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流れ星に願いを込めて

作者:

拙い文章ですが、お手柔らかに


「オラ! ちゃんと金持って来いっつったろうが!」


「ぐっ…うっ…」


少年は校舎裏で暴行を受けていた。


「次は持って来いよ!? いいな!」


「は、はい…」


そう吐き捨てた生徒は、その場を立ち去る。


中学二年生の叶流星(かのうりゅうせい)は、毎日のように学校で虐めを受けていた。


毎日不良グループの生徒に暴力を振るわれ、金銭を要求されていた。


「全く…今日も派手にやられたわね」


流星に金銭を要求していた生徒が立ち去った後、そこに一人の女生徒が現る。


「……アヤちゃん」


同じく中学二年生の天城綾(あまぎあや)


「ほら、これで顔を拭きなさい」


怒りと悲しみの感情が入り混じったような表情を浮かべ、流星にハンカチを差し出す綾。


それを無言で受け取り、立ち去ろうとする流星。


「待ちなさいよ!」


綾は流星の腕を掴み、引き止めようとする。


「このままでいいの?」


「僕は大丈夫だから…」


奥歯を噛み締めながら精一杯の強がりを見せ、その場を立ち去る流星。


それ以上何も言えなかった綾はその場に立ち尽くしていた。


内心、流星の現状を何とかしたいと思っている綾。


しかし、問題はそう簡単なものではない。


第三者が制止しようとすれば、虐めは止まるどころか、エスカレートしてしまう。


綾はそれを分かっていた──故にどうすれば流星を助けれるのかが分からない。


転校をするのもひとつの手段ではあるが、そう簡単に実行出来るのなら苦労はしない。


他にも、教師達の協力で不良グループを退学に追い込む案や、流星自身を鍛えるなどを考えてはみたが、どれも良策とは言い難い。


だが、流星のイジメ問題は意外な形で解決する事になる。


それは、流星が校舎裏から立ち去った後の事。


流星はそのまま学校を抜け出した。


人のいない場所を求めてさまよい歩く流星。


学校近くの土手にて、流星はふと空を見上げた。


「このまま消えてしまえたら楽なのに……ん?」


空を見上げながら歩く流星の足に何かが当たる。


「なんだろ?」


足元に転がるそれを拾い上げ、観察する流星。


手の平にすっぽりと収まるそれは丸い形をしていた。


「なんだろ?キレイな玉だな」


と、そこへ──


「あっれぇ~? 流星くんじゃ~ん」


「こんなとこで何してんだよ?」


いつも流星を虐めている不良達がやってくる。


「ぅ……ぁ……」


何かを発しようとも上手く言葉が出てこない。


流星は拾った玉を咄嗟にポケットに隠し、その場から逃げようと試みてみるが。


「逃げんなよ、なぁ? おもしれぇ所に連れてってやっから」


流星はそのまま為す術も無く、どこかへと連れて行かれてしまう。



「せぇーのっ!」


「うわっ」


廃墟となったビルの一室で、投げ飛ばされた流星は思わず声を漏らす。


「さてと…何して遊ぼうか?」


「やっぱりサンドバックっしょ!」


「縛り付けて、的当てゲームもよくね?」


不良達は下卑た笑みを浮かべながら、流星をどう虐めるかの相談をする。


「う……うぁぁぁ!」


確実に訪れてしまう自分に対する暴力──流星はそれを想像してしまい、思わず叫び声を上げながら逃げ出してしまう。


「だぁーかぁーらぁ! 逃げてんじゃねぇぞ!」


「ぐっ…?!」


だが、流星は鳩尾を殴られその場にうずくまる。


「あんま俺ら舐めてっと殺すぞ?」


(強くなりたい……!)


それは心からの願いだった。


「とりあえず、サンドバックだな」


その場にいた不良達は流星に暴力を振るい始める。


(強くなりたい……誰よりも……強く……強くなりたい!)


