあたしと円寿くんは帰宅する流れに。えっ?女子寮に一泊するじゃなかったのではないかって?残念、無くなりました。理由は・・まぁ、ドリュースさんの件ですね。後処理とか色々あって、シフォンさんは勿論アオイさんとトゥモシーヌさんが駆り出される形になったみたいです。それで、一泊は無くなりました。まっ、まぁあたしと致しましては円寿くんを女性の部屋に一泊させずに済んで良かったと言いますか・・いやほら、トゥモシーヌさんはともかくアオイさんがなんとなく危ないので・・円寿くんにエッチな事する可能性があるのでね・・不安の種が取り除かれて良かったなぁと・・すいません。本音を言うと円寿くんとお泊まりしたかったです。いやたしかに、円寿くんと同じ家に住んでますけどぉ・・部屋は別々じゃないですかぁ。円寿くんと同じ部屋で一泊てシチュエーションが欲しかったんですぅ・・トゥモシーヌさんとアオイさんもいるけど・・まぁでも仕方がないか。これからも円寿くんと一緒にいる訳だから、また同じ部屋で一泊のチャンスがあるかもしれないしね。よろしくお願いしますねデメティールさん!

「はい、それではトゥモシーヌ。しっかりと二人を送り届けるのですよ。」


コクッーーー


てな訳で、あたしと円寿くんは帰宅するにあたってトゥモシーヌさんの転移魔法で帰る形に。もしかしたらミサキリスちゃん達がまだ残っているかもしれないので、一旦魔導省本部に行くみたいです。そういえば、マイラスさんがこの場に来てドリュースさんと話しをしていた時、魔導省本部で告発がどうのこうのて言ってたっけ。そのごたごたで、ミサキリスちゃん達の帰宅も遅れているのかもしれない。

「それじゃあシフォンさん!アオイさん!お世話になりました!もしよろしければ、ぼく達が働いているデア・コチーナにいらして下さい。沢山おもてなしします!」

「必ず行きますねクスノキくん。お土産持っていきますね」

「はいっ!」

「エ~ンジュくん」

「!?はっ、はいっ!//どうしましたか、アオイさん?」

おわっ!?近いぃ!近いですよアオイさん!いちいち顔を近づけないと喋れないんですかぁこの人はぁ!まったくもう・・・

「んとね、エンジュくん・・遅くなっちゃったけど、助けてくれて・・ありがとう。それとごめんね・・あの時、怯えて何も出来なくて・・エンジュくんを守る所か、守られちゃった・・エンジュくんて、可愛いだけじゃなかったんだね」

「そうですか!ぼくはぼくがすべき事をしたまでです!皆さん無事で本当に良かったです!」

「・・・エンジュくんは、本当に良い子だね。ふふふっ・・・エンジュくん・・()()・・させてくれないかな?」

「?はい、お礼・・ですか?」

「うん・・エンジュくんを一目見た時から、()()()()()なぁ~・・て、思っていたんだけどぉ・・・」

「?」


チュッーーー・・・


・・・・・


「!?///////」

「!?!?」

「あら」

へっ?・・・ほっ・・ほわああああぁぁぁぁぁぁあぁあ!?!?!?!?なっ・・ななな・・ななななななな何を・・・何をしとるんですかああぁぁぁぁぁ!?!?

「ふふふっ・・エンジュくんの()()()()・・すべすべぽよぽよで、()()()が良くて最高♡キスするの・・クセになっちゃうなぁ・・・」

「////////////」

きっ・・キス!?キスしましたかこの人!?えっ、円寿・・くんの・・綺麗で・・柔らかそうで・・汚れなき頬っぺたを・・・キいぃスうぅぅうぅしたあぁぁぁ!!!・・・あはぁっ・・はぁっはぁっはぁっはぁっ・・・おっ、推しが・・推しの頬っぺたが・・汚された・・あぁもう無理・・生きて行けない・・死にたい・・死ぬ・・あぁでも死んだら円寿くんとの異世界ライフも終わってしまう・・やっぱ死なない・・でもショック・・いや別にね、あたしが円寿くんにキスする予定があった訳じゃありませんよ?円寿くんはあたしの彼氏て訳でもないですけれども・・けれども・・けれど・・・それでもショックなんですぅ!!泣きたくなるんですぅ!でも今ここで泣くと円寿くんに心配かけるから泣きませんけどねぇ!心で泣きます・・そして帰って部屋で泣きます・・うぅ・・・

「あっ・・あはははっ。それでは、またお会いしましょう。クスノキくん。ミズツラさん」

「ふふふっ・・じゃあね、エンジュくん」


ブオンーースゥーーカッーーー


場面変わり、色々一段落してそろそろ帰宅しようとしていたミサキリス達。

「さぁ~てっとぉっ!ゴミ共をしょっぴぃた、(なげ)ぇ話しも終わったて事でぇ・・行くか!エンジュの所!」

「・・・あの、サクネア・・その・・エンくんの所に向かう前に、せめて連絡をとってみませんか?もう夜も遅いですし・・・」

「あぁ?連絡なんかしてる暇あったら、その分走った方が良いに決まってんだろ」

「いや、サクネア・・その、そもそも走って行く事が無謀と言いますか・・・」


ブオンーーー


「あぁ?」

「!・・・(魔方陣が現れた?これは・・もしかして・・・)」


スゥーーカッーーパァアッーーー


「・・・・・」

「エンくん!アキナさん!それとトゥモシーヌさん。良かったぁ。戻ってきてくれたんですね・・・ん?」


ズゥーーーンーーー


「///・・!ミサちゃん・・シュリちゃん・・ジュリちゃん・・たっ、ただいま・・・!サク姉!来てくれたんだね!」

「おぅ!エンジュ!来てたぞ!」

「・・・えっ・・円寿・・くんの・・ほっ・・頬っぺ、た・・はは・・ははは・・・」

「・・・(トゥモシーヌさんは何か落ち込んでいる?エンくんは、顔が真っ赤になっていたけど・・サクネアを見かけたとたん、いつもの明るいエンくんになった。アキナさんは・・なんか、ボソボソと喋っている。心ここにあらずて感じ・・・)」

「エンん、パイセン、おっ帰りぃー!どこ行ってたんですかー?」

「あれあれ~?パイセンなんか魂ぬけてる~て顔してますよぉ?エンくんも~、なんか顔赤いしぃ・・・はっはぁ~ん、さてはぁ・・・」

「!?なっ、何かな?ジュリちゃん・・・」

「エッチな事してきたなぁー!!」

「!?」

「えぇーー?!エンくんエッチな事してたのぉー?ズルいー、あたしもエンくんとエッチな事したいぃー。」

「誰としてきたのぉ~?トゥモシーヌさん?それともパイセ~・・ンでは無いなぁ、パイセンの雰囲気的にぃ。あっ、もしかして現地で出会ったお姉さんとか?ひゅ~!エンくんやるやる~!」

「そっ、そんな事・・してないよぉ~/////」

「くぉらぁ!あんた達!会って早々エンくんを困らせるんじゃありません!」

「わぁ~、ママが怒ったぁ~」

「逃っげろぉ~!」

「あっこらっ、誰がママだ誰がぁ!」

「たぁくっ、何やってんだあいつらは・・そんな事より・・やいやいやいやいやい!」

「・・・!・・?」

・・・ん?あぁ、そうか。魔導省に戻ってきたんだった。あれなんか、イケイケ双子ギャルをミサキリスちゃんが追いかけてる。何かあったのかな?それで・・・おわっ!?さっ、サクネアさん!?来てたんですね・・それで、トゥモシーヌさんに・・詰め寄っている?

「おうこら、お前だなぁ~・・エンジュを拐った()()()魔導士てのはぁ」

「!()()()()()()()だよ、サク姉。あと、トゥモシーヌさんは僕を拐った訳じゃないよ」

「おう、そうだったなエンジュ。だがなエンジュ・・あたしはこいつにきっちりと確認しねぇといけねぇんだ・・やい!()()()魔導士!言え!どうしてエンジュを拐いやがったんだ!」

「・・・・・」

天つゆじゃなくて転移魔導士ですよサクネアさん・・・て、なんか言いづらい雰囲気・・・それよりも・・とっ、トゥモシーヌさん大丈夫かなぁ?これ、返答次第(しだい)ではサクネアさん滅茶苦茶怒るんじゃ・・・トゥモシーヌさん、なんとか・・なんとかサクネアさんがキレるのだけは避けて下さい、お願いします・・・

「・・・かっ・・・」

「あぁ?かぁ?」

「・・・可愛い・・・から・・・」


・・・・・


「・・・分っかぁるぅっっ!!」

分かったぁ!分かっちゃった!分かってしまうんですねサクネアさん!いやまぁあたしも分かりますけど!いやあたしは円寿くんが可愛くても拐ったりはしませんけどね。あぁ、でも良かったぁ。サクネアさん怒らずに済んで・・一歩間違えば戦争だったよ・・色んな意味で・・・

「そうだな。エンジュ可愛いからな。自分の家に連れて行きたいて気持ちは分かるぞ。だがなぁ()()魔導士。周りに断りもいれずに()()()連れて行くのは良くないぞ。何か疑われても文句言えないからな。」


コクッーーー


「それをあなたが言いますか、サクネア・・・」

「あ?あぁ、いたのかミサキリス」

「いましたよ、まったく・・あの、トゥモシーヌさん。トゥモシーヌさんが、悪い魔導士で無い事は・・初めて会った時から雰囲気で分かっていました。ですが、やはり急にエンくんとアキナさんを連れてかれてしまうと、こちらも対応に困りますので・・次からは、あたし達に何か一言下さい。それならこちらも安心ですので」

「おう、()()()魔導士。次、エンジュ連れて行く時はあたしも連れてけ。それで許してやる」


コクッーーー


「転移魔導士ですよサクネア。さてと・・改めまして、エンくん、アキナさん、お帰りなさい。見る限り・・二人共元気そうで良かったです。心配したんですよ。サクネアが持ってきた児童獣人誘拐組織の顧客リストに、エンくんに魔法を見せてくれたドリュースの名前があって・・しかも、そのドリュースの姿が無いからエンくんの所に行ったのかもて思っていたんです」

「・・・あっ、あの・・ミサちゃん・・その事なんだけど・・・」

「?」

「あっ・・えっ、円寿くん・・こっ、ここは、あたしが話すよ」

「!先輩・・・」

あたしは話し始めた。魔導省からトゥモシーヌさんの転移魔法で色々な場所に行った事。その後、女子寮で円寿くんが魔法が使える事が分かった事。そして、ドリュースさんとの事・・円寿くんの女神の加護の事。話し終え、少しの沈黙の後ミサキリスちゃんが口を開く。

「そうですか・・やはり、ドリュースはエンジュくんを・・・でも、良かった。またデメティール様が助けてくれて。それに、エンくん本当に魔法使えるんだね。後であたしにもエンくんの魔法、見せてね」

「!うん!水魔法見せるよ!」

優しい表情で円寿すんの頭を撫でるミサキリスちゃん。話題を円寿くんの魔法の事に変えたのは、気をつかってくれたて事で良いんだよねミサキリスちゃん。実際、今回の一件で円寿くんの心がどれだけ傷ついたかあたしには分からない。今は見る限り、そんなに気にしていない様に見えるけど・・これも、円寿くんなりに周りに心配かけない様に振る舞っているだけだったら・・・うわぁあぁん!円寿くん!こんなあたしで良ければいくらでもお話聞くよおぉ!いや聞かせて下さい!お布施払ってでも聞きたいですぅ!あたしのお布施で推しの不安が解消されるならいくらでもぉ・・・

「・・・エンジュ!」

「!・・どうしたの?サク姉?」

「エンジュ!やっぱ駄目だ・・エンジュはやっぱし、あたしの側に置いておかねぇと駄目だ!」

「サクネア・・・」

「エンジュ!あたしは嫌だ!あたしのいない所でエンジュが危ねぇ目に合うのが!あたしだったら、ぜってぇにエンジュを危ねぇ目に合わさねぇ。その前にゴミ共もぶっ飛ばす事が出来るからな。あたし以外の奴にエンジュを任せるなんて事・・やっぱ間違ってたんだ。だからエンジュ!ラング・ド・シャットに来い・・いや、連れてく!ランシャの面子と一緒に住むんだ。それなら年中エンジュを側に置いておけるからな。エンジュはあたしが()()預かる!」

「ちょっとサクネア!いくらなんでも強引過ぎます!せめてエンくんの意見を聞いてからでないと・・・」

「駄目だぁーー!エンジュはあたしと一緒に暮らすんだぁーー!!」

あわわわわわわ・・サクネアさん、怒ってるぅ・・うぅ・・たっ、たしかに円寿くんが心配なのは分かります。実際、あたしが円寿くんと一緒にいても何も役に立たなかった訳だし・・あぁでもアオイさんのエッチな魔の手からは円寿くんを守る事は出来ましたよ!あぁそうか・・帰り際にキスされちゃったから、完全には守れていないか。それに、これ位の事・・サクネアさんでも出来る

・・いやむしろ、サクネアさんならアオイさんよりも早く動けそうだからより円寿くんを守れるか・・・やっぱあたし駄目じゃん!うぅ・・たしかにあたしはサクネアさんから見たら頼りない・・頼りないかもしれないけど・・・嫌だよぉ円寿くんがサクネアさんの所に住むのなんてぇ!だってそれじゃあデア・コチーナで円寿くんと同じ屋根の下で住んでいるあたしの特権がぁ!円寿くんとの少ないあたしとの繋がりがぁ!無くなってしまうじゃあないですかぁ!嫌ぁ!そんなの嫌ぁ!あたしから円寿くんを取らないで下さいサクネアさぁん・・・別に円寿くんはあたしのって訳じゃないけどぉ・・それでも取らないでぇ・・・

「ほら、行くぞエンジュ!あたしと一緒に、あたしの家に帰るんだ!」

「うぅ・・円寿くん・・・」

「・・・」

「?・・エンくん?」

「・・・サク姉、心配かけてごめんね。たしかに、サク姉がいつも側にいてくれたら、凄く心強いと思うよ。サク姉に心配かける位なら、サク姉といつも一緒にいた方が良いのかもしれないね。でも・・・ごめん!サク姉!ぼく、サク姉とは・・ラング・ド・シャットの家には住めないよ」

「なっ!?」

「エンくん・・・」

「なっ・・なっなっ・・うぅなっ、何でだエンジュ!どうしてあたしと一緒に住めない?!・・・あっ、そうか、あれか?結婚してないからか?結婚してないと女とは一緒に住めないからか?じゃあ結婚しよう!それなら大丈夫だろ!・・あぁ、それともあれか?初めて会った日の夜、ベットに()()()()押し倒したのがまだ後を引いてるのか?安心しろエンジュ!あの日の事はあたしは気にしていないぞ!」

「///ちっ、違うよサク姉///・・けっ、結婚とか・・初めて会った日の夜の件は・・かっ、関係ないよぉ/////」

「サクネア!あっ、あなたが気にしていなくても、エンくんが気にしているんです!どうしてあなたが大丈夫でエン君も大丈夫だと思うんですかぁ!」

「ん?そうなのか?」

「サクネア・・あなたって人は・・ほんと・・・(無神経にも程がある!)くっ・・・」

えっ?えっちょっとまって?えっまってまってまってまって・・サクネアさん、今なんて?結婚?円寿くんと?結婚・・・な"ん"で"そ"う"な"る"ん"で"す"か"あ"ぁ"!!!なんでぇ!?なんでその発想になるんですかぁ!?許しません・・許しませんよぉ!円寿くんと結婚なんて断固反対ですぅ!別に円寿くんは結婚してなくても女の人と同居位出来ます!お互い知らない内にだったけどぉ!それに・・はっ、初めて会った日の夜に?ベットに?無理矢理?押し倒したぁ~だあぁ!?きききききき聞いてません!あたしそんな話しぃ!それは、つまり・・円寿くんと、無理矢理・・そういう事・・えっ、エッチしようと・・・そっ、そんなの、ははははは犯罪じゃないですかぁ!同意の無い性行為は誰であろうと犯罪です!未遂?未遂だよね?未遂なんですよね?未遂なんでしょ円寿くん!ぐぬぬぬぬおのれサクネアさん・・円寿くんにそんな暴挙を働いていたなんてぇ・・・て言うか、サクネアさんて円寿くんの事()()()()()で見てたんですか?てっきりあたしは弟みたいな感じなのかなぁと・・見た目が獣人の子供だから保護対象として見てたんじゃないかと思っていたんだけど・・・そうじゃなかった。がっつりエロい目で見てやがったこの人。円寿くんを性の対象として見ないで下さい!あたし?あたしですか?あっ、あたしは・・見て、無い・・です、よ・・・ギリ。ギリ見てませんよ、ギリね、うんギリ。

