1章 誕生 9話 長い夜3
ドパパァァアアン!!!!
それは一瞬だった。押し寄せる群れに向けて放った無慈悲な石の塊は醜悪な赤黒い小鬼達を一瞬にして肉の塊に変える。前から何列目かのゴブリンの腹にめり込んで石の塊はようやく止まる。
「ナニガオキテル!?」
「ワガラナイ!!」
後方列にいたゴブリン共がギャーギャー言っている。意味が分かる。言語スキルの賜物だな。だが今は耳障りなだけだ。臭い口をもうそれ以上開かなくていい。
「ショットガン!」
2弾目の石の弾がユラリと空に現れる。球とも立方体とも言えない凶悪なフォルムを浮かべて、塊が4つ並んでゴブリンの塊に目にも止まらぬ速度で襲い掛かる。
ドパパパァァン!!
刹那、ゴブリンの群れがまさにはじけ飛ぶ。さっきまでゴブリンだったモノは悉くその醜悪な肉を辺りに散らす。
瓦解。
20匹以上いたゴブリンの群れは瞬く間に、まき散らした汚物のごとく、床一面に転がっっている。
戦列の奥の方で、ローブを着たゴブリン2体が何やら騒いでいる。
もはやそれらを守るようにいた肉の壁はない。
ゆっくりと歩いて近づく。
時々、両サイドの設備の影から弓矢を捨てて鉈のようなもので斬りかかってきたクソ共がいたが、全く当たらない。気づけば10匹近いゴブリンに囲まれているが、問題ない。
「アイスメイキング!」
俺の四方の地面から氷柱が突き出てくる。
ただの氷を創り出す魔法も、具体的なイメージを強く思い描けば、武器になる。ゴブリン共を磔にした2m程の高さの巨大な氷柱の合間をぬって、再び歩き出す。
俺のチート心能力によって単純な魔法一つ一つの威力がケタ違いなことは、水魔法スキルを覚えたさとみちゃんに協力してもらって検証済みだ。彼女は全力クリアウォーターで、大きなバケツ一杯分程度の水を創り出せた。心パラメータは4。人間の平均だ。そして俺の全力はプール一杯。さらに具体的なイメージを描きながら出せば、さとみちゃんは水の形を少し縦長にしたり、平べったくしたりできた。俺はまるで水のジオラマのような些細な形状を表現できた。量も形も制御も、あらゆる面で、非凡であった。お風呂でまるで北海道の風物詩のような氷の彫刻を沢山作ってあげたら花と杏はとても喜んでいた。地獄の鬼ごっこから解放された遊び相手のサーペントが一番喜んでいたようにも見えたが。つまり俺の心パラメータは具体的なイメージを持てば持つほど、忠実にその形や状態を創り出せるレベルである。つららを創り出す等造作もない事だった。
「「ファイヤアロー!!」」
ゴブリン語が聞き取れる。2匹のゴブリンメイジたちは遠くで何度も何度も唱え、奴らの目の前に無数の炎の矢が並んで浮かぶ。2匹とも肩で息をして、片膝をついて、恨めしそうに俺を睨む。おいおい、ファイヤアローをそれくらい出しただけでガス欠か?20本くらいはあったのではないか、凄まじい勢いで炎の矢が飛んでくる。
「懲りない奴らだな。。。クリアウォーター。」
目の前に厚さ5mの圧縮された水の壁が現れる。炎の矢はあっという間に水の壁に吸い込まれ、力なく消えてゆく。
「「ガガ!何デ!?」
「フローコントロール!」
水の塊をフローコントロールでゴブリンメイジに超高速でぶつける。まるで津波だな。
「ごぶぶぶぶぶぉ」
ゴブリン語で喋っているのか溺れているのか分からない、滑稽なリアクション。悲惨すぎて笑えてくるな。
感情に任せて暴れるのって、意外と楽しいな。何か、いいストレス発散になったわ。少し冷静になった俺は、ふっと肩の力を抜いた。
◆ ◆ ◆
気づけば両サイドに散っていたカイマンたちも俺の傍まで来ている。
中央通路以外に潜伏していたゴブリンはそんなに多くなかったようだ。最初の奇襲以外の被害はなく、無事制圧が終わったようだ。
近くにあったロープで縛りあげられ気を失っている2匹のゴブリンメイジ。無論、抵抗しないように説得済みだ。少し優しく撫でてあげたら大人しくすると約束してくれた。2匹とも撫でてあげてる時に両腕がなくなったが、キュアで傷口を丁寧に塞いであげたから安心だ。
1階の隅には上のフロアから攫われてきたであろう女性たちが固められていた。震えている。全部で5名。若い娘もそうでない方も。応急処置は安全確保の後だ。もう少し待っていてくれ。
1階正面入り口の防火シャッターを下ろしたところで、ファンファーレが鳴り響く。いつもより少し豪勢なオーケストラのような音だった。
◆ ◆ ◆
いつもの書斎。
うーーん。
どういうことだ?