その時だった──


「あぁ?」


「なんだよこれ!?」


突然、流星のポケットが光始めた。


不良達は思わず目を伏せる。


目を丸くしながら、自分のポケットに手を伸ばした流星はそのナニかを取り出す。


そのナニかは先程拾った玉だった。


『ネガイヲイエ』


そう聞こえた気がした。


「僕は誰よりも強くなりたい!!」


流星がそう叫ぶと、その玉から発せられていた光は消え、不良が叫ぶ。


「てめぇ……何しやがった? 殺されてぇのか?あぁ?!」


先ほどの強烈な光が、流星の仕業と思った不良の一人が叫ぶ。


流星は俯いたまま立ち上がり、肩を震わせている。


その態度が気にいらなかったのか、その不良は流星の胸ぐらを掴む。


「シカトこいてんじゃねぇぞ?」


パシッと、流星は男の手を右手で払い落とした。


男は更に激怒し、無言で殴りかかろうとした時だった。


「………あ?」


流星に払われた右手に、違和感を感じた男はそっと目を向ける。


「おい…何だよそれ……」


「うぁぁ!」


周りにいた仲間も取り乱し始める。


「………あ゛ぁぁぁぁ!腕がぁ! 俺の腕がぁぁぁぁ!!?」


男の腕はあらぬ方向に折れ曲がっていた。


流星は口角を限界まで開き、薄気味悪い笑みを浮かべながら言葉を吐き出した。


突然豹変した流星の様子に、不良達は恐怖の余り顔が引きつる。


「ほら? 僕を……いや、俺を殺したいんだろ? なぁ?! 殺せるもんなら殺してみろ!」


怯える不良達に、流星は挑発的な言葉を吐くが。


「やべぇ!逃げんぞ!」


不良達は腕が折れ曲がった仲間を置いて、その場から一目散に逃げ始める。


「あーあ…逃げちゃった……まぁ、逃がさないけどね」



流星は逃げた不良達を追いかけるために、ゆっくりと歩き出した。


それから数時間程して、不良達を散々痛めつけた流星は満足げな表情を浮かべて、廃ビルを後にした。


それでも流星は物足りなかったのか、次の標的を探すために歩き始めた。


「さてと……どこかにいい獲物はいないかなぁ~」



そんな事を呟きながら歩く流星。


一時間程経った頃だろうか、見覚えのある三人の後ろ姿が視界に入る。


それを捉えた流星は、勢いよく走り出す。



「ドーン!」


「痛ってぇ! なんだゴラァ!?」


流星は、三人の内の真ん中の男に跳び蹴りをする。


「てめぇか? なんのつもりだぁ?」


恐らく手加減したのだろう──男は平然と振り返り、流星を睨みつける。


「俺とタイマン張れ」


右手の中指を立て、挑発的にそう言った流星に対して、男は笑ってみせた。


「頭おかしいのか? てめぇみてぇなチビが俺に勝てる訳ねぇだろ?!」


流星の身長は150前後、体重は50キロと小柄な体型なのに対して相手は、身長は170を越え、体重は約100キロ程の巨漢だ。


男の言うとおり、普通なら勝てる筈もないのだが、流星は不思議な力を手にした事によって余裕の笑みを浮かべる。


「あぁ? 人より太ってんのがそんなに自慢かよ?」


「殺してやるよぉ…てめぇら手ぇ出すんじゃねぇぞ?!」


「ひゃはっ! ついでにそのツラもブタそっくりに変えてやるよ!」


一撃だった。


「さっきまでの威勢はどうしたんだぁ?!」


流星はたった一撃で意識を刈取った。


「やめろ! もうやめてくれ!」


「このままじゃ高木さん死んじまうよぉ!!」


高木とは、流星に気絶させられた男の名だろう。


執拗に高木をいたぶる流星を、止めようと必死になる高木の連れ。


「はぁ~…ヤメて欲しいんならさぁ……俺を殺してみろよ!」


「「ぅっ…」」


言葉を失う二人だったが、腹を括ったのか神妙な表情になる。


「二人でやればなんとかなるよな?」


「お、おぉ! やってやろうぜ!!」