「あっ、えっ、えっとね・・サク姉。その、一緒に住めない理由なんだけど・・・」

そうだ理由。円寿くんがサクネアさんと住めない理由。そっ、そんなのサクネアさんと一緒にいるといつ(性的な意味で)襲われるかたまったもんじゃないからに決まっているでしょお。あっ・・そっ、それとも・・あっ、あたしと離れるのがぁ・・あたしと一緒に住めなくなるからぁ、とかぁ・・ははぁ、なんちって・・ふへへへ・・・

「おう、なんでだ!理由を教えてくれ!」

「それはね・・・」

「それは?・・・」


・・・・・


「でっ、デア・コチーナで働いていないと・・あっ、アズさんの料理が()()()()で食べれなくなるからだよ!///」


・・・・・


「~~~~~/////」

「・・・ちくしょおぅ!可愛いぃ!」

「!?サクネア!?」

「・・・可愛い・・・//」

「トゥモシーヌさんも!?・・・(いる事忘れてた。ごめんなさい)」

円寿くん~~♡♡あっっはぁあぁ!!もぉ~円寿くんたらぁ♡そんな理由でデア・コチーナから離れたくないなんてぇ・・可愛いなぁもう♡そんなに恥ずかしがらなくてもいいのにぃ。可愛いんだからぁ♡・・・すいません。理由があたしなんじゃないかと勝手に期待してました。本当に、申し訳ありません・・・

「・・・そっ・・その、デア・コチーナで働いていれば、アズさんの料理が()()で食べられるんだよ。こんな物凄い贅沢の出来る場所、他には無いと思うから・・だっ、だからごめんねサク姉。一緒には、住めないよ・・・」

「・・・うむぅ・・そうか、()()か。女将に胃袋を掴まれちまったからって事か・・うぅむ・・・(くっっそおぉ・・あたしに・・あたしに喧嘩の腕に加えて、飯の腕もありゃあ・・くうぅぅぅ・・・)」

「・・・(滅茶苦茶悔しそうだ)」

「あれ~?でもそれってぇ、デア・コチーナで働いていれば良いんだから、サクネアさんの所に住んでても問題無くない?」

「たしかにぃ~」

「シュリ、ジュリ、あんた達どこ行ってたのよ?」

「どこってぇ、ミサが槍持って追いかけてくるから、必死で逃げてたんでしょうよ」

「追いかけてこないなぁと思ってたら、いつの間にかエンくん達の所に戻っているんだもん」

「そんな事より~、さっきの話しだけどさぁあエンくん。アズさんのまかないが食べたいのが理由なんでしょ?なら、別にサクネアさんの家からデア・コチーナに通えば良いんじゃない?」

「ん~とね、シュリちゃん・・それだと、開店前の準備に間に合わないと思うんだ。ほら、サク姉の家て街から少し離れた所にあるから。全力で走っても、結構時間かかるも思うし・・・」

「う~ん、そっかぁ・・・あっ!あたし良い事思いついたー」

「?」

「移動が大変ならぁ、トゥモシーヌさんの転移魔法使えば良いじゃん!」

「!?」

「・・・・・」

「シュリ、ナイスアイデア!はいこれで問題解決~」

「駄目だよ二人共。ぼくの出勤の為なんかに、トゥモシーヌさんを頼る訳にはいかないよ」

「えぇ~。でもトゥモシーヌさん、エンくんがお願いしてくれたらやりそうじゃない?ねぇ、トゥモシーヌさん?」


コクッーーー


「!?良いんですか?トゥモシーヌさん!?」


プニィーーー(頬をつく)


「まちなさいあんた達!そもそもなんであんた達は、エンくんがサクネアの家に住む事に賛成しているのよ?」

「えぇ~?だって~・・・」

「?」

あっ、イケイケ双子ギャルが円寿くんをチラッと見た。あぁ絶対これ二人がろくでもない事言う奴だ。絶対ミサキリスちゃんが怒る奴だ。

「エッチなお姉さん達が沢山いる家に男の子のエンくんが一人住むなんて・・絶対面白いじゃぁーん!」

「エンくん貞操が秒で無くなるよぉ。ハーレムだよエンくん!」

「!?てっ、ていそ・・そっ、そういう理由は、駄目だと思うよぉ!/////」

「あんた達!!」

はい怒ったぁ、ミサキリスちゃん怒ったぁ。ミサキリスちゃんが怒ると分かっててやってるなあの二人。笑いながら逃げてる・・この状況でサクネアさんは・・・ん?何か悩んでいる?

「・・・よぉし!」

「?どうしたの?サク姉?」

「エンジュの意見を尊重する。でもあたしはエンジュの側にいたい。だからよぉ・・・」

「?」

「引っ越ぉす!」

「!?」

「引っ越す!?どっ、どこにですか?サクネアさん・・・」

「んなもん決まってんだろ!デア・コチーナだ!」

「デア・コチーナに!?・・あれ・・えっとぉ・・えっ、円寿くん。デア・コチーナて空き部屋あったっけ?」

「あるのはあると思います。物置部屋になってますけど」

「あぁ・・ははぁ・・そうか・・あったんだねえ・・ははは・・・」

それじゃ駄目じゃん!サクネアさんが一緒に住むてなったら結局あたしの特権無くなるじゃん!嫌だよぉ・・あとシンプルにサクネアが住むてなると、毎日騒がしそう・・心が落ち着かなそう・・ストレス溜まりそう・・・

「ああ、違う違う。そうじゃねぇ。デア・コチーナの()()に引っ越すんだ」

「!デア・コチーナの近く?」

「おう、デア・コチーナの二軒隣に空き家があってな。実はな、そこあたしらランシャが使わせてもらってんだ」

「そうだったんだ・・・?サク姉、なんでその空き家を使ってるの?」

「それはだなエンジュ!街で誘拐事件があった時にすぐ動く為の活動拠点て奴だ。あたしの家からだと、ちと街まで時間くうからよ。そんでその空き家を使わせてもらってんだ。」

「活動拠点!・・・」

あっ、円寿くん目をキラキラさせてる。住んでいる家とは別に()()()()()を持っているて事か。てか使っているなら空き家とは言はないのでは?まぁでも、なんかそういうの憧れるよね。カッコいいてなる気持ち分かるよ円寿くん。

「んでその空き家に引っ越すて訳だ。まぁ、前々から考えていたんだがな。丁度良いや」

「サク姉。今住んでいる家はどうするの?売りに出したりするの?」

「そんな事しないぞエンジュ。今の家は新しい拠点として使うんだ。ちなみにだなエンジュ。あたしらランシャは、あともう一つ拠点を持ってるぞ」

「!そうなの!」

「そうだぞ!ふっふ~ん。あとで連れてってやるからなエンジュ」

ニカッと笑って、円寿くんの頭をワシャワシャと撫でるサクネアさん。う~ん・・この場面だけ見ると、面倒見の良いお姉ちゃんと弟くんて雰囲気なんだけど・・・エロい目で見てるんだよなサクネアさん。円寿くんの事。いや、もしかしたらあたし(陰キャ)サクネアさん(陽キャ)で性に関する考え方が違うというだけか?あたしが変に硬いてだけなのか?異世界だから性に対しても緩い・・訳では無いか。ミサキリスちゃんはそこら辺真面目そうだし・・・まだイケイケ双子ギャルの事追いかけてるな。

「うっし!あたしらの引っ越しも決まった事だし、帰るとするか。()()()()を対岸で待たせっぱなしにしてるしな。そろそろ帰んねぇと寂しかったて泣かれそうだ」

「あいつらって、ラング・ド・シャットの皆さんの事?」

「そうだぞ。よぉ~し・・そんじゃまた(ひと)泳ぎするとすっか!」

「?泳ぐ?どこ泳ぐのサク姉。」

「どこって・・このバカでけぇ水堀だよ」

「水堀を・・泳ぐ・・!?」

「えっ?ええぇ!?さっ、サクネアさん、この水堀泳いで来たんですか!?」

「たりめぇだろ。それしか渡る手段が()ぇんだからよぉ・・・あ?なんだよ、エンジュ達は泳いでねぇのか?」

「泳いで無いよサク姉。浮遊する足場に乗って来たんだよ」

「ん?なんだぁ、その・・ふゆうするあしば?てのは」


スッーーー(指さすトゥモシーヌ)


「ん?なんだよ天重(てんじゅう)魔導士。あっ?そこに立てって?んだよ・・・」

渋々とトゥモシーヌさんの指示に従うサクネアさん。もの凄く怪しんだ表情でこっち見てるな・・・

「ミサちゃーん!シュリちゃーん!ジュリちゃーん!そろそろ帰るよーー!」

「はいはーい!今行くよー!」

「おっ、浮遊する足場乗るんだねぇ。ミサ、鬼ごっこはもうおしまいみたいよ」

「なんでいつの間に鬼ごっこになっているのよ。まったく・・・とぉ、トゥモシーヌさん。周りにはもう魔導士の方いらっしゃりませんが、浮遊する足場はトゥモシーヌさんが機動してくれるんですか?」


コクッーーー


「そうでしたか。ありがとうございます。トゥモシーヌさん。」


コクッーーー


「よろしくお願いします!トゥモシーヌさん!」


スッーーナデナデーーー


「~~~~!そうだミサちゃん。他の騎士団の方達の姿が見えないけど、もう帰ったの?」

「うん。こっちも色々あってね。捕まえた魔導士の処分やら上への報告やらで急いで帰っていったの。あたし達も、今後また今日みたいな事があった場合の対策等をさっきまで話してたんだよ。エンくん達、丁度良いタイミングで帰ってきて良かったよ」

「なるほど!」

「うん・・さてと、それじゃあトゥモシーヌさん。よろしくお願いします」


コクッーーー


おっ・・おぉ・・おおぉ・・浮きましたねぇ。本当に揺れも無く浮くから、視界がいきなり上がっていくこの感覚・・慣れないなぁ、あたしは。二回目だけど円寿君は目をキラキラさせてる。それを見て、頬を赤くしてるトゥモシーヌさん。頭に可愛いて文字が浮かんでいる。

「うお!?んだこれ、飛んでんのか?浮いてんのか!?魔法てのはこんな事も出来んのか?!」

「そうだよサク姉!あとね・・ほら、()()!ここ触ってみてサク姉!」

「ん?なんだぁエンジュ。そんな端の方だと落ちちまうぞ・・・ん?・・うお!?なんだこれ?なんも()ぇのに触れんぞ!」

「バリアだよサク姉!凄いでしょ!」

「ばっ、バリア?まっ、まぁ・・とにかく凄いな!おっ、そだ。エンジュ魔法使えんだろ!エンジュも出来んのか?この浮く奴とか、見えない壁とか!」

「!?まっ、まだ出来ないよぉサク姉。まだ、水魔法しか使えないよ」

「水魔法?水出せんのか?よし、出してくれ!」

「こらサクネア。図々しいですよ。エンくんは魔法を覚えて間もないんですから・・・」

「あたしもエンくんの魔法見たーい!」

「あたしもー!」

「あっ、こら、あんた達・・・」

盛り上がっているなぁ円寿くん達。ふふふっ・・円寿くんたら、自分が今日感動したこの浮遊する足場やバリアの事、自慢気に話してる。あっ、円寿くん水の玉出した。わぁ~、水風船みたいに手でバウンドさせてる~・・円寿くん、いつの間にかあそこまで精密な魔法の制御が出来る様になったんだ。円寿くん才能あるなぁ。てまぁ、わいわい盛り上がっている内に、対岸にもう着きそうですよと。ん?あれは・・何人かの人達が・・焚き火?焚き火で鍋パしている?そんで・・なんか見た事ある人がいるなぁ・・あれは・・・

「!アズさん!」

「あっ・・エンくん~、アキちゃ~ん、ミサちゃ~ん、シュリちゃ~ん、ジュリちゃ~ん、サクちゃ~ん・・それと、()()()()()()もいるわね。お帰りぃ~」

「おっ、帰って来たねぇ。全員無事みたい・・・(一緒にいる無表情の黒髪ロングの魔導士ぽい人が、女将の言っているトゥモちゃんて人かな?)」

「お前らーー!戻ったぞーー!!」

サク姉お帰りーー(サク姉お帰りーー)!」

「ナミさん、サク姉達戻って来たっすよ。起きて下さい」

「うがっ!?・・・うぅ~ん・・あと5分・・・」

「いや起きて下さいよ・・・」

浮遊する足場が地面に着地する。ふぅ、ついたついたと・・・あぁ、なるほど。この人達がサクネアさんのお仲間のラング・ド・シャットね。えと~・・チェルシーさんと、ナミミナさんがお昼を一緒に食べた人達だよね。あと、ウィネさんが交流会前日に円寿すんに一報を伝えに来た人。それ以外は初対面だなぁ・・うぅむ・・皆さん格好がエッチだ。

「アズさん!来てたんですね!」

「来てたわ~。エンくん、お腹空いてない?ビーフシチュー作ったの。食べて食べて!」

「!シチュー!食べます!いただきます!」

「聞けぇー!お前らーー!魔導士連中の総本山で、悪い魔導士(ゴミ)共全てぶっ飛ばして来たぞぉーー!!」

「イェーイ!サク姉!」

「サク姉、カッコいーー!」

「そしてもぉ(ひと)ーつ!エンジュが魔法を使える事が分かったーー!これは獣人の革命だぁーー!」

「マジで!?エンジュ、凄いじゃん!」

「獣人の革命児だぁー!」

「さっきも水の玉をふよふよさせてたんたぞぉーー!」

「ふよふよさせてたエンジュー!」

「エンジュ~」

「!・・・(ナミさん?)」

「はい一旦~、シチューの器借りるよ~」

「?」

「胴上げだぁ!エンジュを胴上げすっぞぉ!」

「!?」

「持ち上げろぉ!持ち上げろぉ!」

「あっ、ちょっと!あなた達!せめてエンくんがシチューを食べ終わってからに・・・」

「イェーイ!胴上げぇ!」

「エンくんを胴上げぇ!」

「あんた達も混ざるなぁ!」


わぁーしょい!わぁーしょい!わぁーしょい!・・・


満月をバックに胴上げされる円寿くん。胴上げかぁ。胴上げとか初めて見るなぁ。最初は慌ててたけど、されている内に楽しくなってきたのか表情が笑顔になっていく円寿くん。サクネアさん達に混じるイケイケ双子ギャル。呆れながらも少し笑みをこぼすミサキリスちゃん。無表情のまま宙を舞う円寿くんを見つめるトゥモシーヌさん。円寿くんから取り上げたシチューをしれっと食べるナミミナさん。微笑ましく眺めるアズさん。月に照らされ輝く推しの笑顔・・映える、これは映えますよぉ!にしても・・・高いなぁこの胴上げ。円寿君2~3m(メートル)位飛んでない?てか結構危ないよねこれ!?まっ、まぁ円寿くんが楽しそうだし良いか。皆盛り上がっているし。2~3分近くしてサクネアさん達の気が済んだのか、ようやく胴上げが終了する。その後、今日あった出来事を円寿くんとサクネアさんが話している内にいつの間にか打ち上げみたいな雰囲気になっていた。

「とっ、トゥモシーヌさん!これ・・シチューどうぞ!」


コクッーーー


水魔法を披露する円寿くんとそれを囲むサクネアさん達を、少し離れた位置から二人並んで腰を下ろし見つめるあたしとトゥモシーヌさん。あぁ・・推しがチヤホヤされている、キラキラしている・・シチューが進む・・・

「・・・・・」

「あはぁ~~・・・」

「・・・アキナ・・・」

「ほへぇ~・・・」

「・・・・・」


スッーームニィーーー(頬をつつく)


「はふっ!?えっ?あっはい!何用でしょうか、トゥモシーヌさん!」

「・・・ありがとう・・・」

「ありがとう・・ですか?」


コクッーーー


とっ、トゥモシーヌさんにお礼言われた・・・()()()()何に対してだ!?円寿くんと話す場を作った事?トゥモシーヌさんは殆ど喋って無いけど。それとも、ドリュースさんとの一件の事?いやでもあれはあたしじゃ無くて円寿くんの活躍だし・・・はわっ!?トゥモシーヌさんが澄んだ瞳であたしも見ている!トゥモシーヌさん本当綺麗だなぁ。肌も、瞳も・・お人形さんみたい。何だか吸い込まれそう・・・て、そうじゃない。とっ、とにかく何か返答しなきゃ・・・

「いっ、いえ、此方こそ・・あぁ、あのっ・・今日は本当にありがとうございました!その、大変な事もありましたけど・・トゥモシーヌさんのおかげで、凄く良い思い出が作れました!本当に、本当にありがとうございます!」


コクッーーー


「へへへっ・・・」

「・・・トゥモ・・・」

「へっ?」

()()()・・て、呼んで・・良いよ・・・」

ほわっ!?とっ、トゥモ・・と、お呼びしていいと?アオイさんが呼んでいた様に・・そっ、それはつまり・・あっ、あたしを・・友達として認めて下さったと様事でしょうか!?うっ、嬉しい・・嬉しいですぅ・・・

「はっ、はい!そう呼ばせていただきます!とっ・・()()()さん!!」


コクッーーー


はぁっっはっはぁ~!トゥモさん!トゥモさんて呼んじゃったぁ!ここちゃんをここちゃんと初めて呼んだ時と同じ位の感動~!よしっ!これからは友達として、そして同じ円寿くんを推す者どうしであり()()・・・()()として、仲良くしていきましょう!トゥモさん!

