『夏なのに?』
【6月7日(木)】
––––教室
麗華「こないだ、あの『ですわ』がね……」
京子「雅はん?」
麗華「そう、雅はん」
京子「それでその、雅はんがどないしはりました?」
麗華「この前、あの子の家に宿題教えに行ったじゃない?」
京子「行ってはりましたなぁ」
麗華「それでちょっと休憩しようって、お菓子でも買いに、コンビニに行く事になってね」
京子「ここまでは、ありがちな話やなぁ」
麗華「でしょ? そしたらあの子……」
京子「前髪のセットに30分もかけたん?」
麗華「それは春休みの時の話しでしょ」
京子「せやったなぁ…………ほなら、近場に行きはるのに、オシャレしたとかやろか?」
麗華「最初から、どこでも行けそうな格好だったわよ」
京子「…………ふふふっ」
麗華「何よ」
京子「なんでもあらへんよ〜」
麗華「何なのよ……」
京子「それより、うちはもう降参やさかい、答えを教えておくれやす」
麗華「……あのね、あの子ね、夏なのにおでん買ったのよ」
京子「ほんまなん?」
麗華「ほんま、ほんま」
京子「しかも、お菓子やのうて、おでんこうたん?」
麗華「そうよ」
京子「よう分からんわぁ……」
麗華「それで、『どうしておでんなの?』って聞いたのよ」
京子「なんて言いはりました?」
麗華「『おでんって、夏でも食べたくなりますわ!』だそうよ」
京子「…………ふふふっ」
麗華「ねっ、おバカでしょ?」
京子「あっ、そっちやあらへんよ〜」
麗華「じゃあ、何よ」
京子「麗華はんは意外と、雅はんのモノマネがあんじょうやと思いやす」
麗華「あの"ですわ"が移ったわ」
京子(……さっきからにっこにこで、雅はんの事話してはるんは、黙っといた方が良さそうやな)
おわり! ですわ!