互いに鼓舞し合い、拳を握る二人。


「上等だ」


ニヤリと嗤い、流星も拳を握る。


数分後──高木と他二名に飽きた流星は、再び標的を探し始める。


人気のない路地裏を歩く流星。


やがて目に飛び込んできたのは、他校の生徒二名と見覚えのある生徒。


「なぁ、いいだろ? ちょっとでいいから、な?」


「で、でも……」


「あんまりお兄さん達怒らせない方がいいよ?」


二人組の男に絡まれているのは流星の同級生だ。


流星は無言で近づき、そのまま二人組の片割れを殴り飛ばした。


「あ?何してんだよ、テメェ?!」


「そりゃこっちのセリフだ!」


そして、もう片方も殴り飛ばした。


「いきなり何だよ?!」


「お前らさぁ……今何してた?」


「テメェには関係ねぇだろ!」


「はぁ…なら俺が今から何しようが、関係ねぇよな?」


小さく溜め息を吐き、二人組の片割れの顔を踏みつける流星。


「ぐぁっ?!」


そして、そのまま二人組の男の顔を交互に蹴り続けた。


「頼む! もう許してくれ!」


「俺らが悪かった!」


許しを乞う二人組に、流星は再び溜め息混じりに問い掛ける。


「そう言った奴らに、お前らはなんて答えた?」


「「ひっ?!」」


二人の男は、殺意に満ちた流星の表情に、小さく悲鳴を上げる。


「詫びんなら、あの世で好きなだけしてろ」


流星は、右手で手刀の形を作り、振りかぶる。


「じゃあな」


「待ちなさい!」


右手を振り下ろそうとした刹那、制止する声が流星を止めた。


「アンタは…アンタは自分が何をしているかわかってるの?!」


背後から聞こえる声に振り返り、反論する流星。


「アヤちゃん……わかってるよ…だけど、悪いのはコイツらだ」


声の主は天城綾だった。


自覚した上で、再び攻撃体制に入る流星に、綾は足早に近づき──


「止めなさい!」


そう言いながら、綾は流星の頬に平手を打った。


「なんで……なんでだよ!? 悪いのはコイツらだろ!? だから俺は……!!」


「どうしちゃったのよ……あなたは誰よりも人の痛みが分かる筈でしょう?なのに…なんであなたは…」


流星が殺そうとした二人も、その二人に絡まれていた男も、とうに姿は見えなくなっていた。


だが、流星も綾も口論に夢中で気づかなかった。


それと入れ替わるように、謎の男が立っていた事も──。


「いきなりで悪いが、死んでもらおう」


言葉と共に振り下ろされた剣を、流星は寸での所で避ける。


「テメェ……いきなり何しやがる!?」


漆黒の鎧を纏い、剣までもが漆黒の男はニヤリと嗤っていた。


「いきなりで悪いと言った筈だが?」


そして再び、剣を振るう。


「クソがっ…!! アヤちゃんは逃げろ!」


「嫌! 逃げるなら一緒に逃げるわよ!」


二度目の攻撃も何とか回避に成功し、流星は綾だけでも逃がそうとするが、綾はそれを拒絶する。


「安心しろ。二人共逃がしはしないさ」


そして三度目の攻撃──だが、体勢を低くした状態で懐に踏み込み、相手の鳩尾目掛けて回し蹴りを放つ流星。


「悪くないが、まだまだ踏み込みが甘いな」


そう言いながら流星の足を掴んだ男は、そのまま力任せに投げ飛ばす。


空中で体勢を整え、そのまま着地した流星は男を睨みつける。


だが、男は鼻で笑いながら漆黒の剣を納める。


「何のつもりだテメェ……ナメてんのか? あぁ?!」


流星の怒号にも、余裕の笑みを見せた男は次に鎧を外しながら答える。


「ふっ……まぁ、ハンデだ。私だけ剣を使っていたのでは、勝負にならんだろうからな」


「チッ……後悔させてやるよ!!」


「望む所だ」


最初に仕掛けたのは流星──渾身の力で右ストレートを放つ。