「先輩~、トゥモシーヌさ~ん、助けて下さ~い・・・」

「!」

えっ、円寿くん!?なっ、何があったの・・・おわっ!?サクネアさんやイケイケ双子ギャルに追われている!?

「待て~、エンくーん!ぱいせんとトゥモシーヌさんとお風呂に入ったてどういう事だぁー!」

「そんな滅茶苦茶面白そうな話し黙っていたなんてズルいぞぉ~!」

「エーンジュ!誰だぁ!その、()()()て女は?!おいこらアキナぁ!アオイて女の事も含めて説明しやがれぇ!」

ひいいいいぃぃぃぃぃ!えっ、円寿くんお風呂の件ゲロっちゃったのぉー!?何で言っちゃうのぉ?!あたしにも飛び火してるじゃーん!?サクネアさんの顔が恐いぃ!!

「にっ、逃げましょう!トゥモさん!」


コクッーーー


「あっ!、ぱいせんとトゥモシーヌさんも逃げたぁ!追いかけろぉ!」

「はははっ、まてまてぇ~!」


ブオンーースッカッパァーーー


「なっ!?おぁい!転移魔法使うの反則だろぉ!まてやゴラァ!」


ガタゴトガタゴトガタゴトガタゴトーーー・・・


馬車に揺れながら帰路につくあたし達。馬車の中の席順は、馬側の席にあたしと円寿くん。向かい側がミサキリスちゃんとアズさん。イケイケ双子ギャルはミサキリスちゃんの指示で、手足を縛られ口を布で塞がれて馬車の後方外側に座らされている。二人はミサキリスちゃんによって頭に大きなコブを作られ、今は静かにしている。

「ごめんなさい・・エンくん、アキナさん。あの時、()()二人を追いかけ様としたら、チェルシーさん達が立ち塞がってきまして・・・」

「だっ、大丈夫だよミサキリスちゃん・・気にしないで」

サクネアさん達にあたし達が追われていた時、ミサキリスちゃんはラング・ド・シャットの人達にブロックされていた。完全に面白がっての犯行である。しかし、追われ初めて間もなく・・まず止められたのはサクネアさんだった。そして、そのサクネアさんを止めたのはなんとアズさん。あの怖いものなんてこの世に無さそうなサクネアさんを、アズさんが止めたのである。いわく・・サクネアさん止めた時のアズさんは、いつもの優しい笑顔のままなのに後ろに般若のお面が浮かび上がってたとかいなかったとか・・とにかく、アズさんの気迫にサクネアさんがたじろいだ形になった。そして、止められたサクネアさんを見てラング・ド・シャットの人達が動揺したスキに、ミサキリスちゃんがブロックの壁を突破。イケイケ双子ギャルを制圧。これにて恐怖の追いかけっこは終了となった。その後、アズさんがお開きを言い渡し解散。サクネアさんは納得していない表情だったけど、ラング・ド・シャットの人達に連れられ素直に帰った。トゥモさんも、最後に円寿すんの頬っぺたを堪能して転移魔法で帰っていった。そして、ミサキリスちゃんがイケイケ双子ギャルに制裁を下して今に至るという訳である。

「アズさん!」

「あらエンくん。何かしら?」

「ぼく、今日1日で色々な経験をしました。魔法の事だったり、魔導士の方達の事だったり、この大陸の事だったり・・そして、改めてこの大陸での獣人の子供達の立場の事だったり・・・ぼく、この大陸の事・・まだ全然知らないです。アズさん、ぼすこの大陸の事を学びたいです。そして、この大陸とちゃんと向き合いたいです。それで・・ですね・・あっ、アズさんが・・普段、凄くお忙しいのは知っています。その・・知った上で、お願いします。ぼく、この大陸に関する歴史や地理・・世界情勢とかを勉強したいんです。その・・それで、凄く図々しいかもしれませんが・・()()()、みたいなのを開いてくれたら嬉しいなぁと・・そう思っています。むっ、無理にとは言いません。アズさんが出来たらで大丈夫なんですが・・・いっ、いかがでしょうか?」

はうっ!?えっ、円寿くん・・そんな頬を赤らめうるうるした目でお願いなんて・・その表情は反則・・可愛い・・・あっ、いやそれよりも・・偉い!円寿くん偉い!そうだよね、円寿くんもあたしもこの世界の事知らなすぎるものね。デメティールさんが何も説明してくれないのにも原因があるんだけどね!

「あっ、アズさん・・あたしからもお願いします!べっ、勉強会・・開いて下さい。お願いします!」

「先輩・・・よっ、よろしくお願いします!」

「あらあら、大丈夫よ二人共。ほ~ら、顔上げて。二人のお願いならいつでも教えてあげるわ」

「!本当ですか!」

「本当よ~」

「・・・ふふふっ。エンくん、アキナさん、二人の願い・・あたしも協力させて下さい」

「ミサちゃん!」

「ふふっ、しっかり教えてあげるからね。エンくん」

「はいっ!お願いします!」

「むむっーー!」

「むむむっーー!」

「あら~、シュリちゃんとジュリちゃんも協力するて言ってるわ~」

「あは・・あはははは・・よっ、よろしく~・・シュリナちゃん、ジュリアちゃん・・・」

聞いていたんだねイケイケ双子ギャル。そんな状況でも協力してくれるて言ってくれるなんて・・・何だか不憫に思えてきたな。

「・・・ふわぁ~ぁ・・うっ・・う~ん・・・」

「あら~、エンくんあくび~。眠くなってきちゃったかしら?」

「はい・・あれ・・でもおかしいな・・体力は、まだまだ残っているんだけど・・・」

「エンくん、魔法を使ったからじゃないかな?普通に体力を消費するのと、魔力を消費するのとじゃ、勝手が違うからね」

「なるほどぉ・・う~ん・・・」

そうだった。そういえばトゥモさんも、転移魔法を連続で使ったら疲れて眠くなっていた。円寿くんは今日初めて魔法を使った訳だし、そりゃ疲れるよね。それに、魔法以外にも()()あったからなおさらだよね・・・円寿くん、凄く眠たそう・・うとうと円寿くん・・むふっ、むふふふ。可愛い。こくりこくりと今にも寝落ちしそう・・あぁ、ずっと見ていられる・・・

「・・・う~ん・・・」


コテッーーー


「へっ?」

「あら~」

「あっ・・・(エンくん、寝落ちしちゃった。それで、アキナさんの肩に寄りかかっちゃった・・・ちょっと羨ましい・・・)」

「そのまま寝かせてあげましょうアキちゃん。アキちゃんも、疲れたら寝てて大丈夫よ」

「・・・はっ、はい・・おぉ・・お気に・・なさらず・・・」

「?アキナさん?」

あっ・・ああ・・あああ・・・あ"ひ"ゃ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!!あっあああ・・えっ、円寿くんが・・ああああたしの・・かっ、肩に・・・ほぉっ、ほほほぉ・・ほぉほぉほぉ・・あっ、頭を・・ぉ、乗せぇ・・・あぁあわわわわわ、えらいこっちゃあ・・えらいこっちゃあ・・はわっ!?耳がっ!?円寿くんの頭の耳がぁっ!あたしの頬を!なでっ、撫でて・・・ほぉ、ほほほぉ・・こっ、こしょばゆい・・・そんな・・そんな円寿くんが・・我が推しが・・推しのかた・・かたかたかたかたかたかた肩枕あぁーーーー・・・はぁ・・おっ、推しに肩枕をする事になるなんて・・・いっ、生"き"て"て"良"か"っ"た"よ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"!!!・・はぁ、ほぉ・・よっ、()きぃ・・()き匂いがぁ・・あぁあっ!ぜっ、全神経が・・今、肩にぃ!肩に集まってるよおぉ!あああぁ!くっ、首が・・首が動かせない・・円寿くんの寝顔を見たいのに・・首を動かせない・・動かしたいけど・・動かしたら振動で円寿くんが起きてしまうかもしれない・・・はあはぁっ!匂いぃ!()き匂いがするぅ!お風呂入ったけど、その後結構体動かしたからほどよく汗の匂いも混じってぇ・・()きエッセンスにぃ・・あはっはあ!スースー!スースーて!円寿くんがスースーて寝息を!円寿くんの寝息!寝息まで可愛い!あぁ・・あたしは今、円寿くんの・・円寿くんの全てを感じている・・円寿くんの全てを浴びている・・あぁ、もうこのまま・・ずっとこのままでいて・・あたしは一生円寿くんの肩枕でいたい・・ああぁ・・頭がふわふわするぅ・・幸せぇ・・・


・・・・・


ピピピピッ、、ピピピッ、、ピピピピッ、、ーーー


「うっ・・・うぅ・・ん?」

あれ?スマホからアラームが鳴っている・・あれ?どうして?あたし、さっきまで馬車の中で円寿くんを・・・?あれあれあれ?おかしい・・なんでいつの間にベッドの上に?しかも外も明るい・・・あれ~?あたしのめくるめく幸せパーリータイムはどうなったの~?・・・!?まっ、まさか・・・夢!?あれ夢だった!?うぅ、嘘だ!ちゃんと円寿くんの頭が肩に乗ってる感触、耳が頬に触れた感触、寝息、匂い、ちゃんと覚えているのだがぁ!?もっ、もしや・・あれは全てあたしの妄想!?そんな馬鹿な!?いやあり得るかもしれない・・推しへの思いが強すぎて作りだした物を、夢として見ていたと・・・はっ!?というか異世界転移したのも全て夢だった!?まさかの夢オチ!?これら全てあたしの妄想だったら、あたしかなり末期じゃん!なんらかのお薬キメちゃってるじゃん!そんなの悲し過ぎるでしょお!


コンコンーーー


「アキちゃ~ん。起きてる~?朝ご飯出来たわよ~」

!?こっ、この声は・・この物凄くゆったりとして優しく暖かい声は・・・

「あっ・・アズさん!アズリールさんですか?!」


ガチャーーー


「そうよ~。アズさんよ~。あら~、どうしたのアキちゃん。そんなに慌てて」

「・・・はっ・・はは・・はははは・・よっ、良かったぁ~・・・」


ーー勝手にパニッくになり、勝手に落ち着きへなへなと腰が抜ける明奈。そんな明奈、あらあらと微笑ましく見ているアズリールーー


ゆっ、夢じゃ無かったぁ・・良かったぁ・・アズさんがいる。あたしの元いた世界に、こんな美人で綺麗な金髪でおっぱいがすんごい大きい人なんていないからね!異世界だ。ここは異世界だ。てか、よく見たらこの部屋も異世界でのあたしの部屋じゃん。うん、外の景色もあきらかに日本じゃ無い!中世ヨーロッパぽいよく分からない時代の街だ!・・・いや、まてよ・・()()()()()した事は夢じゃなかったと分かっただけで、馬車での出来事が夢じゃないとはまだ決まっていない・・確認しなければ・・・

「あっ・・あの、アズさん。少し、お聞きして良いですか?」

「ん~?何かしらぁ?」

「その・・あたし達、魔導省から戻って、ラング・ド・シャットの人達とシチュー食べましたよね?」

「食べたわよ~」

「その後、馬車に乗りましたよね?」

「乗ったわ~」

「それで・・その・・えっ・・円寿・・くんが寝落ちしましたよね?」

「しちゃったわ~。コクッ、コクッ、コテッ、てなってて可愛いかったわ~」

「それで、ですね・・その、寝落ちした円寿くんは・・その・・こお・・あたしの・・こお・・ねっ・・・」

「?ん~・・あぁ、そうね。アキちゃんの肩に、エンくん頭を乗せてたわ~。微笑ましかったわ~」

「あ"っっしぃ!!!」

「あら~。どうしたのアキちゃん。いきなりガッツポーズなんかしちゃって?」

「えっ?あぁ、いやこれは・・その、はは・・気にしないで下さい・・で、それで・・あたし、その辺りからの記憶が曖昧何ですけど・・・」

「あら~、記憶が曖昧に・・そうだったのね~。アキちゃん面白いわ~」

「?おっ、面白い?」

「そうよ~。エンくんがアキちゃんの肩に寄り添って寝ている間、アキちゃん凄く幸せそうな表情のまま動かなくなっちゃってたのよ。話しかけても、聞こえてないみたいでぇ、返答も無くて。デア・コチーナに着いてもそのままだったわ。ミサちゃん、『アキナさんは疲れがたまるとこうなってしまうんですか!?』てぇ、凄く心配してたわ~。あたしも~、分からないわ~、て答えておいたわ。あっ、でもシュリちゃんとジュリちゃんは大爆笑だったわ。『ぱいせん、超ウケるんですけど~!』てぇ、言ってて楽しそうだったわ・・・あら?アキちゃん、大丈夫?顔が赤いわ。」

「・・//・・//・・いえ、はい・・だっ、大丈夫です・・・」

大丈夫じゃないです!はあぁっっっずうぅっっっ!!えっ?つまりあたし、円寿くんが肩に寄り添った瞬間に・・あまりにも幸せ全快MAXフルスロットル過ぎて、気を失ったて事!?やっぱりあたし末期じゃん!しかもアズさんミサキリスちゃんだけで無く、あのイケイケ双子ギャルにまでその醜態を見られてしまうなんて・・絶対今度会った時に、そのネタで死ぬほどいじられる。最悪・・死にたい・・・

「それで~、全然動かないからアキちゃんを部屋まで運ぼうてなったの。その時に、エンくんが起きてね・・・」

「!?円寿くん、起きたんですか!?」

「起きたわよ~。正確には、ミサちゃんが起こしてあげたんだけどね。それで、事情を聞いたエンくんが、『先輩は僕が運びます!』てぇ、言ってくれたの。助かったわ~」

円寿くんにも見られたぁ!?あっ・・ぐお・・恥ずい・・恥ず過ぎる・・・て、ん?えっ、円寿くんが・・なんて?

「えっ?えっ、ちょっ待って下さい。あたし、円寿くんに運ばれたんですか?」

「そうよ~。ほらぁ、獣人は身体能力が高いから、小柄なエンくんでもアキちゃんを運ぶ位簡単だわ」

「・・・えと、それで・・どういう風に、運ばれたんですか?」

「?どういう風?」

「あぁ、えとそのぉ・・あたしを、どう持ち上げたんでしょうか?()()()()んですか?それとも・・・」

「あら~、そういう事ね~。()()()よ。()()()()()()。シュリちゃんとジュリちゃん、キャーキャー言ってたわ~」

「・・・ほぉ・・ほぉ・・・」

「?アキちゃん?」

「ほぅわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「あら~」

えっ、円寿くんが・・あたしを・・おっ、お姫様抱っこ・・だと・・・なんで気を失ってんだあたし(てめぇ)はあぁ!!いや、気を失っていたからお姫様抱っこされたんだけれども・・そうなんだけど・・くっ、くうぅぅぅ・・せっかく推しにお姫様抱っこされたのに覚えていないなんて・・水連明奈、一生の不覚。末代までの恥。こんなん切腹(もん)ですわ。死んで詫びても詫びきらない・・おのれあたしの思考回路。もっとキャパシティーがあれば、こんな事には・・・

「それで、無事アキちゃんをベッドに寝かせて、今に至るて訳。めでたしめでたし」

めでたく無い!全然めでたく無いよぉ!うぅ・・円寿くんやミサキリスちゃん達にこんな醜態さらすなんて・・・

「さてさて、アキちゃんが無事に目を覚ました事だし、朝ご飯食べちゃいましょ~。エンくんがお腹を空かせて待っているわ~」

「・・・はい・・行きます・・ご飯食べます・・」

はぁ・・気まずい。円寿くんにどんな顔して会えば・・・いや、今さらか。あたし、この数日間でかなり円寿くんに駄目な部分晒しているし・・今さら()()()()した所を見られた所で変わらない・・かな?アズさんか扉を開けると、そこには席に座りテーブルに置かれている朝食の品々を今か今かと待ちながら顔の周りを輝かせ耳をピコピコさせる愛しの推しの姿があった。

「エンく~ん。アキちゃん連れて来たわ。ご飯食べましょ~」

「!はいっ!先輩!おはようございます!体調は大丈夫ですか?」

えっ、円寿くん!・・あたしをお姫様抱っこしてくれた初めての男の子・・いや、小さい頃お父さんがしてくれたから始めたでは無いか?いや、お父さんはあたしの言う所の()()()では無い!うん、やっぱり円寿くんが初めて!お姫様抱っこなんて、嫌いな相手にはしないよね・・嫌いな相手にも、お姫様抱っこされたくないよね!あたしの初お姫様抱っこを奪ったのだもの・・こっ・・こここっ、これは・・円寿くんに責任をとってもらはないと・・・あっひょぉいっ!すいません調子に乗りました申し訳ございませんあたしなんが言って良い事と悪い事がありますよねごめんなさい・・・

