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それぞれの成果と、青果 1

 シェルターの近くで、種植えに適した場所を探します。

 爆発で吹き飛んだのはレコの構造体(こうぞうたい)だけで、道路の石畳(いしだたみ)とかは土を()けると出てくる状態。

 ニコが元の町の形を調査しながら道路上の土を避けてくれているので、少しずつ石畳が表に出てきて、町の名残(なごり)が見え隠れするようになってきました。


「道路の上というわけにはいかないから――。ここはどうだ? 民家だったと思うが」

「あっ、そこはもう調べてあるので、大丈夫……だと、思います」


 ここにあったお家にも人が住んでいて、ひょっとしたらこの場所でお亡くなりになったかもしれません。

 私たちは二人で手を合わせて


「「使わせて頂きます」」


 と、声を(そろ)えました。

 本当はお亡くなりになった全てのかたに手を合わせて、お墓も作ってあげたいのですが。なにせ一万人以上いますから、不可能です。


 さっき踏んだ土は、誰かの体が還った土かもしれない。

 今日飲んだココは、誰かの体が還った栄養で育ったかもしれない。


 そうして私たちは、今、生かされている。

 一つ一つに手を合わせることはできませんが、心の中では絶えず感謝をしています。


「同じ種を、普通の土とレコの残骸(ざんがい)()いて比べてみよう。ココがレコの残骸にばかりできるなら、植物の生育にも差が出るかもしれない」


 ニコと一緒に固い大地を(たがや)して、とりあえずトウモロコシの種を()いてみました。

 一方、レコが崩れてできた土のほうは軽くて柔らかいので、スコップでサクサクと形状を整えてからパラパラッと種を蒔いて、土をかぶせたら終了です。


「――あのっ、レコの土のところに、ココをかけてみませんか?」

「ココを?」

「はい。……その、何か違いが出るかも……と、思って」


 賛成です。少なくとも、肥料にはなるでしょうから。

 それに実験の種類は多いほうが、成功の確率も上がるというものです。下手な鉄砲――かもしれませんけれど。でも、やらないよりはやったほうがいい!


「折角だから、普通の土でもやってみよう」

「――はいっ」


 これで条件は四種類。さてさて、どうなるのでしょうか。

 常識的に考えると、すぐに結果なんて出ないわけですけれど。

 このグリフィールドと呼ばれる世界は、レコとスライムとココの三つについては、ちょっと常識外です。

 根拠はありませんが、ふつふつと期待感がこみ上げてきます!


「おーっい」


 ニーナの大きな声が届いて振り向くと、かなり遠くに人影が二つありました。

 どれだけ声が届くんですか……。遮るものが無いというのは、凄いことです。

 ――――そう考えると、この町と隣町にだって、遮るものが何も無かったはずで。

 あの爆発音で、助けではなくても、せめて様子を見に向かった人がいたとすれば。途中で合流することができて、そろそろマリーさん達四人も戻ってきそうなものです。

 でも、帰ってこない。

 開拓の希望とは正反対に、救助への期待は、少しずつ不安に変わってきてしまいました。

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