だが、男は目の前に迫る拳を紙一重でかわし、流星の鳩尾に拳をめり込ませる。


「がぁぁっ?!!」


「先程の礼だ」


膝をつきながら悶絶する流星に、男は更に攻撃を仕掛ける。


「ナメんな!」


流星は、男が振り下ろした踵を、両手を交差しながら、なんとか受け止めた。


余りの衝撃に、地面には蜘蛛の巣状のひびが入る。


「答えろ!テメェはなんなんだ!なんで俺らを狙う!?」


少し間を置いた後、男は流星の質問に答える。


「ふむ、よくよく考えれば…自分が死ぬ理由位は知っておいた方が良いかも知れんな」


流星に振り下ろした踵を引き、少し後ろに下がった男は、自らの名を語り始める。


「我が名はヴァルディア・ヴァンフォーレ──この星から遠く離れた宇宙の彼方から来た」


「マジかよ…なんのためにこんなとこ来やがった?」


「貴様、これ位の玉を拾わなかったか?」


ヴァルディアは右手で玉の大きさを表しながら問い掛け、流星は黙って頷く。


「そして、願いを叶えたな?」


少し怒気が込められた声──ヴァルディアが発する殺気に、流星と綾は思わず気圧されてしまう。


「どうなんだ?」


二度目の問いに、流星はゆっくりと頷く。


「……あれは、我が国の宝……それを勝手に使ったんだ。殺されても仕方ないだろう?」


更に鋭くなるヴァルディアの殺気──思わず後ずさりする二人。


そんな事は気にも止めず、ヴァルディアは流星との距離を詰める。


「さぁ、そろそろ死んでもらおうか!」


「クソが! 拾ったモンをどうしようが俺の勝手だろうが!」


左側面から迫る、ヴァルディアの回し蹴りを、左手でいなした流星は相手の脇腹に右拳をめり込ませる。


「テメェが死んでろよ!」


更に叩き込まれる流星の拳。


だが、数発目の拳はヴァルディアに掴まれ、それを払おうと左の拳も突き出すが、それも掴まれてしまう。


「今のが、俺を殺す攻撃か? 笑わせる……攻撃とは…こうするのだ!」


流星はヴァルディアの膝蹴りで、空高く打ち上げられた後、更に高く跳んだヴァルディアに叩き落とされる。


音も無く着地したヴァルディアは、地面に埋もれてしまった流星の頭部を握り、軽々しく持ち上げる。


「テッ……メェ…!!」


「悔しければ反撃してみるんだな」


ヴァルディアは、そのまま流星を投げ飛ばす。


「流星!」


二人の闘いを、少し離れた所で見ていた綾が流星に駆け寄る。


「早く…逃げろ……頼むから…!」


「イヤよ!」


「別れの挨拶は済んだか?」


「お願い…! 何でもするから…流星を助けて…!」


ヴァルディアの前に立ちはだかり、懇願する綾。


「悪いが……俺はそこまでお人好しではないのでな…」


ヴァルディアが手を翳すと、その手に収まるように漆黒の剣が飛来する。


「させるかよ!」


ヴァルディアが剣を振り下ろすよりも先に、それを流星が防いだ。


「ほう…まだ動けるのか」


「はぁ…はぁ…女に庇われたまんまで…はぁ…寝てらんねぇんだよぉ…男の子だからなぁ!!」


肩で息をしながら、かろうじて立ち上がる流星は、ヴァルディアに対し、渾身の上段蹴りを放つ。


「ぐっ?!」


一瞬ヴァルディアが怯んだのを流星は見逃さず、ひたすらに連撃を放つ。


「何故だ…先程よりも格段に強くなっている…」


「はぁ…はぁ…ククク…なんかわかんねぇけど、力が湧いて来た!」


更なる速度でヴァルディアを徐々に追い詰めて行く。


「オラオラァ! 形勢逆転だなぁ!」


「くっ…調子に乗るなぁ!!」


攻撃をいなす事で、流星の体勢を崩したヴァルディアは追撃しようとするが──


「消えっ――?! がぁ?!」


それよりも早く流星は背後に周り、ヴァルディアの側頭部に蹴り技を放つ。