「うっ、うん・・大丈夫だよ、問題無し・・ごっ、ごめんね円寿くん。昨日は、迷惑かけちゃったね・・・」

「いえ!問題無さそうでなによりです!アズさんのご飯食べれば、もっと元気出ますよ!」

「うっ、うん・・そうだね。それじゃ、食べようか」

「はいっ!」

「それじゃあ二人共、お祈りするわよ~・・・天に()わします、我らが女神よ・・此度もお恵みをお与えくださりし事を、ここに感謝いたします・・・今日も元気に・・・」

いただきます!(いっ、いただきます)


カタカタカタカタカタカターーー・・・


朝食食べ終え片付けた後、あたしと円寿くんはそれぞれ仕事を始める。円寿くんはお店の掃除。あたしはいつも通りパソコンで事務作業・・と言う名のネットサーフィンだ。いやね、この異世界で(おこな)う事務作業のなんて()()()()()()いますからね、そんなに急がなくても良いんですよ。ミルクたっぷりの珈琲を優雅に飲みながらするネットサーフィン・・しかも朝っぱらから・・なんて背徳的なんだろうか。これでお給金貰えているんだから最高だよね。あぁ、でも()()()()だと元いた世界に戻った時苦労しそうだな・・まっ、まぁいつ戻れるか分からないし・・そんな、すぐ戻る訳では無いと思うから・・えっ?戻りませんよね?嫌ですよ、あたしはまだ円寿くんとの異世界ライフを堪能しきれていないのですから。とにかく、いまは今ある生活を最大限楽しむのだ!・・・お姫様抱っこ・・お姫様抱っこされたんだなぁ~あたし。お姫様抱っこされたって事は、つまりあたしの・・二の腕と、膝の裏辺りを掴んだて事か・・・んん!?んんん!?(さわさわ・・・)二の腕・・少し・・いや、だいぶぷよぷよしている・・気がする・・あっ、足はっ!(鏡の前にダッシュ!)ふっ、太い・・かな?いや太くは無い・・と思う・・細くは無いけど・・平均、平均だよね?あたしの年齢的に・・だっ、大丈夫かな?円寿くんに、このクソデブ女!とか思われていないかな?いや、円寿くんがそんな汚い言葉をたとえ心の声でも言わない・・と思う。でもやっぱり少しは、先輩太いかな?て思ってたりするよね・・やっ、痩せなきゃ。円寿くんの隣にいても見映える位に痩せないと・・・でっ、でもなぁ・・アズさんの作る料理美味しいんだよな・・元いた世界では、一日三食食べない事が多かったあたしでも食べたいと思う位美味しいんだよなぁ。あっ、でもアズさんの料理ちゃんと野菜もあってバランス良いからセーフかな?偏った食事をしなければ太らないて聞くし、アズさんが出す食事で太る事は無い・・かな?よし、食事で太る心配が無いと分かればあたしがするべき事は一つ!


ダッダッダッダッダッーーー・・・


「あっ、アズさん!」

「!あら~、アキちゃん。どうしたの~?」

「あっ、あたしに・・かっ、()()()()()()()()を下さい!」

「あら~、アキちゃん。急にどうしたのかしら?」

「あっ・・えっ、えと・・ですね・・その・・たっ、たまには、表で仕事もしてみたいなぁ~・・なんて、思いまして・・ずっ、ずっと部屋に引き込もっているのも、それはそれで不健康だと思いまして・・・」

「あらあら、偉いわ~、アキちゃん。そうね~・・そういう事なら・・倉庫に行って、食材の整理・確認をして来て欲しいわ~。大きい(かご)いっぱいに野菜とかが入っているから、(ちから)仕事でしっかり身体を動かせると思うわ~」

「ちっ、力仕事・・ですか・・・」

篭いっぱいに入った野菜・・だっ、大丈夫かな?あたし、ここ数年そんな腕に(ちから)込める様な動きをする作業してきていないのだけれど・・しかし、自分から言った手前・・断るのはアズさんに悪いし・・・

「あっ、アズさん。その作業て、あたし一人・・ですか?」

「あら~、アキちゃん。安心して。エンくんと一緒に(おこな)ってもらうわ~。今はもう、倉庫で作業初めているの。だから、細かい指示はエンくんから聞いてね」

なっ、なんですと!?どうりでさっきから店の中を見渡しても円寿くんがいない訳だ。円寿くんと一緒なら、頑張れる気がする・・円寿くんと、作業・・二人で・・ふふっ、ふふふふふふ・・・

「わっ、分かりました!それじゃあ、行ってきます!」

「あら~、アキちゃん。元気な挨拶。頑張ってきてね~・・・あっ、そうだわアキちゃん。倉庫には・・あら~、もう行っちゃったわ」

むふふふふふ・・身体も動かせて、尚且つ円寿くんと二人きりになれる。一石二鳥じゃないか。よし・・頑張って身体を動かして痩せて、そして円寿くんと更なる交流を!・・・え~と・・おっ、あれが倉庫だな~。ふふふっ、あそこに円寿くんが・・・ん?あれ?なんだか、ずいぶん中が賑やかだな・・あれここうち(デア・コチーナ)の倉庫で合ってるよね!?いっ、いったい何事?・・・そろぉ~と、窓の隙間から覗いて見ましょっと・・・ん?

「エンジュー!このじゃがいもは、どっちー?」

「!チェルさんのは~と・・!そっちです!」

「オッケー、よっと・・・」

「エンジュー、この人参はー?」

「ウィネさんのは、あっちです。!ナミさん。ピーマンはそこじゃありません。そっちの棚です!」

「うい~」

「エンジュっ!見てくれ!そこにあった野菜、全部整理終わったぞ!」

「!もう終わったの?え~と・・凄い!ちゃんと綺麗になってる!ありがとう、サク姉!」

「うふふふふ~、そうだろそうだろ~、あとまだ何かあるか、エンジュ!」

「えっとね、その辺りは整理すれば、倉庫の作業は終わりだよ」

「分かったぞエンジュ!秒で終わらしてくるぞ!」

らっ、ラング・ド・シャットの皆さん~~!?なんで?なんでこの倉庫に?なんで倉庫の作業をしてくれているの!?円寿くんが現場監督みたいな立ち位置になっているし・・てかぁ!あたしと円寿くんの二人きりじゃ無かったんですかぁ!?なんかもう作業終わりそうだし・・うぅ・・せっかく円寿くんと二人きりで仕事できると思ったのに・・・

「じ~~~~・・・」

「ん?ほわっ!?なっ、ナミミナさん!?」

「わぁ~先輩ちゃんが驚いた~。先輩ちゃ~ん、何してるの~?」

「えっ?あぁ、いや・・あたしも、手伝える事あるかな~・・なんて、思いまして・・へへへ・・あっ、あの・・どうして、その、ラング・ド・シャットの皆さんが、ここに?」

「ん~?えっとね~、なんか~、サク姉が今日珍しく~早起きしちゃってね~、今日は仕事も無いし~、引っ越しの~荷物運びのついでに~、エンジュの所行くぞ~、て~サク姉に連れ出されたの~。だから~、今めっちゃ眠い~」

「そっ、そうなんですね・・・」

「そんで~、デア・コチーナについて~、女将さんに~、サク姉が~エンジュどこだーて~聞いたら~、倉庫にいるわ~て言ったから~、みんなで倉庫行ったら~、エンジュが~一人で頑張ってて~、それ見たサク姉が~、エンジュに良い所見せるチャンスだ~て~言い出して~、作業手伝い始めたの~。そしたらチェルが~、見てるだけなのもなんだし~、あたしらも~手伝おうか~、て~言ったから~、あたしらも~手伝う流れになったの~」

「なっ、なるほど・・てっ、手伝ってくれて、ありがとうございます・・・」

「うむ~、よきにはからえ~。でも~、ぶっちゃけ~、こういう力仕事て~、サク姉一人でも~なんの問題無いから~、正直あたし達いる~?て~感じだった~。ほらほら~、先輩ちゃん見て見て~。サク姉の働きぶり~。エンジュに誉められたいから~、めっちゃ速いの~。あれ~もうそろそろ終わるよね~。まじウケる~」

ナミミナさん・・初めて会った時から独特の雰囲気してたけど、話してみるとなんと言うか・・凄く可愛いな。見た目はダウナー系のギャルて見た目してるんだけど、雰囲気が凄く猫っぽいと言うか・・ただ、ナミミナさんの話し聞いているとなんだか凄く眠たくなってくる・・・

「ん?あっ、こら、ナミ!あんた何サボって・・あら、先輩ちゃん。なんだいたんだぁ。ごめんねぇ。なんか、ナミの話し相手になってくれたみたいだね」

「えっ?あっ、どもです、チェルシーさん。いえ、その・・こちらこそ、お仕事の邪魔しちゃってすいません・・ははは・・・」

「チェル~、あたしサボって無い~。先輩ちゃんがいたから~、先輩ちゃんが寂しくないよお~、相手してた~」

「相手してくれてたんでしょ、先輩ちゃんが。まったく・・あっ、先輩ちゃん。もうそろそろ作業終わる所なんだけど、エンジュに用があって来たんだよね。エンジュ呼ぶ?」

「えっ?あっ、はい・・そうですね。おっ、お願いします・・・」

「オッケー。エンジュー!先輩ちゃん来てるよー!」

「!はーい!あっ、先輩!お疲れ様です!どうしましたか?」

「あぁ、円寿くんお疲れ・・えと、アズさんに円寿くんがの作業手伝ってきてって言われたけど・・なんだか、もう終わりそうだね。」

「はい!ラング・ド・シャットの皆さんのおかげで、半日かかりそうだった作業が一時間で終わりそうです!助かりました!」

「あはは・・良かったね、円寿くん・・・て、ん?半日!?円寿くん、もしかして半日もかかりそうな作業を一人でする予定だったの!?」

「はい、そうです!あっ、でも、倉庫に入った時に一人だったらだいたいこれ位の時間がかかっていただろうな、て予想の時間なので、もしかしたらもっと早く終わる可能性もありました。それに、アズさんからは何日かに分けて作業して大丈夫と言われています。結果的に、サク姉達のおかげで、今日中に・・しかも、昼前に終わりそうです!ありがとうございます!チェルさん!ナミさん!」

「まぁ~、ほとんど作業したのはサク姉だけどね」

「あたしは~、楽出来て~良かったぞ~」

「あんたは、手を抜きすぎなの」

「あっ・・あはははは・・・」

いやいや・・いくら時間かけて良いとは言え、円寿くん一人でやらせようとするなんて・・アズさん、いつもニコニコしておきながらなかなか()だな。まぁ、円寿くんなら出来ると思っているから任せたんだろうけど・・それにしてもだよね。それに、アズさんからのお願いを素直に引き受けちゃう円寿くんも円寿くんだな。大丈夫かな円寿くん。将来、ブラックな労働環境でも素直に引き受けて働いちゃいそう・・円寿くんのこの先が少し不安・・・そうだ。そうならない様に、あたしが円寿くんを養えば良いんだ。うんうん、円寿くんには家事をしてもらってね。円寿くんがブラック企業で働く位なら、あたしがこの身を削ります!だって家に帰れば推しがいるのだもの!いくらでも働けちゃうよ!円寿くんとの同棲生活・・むふ・・むふふ・・むふふふふふ・・・

「あは・・あは・・あはは・・・」

「先輩ちゃ~ん。ん~、どうしたの~?やらしい事でも~考えてるの~?」

「・・・ねぇ、エンジュ。なんか先輩ちゃん、明後日の方向を向いて笑いだしたんだけど・・これ大丈夫?」

「大丈夫だと思います!」

「大丈夫なんだ・・・」

「エーンジュ!見ろ!終わったぞ!」

「!本当!サク姉!今、確認するね!」

「おう!」

「サク姉~、おっつ~」

「お疲れ様、サク姉。エンジュに誉めてもらえそう?」

「おう!キラキラさせた顔で、あたしを見上げるエンジュが見えるぜ!・・・ん?なんだ、お前いたのかよ、アキナ」

「あははは・・・」

「・・・おい」

「あはぁ~・・・」

「お"い"っ"!」

「!?えっ?あっ、はいぃ!すいませんすいません調子に乗った妄想して申し訳ありません!・・・て、は!?さっ、サクネアさん!?」

「声かけたのにシカトすんなよ」

「えっ?しっ、シカト?あぁあぁすいません!シカトしたつもりはなかったのですが・・少し、ぼぉ~としてました・・ごめんなさい・・・」

「ぼぉ~としてただぁ?たくっ、そんなんじゃ()()()て時にエンジュ守れねぇだろぅが。シャキッとしやがれ!シャキッとぉ!」

「ひいぃ!?すすす、すいません~・・・」

「こぉ~ら、サク姉。そう、怒鳴らないの。先輩ちゃん、怯えているでしょ」

「先輩ちゃ~ん、よ~しよ~しよ~し」

「うっ、うぅ・・ナミミナさん・・・」

「サク姉。みんながみんな、サク姉みたいに強く無いて分かってるでしょ。それに、エンジュの先輩ちゃんなんだから、もっと優しく接しないとエンジュが困るでしょ」

「っ・・あぁもう分かったよ。たくっ・・あぁこら、メソメソしてんじゃねぇよ。あたしがいじめてるみたいになんだろうがぁ!」

「!?ごっ、ごめんなさい~・・・」

「だぁ!くそっ・・・(なんでこんな奴がエンジュの身内なんだよ。あぁ~、やりづれぇ)」

「確認終わったよサク姉!・・!?せっ、先輩!?何かありましたか?!」

「だあぁ!えっ、エンジュ!違うぞ、あたしはいじめてなんかいないぞ!」

「?いじめて?」

「・・・(あっ、これややこしくなりそうな奴だ)あぁエンジュ。作業も終わった事だし、とりあえず店に戻ろうよ。ほら、先輩ちゃん。行こっか」 

「はっ、はいぃ・・・」

「エンジュ~。先輩ちゃんの事は~気にしなくて大丈夫だよ~。サク姉が怒鳴ってたけど~、あたしが~よしよしして~あげたから~」

「!?どっ、怒鳴った?どうゆう事?サク姉?」

「だっ!ちょっ!ちぃ違う!違うんだエンジュ!ナミ!てめ、ごるらぁ!」

「ナぁミ!あんたは余計な事、言わない!さっさと先輩ちゃんとお店戻ってなさい!」

「あれ~?なんか~あたしが怒られてる~。まいっか~。先輩ちゃ~ん。先に戻って~お茶でも飲んでよ~」

「はい・・えっ、円寿くん。あたしは、大丈夫だから・・その・・気にしないで。それと、サクネアさんは悪く無いからね。それじゃ、先にお店で行ってるよ。アズさんには、作業終わったて伝えておくね」

「はい・・よろしくお願いします・・無理しないで下さいね。先輩」

「うっ、うん・・ありがと・・・じゃあ・・・」

「・・・(うぅむ、先輩ちゃん、その雰囲気じゃ余計エンジュの事だから気にしちゃうんじゃないかなぁ。あぁほら、せっかくエンジュに誉めてもらう気でいたのに、サク姉意気消沈しちゃってるよ。まぁ、エンジュの事だから、サク姉を攻め立てるて事はしないと思うけど。はぁ、しょうがない。流石に可哀想だから、しっかりと弁護してやりますか。サク姉、後で臨時ボーナスよこしなよ・・・)」


「先輩ちゃ~ん。先輩ちゃんは~、好きな食べ物は~な~に~?」

「えっ?あっ、好きな食べ物・・ですか?そっ、そうですね・・・」

急になんで食べ物の話し?どうして?もしかして、ナミミナさんあたしに気を使っているのかな?だとしたら、ナミミナさん凄く優しい。ごめんなさいナミミナさん。あたしナミミナさんの事、普段何も考えて無さそうて思ってました。意外と気を遣える人なんですね!

