#4,初めて
桃子と裕が付き合って(仮)今日で一週間が経った。
「おはよう、青木君。」
「おはよ、長谷川さん。」
いつも通り通学路で落ち合う2人。
「ねぇ、青木君。手、繋いでもいい…?」
裕に会うなり唐突に聞いてきた。
「ど、どうしたの?急に。」
「駄目かな?」
「わ、わかった、いいよ。」
仕方なく手を繋いでいるように見えた裕だが、内心は満更でもなかった。
結局そのまま学校まで来てしまった。かなりの人に見られていたが、皆当然かの如くスルーしていた。
ホームルームが終わり1時間目の準備をしているとき林が話しかけてきた。
「なぁ、今朝長谷川さんと手繋いでただろ?」
やはり今朝のことを聞いてきた。他の人は聞かなくても林はそういうやつだ。裕と桃子の席は離れている。代わりに裕と林の席は近いので2人の会話は桃子には聞こえなかった。
「あぁ、繋いでたよ…。」
裕は体が熱くなるのを感じていた。少しずつ思い出していく。
「顔赤いぞ?」
「わかってるよ!」
指摘されて更に熱くなっていく。
「で、どうだった?」
「どうって?」
「女子と手を繋いだ感想は?」
まさか感想を聞かれるとは思ってなかった裕はやがて今朝のことを鮮明に思い出した。そのことが裕の体を更に熱くさせる。
「…や、柔らかかった。」
「生々しいな。」
「う、うるさい!」
このとき裕は授業が始まってもないのにショート寸前まで追い込まれた。というより今日1日上の空だった。
〜放課後〜
「青木君、今日1日上の空みたいだったけどどうしたの?」
「あぁ、ちょっと今朝のことばっかり考えてて…。」
途中で思い出しまた体温が上がる。
「間接キスは平気だったのに?」
「あ、あれは、自覚がないっていうかいきなりだったからその…。」
昨日のことまで思い出し更に熱くなっていく。
「流石にからかいすぎたかな?顔真っ赤だよ?」
指摘されればまた赤くなっていく。
「あぁ、もう暑い!」
「ごめんごめん。」
桃子は笑いながら裕に謝った。
「でも、アピールやめるつもりはないからね?」
「うぅ…。」
「だって…ちゃんと付き合いたいから。」
また裕の顔が赤くなる。
「あ、もうこんなとこまで。」
桃子がそう言う。気がつくと分かれ道まで来ていた。
「また明日ね。」
「うん、また明日。」
桃子に返事を返して裕も帰路についた。