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【二話】パンは最強!?

二話です。

少し文章少なめです。

さて、この状況をどうするか…

俺らは殺したくないのに殺してほしいと言って聞かないケイ。

最終的に結論が出たのはお持ち変える。


ニイナの考えで、もしかしたら一緒に行動ができるかもしれない。

その希望を持って昨日見つけた森の中の小屋に連れてきてみた。


「なんで殺さないんだよ!」


なんでって言われてもなぁ…


「あなたは何を目的に戦っているの?」


どうやらニイナは攻めに行くようだ。

俺はこのまま黙っておこう。


「当たり前だ!現実世界に戻るためだ」


「はぁ……その現実世界に戻れる条件は?」


「それはこの世界を生き延びること」


「いつまで?」


「いや…それは…」


「この世界を生き延びるっていつまで生き延びればいいの?最後の一人になるまで?それとも何人殺したらって言う上限があるの?」


「それは…まだ分からないけど…」


「正直に話すと、私とハクは…」


これ以上言うと約束を破ることになるので俺は慌ててニイナを止めた。

ニイナは「わかってる」と言い、話を続けた。


「私とハクは一緒に死んだ。そこでここに転送されたのが昨日。その転送される前に誰かに生き延びることが出来れば現実世界に戻れるとか何とか言われたんでしょう?」


ケイの返事を待たずにニイナは話続ける。


「私達はもう死んでるの、現実世界に戻れるなんて出来るわけがないでしょう?みんなは現実世界って言う言葉に踊らされてるんだよ」


「冷静に考えてみればそうだが、でもだったらこの戦いに意味は無いじゃないか」


「その通りよ、この戦いには意味なんてない。ただ何処ぞの神様が死んだ私達を弄んでるだけ」


「つまり、私がここまで無駄な努力をして来たってことか…?いや、それはないか…」


「私達の目的はこの世界を壊すこと」


「世界を壊すだぁ?」


「そうすれば死んでるのか生きてるのか分からないこんなでたらめな世界を終わらすことができる」


「そうやって考えたことは無かったな…殺してくれと言ったが訂正したい。私も手伝わせてくれないか?」


「そう言うと思ったから俺達はここに連れてきたんだぜ?」


「ありがとう…」


これで一件落着ってわけだ。

何とか殺さずにケイを仲間にすることが出来た。

欲を言えば風水佳も居てくれれば良かったんだけどな…


「そう言えば風水佳は何処にいるんだ?」


………


あれ?なんかやばいこと言っちゃったな


落ち着いていたケイが一瞬で表情が固まった。

ケイにとって良くない事が起きたのだろうか。


「風水佳は、今眠っている状態なんだ」


なるほど。目を覚まさないって事なんだろうな。

だから表情が固まったのか…


「それよりちょっといいか…?」


ケイが手を挙げて問いかけてきた。


「腹減った…」


とケイが言ったと同時にケイのお腹から音が鳴った。

警戒心が和らいだから一気に空腹になったんだろうな。


こんな時は俺の腕の見せ所だ!