「たっ、たらこパスタが・・好きです・・・」

「あ~、()()()()~。それ~あたしも好き~。美味しいよね~。ちなみに~、チェルは~たらパス苦手なんだよ~。魚卵系が駄目なんだって~」

「そっ、そうなんですね・・・(たらパス?)」

「じゃあ~、今日のお昼は~、女将さんに~リクエストして~、たらパス作ってもらお~」

「いっ、良いですね・・・(たらパスて、言い方が気になる・・・)」

「あたしは~、たらパスにバター乗せまくって~、バターが溶けて~テッカテカになった奴が好きなの~。先輩ちゃんはど~お?テッカテカのたらパス~」

「えっ?あぁ、えと・・あたしは、油っぽいのは得意じゃ無いので、バターは乗せないですね・・はい」

「そうなの~?美味しいんだけどな~。」


ガチャーーー


あっ、お店もう結構人入っている・・ん?あれは・・・

「!あっ、アキナさん、お疲れ様です。ナミミナさんと一緒なんて、珍しいですね。」

「パイセンおつでーす!」

「ナミミナさんもおつでーす!」

()()()()()()~、シュリジュリ~おっつ~」

「ははは・・・(ミサリッシュ?)」

「ミサキリスちゃん、お疲れ様~。えと・・色々あって、ナミミナさんと一緒にいます・・・」

「色々?」

「パイセ~ン、無視しないで下さいよー。あたしも、お疲れ様て言ったのにー」

「あぁあ、ごめん!無視したつもりじゃなかったんだけど・・・おっ、お疲れ様・・えぇと・・ジュっ・・・」

「ジュ~?」

どっ、どっちだ?ジュリアちゃん?それともシュリナちゃん?このイケイケ双子ギャル・・どっちも同じテンションだから、どっちがどっちだか分からないんだよなぁ・・ただでさえ、会って間もないてのに。間違えたら、またいじられそうだし・・あぁもう、一か八か・・・

「あっ、えっ・・しぃ・・()()()()・・ちゃん?」

「シュリナぁ~・・・ぶぶー!外れー!あたしは()()()()でーす!」

ぎゃー!外れたー!二分の(いち)を外すなんて、あたして本当に運が無い。ギャンブル向いて無いなぁ・・・

「パイセン、ひどーい、名前間違えるなんてー。あたし達の見分けついて無いのー?」

「あああ・・ごめん!まだ、ちょっと見分けつかないです・・ごめんなさい・・・」

「こら、あんた達!なんで()()()()()()()()嘘つくの!アキナさんの事困らせないの!」

えっ?あっ、当たっている?やっぱ当たってるじゃん!あたしギャンブル向いてた!

「ちょ~、ミサ、バラさないでよー」

「空気読めやーい!」

「うるさいっ!ごめんなさいアキナさん。アキナさんは、ちゃんと当てていました。いまさっき、ジュリアて言った方がシュリナです。すいません・・このアホ二人、こういうのよくやるんです・・あんた達、アキナさん困らせた罰としてこれからは()()着けなさい。分かりやすい様に」

「えぇー!やだー!ちょーダサーい!」

「この年で名札なんて着けたくなーい!」

「ならこういうイタズラやめなさい!」

はーい(はーい)


ガチャーーー


「サク姉!どうしたら、重い荷物持ちながらあんなに高くジャンプできる様になるの?」

「むっふっふぅ~、それはだなぁエンジュ・・体感だぁ!体感鍛えれば出来るぞ!」

「体感!体感鍛えれば良いんだね!分かったよ!」

「・・・(いやぁ、あたし頑張った。先輩ちゃんの悩みをサク姉が聞いていたて事でなんとか修めた。女同士だから話せる事があるってね。怒鳴ったのも、()()をかけたから怒鳴っている様に見えたて事にした。そんで周りの悩みを聞いてあげるし、自分から率先して先頭に立ち仕事をするサク姉は凄いよね、てエンジュに言えばあとはエンジュがサク姉をとことん誉めちぎってくれる。そしたら、サク姉は気分が良くなる。先輩ちゃんのフォローも出来て万事解決。みんなハッピー万々歳、とぉ・・・はぁ、後で先輩ちゃんにも奢ってもらおう・・・)」

「あぁー!エンくんだぁー!」

「エンくん、こっちこっちー!」

「!シュリちゃん、ジュリちゃん、ミサちゃん、いらっしゃい。あっ、先輩!もし悩み事がある時は、僕に話せる内容であれば、遠慮無く話してもらって構いません。いつでも(ちから)になりますよ!」

「?えっ?あぁ、うん・・よっ、よろしくね・・円寿くん・・・」

円寿くん、それってなんの話し?悩み?う~ん・・まぁいっか。なんかよく分からないけど、上手くまとまったみたいだし。

「ふっふっふ~、エンく~ん・・あたし達に近づいたな~・・・」

「?」

「今日こそは聞かせてもらうよー。パイセンやトゥモシーヌさんとお風呂に入った話しを~」

「!?///」

あれぇ!?その話しまだ引っ張るの!?もっ、もう済んだ事だし・・そんなにこすらんでも・・・

「あっ、パイセン。今、心の中でまだその話し引っ張るの?て思ったでしょ~」

「!?」

「顔に出てるぞ~」

「こらあんた達!エンくんとアキナさんを困らせないて何度言ったら分かるの!何度も説教されて、どうしてそう懲りないのよ!」

「懲りないよ!それに、今日のあたし達はミサに何度説教されようが折れぬ覚悟で来ている!」

「何度拳骨されても、立ち上がる勇気でいる!」

「そんな覚悟と勇気なんて必要無いでしょ!」

「エーンジュ!」

「!?///」

あああ!?サクネアさんが、円寿くんを後ろからハグ!抱きついた!なんの脈絡も無く!円寿くんとのゼロ距離接触・・なんでほんな事出来るの?あわわわわ・・円寿くんの背中に、サクネアさんの豊満な双丘がぁ・・褐色の双丘が、円寿くんの華奢な背中にダイレクトに・・羨ましい!二重の意味で!て、そうじゃない!えっ、円寿くんが顔を赤くしています!離れて下さい、サクネアさん!

「エンジュ!アキナと風呂に入ったんなら、あたしとも入れるだろ!一緒に風呂入んぞ!」

「!?なっ、なんでそういう話しになるの~!?///」

「サクネア!あなたもですか!とっ、とにかく、エンくんから離れなさい!」

「ミサリッシュ~。好きな食べ物なに~?。あたしは~たらパス~」

「あっ、ちょっ、ナミミナさん、いきなりなんの話しですか!?どっ、どいて下さい!」

「ナミミナさん、ナイス!」

「エンく~ん、これでミサからの援軍は期待出来なくなったぞぉ~。観念して全部話しちゃえ~」

「そして、あたし達ともお風呂に入るのだぁ~」

「!?だっ、だからなんでそういう話しになるの~!?///」

あわわわわわ、どどどどうしよう・・頼みのミサキリスちゃんは、謎にナミミナさんに絡まれてるし・・他のラング・ド・シャットの皆さんは面白がって見てるだけだし・・あっ、アズさん!・・は、厨房で忙しいそう・・・こっ、ここはあたしが頑張らなきゃ!あたしが円寿くんを守る・・・て、無理だよ~。イケイケ双子ギャルに加えてサクネアさんも相手取るなんて~。サクネアさん怖いし・・どうしたら・・・


ブオンーースゥーーー


「!」

「あっ?んだ?」

あたし達から近い距離の足下に、魔方陣が展開され光を照らす。こっ、この魔方陣は・・もしかして・・・


カァーーパッーーー


「・・・・・」

「とっ、トゥモさん!」


コクッーーー


やったー!トゥモさんだー!助かったよぉ。こんなにも頼りになる助っ人、他にいない!

「いらっしゃいませトゥモシーヌさん!本当に来てくれたんですね!」


スッーーナデナデーーー


「エ~ンジュくん。こんにちは」

「!?あっ、アオイさん・・いっ、いらっしゃいませ・・・///」

「やん、エンジュくん、トゥモの時と反応が違うわ。まるであたしの事、怖がっているみたい・・あっ、それとも・・怖かっているんじゃなくて・・あたしの事、意識してくれているのかな?だったら嬉しいなぁ・・・」


プニプニーーー


「////////」

わーー!?トゥモさんの背後からひょっこり、アオイさんも来てたーー!?たっ、たしかに円寿くん・・トゥモさんには素直に挨拶したのに、アオイさんには()()()()している・・・きっ、キスか?やっぱりキスされたのが原因か?くうぅ・・そりゃ、キスなんかされたら男の子は意識するに決まってんじゃーん!ぐぬぬぬ・・・

「・・・おい・・・」


ドンーーー


「っ・・・ちょっとあなた、何するのよ!」

「!?さっ、サク姉?」

「エンジュ・・今こいつの事、()()()て言ったよな・・・」

「うっ、うん・・そうだよ。この人がアオイさんだよ」

「そうか・・こいつが・・・」

ひいいいいいぃぃぃぃぃぃ!?!?サクネアさんの顔が怖いいいいぃぃぃぃぃ!!!円寿くんの頬っぺたをぷにぷにしてたアオイさんの肩を突き飛ばしたぁ!・・あっ、円寿くんからサクネアさん離れた・・ほっ・・・て、そうじゃない!何を安心してるのだあたし!今の突き飛ばした感じ・・あのサクネアさんの表情・・敵意だ・・サクネアさん、アオイさんに敵意むき出しだよぉ・・こっ、怖いぃ・・・

「てめぇだな!エンジュにちょっかい出したアオイて女はぁ!魔導士が獣人に手ぇ出すたぁ、いい度胸だ!」

「はぁ?何それ?あたしは別に、自分が魔導士だとかエンジュくんが獣人だからとか関係無しに、エンジュくんと仲良くなろうとしているの。あなた、もしかして全ての魔導士が獣人に害ある存在だとでも思っているの?そんな断片的な部分からしか物事を見れないなんて・・程度が知れるわ!」

「あぁ?・・んだとてめぇ・・やんのかごるらぁ・・・」

「上等じゃない・・受けて立ってやるわ・・・」

あわわわわわわ・・こっ、ここ最近で最強で最悪の修羅場だぁ~~~・・元いた世界で人生と言う()()()()に浸かっていたあたしでも分かる・・この二人がぶつかった瞬間、周りの空気が変わった。空気が変わった時、あたし達は察した・・この二人、物凄く相性が悪い、と・・普段だったら、怒ると怒鳴るサクネアさんが物凄く怖い顔で静かにブチ切れて睨みつけている・・人は本気でキレると冷静になるて、なんかの漫画で言ってた様な・・まさに()()だ。対するアオイさんも、サクネアさんの気迫にまったく負けていない・・睨み返している・・あれぇ?アオイさんて、こんなに喧嘩っ(ぱや)い人だったの?たしかに、あたしアオイさんに会ってまだ1日しかたっていないから色々知らなくて当然なんだけど・・まぁ、トゥモさんもそうなんだけどね・・とっ、とりあえず・・この二人を誰か止めて下さい!まずは・・ラング・ド・シャットの皆さん・・・滅茶苦茶ドン引いている・・サクネアさんの身内ですらドン引くほどの、サクネアさんの怒り様て事なの!?じゃあ・・みっ、ミサキリスちゃん・・・両腕を怯えるイケイケ双子ギャルに捕まれて動けないでいる・・あれ?ナミミナさん、ミサキリスちゃんの後ろに隠れてる?ブルブル震えてる?マイペースのナミミナさんですらこの反応・・・そっ、それじゃあトゥモさんは・・・円寿くんの頬っぺたを堪能している・・流石はトゥモさん。この状況でも円寿くんを触りにいくその胆力、そのマイペースっぷり。この人、大物や・・いや、実際大物なんだけど・・あわわわ・・サクネアさんとアオイさん、お互いの視線がぶつかってバチバチしているぅ・・まさに一触即発だよぉ・・世界の終わりだよぉ・・・こっ、こうなったら・・あたしが(あいだ)に入って何とか・・・て、無理ぃーー!無理に決まってんじゃーん!あたしなんかが止められる訳無い・・どうしたら・・・ん?・・!?えっ、円寿くん!?二人に近ずいていってる!?さっきまで、トゥモさんに頬っぺた揉まれていたのでは!?あっ、トゥモさん少し寂しそうな顔している・・もっと頬っぺた触りたかったんですね・・()()で円寿くんの頬っぺた揉んでいる・・手をフワフワさせてる・・・

「ふっ、二人共!喧嘩は駄目ですよ!」

「エンジュ!これは喧嘩じゃねぇ・・これは女同士・・譲れねぇ(もん)がぶつかってるだけだ・・・」

「そうよエンジュくん。女てのは・・引いて良い時と悪い時があるの・・その悪い時が、今よ!」

「そっ、そうなん・・でしょうか・・・?」

納得しないで円寿くーーん!円寿くんが悪いて訳じゃ無いけど、この喧嘩のきっかけは円寿くん。この二人を止められるのは、もう円寿くんしかいないの!だから、負けないで円寿くん!

「おうこら・・ぶっ潰してやんよ・・・」

「汚い言葉使いね・・品性の欠片も感じ無いわ」

「あぁ?!」

「何よ!」


ーーサクネアが拳を構える。それに応じて、アオイも身構える。一触即発・・二人を止めようとするものの、どうしたら良いかわからず・・ただ、慌てる事しか出来ない円寿。そんな円寿を見て、さらに慌てる明奈。店内のギャラリー達も息を飲む。ジリッ・・二人の女の踏み込む音がなる。そして、今まさにお互いの信念をかけてぶつかろうとしたその瞬間ーーー


パァンッッーーー(手を叩く音)


「んなっ!?」

「えっ?」

「は~い、おしまい!二人共~、喧嘩ならお店の外でやってちょうだ~い」

あっ・・・アズさん!!アズさんだぁ!!たっ、助かったぁ・・・

「おっ、女将・・いつの間に・・・(あたしが見えなかった?いつ(あいだ)に入って来やがったんだ?)」

「・・・(この人、さっきまで厨房にいたわよね。そこからここまで、気配も無く一瞬で移動した?まさか、トゥモと同じ転移魔法!?いや、そんな・・まさか・・・)」

「アズさん!」

「あら~、エンく~ん」

円寿くんの頭を優しく撫でるアズさん。アズさんの登場により、完全に場の雰囲気が変わった。張り詰めていた空気が、柔らかくなったのである。

「あっ、そうだわ、サクちゃん、()()()()()、喧嘩はお店の外でって言ったけど~、それだと街の人達に迷惑かかっちゃうから、喧嘩はもうおしまいね」

「なっ!?おぉ、女将!それじゃあ、あたしが納得できねぇぜ。この女に思い知らせてやらねぇといけねぇんだ。エンジュはあたしのってなぁ!」

「はぁ?あなた、何勝手にエンジュくんを自分の物にしてんの?それ、エンジュくんは認知してるの?エンジュくんは()()フリー。誰の物でも無いわ。自分勝手も大概にしなさい!」

「あぁ?!」

「何よ!」

「ダ・メ・よぉ~、二人共」

「!?・・ちっ、わぁったよ・・・」

「申し訳ありません、女将さん・・・」

あっ、アズさん凄い・・あの二人を完全に圧倒している・・・

「う~ん・・・あっ、そうだわ~。良い事思いついたわ~」

「!なっ、なんだよ女将・・・」

「喧嘩をしないでも、ちゃんとサクちゃんもアオちゃんも納得出来る方法を思いついたわ~。」

「納得出来る?それって・・どんな・・・」

「み~んなで、お勉強会をしましょう!」


・・・・・


はぁ?(はぁ?)


「え~と・・それじゃあ、始めるね。エンくん、アキナさん、準備は良い?」

はぁーーい(はっ、はーい・・・)!!」

デア・コチーナの二階にある一室。その部屋に何故かあった黒板の前に立つ眼鏡をかけたミサキリスちゃん。並べられた机と椅子に座るあたしと円寿くん・・・と、イケイケ双子ギャル。ミサキリスちゃんから見て左から、シュリナちゃん(多分)、円寿くん、ジュリアちゃん(多分)、そしてあたしと座る。さながら部屋の雰囲気は、限界集落にある生徒数の少ない学校の授業みたいであった。

「・・・て、なんであんた達も席に座っているのよ?」

「えぇー?だってー・・・」

「あたし達は、先生でガラじゃ無いもーん」

「ねぇー!エンくーん」

「ねぇー!」

「!?そっ、そうなの・・かな?」

「そこぉ!必要以上にエンくんに接触しない!くっつくなぁ!」

うぅ・・円寿くんの隣、イケイケ双子ギャルにとられちゃった・・あわわわ、胸を!胸を円寿くんの腕に押し付けないで下さい!・・・て、そうじゃない。まずはどうして、こんな事になったのかの説明をしなくては。お勉強会をしましょう・・アズさんがサクネアさんとアオイさんに言ったこの一言で始まった、円寿くん(と、ついでにあたし)にこの大陸の色々を知ってもらう為の勉強会。昨日の馬車での話しが、まさかこんな形で(おこな)われるとは・・と言うのも、アズさんが提案したサクネアさんとアオイさんの喧嘩を止める()()()()()()()と言うのが、円寿くん(と、一応あたし)に自分達の得意分野を教えてあげると言う物だ。授業を(おこな)い、()()円寿くん(と、念の為あたし)の()()になった方の勝ちと言う事らしい。つまり、ジャッジは円寿くんがすると言う事になる・・うぅむ、それはそれでまた新たな戦争になるのでは?まっ、まあ、あるかもしれない先の話しは置いといて・・・えっ?サクネアさんとアオイさんの喧嘩なのに、なんでミサキリスちゃんも参加してるのかって?それはまぁ、もともとあたしと円寿くんにこの世界の歴史や事情諸々を教える為の勉強会て話しですからね。この機会に、まとめてやっちゃいましょうと言う事でアズさんがミサキリスちゃんの参加を決定しました。てな訳で、最初の授業は()()()()()()()による()()・・始まるよ!

