表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/106

混濁

「お姉様! お姉様!!」


 遠くで音が鳴ってる……。

 でも……キィィィィィって、凄い……耳鳴り…………。

 ――お姉様?

 そんな風に私を呼んでくれるのって……。


「目を開けてくださいっ!」


 え……。目……?


「お姉様っ、私が誰だかわかりますか!?」

「…………」


 異常なほど重い感覚を持ちながら、でも声が出ずに、私はどうにか顎先を下へ動かして返事をします。


「――よかった…………。アリナ、ニコさんとニーナさんに連絡を!」

「はいっ」


 アリナって……マルシアちゃんのメイドさんの名前……。

 それじゃあここ、ダリア領……?

 寝ているのに……頭が…………重たい……。


「――――お姉様、よく頑張ってくれました。本当に尊敬致します」


 マルシアちゃんの声……だけど、顔がよく見えない。

 あ……そっか。目を開けてないから……。


「無理しないでください。もう大丈――いえ、油断はできません。もう少し、頑張ってくださいませ!」


 あ……今、マルシアちゃん。

『大丈夫』って言いかけて……止めた。

 それを言っちゃうと危ないぐらい……まだ……助かったわけではない……のか、な。


「……マル……シア……」

「お姉様! まだ喋っては……っ」


 どうにか目を開いて……でも……だめ。

 砂嵐みたいな中に……人の顔がぼんやり浮かんでる……。


「ボクの他に……刺された人がいる……はずだ……。どうな…………った」


 ――。

 一人称がボク……。じゃあ、この痛みは……?


「――はぁ。ご自分の心配より国民の心配の方が先なのですか。ニコさんやニーナさんが別人のように冷たい性格になっていると(おつしや)っていましたが、なにも変わっていませんのね」

「…………マルシアも……小さいまま……」

「お黙りくださいませ」

「……はは」

「――――ありがとうございます。私の心配までしなくても大丈夫ですから、ちゃんとお休みになってください」


 どうにか(うなず)くと……また頭が重くなり…………。

 もう一度、眠りにつきました――――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