いきなり俺のレベルが9→15に上がっている。
鬼頭はレベル2→8に、その他のメンバーは2→7に上がっている。
明らかにレベルアップの傾斜がおかしい。レベルが上がるごとに次のレベルに上がりにくくなるというのはよくある設定。実際、俺が今おかれているこの世界の中でもそういう設定だと思う。レベル1になるのに赤目1体だったのに対し、レベル2になったのは5体倒した後だった。タイムラグがあるのか、一つの戦闘の括りに何かしらの設定があるのか分からないが、まず間違いないだろう。
それが、今回の生産技術本部ビル制圧が完了したタイミングでいきなり、レベルが6つも上がった。しかも低レベルのメンバーの上り幅よりも多い。そして、なぜか鬼頭だけが少し他のメンバーよりも上り幅が多い。うーん、謎だ。鬼頭の場合はプロジェクトリーダースキルを持ってるので係長認定しており、部下の経験値の吸い上げ方が少し効率的なのか?それにしても俺の上がり方が異常だ。
しばらく考え、今までのレベルアップの状況も踏まえて、一つの仮説を立てた。
一つの戦闘には一定の括りがあるんじゃないか。仮に最小単位をバトルと名付けよう。バトルとバトルが繋がり流れるような戦場でも最小単位としてのバトルがあり、バトル終了後には倒した敵に応じて一定の経験値が入る。
次に、複数のバトルや出来事が積み重なって成果を上げるような小規模の単位を仮にタスクと名付けよう。これはフロアの制圧といったレベルだ。タスクレベルで完了した時点で、パーティメンバー全員に経験値が入る。これはタスク完了報酬のようなものか。
そして今回、ビル全域を制圧し安全な活動拠点を確保する、といった複数のタスクがシーケンシャルもしくはパラレルに消化されて実現されるような中規模の作戦をイベントと名付けよう。イベント完了時点では大量のイベント報酬経験値が入手できる。しかもそれは何らかの法則により、成果報酬が存在する。例えば全報酬の半分は山分けだが、残り半分は戦局に多大な影響を与えるような功績などを評価し、配布されるとか。。まさにボーナスだ。
もしかしたら、さらに複数イベントから成るプロジェクトがあって、さらに上には・・・。
この仮説で、今までの事の大部分は説明できる。鬼頭は寝てた子達よりはほんの少し役に立ったというレベルだけど、他の子達よりは恩恵を受けたってことだ。まぁ、大体でいいんだ、どうせ証明することなんてできないしね。
それよりキャラシートのツッコミどころはまだまだあるぞ。
まず職業!鬼殺しって何やねん!安いパック焼酎か!ゴブリンを一人で秒殺しまくったからな。。創造主のセンスはもはや弄るのも疲れるわ。まぁ今までエンジニアだったからね。ようやくファンタジーっぽくなったか?いや、鬼殺しだとむしろ胡散臭いプロレスラーっぽいぞ。せめてゴブリンキラーとか横文字がよかったなぁ。
次にアビリティ!【マネジメント】がランク3→4になりました。これで役職は課長から次長に昇進だ。今まで64名の部下を率いることができたのが、一気に4倍の256名!これで100人隊長を超えましたよ。昇進の条件はよく分からないけど、いいんです。次長になると管理範囲が大幅に向上し半径500mとなる。
これで会社敷地の全域をカバーできる。
更に!【残チケット1】。。おい、これって。。ガチャか。ガチャ要素あんのかよ!?