「そうだな・・とりあえず最初は、あたし達が今ここにいる国についての説明をしましょう」

「はいっ!よろしくお願いします!」

「よっ、よろしくお願いします!」

「ふふっ・・この国は、ティリミナ王国。現在は、ナンシェーヌ・ドーター・ティリミナ王女により納められています。地図で言うと、アトラピア大陸の西側に位置しています。()()()()()()315年に建国されました。あっ、ちなみ今は、アトラピア暦776年ね。この国は、アトラピア大陸で()()()に大きい国で、人口の八割は人間だけど、残る二割は人間以外の亜人種。地域にもよるんだけど、他の国にくらべて季節の変わり目がはっきりとしています」

「3月末頃に暖かくなってきて、桜が咲いて・・・」

「7月には暑くなって、9月半ばに涼しくなってくるの。んで、11月から寒い」

ミサキリスの話しに補足する様に双子二人が続く。

「四季があるんですね!」

「ふふっ、そうだよエンくん」

ほうほう・・まるで日本みたいだ。つまり、あたしや円寿くんにとっては比較的住みやすい国て事か。

「ミサキリス先生、質問があります」

「!何かな、エンくん」

「その・・昨日、ドリュースさんから聞いたんですが・・・この大陸で・・戦争が、あったって・・・」

「!?・・エンくん・・・」

わぁーーー!?円寿くん、授業が始まって間もないのにもうその話し!?ミサキリスちゃん・・いや、ミサキリス先生も少し驚いている。イケイケ双子ギャルもいつにもなく真剣な表情・・この二人こんな顔出来たんだ・・・戦争・・か。戦争なんて、あたし達の元いた世界じゃ少なくともあたしや円寿くんが生まれるかなり前の出来事。歴史の授業で教わる様な実感の無い出来事。そんな戦争が、この世界ではつい最近まであったかもしれない。つい最近あったのなら、もしかしたら近い将来に戦争が起きるのかもしれない。そう考えると、正直凄く怖い・・とても不安だ。でも、だからこそあたしと円寿くんは()()()の為に戦争の話しを聞いておきたい。そりゃ、戦争が起きない方が良いに決まっているけど・・いざという時の為に、自分を守る為に・・大切な人を守る為に・・しっかりと聞いておかなくてはいけないんだ。

「・・・そっか。円寿くんも聞いたんだね。知っているなら、あたしはこの国に使える者として、説明する義務がある・・あっ・・円寿くんが知っているて事は、アキナさんも・・聞いたって事ですか?」

「うっ、うん・・あたしも聞いたよ。ミサキリスちゃん、円寿くんもだし・・あたしも、その話しはちゃんと頭に入れておきたい。だから・・話して下さい!」

「分かりました。それでは話します。シュリ、ジュリ。これから真面目な話しをするんだから、変な茶々入れないでよ」

「入れないよ!そこはあたし達だって、ちゃんと空気読みますよーだ」

「話しが終わってから、エンくんとパイセンをイジれば良い訳だし」

「!?」

!?なんでさ!?

「イジらせません。まったく・・ごめんなさい二人共。それでは話します。ドリュースの言っていた戦争・・それは、エンくんがこの大陸に来る()()()()まで起きていた、アトラピア大陸東方に位置する()()()()()()()と大陸南方に位置する陰魔(ダーキュバス)の国、()()()()()()()による戦争の事を言います。2国共、あたし達のいるティリミナ王国からは離れているから、この国に直接被害がでた訳じゃないん無いのだけれど」

そうなんだ・・ティリミナ王国が戦争してた訳じゃ無いんだね。それにしても、あたしと円寿くんが来る3ヶ月前て・・滅茶苦茶最近じゃん。怖ぁ~・・デメティールさん。戦争が終わった後にこの世界に転移してくれてありがとうございます。いやまぁ、戦争真っ只中に転移されたら滅茶苦茶恨みますけどね・・・そういえば、ミサキリス先生の言ったディネインと・・ガルディア、だっけ?この大陸て、どれ程の数の国があるんだろうか?それに・・ダーキュバス?サキュバスやインキュバスの親戚が何かですか?

「ミサキリス先生!」

「はい、エンくん」

()()()()()()とは何でしょうか!」

「あっ・・エンくん、陰魔(ダーキュバス)知らないの?」

「はい!知りません!」

「エンくんのいたニッポン大陸には、陰魔いないの?」

「いないよ、シュリちゃん」

「あぁあのっ、ミサキリス・・先生。あたしと円寿くんのいたニッポン大陸には、その・・人間と・・じっ、獣人・・以外の種族?て言うんですか・・それ以外の種族は、いないんですよ。もっ、もし良ければ・・他の種族の説明をしてくれると、ありがたいです!」

「ふむ、なるほど・・世界には色々な大陸があるんですね。人間と獣人しかいない・・か・・・分かりました。それでは、他の種族の説明と、この大陸に存在する国の説明をしましょう」

「よろしくお願いします!」

「ふふっ・・この大陸には、人間、獣人。この2種属は二人も知ってますね。そして、その他に翼人、鬼人(オーガ)陽精(エルフィー)、そして陰魔(ダーキュバス)。この6種類か存在します。翼人は、その名の通り背中に翼の生えた種族です」

「!・・・(翼!)」

あっ、円寿くんの耳がピコンて立ち上がった。翼て言葉(ワード)に反応したんだろうなぁ・・・

「ミサちゃ・・みっ、ミサキリス先生!その、よくじん・・て人達は・・つまり、その翼で空を飛べるて事でしょうか?」

「その通りですエンくん。この大陸で空を飛べるのは、この翼人と飛行魔法を使える魔導士の人達だけなのですよ」

「翼人・・空を飛べる・・はあぁっはあ・・・」

はあぁ・・円寿くん、目をキラキラさせている・・可愛い。円寿くん、飛行魔法の話しを聞いた時も嬉しそうだったもんね。自由に空を飛びたい願望が円寿くんにはあるもんね。うんうん。あたしも、いつか大空を嬉しそうに飛び回る円寿くんが見たいなぁ・・・

「さて次は、鬼人(オーガ)。額に(つの)があって男性も女性も筋骨隆々な人達の多い種族です。戦闘のエキスパートで、武力と魔力を兼ね備えています」

「なるほどっ」

鬼人(オーガ)・・か。つまり、鬼みたいな見た目をしているて事かな?こっ、怖そう・・・

「次は、陽精(エルフィー)。見た目がもの凄く美しい種族で、髪は黄金の様に綺麗な金髪。肌は透き通る様に白く、瞳はまるで宝石の様に輝いています」

「耳輪の部分が、少し(とんが)っているのも特徴なんだよ」

「あと、寿命が凄く長くて・・見た目がずっと若い姿のままなんだよ」

美しい金髪に、透き通る肌。宝石みたいに輝く目に、耳が尖ってて寿命が長くて老けない・・・あれ?これって、ファンタジー世界でお馴染みのエルフだよね?この世界では、陽精(エルフィー)て呼ぶんだ。

「寿命が凄く長い?ジュリちゃん、それってどの位?」

「う~んと、たしか・・陽精(エルフィー)の国、()()()()の王様の年が・・・いくつでしたっけ?ミサキリス先生?」

「ジュリ、そこはちゃんと覚えていなさいよ。一応あんたも、国に使える者なんだから。同盟国の王の事情位、ちゃんと把握しておきなさい」

「しゅいましぇ~ん」

「まったくもう・・うっうん。陽精(エルフィー)の国、アキメサ王国の王、ロズィークロック・グラヒティウス・アキメサ様は、現在おん年5()3()6()()になります」

「!?536歳!?」

「滅茶苦茶長生きでしょ~。あたし達も、直接会った事は無いんだけれど、見た目は小さい男の子の見た目しているらしいよ」

「わっ、若いんだね」

陽精(エルフィー)は最長で700歳以上生きると言われています。あっ、ちなみに先程言った鬼人(オーガ)も、陽精(エルフィー)程じゃありませんが寿命が長いです。たしか・・400歳以上は生きるといわれています」

「400・・そっ、それでも人間に比べたら物凄い数です。400年も生きるなんて・・想像出来ないです」

「そして、最後に紹介するのは陰魔(ダーキュバス)。見た目は濃いめの褐色肌で、陽精(エルフィー)同様耳輪が少し(とんが)っています。寿命は陽精(エルフィー)よりも()()()長いです」

「えるふぃー・・よりも長生き?えるふぃーが、700歳以上だから・・えと、800歳か900歳ですか?」

「ふふっ。エンくん惜しい。正解は・・1()0()0()0()()

「せっ、1000歳!?なっ、何だか・・途方もない数字です・・・」

ふむ・・見た目が褐色肌でエルフィーみたいな耳・・・ダークエルフの事だよね?ダークエルフがダーキュバス・・・なんだろう。名前からもの凄くエッチな雰囲気がする・・完全にサキュバスやインキュバスの影響だけど・・・

「たしかに。そして、そんな長命な陰魔(ダーキュバス)最大の特徴と言うのが・・他の種族が使う魔法とは()()()に異なる魔法を使うと言う事です」

「根本的に・・・」

「異なる?そっ、それって・・どう、違うのでしょうか?」

「はい。先の戦争で言いますと、ガルディア王国の将軍が使った()()()()()()や、ガルディアの王女が使う()()()()()()()()()()()()()()等があります。どれも驚天動地、天変地異な魔法で、たった一人で一軍を殲滅する程の(ちから)を持っています」

「そんな人達が、この世界にいるんですね・・・」

「みっ、ミサキリス先生・・しっ、質問よろしいでしょうか?」

「はい。かまいませんよアキナさん」

「あの・・そんなに強くて、そんなに長い時を生きているんじゃ、その・・この世界・・この大陸は、陰魔(ダーキュバス)が支配してても・・おかしく無いと思うんですが・・・」

「なるほど・・たしかに、陰魔(ダーキュバス)の存在はこの大陸にとってとても大きい存在です。ですが、そんな陰魔(ダーキュバス)ですが、あくまでこの大陸では一国に収まっています。それは何故でしょうか?はいエンくん」

「!う~ん・・・協力な存在だけど、そもそも好戦的な種族ではない・・とかでしょうか?あぁでも、戦争してる訳だし・・そうじゃないのかな?う~ん・・・ごめんなさい、分かんないです・・・」

「ふふっ・・正解は、()()()が少ないからです」

「個体数?と、言うと?」

「はい、正確に言うと、鬼人(オーガ)陽精(エルフィー)陰魔(ダーキュバス)の長命である三種属は、()()()が低いんです。種族繁栄の為の新しい命が生まれにくい。特に、もっとも長命である陰魔(ダーキュバス)は出生率極端に低く、数十年に1人2人生まれるかどうかのレベルなんです。その結果、個体数が少ないと言う訳ですね」

「なるほどっ!」

へぇ~。寿命が長くて滅茶苦茶強い代わりに子供ができにくいと・・うまくバランスとってるんだなぁ。

「さて、種族の説明が終わりましたので、国の話しに戻ります。この大陸には、あたし達のいるティリミナ王国、東方のディネイン王国、陰魔(ダーキュバス)の国ガルディア王国に加えて、獣人の国()()()()()陽精(エルフィー)の国()()()()()()、翼人の国()()()()()()()、そして・・この大陸の中央の位置し、大陸最大の領土を持ちかつ最長の歴史を誇る()()()()()()()の7ヶ国からなります」

「!・・・(獣人の国があるんだ。サク姉達は行った事あるのかな?いつか行ってみたいなぁ・・ティリミナ以外

の国にも!)」

むふふ、円寿くん・・そんなに顔をキラキラさせちゃってぇ。行ってみたいんだね、色々な国に。うんうん、分かるよ。あっ、でも・・異世界て、国外に出る時()()()()()とかいるのかな?いらないか?てかあたし達のいた世界みたいに、旅行感覚で国を出て良いのかな?う~む・・・まぁいいや。それはそれとして。予想はしてたけど、やはり種族毎に国があるんですね・・・ん?あれ?なんか・・1つ足りない様な・・・

「ミサキリス先生!えと・・鬼人(オーガ)、の人達の国がありません。それは何故でしょうか?」

あっ、そうそう円寿くん。鬼人(オーガ)の国が無いんだ。他の種族の国があるのに、鬼人(オーガ)だけ無いのは変だよね。あれかな?鬼人(オーガ)のご先祖様は、国作りに興味が無かったのかな?

「・・・何故、鬼人(オーガ)の国が無いのか。その答えが、この授業の頭の方で言った、ディネインとガルディアの戦争に繋がります・・・」

「?」

「えっ・・とぉ・・と、言いますと?」

「ディネインとガルディアの戦争になった理由・・それは、ディネインによって鬼人(オーガ)の国、()()()()()()()が滅ぼされたからです」

「!?」

「ほほっ、滅ぼ・・された?そっ、それって・・いつ頃の、お話しでしょうか?」

「・・・2()()()です」

「!?」

そっ、そんな・・この世界では、半年前に加えて2年前にも戦争があったの!?そんな短期間で戦争て起こる物なの!?こっ、怖いぃ・・・

「・・・ミサキリス先生。その・・どうしてディネイン王国は、鬼人(オーガ)の人達を・・ケルヴィスの国を、滅ぼしたりしたんですか?」

「はい・・これは、ディネインと言う国の特徴が原因です。と言うのも、この大陸にある()()()|中心となり納めている3つの国、ティリミナ、バルニオン、ディネインには、それぞれ人間以外の種族に対する思想の違いがあるんです」

「思想の違い・・それは、具体的に言うと・・つまり、どういう事でしょうか?」

「はい・・簡単に言うと、それぞれの国は他種族に対して、ティリミナは()()()、バルニオンは()()、ディネインは()()()と言う風になっています。もちろん、これは国全体で見た場合の物です。ティリミナ国民だからといって、必ずしも全員が他種族に好意的とは限りません。それは、エンくんとアキナさんも分かっていると思います」

「はい・・マイラスさんの様な人もいれば、ドリュースさんの様な人もいる・・思想は人それぞれ、ぼく達のいたせかi・・じゃないや、ぼく達の大陸でもそうでした」

「差別意識がある・・そっ、それだけの理由で国を滅ぼしちゃうなんて・・・こっ、怖いですね・・ディネイン・・・」

「でもねパイセン。たしかにディネインは、他種族に対しする差別意識は高いけど、それはそれとしてしっかりとケルヴィスともちゃんと外交はしていたんだよ」

「えっ!?そっ、そうなの?」

「うんそう。先代の女王の時までは、戦争の()の字も無かったからね」

「そもそも戦争なんて、ここ100年無かったからね。場所は離れているけど、戦争が始まったて聞いた時は驚いたよ」

そうなんだ。てっきりあたしは、この世界ではわりとしょっちゅう起きている物だと思ってたよ、戦争・・だって、3ヶ月前にもあって2年前にも国が1つ滅んでいるて言うから・・・

「先代の女王の時て事は・・今のディネインの王様が、とても乱暴な人・・て、事ですか?」

「そうなんです。現ディネイン王、ギジェルミール・ソウザ・マグファーラドが宣戦布告して事によって戦争が始まりました」

「滅茶苦茶強いらしいよ。たった1人で、1大隊を殲滅出来ちゃう個人の武力もそうだけど・・・」

「部隊の指揮能力も高くて、まともな軍隊じゃ歯が立たないみたいなんだよね」

「ギジェルミール王は、とにかく(いくさ)好きな王と聞いています。彼の行動により、今やディネインは大陸中から敵視される形になりましたが、当の本人はまったくと言って良いほど意に介していません」

えぇ・・何その人間厄災無双チート鋼メンタル王様。そんな人が場所は離れているけど同じ大陸にいるの?こぉっわぁ・・・

「ミサキリス先生。その・・ぎじぇるみーる・・王のやり方に、ディネインの国民達からは反発は無かったのですか?」

「もちろんありました。こういう時、()()()暴君であれば反対意見を言う者はその場で粛清するでしょう。しかし、ギジェルミール王はそうはしなかったのです」

「?・・と、言いますと?」

「王いわく、『意見がある者は直接俺の所に来い。そして、俺と戦え。俺に勝てたら、お前らの意見を飲んでやる。直接戦いたくないなら、暗殺でもなんでもしてみるが良い。寝込みを狙おうが、毒を盛ろうがどんな手段でもな。俺はいつでも、待っているぞ。』と・・・」

「・・・(ギジェルミール王。乱暴そうな人だけど、カッコいいなぁ・・潔いと言うか・・・)」

「あっ、今エンくん、カッコいいて思ったでしょ」

「!?」

「たしかに男前なのかもしれないけど、この人のせいで、悲しんでいる人達が大勢いるんだから、憧れちゃ駄目だよ」

「うっ、うん。大丈夫だよ。少し、カッコいいて思ったけど・・憧れたりはしないよ」

「そっ、それで・・ミサキリス先生。ディネインがケルヴィスを滅ぼした後、次に攻める対象になったのがガルディア・・て、事でしょうか?」

「そうですね。ディネインの国からケルヴィスの次に近かったのがガルディアでした。結果、ガルディアが目標になったのですが・・ガルディア側にも、戦わなくてはいけない理由がありました。実は、現ガルディア女王チェグサー・ウォーレンウォルフ女王と、ケルヴィスの将軍テードラ・タルボットが婚約しています。ガルディア側も、夫の祖国が滅ぼされたとなっては黙っていられません。結果、2つの国による大規模な戦争が起こりました」

「あっ!ねぇねぇエンくん、パイセン。そのチェグサー女王様なんだけど・・さっきミサが言ったテードラ将軍の他に、なんと3人の旦那様がいるんだよ!」

「!?」

なんですと!?つまり、4人も夫がいると!?この世界て重婚有りなんだ・・しかも逆ハーレム・・うぅむ・・エッチだ・・・

「同じ陰魔(ダーキュバス)の旦那様と、陽精(エルフィー)と、翼人と・・そんで、鬼人(オーガ)の旦那様て構成みたいだよ~。あれかなぁ?エッチもローテーションで回しているのかな?それとも~・・全員まとめて?どう思う?エンくん!」

「!?//わっ、分からないよぉ/////」

わあぁぁあ!円寿くんにその手の話題を振らないでくださいぃ!円寿くんが答える訳無いでしょうがぁ!セクハラですよセクハラぁ!照れる円寿くん可愛いね、うん!