と言いたいところだが、ニイナの方が料理に関しては上手すぎるからニイナに任せることにした。


その間、ケイの提案で手合わせをすることになった。

ケイは中距離系で剣も使えば銃も使う、そんな位置だ。

ケイの手には銃の形をした物があり、その中には鋭い針みたいな物が詰まっていた。

俺に撃ってきた物がこの針みたいなものだと、ケイは言う。

これに当たってたらかなりのダメージだぞ…


というわけでケイも俺も片手剣の模造刀を使うことにした。


「ハクとニイナは昨日の段階で何をしたの?」


「いや、特に何もしてないけどな。操作方法をなんとか覚えたりしただけだ」


どうやらケイは俺らの異常な強さを疑っているようだ。

まあ、しょうがないと言えばしょうがない。


「さぁ、ケイから攻めてきていいよ本気で」


「…わかった」


その瞬間、10mほど離れていたケイが1秒もしないうちに視界から消えた。

ケイはハクの後ろに周り込み、剣を縦に振りかざした。

ハクはその振りかざした剣を右手に持っている剣で受け止め、剣同士をスライドさせて攻撃を受け流した。

キィィィンと金属音が鳴りながら受け流されたケイは少しだけ体制を崩す。

ケイはすぐ様体制を立て直し、今度は正面から向かってきた。

縦振り、横振りなど高速で切りつけようとするケイに対してハクはその高速の攻撃を全て剣で受け止めている。


「ハク…本気出してないでしょ?」


「勿論、本気出せばケイなんて殺ろうと思えば一瞬で殺れるし」


「少しの時間だけでいい、本気出してくれないかな。殺さない程度に」


「わかった…」


ハクはそう言い放ち、ケイから距離を取る。

30mぐらい離れて、2人とも構える。

「いくぞ」とハクが言うといつの間にかケイの目の前に立っていた。

ハクはわざわざ遅く剣を振りかざして、ケイと剣同士の張り合いをしようとした。


「ぐっ……」


ケイが辛そうな声を出した瞬間8割から3割と力を緩めた。

「はい、おしまい」


「はぁ…はぁ…あれでも剣同士で押しあってるところ本気じゃなかったでしょ」


「本気だったらほんとに殺ってたぞ」


「なんで…そんな強いの…?悪魔と契約してる?」


「いや、全く」


悪魔と契約してみたいと思うが、してしまうとこの世界の住民になってしまいそうで怖かった。


「俺とニイナのとりあえずの目標はイオナを倒す事なんだ」


「イ…イ……イオナだってぇ!?」


そんなに驚かなくてもいいんじゃないかなって思うんだが。


「イオナっつったらこの世界で最強の双剣者、イオナと戦った者は最後帰ってくることはないって言うほどなんだぞ!」


「ごめんな、生憎俺らが最強なんで」


「出来たから戻ってきて」


丁度ニイナの特製料理が出来たらしいので俺とケイは小屋へ戻る。


テーブルには1人に食パンが2枚ずつ、中央にはソーセージやクレープみたいに薄い卵焼きが置いてあった。


「パン好きだなぁ…」


「何言ってるの、パンは最強の食べ物」


そう、ニイナはパンが大好物だ。

大好きすぎて原料から作ることも少なくない。

結果としては馬鹿みたいに美味いんだよ、どうしたらこんなに美味く作れるのか知りたいぐらい美味い。

ケイはニイナの作ったパンに驚いて、無我夢中で食べまくっている。

中はすっごいふわふわで外がパリッとなるそこら辺のパン屋とは比べ物にならないくらい美味しいのがニイナの作るパンなのだ。

昨日食べたパンもニイナの手作りのパンだった。


「美味しい……」


相変わらずパンを食べる時のニイナはこれ以上に無いくらいの笑顔を見せる。

俺もケイも勿論風水佳もパンを食べるニイナの笑顔は昔から大好きだ。


「美味しそうに食べるよねほんとに」


ケイはニイナの笑顔を見て、笑っていた。

何だか世界は違うのにいつもの何の変わりもない風景に見えてしまう。

ただ、俺とニイナは死んでいない……

それに対してケイと風水佳は既に死んでしまっている。

このいつものような空間はもうあと少ししか無い……


「…ク……」


もし、その時が来たら…俺はどう感じるんだろう…


「ハク!!」


「どわぁっ!!」


ケイに大声で呼ばれて俺はビックリして椅子から転げ落ちた。


「何不安気な顔してるんだ?らしくもない」


ケイは腕を組みながら呆れた様な口調で言い放つ。


「いや、別に何でもない…」


「ふーん、じゃあ風水佳の所に行かないか?」


「場所知ってんのか?」


「私が最初にいた地帯に居る」


なるほどな、だから眠っている状態ってのが分かったんだな。


「ハクに地図渡しただろ?私が最初に居たのは東の森の方面。それで今私達がいるのはそこから川を挟んで南側に居る」


ケイは地図を広げて指でなぞりながら説明してくれた。


その途端、ドンドンッ!と強くドアを叩く音が聞こえてきた。


「なんだ…?」


ケイが警戒しながら呟く。

俺とニイナも警戒態勢に入る。


ギィィとドアが開くと同時に1人の女性が立っていた。


「ま…さっ……」


どうやらケイはこの人物を知っているようだ。

ケイは驚きと恐怖の余り言葉を失っていた。


「な……」


女性は「な」と口にしたが、その後の言葉は俺にはなんて言ったか聞き取れなかった。


「なんか…食べ物……くれ…」


女性はそう言いながら力無く地面に膝を着いた。


「ニイナ、パンあるか?」


ケイは焦りながらニイナに問う。

ニイナはこくりと頷き女性にパンを差し出す。

女性はパンの美味しさに目を丸くして食らいついた。


「いやー、ありがとう。危うく餓死する所だったよ。まあ、もう死んでるんだけど」


女性はパンを食べた後にすぐ元気になったようで、ハキハキと話しかけている。


「いえ、貴女名前は?」


「それは言う事じゃない」


突然女性の目の色が変わった。

俺がこの世界に来て初めてヤバイと思った瞬間だ。


「君をここで殺すからね。名乗っても意味は無い」


ケイは頭を抱えて青ざめていた。

そんなになるか?と思い、俺は女性の武器などを遠目から見てみた。

その女性の武器は、双剣。

その双剣を見た時、俺は察してしまったのだ。


コイツがイオナだ




ご覧頂きありがとうございます。

二話でまさかの最強双剣士誕生させました。

この後戦うのか、それとも戦わないのか。

そんなことを書いていきたいと思います。

相変わらずの不定期更新です、すみません。

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