原則アビリティは個体1つにつき1つが原則だったはず。イベント消化ごとにチケットもらえるの?収集癖、趣向性を逆手に取り、積極的にイベント消化させようという意志が働いていないか?創造主って奴は俺を誘導して、成し遂げたい事がある。焦っている。だから世界の原則を超えるアビリティの追加取得というトンデモナイ報酬をバラまいてくる。しかも自分の意志で選んで、好きでそう動いているように思わせようとしている。俺はお前の思うようにはならないぞ。ふん、チケット?それがどうした!俺がそんな単純な餌に釣られるとでも?俺は創造主が願う世界を救う救世主でも何でもない。ざまあ見ろ、創造主!
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名 前:寺沢文也
種 族:人間
レ ベ ル:9→15
性 別:男性
職 業:鬼殺し
基礎能力 :心23、技10、体6
アビリティ:
・スキルデザイン ランク2|(ユニーク、アクティブ)
・リセット|(SSR、パッシブ)
・マネージメント ランク3→4|(SR、パッシブ)
残チケット1枚
ス キ ル:
・棒術2、
・物理1、化学1、芸術1、生物5、
・水魔法4、土魔法3、日魔法2、金魔法1
・ユニーク8
残ポイント9pt、残ユニークスキル枠7
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・・・ふぅーん、結構ゴミだな、このアビリティ。
しっかりと前振りを利かせた後、あっという間にガチャの魔力に屈服した俺は、入手したばかりのアビリティを見て、唸っていた。
UCの【キャプテン】というアビリティは俺や鬼頭のマネジメント系の劣化版。同学年という限定されたパーティでのみ、俺たちと同じことができる。今いる生存者の中で同学年は、友里とゆかちんだけだ。俺の同期はいないし、俺のマネジメントが全機能を包含しているので、全くの不要だ。
UCアビリティ:【キャプテン】 ランク1|(同学年のみ限定で構成されたパーティの長)
ただ、驚いたのは、モニターでガチャを引いた後、「この取得したアビリティを誰に付けますか?」と聞いてきたことだ。つまり、誰にでも付けられるということ。
ん、これは、、ちょっと待てよ。・・・アリかも知れないな。賭けだけど・・・よし。
入手したアビリティは、花に付けることにした。
◆ ◆ ◆
ふと、俺は回想する。。
花は少しどんくさい。瞬発力や筋力といった基礎体力があまり良くない。リズム感も微妙だ。幼少期は、鬼ごっこやかけっこといった基礎体力で運動能力を評価される傾向がある。そんな中、花は足が遅く、力が弱いので鉄棒の逆上がりも、縄跳びの二重跳びも、できるようになるのに他の子たちよりも時間がかかった。イジメられた原因の一つかもしれない。優しくて、正しくあろうとする優等生のくせにどんくさい。俺以外からは、そんな評価の子だった。
でも俺は長所を知っていた。手先が器用で正確だ。〇ゴブロックなどは幼少の頃から得意中の得意で超大作を作り上げる。足が遅くてずっとリレーの選手にはなれなかったけど、ドッジボール大会では活躍して、あの花ちゃんが結構うまかった、と周りの評価が変わった。俺の学生時代にそっくりだ。だから俺は花のポテンシャルをよく分かっている。俺もマラソンとか縄跳びとか短距離走とかはてんでダメだった。でも少年野球では安打製造機として不動の4番バッターだった。テニスの学生チャンピオンになったし、社会人から始めたゴルフは誰に教わるでもなく、すぐにシングルプレーができるようになったし、ダーツやビリヤードは得意中の得意。俺のDNAがしっかりと受け継がれている。だから花は運動が得意だと、俺だけが何の疑いもなく、ずっと言い続けてきた。