「くぅらぁ!ジュリ!今そんな話しは関係無いでしょ!て言うか、他人の性事情とかどうでもいいでしょ!そもそもエンくんにこんな話しをするんじゃありません!」

「えぇ~。どうでもよく無いよぉ~。気になんじゃ~ん」

「ジュリ。次言ったら退場だから」

「ぶーぶー。良いもん。あたしの変わりにシュリがやってくれるから」 

「まかせとけ!」

「ジュリが退場したら、連帯責任でシュリも退場」

「そんなぁ~」

「まったく・・えぇ、どこまで話したっけ?・・あぁそだ。それで、ディネインとガルディアの戦争が始まったのですが・・結果的には、お互い()()()()という形になりました」

「痛み分け・・ですか?」

「はい。戦いはディネイン優勢でしたが、ガルディアの将軍であり、チェグサー女王の4人いる夫の1人でもある同じ陰魔(ダーキュバス)のリージョン・ウォーレンウォルフの命をかけた特攻・・そして、同じく将軍のアゼル・ナウローク・ナルバレクによってギジェルミール王が負傷。兵を引きました。この戦いでリージョン将軍は戦死してしまいましたが、ケルヴィスの領土の一部を奪還する事ができました」

「!・・・(あぜる・・なうろーく?・・どこかで、聞いた事があるような・・・なんだっけ?)」

あれ?円寿くん、何か考え事?なんだろう・・それにしても、リージョン将軍戦死しちゃったのぉ・・同じ陰魔(ダーキュバス)の旦那様を・・個体数少ないんだよね陰魔(ダーキュバス)て。これは国としてもかなり痛手だなぁ・・・

「チェグサー女王様は、4人いる旦那様の内、1人が亡くなったから・・4分の1未亡人になったて事だよ、エンくん」

「?そっ、そうなんだ」

「シュリ。訳分かんない言葉でエンくんを困らせるんじゃありません。うっうん。この戦争の結果については、色々な意見があって・・人によってはケルヴィスの領土を一部の奪還に成功し、ギジェルミール王を撃退したのだからガルディア側の勝利だと言う意見もあれば、夫であり将軍であり・・なにより、存在事態が貴重な陰魔(ダーキュバス)であるリージョン将軍の亡くしたのだから領土奪還では釣り合わない。つまり引き分けだと言う意見もあります。なんにしても、この戦争で多くの命が亡くなったのに変わりはありません。戦争が身近な物になってしまった以上、あたし達国に従える者はより気を引き閉めて、いっそうの鍛練をしなくてはなりません」

戦争が身近な物、か・・怖い。怖いけど、これがこの世界の現実(リアル)。あたしと円寿くんがこの世界にいる間は起きてほしくないけど・・もし起こってしまった時、あたしは何が出来るかな?戦う事はできないと思うけど・・せめて何か皆の為のサポートができれば・・・この世界で唯一あたしだけインターネットも使える訳だし、これを上手く使えれば・・と、思うけど・・駄目だ。戦争が始まったら、ただひたすらにパニくっている自分が安易に想像出来てしまう・・・

「さて、戦争の話しはここまでにして・・改めて、あたし達のいるティリミナ王国の話しでも・・・」


バァーーン!ーーー(扉がおもいきり開かれる音)


「ひいぃ!?」

「なっ、なんですか?!」

「エーンジュっ!」

「!サク姉。どうしたの?まだ、ミサキリス先生の授業中だよ」

「なげぇ!」

「!?」

「ちょっ・・なんですか?いきなり入って来て・・長いもなにも、あたしにはエンくんとアキナさんにこの大陸の()を伝える役目が・・・」

「あぁ?!んな(もん)いつでも話せんだろ。つかよう、そもそもミサキリスは喧嘩関係()ぇだろうが。あたしと()()()の喧嘩なんだからよぉ」

言っちゃった!関係無いて言っちゃった!たしかにそうだけど!アズさんが勝手にミサキリスちゃん巻き込んだ訳だし!

「サク姉。喧嘩じゃないよ。これは、勉強会だよ。喧嘩は駄目」

「おう!そうだな!喧嘩じゃないな!よしっ!ミサキリスの授業はおしまい!行くぞ、エンジュ」

「勝手に終わらさないで下さい!」

「あぁ?ちっ・・あ~、わぁ~たわぁ~た。あたしの授業が終わったらエンジュ返してやるよ。それで良いだろ?」

「さっ、サクネアさん・・それだと、アオイさんの授業が遅くなってしまうのでは・・・」

「あぁ?!良いんだよあいつの授業なんてよ。あいつの味方すんな」

「ひいぃ!?」

「サク姉!先輩を脅しちゃ駄目だよ。それと、自分勝手はよくないよ。順番はちゃんと守らなきゃ駄目」

「・・・分かった・・・」

円寿く~ん、サクネアさん怖いよぉ~。この人、本当に傍若無人だよぉ・・でも流石のサクネアさんも、円寿くんの言う事は素直に聞くんだなぁ・・顔、むすっとしてるけど。

「・・・ミサキリス先せi・・ミサちゃん。申し訳ないんだけど、ミサキリス先生の授業・・また今度で良いかな?」

「・・・はぁ。うん、良いよ。エンくんの為の勉強会なんだし、エンくんが決める形でもあたしはかまわないよ」

「!本当!ありがとうミサちゃん!そうだな・・ぼく、次はティリミナ王国の詳しい歴史が知りたいよ!」

「うん。楽しいエピソード用意しておくね」

「うん!それでは・・ミサキリス先生。授業ありがとうございました!サク姉、先輩、行きましょう!」

「おう!・・あぁ、すまねぇなミサキリス。あとで礼はしとくからよ」

「えっ?あぁあたしも?あっ、ちょっ・・まっ、待ってよ円寿く~ん・・・」

「・・・行っちゃった。良かったの?ミサ?あれで?」

「うん。エンくん、サクネアのむすっとした顔が気になったんだろうね。それで、サクネアに気をつかったんだと思う。ほんと・・エンくんは優しいなぁ・・・」

「・・・ミサも、だよ」

「シュリ・・・」

「まぁ、サクネアさんが横暴過ぎるてのもあるけど・・ミサも、たまにはサクネアさん位わがままになっても良いんじゃない?」

「ジュリ・・・」

「ジュリ~。それな~」

「な~」

「・・・はぁ・・・(あんた達も、十分優しいわよ・・・)」

「ん?なんか言った?」

「ん~ん、なんでも無い。さてと・・サクネアがどんな授業をするのか、しっかり見てやらないとね。行くわよ、あんた達」

「あ~、ミサ誤魔化そうとしてる~」

「うっ、うるさい!置いて行くわよ!」

「思っている事を言わないままだとぉ、エンくんサクネアさんに取られちゃうぞ~」

「新勢力も来てるしね~。」

「あぁもう、うるさい!」


「お前らぁ!エンジュ連れて来たぞぉ!」

「エンジュー!」

「獣人の超新星、エーンジュ!」

「いえーい、エーンジュ!」

「!いえーい、チェルさん!今日はよろしくお願いします!」

・・・はぁ・・はぁ・・追いついた・・円寿くんとサクネアさん走って行っちゃうんだもん。なんで授業するのに、外に出るのさ。青空教室でもするんですか、まったく・・街外れの方まで走らされた・・2人共、足速いし・・まぁ、円寿くんは所々止まって待っててくれたけどね。円寿くん、優しい♡サクネアさんに急かされたけど・・・円寿くん、全然息乱れてないなぁ、結構走ったのに。これに関しては、獣人の身体が羨ましい・・そして、円寿くんとチェルシーさん・・出会って早々ハイタッチとか・・陽キャじゃん・・陽キャのコミュニケーション・・てかラング・ド・シャットの人達、格好といいテンションといいパリピ過ぎる・・あたし超アウェー・・ここにいて大丈夫なのかな?

「あぁ~、先輩ちゃんだ~。先輩ちゃ~ん、うぇ~い」

「なっ、ナミミナさん・・うっ、うぇ~い・・・」

ナミミナさん!気をつかってくれた!・・気を・・つかってくれたのかな?まぁどっちにしてもナミミナさん・・なんて陰キャに優しいギャルなんだろうか・・ナミミナさん好き・・・

「サク姉。街外れの林の方まで来ちゃったけど、どんな授業をするの?」

「何言ってんだエンジュ!あたしがエンジュに教える事なんざ、決まってんだろ!」

「?」

()()()()()()!事だっ!」

「!」

「エンジュがどれだけ()()としての身体能力を活用出来てるか、見てやる」

「分かったよ!サク姉!」

わぁ~・・なんてシンプルなんでしょう・・つまり、サクネアさんの授業は()()ですか。体育か・・あたしスポーツ苦手なんだよなぁ・・ついていけるかな?いや、無理無理絶対ついていけない。てかあたし、獣人じゃないからこの授業参加する必要無いよね・・うぅ・・ミサキリス先生の授業が恋しい・・はぁ・・・サクネアさんの体育・・始まるよ・・・

「よーし!まずは()()()()だ!全速力でどこまで行けるか、やってみるぞ!」

「うん!あっ、そうだサク姉。先輩はどうしたらいいかな?ぼくは大丈夫だけど、先輩はすでに結構疲れているから、全速力で走るのはキツいと思うよ」

そう!そうそうそう!キツいです!全速力でどこまで行けるかなんて、そんな地獄みたいな苦行無理です!あたしシャトルラン大っ嫌い!円寿くん、フォローありがとう♡これ以上走ったら死んでしまう・・死にはしなくても、気絶してぶっ倒れる自信がある・・あっ・・でも気絶したら、また円寿くんにお姫様抱っこしてもらえるかも♡いやでも、気絶してたら意味無いか・・覚えてない訳だし・・・

「あぁ?」


ギロッーーー(明奈を睨み付けるサクネア)


「ひいぃ!?」

「サク姉!先輩の事、睨んじゃ駄目!」

「うっ・・わぁったよ・・たくっ、情けねぇなぁ。これ位でへばりやがって。ナミ!チェル!アキナの相手してろ!そんであと・・ミョリン、ケーギン、お前らもアキナにつけ。同じ()()同士の方が、やりやすいだろうしな」

「ミョリン、ケーギン、ご指名入ったよ」

「了解しました」

「分かったよサク姉。先輩ちゃん、あたしケーギン。よろしくね」

「ミョリンです」

「よっ、よろしくお願いします!」

人間!人間の人達いたんだ、ラング・ド・シャット!たしかに、頭に耳とお尻の尻尾が無いな。ケーギンさんと、ミョリンさんね。ケーギンさんは大人可愛い系。ミョリンさんはクールカッコいい系。ん?まてよ。この二人・・人間だけど、獣人の人達と一緒に走ったり戦ったりしてるて事だよね・・同じ人間どうしでも、根本的にスペックが違うじゃないですか。てか何?4人つけてもらったけど、結局あたし走るの?いやぁ、キツいっす・・・

「(先輩ちゃん)」

「!(はっ、はい・・なんでしょうか、チェルシーさん)」 

「(先輩ちゃん、もう走るのしんどいでしょ。サク姉とエンジュが走って遠くにいったら、そのままサボっちゃお。あたしも、先輩ちゃんと話したい事あるし)」

「(いっ、いいんですか?分かりました。それでお願いします!)」

「先輩ちゃんと~、お喋りだ~。やったぁ~」

「(ナミ!あんた声がデカい!サク姉に聞こえるでしよ!)」

「あぁ?なんか言ったか、お前ら?」 

「ああ、いやいや、先輩ちゃんと何やるか相談してただけだよ。エンジュ。頑張ってサク姉についていってね」

「はい!頑張ります!それじゃあ先輩、走ってきますね!」

「うっ、うん。頑張ってね、円寿くん!」

「しゃあぁ!そんじゃ行くぞ!エンジュ!お前ら!」

オーライ(オーライ)サク姉(サク姉)!」

ラング・ド・シャットのお姉さん達のかけ声に、円寿くんも合わせて声を上げる。円寿くん、馴染んでいるなぁ。円寿くんは、チャラく無いけど陽キャの乗りに天然でついていけるタイプ。あれも一種の才能だなぁ。羨ましい・・・わぁ・・円寿くん達、もうあんな遠くに・・本当、足速いな。てかぁ、円寿くん達()()が足速いのはいいとして・・サクネアさんは獣人じゃ無いんだよね?なんで、獣人と同じスピードで走れているの?たしか、昨日の交流会でも本部の周りの水掘を泳いで渡ってきたて言ってたっけ・・サクネアさん、あの人本当に人間なの?異世界の人だからって、あんなに身体能力鍛えあげる事出来るの?獣人のグループのリーダーをしているのも謎だし・・・

「先輩ちゃ~ん」

「はわっ!?なっ、ナミミナさん?」

「先輩ちゃ~ん。サク姉達も行った事だし~・・あたし達も~、遊びに行こ~」

「はっ、はい・・どっ、どこ行きましょうか?」

「うむ~・・ケーギ~ン、どこ行く~?」

「え~と・・・あっ、そだ。前々から行ってみようと思ってた、街の美味しいケーキ屋さんがあるから、そこにしよっか」

「わ~。流石ケーギ~ン。トレンドに敏感~」

「よしっ、じゃあそこに行こっか。先輩ちゃん、さっきまで息切らしてたけど、大丈夫?街まで歩ける?」

「先輩ちゃ~ん。あたし~、先輩ちゃん抱っこするよ~」

「えっ?あっ、いやいや、だっ、大丈夫です。歩くのは、問題無いです・・気をつかってくれて、ありがとうございます。」

ナミミナさん・・()()()じゃなくて、()()()なんですね。いやぁ~、流石に抱っこは恥ずかしいなぁ~。円寿くんに抱っこされるなら考えるけど・・あぁでも、それはそれで別の意味で悶える事になるな・・・まっ、お姫様抱っこならしてもらったんですけどね!記憶に無いけど!

