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星に願いと誓約を   作者: 澄兎
第一章 はじめまして異世界
2/2

戯れの神


***********************************************


ヒヤリとした、冷たい大地の感触を受け、オレの意識は少しずつ覚醒していく。

周囲は雑木林のような、それでいて葉も枯れおちたように侘しい、殺風景ともいえる場所だった。


(なんでオレはこんなところで寝転がっている?)

曖昧だった意識がその疑問を思い浮かべたとき、先ほどまで友人と過ごしていた記憶が甦ってくる。

(オレはあのときアガろうとして、そこで急に。。そうだ、急に胸がおかしくなって。。。)


『やぁやぁ、ようやくお目覚めかなぁ』


静まりかえった、枯れ木しか見当たらないこの場で、唐突にオレの背後から声が響く。

意識が急速に覚醒したオレは、思わぬ声に反射的に振り向いた。


『お、びっくりさせちゃった?あー、ごめんごめん』


声の主は女性ともいえるほど中性的な、形容しがたい整った輪郭で、ややトーンの落ちた低い声でオレに声をかけた。


『キミが目覚めてくれるの待ってたんだけどさ、なかなか起きてくれなくてね、ついついこっちまでウトウトしてしまったよ』

声の主はそういうと、気怠げに目を擦りながら近づいてきた。


『んー、では、はじめましてアキくん。ボクの名は戯れの神エルメース、キミをこの地に呼び寄せたのがボクだ』


急に自己紹介を始めた目の前の男(?)は、よく分からないことを言いはじめた。


「呼び寄せた?呼び寄せたってのはなんのことを言っている?そもそもここはどこなんだ?」


『オーケ~、そだね、まずはそこからだよね。まずキミがいるこの地、いやこの世界はキミのいた地球じゃないよ。別の次元を越えた先にある、水と緑の豊かなサンガという星だ。』

『ここはサンガの中でも神域に繋がると言われる、霊峰の麓の中心さ』

「、、よく分からないが、そんなところになんでオレがいる、そもそも呼び寄せたってのはどういうことだ!」


目の前の神は、やれやれとでも言いたそうに

『まぁ、気持ちは分からなくもないけど、理解してもらえると助かるなー。

うん!まぁ一声でいえばキミは死にかけてここに来た、命を延命生き永らえさせたお礼に働いて返して!だよ?』


、、、は?。。。


『キミが友達と遊んでた、キミの世界の卓上ゲーム“麻雀”だけど、あれが原因でキミは死ぬ直前だったのさ。』

、、、何を言っている?。。。

『キミは意識を失う直前、役が揃って宣言しようとしたろ?』

「...たしかにそうだ、あのときオレは確かに四暗刻が、、、」

『それだけじゃないんだよ~。キミはあのとき、親という立場で配牌で揃っていた、しかも大三元というバグまでついて』

たしかに言われてみればそうだった、、、のかもしれない。

、、、それがなぜ、、、


『キミはあのとき、図らずともとんでもない運気が廻ってきていた、それも人の身に余るほどのそれをね。耐えられなかったのさ、キミのか身体が。キミがコールを宣言した瞬間、それはキミの身体を荒れ狂うように逆流し、死んでたはずだよ。そこをボクがキミを瞬時に力場を含めて固定・隔離し、呼び寄せた。その身に危険な“覇運”を宿らせたままね』

、、、言わんとしていることはなんとなく分かってきた気がする。。。それでも

「助けてくれたことはありがとう、エルメース、様?けどなぜそこまでしてオレを、、、」

『ふふっ、エルメースでいいよ。キミは本来ボクらの子ではないわけだからね。こちらとしても思いがけない出来事だったんだよ、それにこの世界を守り、解放するためにはキミのような力をもったものが必要だったのさ』




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