そんな花は4年生になって、バスケにのめり込んだ。自分の長所が活かせており、鋭いドライブや激しいディフェンス等は苦手だが、的確なボールハンドリングや広い視野から繰り出すパス、精度の高いシュートでポイントガードとしてチームの中心だ。一目置かれている。でもやはり、俺がプロのアスリートになれなかったように、基礎運動能力の壁は、器用さでは超えられない。はるか。4年生で身長150cm、短距離、長距離ともに学年で一番のその子はメキメキと上達して、花とエースの座を争っている。花は常々、はるかちゃんには負けたくない、と強い目で熱く語り、家でもバスケットボールを手放さない。夕食後の団欒時間もバスケの基本的な作戦やチームプレーなどを聞いて通称バスケノートを作って一生懸命メモっていた。負けず嫌いさゼロだった優しい花が、そういう闘争心のような気持ちが芽生えていることを嬉しく思い、応援してあげたくなる。練習量では一番だ。
そんな花の強い気持ちを知って応援に行った4年生大会の一回戦。花とはるかは相手チームに引けを取らない能力を持っていた。他のチームメイトは幾分下手かもしれない。相手は全員がはるかや花クラス。厳しい試合だった。俺も友里も、他の親御さんたちが引くほど、声を張り上げてチームを、花を応援した。
結果は80-2で惨敗だった。はるかと花だけが泣いていた。へらへら笑ううちの学校の若い顧問を見て、俺は激怒した。
一人ひとりの能力差はそれほど大きくなかった。しかし、誰も攻め方も守り方も知らない。ルールもほとんど知らない。花だけが俺たちから聞いた知識をフル回転させて動くが、完全に空回りする。はるかがその身体能力で突っ込むが、複数に囲まれて潰される。他の子達は何をしたらいいのか、分からず、オロオロするだけ。オウンゴールも2回飛び出した。一体何を教えてきたのか。完全に指導者の責任だ。子供たちに必要のない挫折を味合わせる事に何の意味がある。マネジメントの欠落だ。
気が付けば、友里がその若い顧問に怒鳴っている。周りにはお母さん連合が詰め寄る。
そのひょろひょろ草食系顧問曰く、スポーツ経験がなくて、何を教えればいいかも分からない、らしい。へらへらしてたのはこういう顔なので仕方がない、だそうだ。
その日のうちに、学校の部活を支援するミニバスクラブ、Kスクエアードを立ち上げた。轟市の車の頭文字Kを3つという意味だ。名前は適当で良かった。ヘッドコーチは俺。マネージャ代表が友里。親御さんたちの中のバスケ経験者が数名、スタッフに名乗りを上げてくれた。俺は、気が付けば仕事そっちのけでミニバス運営を統括していた。学校や市への申請、教頭や顧問とのすり合わせ等の外渉に始まり活動指針や目標設定、練習メニューといった運営内容の企画、実際の練習での指導といった現場管理まで、すべてを俺が中心にまとめ上げた。これくらいは、大型のプロジェクトをいくつも経験してきた俺にとっては左程難しくはなかったが、学校側も親御さん達も、俺の行動力と指揮力にビビっていた。その辺のフォローやケアは友里がしてくれた。
気づけば、バスケ部4年生は全員、顧問ではなく俺の言うことを聞くようになった。強い口調で、彼女たちを鼓舞する、勝てると断言するおっさんが、とても頼りに思えたのかもしれない。
俺はミニバスクラブのキャプテンに、はるかを任命した。花にすると、ヘッドコーチの娘なので贔屓されている、という気持ちを子供たちに思わせないか、不安だったからだ。キャプテンになれなかった花はそれから暫く落ち込んでいたので、俺は申し訳ない気持ちとその悔しさをプレーで見返してほしいという期待で見守っていた。