「あぁ~、そだ。先輩ちゃん、歩きながらで良いんだけど・・聞いてもいいかな?」

「はっ、はい。なんでしょうか、チェルシーさん?」

「あぁ、その・・あの、青髪の美人さん。アオイさんて言ったっけ?あのお姉さん、いったい何者?」

「あっ、アオイさんですか?あぁ・・えと、あたしも、昨日会ったばっかしで(トゥモさんもだけど)、いまいち・・どんな人と言われると、分からないんですけど・・とりあえず魔導士で、高収入で・・ほっ、本気かどうか分からないんですけど、円寿くんに気があるような素振りをしてます・・・」

「う~ん・・やっぱそうか・・・」

「サクネアさん、アオイさん相手に凄く・・怒ったらっしゃってましたね。やっぱり、サクネアさんが怒ると、ラング・ド・シャットの皆さんでも、止める事は出来ないのでしょうか?」

「いやぁ・・止める事は出来るよ。普段の感じだったらね・・・」

「?普段?」

「あのキレ方は・・初めてだったよねぇ・・・」

「恐怖を感じました」

「先輩ちゃんも、なんとなく知ってると思うけど、サク姉て短気じゃん。あたし達・・これまでキレてるサク姉を腐る程見てきたよ。裏組織や、街のチンピラ。あたし達にもキレた事もあったよ。でも、それはあたし達の事を思って怒ってくれてる訳だから、それはまぁ良いんだけどね。まぁ、たまに理不尽な事でキレる事もあるんだけど・・その時は、あたし達も抗議するよ、もちろん。んで、そんなサク姉の色々なキレ方のバリエーションを見てきた訳だけど・・・」

「あっ、アオイさんに対するキレ方は、初めてだったと・・・」

「・・・うん・・・」

「なっ、ナミミナさんも・・怯えてましたよね?そんなに怖かったんですか?」

「う~ん、怖かった~。あんなサク姉~、初めてみた~」

「あたし思うんだけど、サク姉がキレただけで・・あんな()()()()()()()みたいな雰囲気にならないと思うんだよね」

「ケーギ~ン、それな~」

「あぁ・・つまり・・やっぱ、そういう事?」

「怒りの()()()()ですね」

「怒りの・・相乗効果?それはつまり・・・あっ、アオイさんの存在があると?」

「そう、アオイさん。あの人マジなんなの?サク姉相手にあんな真っ向から睨み返す事が出来るなんて・・初対面だよ!?初対面のサク姉に対して、あんなに目線バチバチさせる人なんて初めて見た・・ただでさえサク姉は魔導士てだけで敵意むき出しにするのに・・よりにもよってサク姉の目の前でエンジュにちょっかいだすし・・サク姉からしたら、惚れた男が目の前で知らない女に顔を赤くしてる訳だからね。そりゃぶちギレるよ、サク姉だもん。そんなサク姉に一歩も引かないだなんて・・・おぉ怖」

「そういえばサク姉、昨日エンジュが先輩ちゃん達と一緒にお風呂に入った事()()ゲロった時、あきらかにショック受けてたよね。あたしはまだエンジュと風呂入って無いぞ!?て。その時に、アオイさんて人がお風呂に誘ったてのを聞いて・・・」

「家に帰ってからずっと、アオイて女をぶっ飛ばす、と横になりながらブツブツ呟いていました」

「そっ、そんな事が・・・あっ、あのすいません。ちなみに、どうして円寿くんは・・その・・おっ、お風呂の件を・・話してしまったのでしょうか?」

「シュリジュリの~、質問攻めに~、エンジュが負けたの~」

負けないで円寿くん!あたしも同じ状況だったら負けると思うけど・・あの二人、こういう話題だと容赦無いんだもん・・・

「あっ、でも、その・・チェルシーさん達も、サクネアさんのたまにある理不尽には、ちゃんと抗議するんですよね?あたし的には・・それ自体、かなり凄いと思います・・・」

「う~ん、まぁ、あたし達も付き合い長いからね。今は全然言いたい事言えるけど・・出会って間も無い頃はサク姉の事怖くて、話しかける事すら簡単に出来なかったんだから」

「そっ、そうだったんですか!?」

「まぁ~、でもあれは~、サク姉の方も~、緊張~、してただけだった~、みたいだけど~」

「サク姉も、初めて出来た仲間だったみたいで、どう接していいのか分からなかったみたい。それ聞いた時、この人()()()て思っちゃった」

「良くも悪くも素直な人なんです、サク姉は」

「素直過ぎて~、アホっぽい時も~、あるよね~、サク姉て~」

「ナミ~。それ、サク姉に言っちゃうよ」

「うわ~。チクらないで~」

「はははは・・・」

ラング・ド・シャットの人達て、本当に仲が良いんだな。そして皆さん、サクネアさんを信頼している・・・サクネアさんが・・可愛い?可愛いのか?たしかに、不良(ヤンキー)のギャップ萌えは定番中の定番だけど・・・円寿くんも、サクネアさんの事を可愛いて思っているのかな?そもそも円寿くんは、サクネアさんをどう思っているんだろう?凄く懐いている雰囲気はあるみたいだけど・・まさか!?サクネアさんから求婚されている事に満更でもないて事は!?ああぁぁ、もやもやするぅ~・・・円寿くん・・サクネアさんと今、どこを走っているの?よよよ・・・


一方その頃、森林をザザザザザッと音を鳴らし颯爽と駆け抜ける、円寿、サクネア、ウィネらラング・ド・シャットの面々。走りながら、円寿に声をかけるサクネア。

「エンジュ!疲れて()ぇか?」

「うん!全然疲れて無いよ!どこまでも走れそう!」

「おっし!そんじゃあエンジュ!今からテストしてやる!」

「?テスト?」

「おう!このまま真っ直ぐ走って行くと、()が出てくる。そこを飛び降りる!」

「!?崖!?飛び降りるの!?飛び降りて・・大丈夫なの?」

「大丈夫だぞ!獣人の身体能力なら、なんて事は()ぇ高さだからな。しっかりとバランス取りながら落ちて、上手く着地するんだ。まぁそうだな。円寿は崖から飛び降りた事、()ぇみたいだからな。最初は地面についたら受け身を取る形の方が良いかもな。」

「受け身・・で、大丈夫なんだ・・・」

「ちなみにエンジュ。あたしは受け身なんぞ取らず()()()()|着地出来るがな!」

「本当!サク姉凄い!」

「・・・(サク姉、物凄いドヤ顔っす・・・)」

円寿とサクネアに並走しながら、頭から汗マークを流すウィネ。

「ちなみにサク姉。その崖の高さは、どれ位?」

「あぁ・・そだな。建物で言うと・・4階位か?」

「けっ、結構高いね・・・」

「安心しろエンジュ!もし駄目そうなら、あたしがフォローしてやる!エンジュには絶対(ぜってぇ)怪我なんかさせないぞ!かすり傷1つなぁ!」

「うん!ありがとうサク姉。僕やってみるよ!」

「・・・(おぉ。流石エンジュ、素直だ。普通、これから崖を飛び降りるなんて言われたら、抵抗しまくるはずなんだけど。死ぬんですか?心中するんですか?て思うはずなんだけど・・あたし達も最初は怖かったなぁ・・しかし、エンジュの肝の座り具合たるや・・ここにサク姉は惚れたのかな?)エンジュ、あたし達もカバーするから、思いっきり飛んで良いからね」

「はい!ありがとうございますウィネさん!」

「よぉし!そろそろだぞエンジュ・・・おっ、見えたな・・エンジュ。飛んだら絶対(ぜってえ)目を瞑んなよ。しっかりと目ん玉開いとかねぇと、自分が今どんな体勢でいるか分からねぇからな。()()()()。こいつが大事だ。体勢させ整えておけば問題()ぇ。そんでしっかりと地面を視界に捉えて・・着地した瞬間に受け身だ。大事なのは、着地する瞬間の想像(イメージ)だ。これが出来れば、獣人として上のレベルになれるぞ、エンジュ!」

「レベルアップだねサク姉!よし・・・」

森林が開け、真っ正面に雲1つ無い青空が広り左右には山々が映る。円寿達の前方からは、断崖絶壁が見えてくる。頭から落ちれば即死を逃れられない高さであるその崖に、今円寿は殆ど抵抗も無く飛び降りようとしている。円寿は信じていた。サクネアを、ラング・ド・シャットの面々を。そして・・自分が持つ女神の加護を。デメティールを・・・

「しゃあぁ!来るぞ・・・今だ、思いっきり飛べ!エンジュ!」

「うん!」


バッ!ーーー


「うっ・・うう・・・(目はしっかりと開く・・今自分がどんな体勢なのかを把握・・地面をしっかりと視界に収める・・三半規管・・体勢・・着地の想像(イメージ)・・・)うぅ・・うわっ!?」

「!?エンジュ!・・・(バランスを崩した!?不味い・・このままだと頭から落ちる・・間に合うか?)」

なんとか円寿に手を伸ばそうとするウィネ。しかし、その手が届くよりも先に地面が迫っていた。

「くっ・・・(間に合わ無い・・・)」


ドザァッーーー


「・・・うっ・・・?」

ギュウッと閉じた瞼をゆっくりと開き、パチパチと瞬きをする円寿。そんな円寿の視界には、優しげな表情で覗き込むサクネアが映っていた。

「へへっ・・大丈夫か、エンジュ?」

「!サク姉!」

「サク姉!・・・(良かったぁ・・エンジュ無事だった。流石サク姉っす。反応早すぎ。エンジュがバランスを崩した瞬間には、もうすでにエンジュを追い抜いて落ちていた。それで、自分の着地と同時にエンジュをキャッチ・・いやぁ、相変わらずの神業っすね。ぶっ飛んでますよ、サク姉の身体能力)」

「・・・失敗しちゃった・・バランス崩しちゃったし・・着地の想像(イメージ)も出来てなかっよ・・サク姉に迷惑かけちゃった・・ごめんね、サク姉・・・」

「ん?なんで謝るんだエンジュ?言ったじゃんか。駄目ならフォローするって」

「うん・・そうだったね・・ありがとうサク姉。次はちゃんとバランスを意識してやってみる・・・!?サク姉!?足!血が出てる!」

「ん?・・あぁ、これか。着地の時に、木の枝があって擦りむいたみてぇだな。ふふん、大丈夫だぞエンジュ。こんな(もん)()つけときゃ治る」

「駄目だよ!ちゃんと処置しないと、バイ菌が入って化膿したり、()()な肌に(あと)でもついたら大変だよ!少し待ってて」

「おっ・・おう・・・」

「・・・(サク姉、意表を突かれたて顔してるっす・・・)」

「え~と・・()()()()!」


ブオンーーフヨフヨーーパシャアーーー


「おぉ・・・(魔法っす。エンジュ、水の魔法出したっす。水の玉が出てきて、サク姉の傷の部分で割れた。汚れを落としたて事すかね?)」

「よし。それじゃあハンカチ巻くね、サク姉。あっ、このハンカチは、今日取り込んだ清潔なハンカチだからね。安心して、サク姉」

「・・・おう・・・」

「?・・・(サク姉の様子がおかしいっす)」

「・・・よし。応急処置終わり。帰ったら、ちゃんと薬を塗って、包帯巻いてね・・・!そだ。サク姉、最後にもう1つ」

「?」

()()()()()()~、()()()()ー!・・はい、これでお仕舞い!ふふっ」

「・・・」

「?」

「サク姉?」


「あの・・チェルシーさん。サクネアさん、円寿くんと・・その、結婚するておっしゃってましたが・・あれ、本気なんですか?本気なら、円寿くんのどういう所に惹かれたのでしょうか?」

「あぁ、あれ?結婚は・・まぁ、本気だろうね。サク姉の口から結婚なんて言葉出るのあたし達が知る限り初めてだし。惹かれた所か・・・多分だけど、今まで出会ってきた()()()でエンジュみたいなタイプはいなかったからじゃないかな?サク姉に近づく男なんて、事情は色々あるけどサク姉を倒そうとする奴と、サク姉の身体(からだ)目的で近づく奴ばっかだもんね。エンジュてさ、()()が一切感じないじゃん。暴力からも無縁そうだし・・サク姉的に珍しいんじゃないかな?エンジュから出てる、あの独特の()()()()()()()が」

「柔らかい雰囲気・・ですか。なるほど・・・」

「まぁ、それ以外にもあると思うけど・・・!?」

「!?どっ、どうしましたかチェルシーさん?なっ、何か、不味い事でも?」

「・・・いや、なんか・・今サク姉の叫び声が聞こえた様な・・ナミ、あんたは聞こえた?サク姉の声」

「聞こえて無いよ~。聞こえてたとしても~、聞こえないふりする~。面倒事は~、嫌なのだ~」

「素直でよろしい。ナミ、あんた説教」

「ぐえ~」


「うおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」

「サク姉を抑えるっす皆ぁ!あっ、エンジュは近づかないでね。サク姉落ち着くっすぅ!!」

「はっ、はい・・・(サク姉どうしたのかな?急に叫びだして、暴れ初めて・・ウィネさん達が必死に押さえつけて・・大丈夫かなサク姉?やっぱり、擦りむいた足が痛かったのかな?)」

「あたしはぁ!今日!エンジュと寝るぅ!」

「それは結婚してからて約束したじゃないっすかぁ!」

「抱く!」

「無理矢理は駄目っす!またミサキリスちゃんと揉め事になるっす!」

「ヤる!」

「あぁもう!どうしてエンジュも、天然ジゴロを発揮しちゃうのぉ!」

「!ぼくは天然じゃありません!」

「今そういうのいいからぁ!あぁもう・・・チェルさん助けてぇ~~~~・・・」






ー続くーーーーー

この度は、ケモ耳美少年のなすがまま異世界観光、第五巻をお読みいただき誠にありがとうございます。にがみつしゅうです。年末年始の休みのおかげで一気に書き上げ3月前には投稿する事が出来ました。そして、お読みいただいた皆様本当に申し訳ございません。第四巻の後書きに書いた、女神の加護の細かな設定を書く事が出来ませんでした。いかんせん、円寿本人もよく分かっていない力ですのでどこに書こうかと悩んでいたら書き終わってしまいました。大変申し訳ございません。お詫びに前回紹介できなかったキャラクターの簡易プロフィールを乗せます。


シュリナ・パスティオル 身長:162cm 髪色:茶

年齢:19歳 Eカップ

ジュリア・パスティオル 身長:162cm 髪色:茶

年齢:19歳 Eカップ

チェルシー・モルガラ 身長:176cm 髪色:橙+α

年齢???歳 Fカップ

ナミミナ・カバック 身長173cm 髪色:黄土+α

年齢???歳 Gカップ

シフォン・ディキンス 身長169cm 髪色:クリーム

年齢26歳 Gカップ

マイラス・ウールニッチ 身長178cm 髪色:水

年齢:32歳


はい、今回はこの面子です。双子は一緒です。双子ですので。チェルシーとナミミナの所に書いてある、髪色+αと年齢の部分はちょっとしたネタがあるのでここでは書けません。本編中で披露したいと思っています。そして、なんと言ってもマイラスです。ようやくヤられ役ではない、まともな男性キャラクターを登場させる事が出来ました。美女を書くのも好きですが、イケメンを書くのも好きなのです。これからも、沢山は出せないと思いますが男性キャラクターもちょこちょこ書けたら良いなと思っています。本編の内容に少し触れたいと思います。魔導省編が終わり、まさかの明奈の夢オチ!?と、思わせておいてちゃんと現実・・から始まったこちら第2・5章。書いてて思ったのですが、世界設定を考えるのは本当に大変なんだなと・・設定を考えているだけで執筆する事なく1日が終わるなんて事もあり、改めて世に出ている商業作品の凄さを実感しました。この勉強会編で、色々細かな設定を披露していきたいと思っています。次回は4月末頃に投稿できる様に頑張りたいと思います。それでは改めまして、ケモ耳美少年のなすがまま異世界観光、第五巻をお読みいただき誠にありがとうございました。


~~追記~~


アトラピア大陸の地理について、本編では語られなかった部分をここでざっくりと紹介したいと思います。


まず最初は、大陸最大の国土面積を誇るバルニオン皇国。国土面積は約1700万平方km(現実のロシアと同じ位)。バルニオン皇国国内は、その国土の広さから国の管理を中央に存在する中皇領を中心としそれぞれ西部領、東部領、南部領、北部領の計5つに分けられ管理されています。言うまでもなく中皇領がもっとも権力があります。中皇領以外の領土は、バルニオン国内でありながら一部独自の権力をふるっており、事実上の独立国の様なあつかいとなっております。中皇領には首都とは別にさらに中央に存在する真・首都なる都市が存在します。この真・首都は、バルニオン国民でもその全貌を知らされておらず、国の極めて一部の者以外入る事すら出来ません。そんなバルニオン皇国を中心に他の国が位置しています。


続いては、円寿達のいる国であるティリミナ王国。国土面積は約987万平方km(現実のカナダとアメリカの中間)。バルニオン皇国から見て西に位置します。


続いては、バルニオン、ティリミナの続く人間が治める国であるディネイン王国。国土面積は約358万平方km(現実のインドより少し大きい位)。バルニオン皇国から見て北東に位置します。ディネイン王国から見てさらに東の土地は広大な砂漠地帯が広がっている未開拓地帯となっております。


続いては、獣人が治める国ゴレア王国。国土面積は約194万平方km(現実のインドネシアと同じ位)。大小様々な島からなる島国であり、唯一国土が他の国と接していません。バルニオン皇国から見て南に位置しています。


続いては、陽精が治める国アキメサ王国。国土面積は約724平方km(現実のシンガポールより少し小さい位)。アトラピア大陸最小の国土面積であり、その位置もティリミナ王国南西部にある魔力の満ちた樹海、通称・迷いの森の先にあります。


続いては、翼人の治める国フェニキス王国。国土面積は約965平方km(現実の中国より少し大きい位)。国土面積はバルニオン、ティリミナに次いで大きいものの、その土地の殆どが岩山でできた渓谷地帯であり、空を飛ぶ手段を持たない者が生活するのは困難である。まさに、空を飛べる翼人だからこその国となってます。バルニオン皇国から見て北に位置しています。


続いては、陰魔が治める国ガルディア王国。国土面積は約276万平方km(現実のアルゼンチンより少し小さい位)。バルニオン皇国から見て、南東に位置します。


最後は、作中ディネイン王国によって滅ぼされてしまった鬼人の国・・旧・ケルヴィス王国。国土面積は約317平方km。バルニオン皇国から見て東部に位置し、ディネイン王国とガルディア王国の丁度中間にあります。


これからもちょくちょくアトラピア大陸の地理情報を書いていくと思います。よろしくお願いいたします。













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