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代償の絵  作者: 水芦 傑
25 years later
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表裏一体_本当の依頼


 公園で楽しく遊ぶ子供たち。

 手を繋ぎ、散歩する老夫婦。

 ピクニックを楽しむ家族たち。

 そんな光景を眺めながら、藤堂は一人ベンチに座り、物思いに耽っていた。

「あら、あなたでもこういうところが似合うのね」

「そうですかね?どうでもいいことですが」

「そんなこともないわよ。風景に溶け込めるって素敵じゃない?」

 伴場は藤堂に並び、隣に腰掛ける。

「で、なぜ公園なんですか?」

「意外と落ち着くのよね。それに生臭い話をするのに薄暗いところにいたら、気が滅入ってきちゃうわ」

 伴場は長い髪をかきあげた。

「で、どんな依頼なのかしら」

「そうですね。早速、話に入りましょう。今回の依頼はシージャックの支援といったところですかね」

「シージャック?」

「えぇ、うちのボスが今度はシージャックをすると言い出してましてね、まったく手が焼けますよ」

「まったくなんて顔には見えないけど?」

 確かに藤堂は実に楽しそうな顔をしていた。

「でも、支援ってまた珍しい依頼ね。対象はなし?」

「ええ。何人殺さなければならないかは、その時しだいってことで」

「そう」

 藤堂が少しの間を持って、更に話を進める。

「と、いうのは表向きだけです」

「…………つまり?」

 伴場は話の先に見当がつかなかった。

「今回の本当の依頼は、私の組織の全滅です」

 実に楽しそうに藤堂の口元が歪む。

「あら、そんな依頼していいのかしらね?組織の頭脳さんが」

「構いませんよ。私はもともとあそこの人間ではないのでね。貴方ほどの方であれば、それくらい簡単ですよね?」

「軍隊相手にするわけではないし、そんなに時間はかからないと思うわ」

「それを聞いて安心しました。さすが、クルーエルさんですね」

「私の仕事はそれだけ?」

「ええ。ただ、最初から殺しまわってもらっては困ります。その時が来たら、私の方からお伝えしますので、それまではうちのボスに従っていてください」

「そんなことお安い御用だわ」

「そして、私の行動には一切関知も詮索しないでください。それ相応の報酬はもちろんお支払いいたしますので」

「そもそも、貴方が何をしようとも私には興味ないわ。で、いくら積んでくれるのかしら?」

「それは、言い値で構いません。私がお支払するわけでもないので」

「そう。じゃあまたあとで伝えるわ。それとわかっているとは思うけど―――――」

「すべて、前金ですね?」

「ええ。そうしていただけると助かるわ」

「承知いたしていますよ」

「そう。じゃあ、また今度詳細を教えてね」

 伴場は席を立つ。

「せっかくだから、ここの空気でも味わっていくといいわ。都会の割にいい気分になれるわよ」

「そうですね。たまにはいいかもしれませんね」

「じゃあ、また宜しくね」

 伴場はその場を後にした。



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