ミニバスの活動が3か月を過ぎて来週、練習試合が組まれていた。先の大会で惨敗した小学校とのリベンジマッチだ。今日試合前の最後のミニバスの練習日だったはずだが、事件に巻き込まれて、忘れていた。もし子供たちが事件に巻き込まれていたら、全滅しているかもしれない。しかし、もし生きていたら?まだ体育館にいるかもしれないし、もしかしたら俺の助けを待っているかもしれない。俺を尊敬し、言うことを聞く、純粋な子供たち。その子たちを率いるのは、今度こそ、花に任せたい。花のやる気を買ってチャンスを与えてあげたい。Kスクエアードの子供たちが生きている、そんな一縷の望みをもって、花にキャプテンアビリティをつけることにした。
◆ ◆ ◆
あとはスキル。これは前から決めていた。次からは面制圧能力を高める。
そのキーとなるのが、水魔法5のアシッドだ。酸を創り出す。おそらくだが、俺の心23があれば、大量の酸を一瞬で創り出せる。ある程度近距離であれば自由な場所に自由な形状で創り出せるだろうが、できればこれを瞬時にフローコントロールで広範囲に発生させ不可避の範囲魔法にしたい。
|(水魔法5x水魔法2)x40÷2=140
【高位水魔法140】:死の霧
うん、いきなり命名法則無視で、日本語名にしてみた。いいんです。
かなりの大魔法なので、しっかり細部まで設計してみた。
創り出すのは強酸ではなく強アルカリ。実は強酸よりも強アルカリの方が人体には致命的な影響を与える。人間の主構成物質であるタンパク質は強アルカリに晒されると表面だけではなく、内部にまで浸透し変質してしまう。水酸化ナトリウムのプールに工員が転落して、数時間後には人間一人分のタンパク質とカルシウムになった事件などは有名だ。
ただでさえ、大量に創出できるであろう強アルカリを40倍の量で創り出し、米粒からパチンコ玉くらいの粒にして直径約50m程の半球の範囲にランダムに霧のごとく散りばめる。中心程疎らで外に行くほど徐々に密になる。その範囲の中で外から中心に向かって渦巻くように、緩やかに漂う死を運ぶシャボン玉。始めはゆっくり、しかし徐々にその速度を速め、数分後には中心に螺旋のごとく渦巻く直径3m程の強アルカリの玉に集約される。その玉の中の流速は時速150km。ゆっくりと行く当てなく漂い移動する強アルカリの死の揺らめき。拘ったのはフローコントロールの微細な制御。そこにある生命体以外には触れる直前で軌道を変えて影響を与えないようにすること。つまり、森や建物の中で使えば、元からある木や壁には影響を与えず、避けるように動き、半球ではないその土地に合わせた歪んだ形になる。中心に向かう動きは変わらない。この場合重心と言った方が的確かもしれないな。溶かして混じり合ってしまった死体はどうしようもないので、地面は多少変質してしまうかもしれないが、最低限の被害ということだ。その消費MPは今までで最大の140!!はっきり言って、俺のMPが戦闘中に枯渇する気がしない。おそらく前回の推測MP300前後からは2倍近くになっているのではないか?仮に俺のMPが500だとしても、全く問題ない。1発撃って、黄色信号が出なければ問題ない。撃った時点でほぼ勝負は終わっている。自分でも恐ろしい兵器を創り出してしまった。。
もうひとつ、ペットも強力なのを一体だけ創っておこう。カイマンだけではゴブリン相手で殲滅力に欠ける。カイマンの上位種となってくれる前衛が欲しい。
やはり可愛さとの両立を考えるとカメさんだろうな。しかも高寿命。愛くるしさは俺の細部へのこだわりで何とかなるはずだ。とにかくでかいのを選ぼう。たしか陸ガメの中でもゾウガメと言われるのがいたはず。たしかガラパゴスゾウガメ。これを土魔法3スリングショットと合わせて、最大限強化しよう。できればアシッドと足し合わせたいが、とても愛せない気がしたので止めた。
|(生物5x土魔法3)x2x2x2x2x2x2x2÷2=256
【土生物魔法256】:四神霊獣 玄武
大分厨二な名前だが、設計にずいぶん時間をかけたので、いいんだ。思い入れが大切なんだ。