スピード、パワー、そのどれもがヴァルディアを上回り始める流星に、ヴァルディア恐怖を感じ始める。


「何故だ……答えろ地球人よ…貴様は何を願った?」


それは、流星にして見れば今更な問い掛けだったのだが──。


「誰よりも強くなりたい…そう願った。それがどうかしたかよ?」


その瞬間、ヴァルディアは確信してしまった。


流星が拾った石は、多少の条件などを除けば、どんな願いであれ叶えてしまう。


いや、願いに応じた能力を手に入れると言った方が正確だ。


つまり、流星よりも強い者が現れれば、願い通り流星はその者よりも強くなる。


このまま闘えば負ける──そう感じたヴァルディアは予想外の行動にでる。


「なるほど…では、やり方を変えるとするか」


「あぁ?」


構えを解いたヴァルディアは、空に向かって手を翳す。


流星と綾は、その行動に疑問を持ちながらも上空を見上げる。


そして、二人は目を疑う。


そこには、巨大な船の様な物が浮遊していたのだ。


「さて、取り引きといこうか」


「取り引きだと?」


「そうだ。今、この星の遙か上空に我が船が留まっている。もしも、貴様が我々に協力しない時は……この星を消滅させる」


「どこが取引なんだ? ただの脅しじゃねぇかよ」


流星のもっとも過ぎる物言いに、小さくため息を吐き話を続けるヴァルディア。


「もし、この星を救いたいなら我々に協力しろ」


「素直に協力すると思うか?」


「そのためのアレ(・・)だ」


地球の消滅か、或いは宇宙の果てで協力するか──突然目の前に突き付けられた二者択一。



「貴様が願いを叶えたあの石は、名を命星玉。星の命と、その星に住む生命体の命が結晶化したものだ…つまり、貴様が使った分はこの星を破壊する事で補うと言うことだ」


「なぁ、アヤちゃんはどっちが良いと思う?」


空を見上げながら、突然零したように問い掛ける。


「……自分の出した答えを信じなさい! 私も信じてあげるわ!」


「よっしゃあぁぁ!!!」


アヤの答えを聞いた流星は、声高らかに叫び、両足に力を込める。


「貴様…何をする気だ…?」


「決まってんだろ?」


狼狽えるヴァルディアの質問に笑顔で答えた流星は、一直線に

宇宙船に突っ込む。


そして、船から放たれる光──流星は吼える。


狼狽えるヴァルディアをよそに、綾は一人駆け出した。


力を使い果たしたのか、流星がそのまま落下しているからだ。


だが──


「ふむ、損傷が酷いな……治せるか?」


「愚問です」


綾よりも早くに流星の元に到着していた謎の二人。


小柄な老人に促され、人とは言えぬ程の白い肌の女性は流星に手を翳す。


「よし、コイツとヴァンフォーレ様を回収した後、直ぐにこの星を出るぞ」


「了解しました」





「流星! どこ?! いるなら返事をしなさい!」


流星のおかげで街には被害は無かった。


そのため辺りにはそれなりに人がいたのだが、空から落ちて来た少年について知っている者は皆無だった。


全てはヴァルディア達の記憶操作によるものだが、それでも綾は探し続けた。


だが、見つかる筈など無かった。


今頃は遠い宇宙の彼方にいる事だろう。


それを知る由もない綾はひたすらに探し続けた。


いつか再会出来る日を信じて──



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― 新着の感想 ―
[良い点] 願い事を間違えたら世界は滅びそうな話ですね。 なんとなく、主人公は魔王になってそう(笑) 終わりも意味深!ここで終わるのかぁと少し残念になるぐらいもう少しその後を見てみたかったです。 …
感想一覧
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