甲羅は繊細なモチーフが施された黒曜石、目は美しいターコイズブルー。肌は黒みがかった土色をしており、動きは決して早くないが、黒き守護と呼ばれる六角形の魔法の黒曜石の盾を自分の六方に展開し、周囲を守ると同時に、その盾を飛ばし攻撃することも可能。通常のスリングショットはやはり六発同時発射可能。また全長5m以上ある3本の尻尾は、鋭い研磨石の鱗に覆われた蛇を形どり、鉄鞭のごとく相手を打ち伏せる・・・うーん、花が怖がりそうだな。先端をハートにしておこう。少しはマシだろう。甲羅も真っ黒じゃなくて黒と白のバ〇バリーチェックみたいなデザインに変更した。こんな感じであれやこれやと設計変更を繰り返し、最終的にはオシャレさと可愛さを兼ね備えたハートの尻尾の生えたゆるキャラカメさんに仕上がりました。
心+4、技+2、体+1補正。それに伴い体もやや巨大化し、全長は2m。完全に人間の言葉を解し、人知を超えた精神を宿す、霊獣と呼ぶにふさわしい存在。見た目はゆるキャラ、中身は神の守護者。長寿。
MP256持ってかれるのは相当の覚悟がいる。余裕のある日に1体呼び出す程度だろう。
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名 前:四神霊獣 玄武
種 族:土魔法属性生物
レ ベ ル:1
性 別:メス
職 業:一般
基礎能力 :心 6
技 3
体 7
アビリティ:黒き守護者(UC、アクティブ)
ス キ ル:土魔法3
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さて、こんなもんで十分だろう。いきなりインフレさせたけど、細かい魔法やペットは十分だし、これで暫くは無双が続くな。MP140消費の広範囲殺戮魔法とMP消費256のカメ仙人。本当に俺のMPは耐えられるんだろうな。。怖いわ。
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名 前:寺沢文也
種 族:人間
レ ベ ル:15
性 別:男性
職 業:鬼殺し
基礎能力 :心23、技10、体6
アビリティ:
・スキルデザイン ランク2|(ユニーク、アクティブ)
・リセット|(SSR、パッシブ)
・マネージメント ランク4|(SR、パッシブ)
残チケット0枚
ス キ ル:
・棒術2、
・物理1、化学1、芸術1、生物5、
・水魔法5、土魔法3、日魔法2、金魔法1
・ユニーク10
残ポイント4pt、残ユニークスキル枠5
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あ、そう言えば、水魔法を5まで上げたら、ランク8までの魔法が公開された。
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・水魔法
6バリア :全耐性の膜で覆う
7ドライ :水分を乾燥させる
8プレッシャー :水分の圧力を制御する
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ほほぅ、ここにきて防御魔法と即死系の魔法ですな。
バリアは耐熱、耐火、耐酸、耐アルカリ、耐衝撃、などの粘性の高い魔法の膜で体を覆うというもの。安心感が違うね。
ドライは所謂、絶乾状態にできる。人間の体を絶乾にしてしまえば、間違いなく即死だな。
プレッシャーも人類の体内の水分の圧力を変えてしまえば即死だな。その他にも圧力が超低圧から超高圧まで自在に制御できると、できることが相当多くなる。物理法則の知識と組み合わせれば、スゴイ事ができそうだ。自由度が高まるな。楽しみだ。
さーて、次はメンバーだな。
メンバーのキャラクターシートを弄るのが一番ワクワクする。楽しみだ。