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1章 誕生  4話 カフェテリア



「・・・・・・・ということだ。」


俺たちは5階のオフィスゾーンにある30席程ある大きめの会議室にいた。場所はオフィスの東側に位置しており、防火シャッターで封鎖した西側のエレベータホールの反対側で、設備搬入搬出用の大エレベータと非常口から近い場所だ。集まったメンバーは疲れていたが、皆、神妙な面持ちで、俺の話を真剣に聴いてくれた。空席が目立ち寂しい。

集まっているのは僅かに10名。助けたと思った子達の中にも何人かは手遅れで、俺の魔法でも助けられなかった子たちもいた。

俺が最後に助けたのは日高沙織。

その後残り僅かであった赤目の残党は俺の可愛いペット達が一人残らず食いちぎってくれた。


生存者は、


・友里:俺の嫁。32歳。

・花:俺の長女。9歳。

・杏:俺の次女。6歳。

・鬼頭圭介:生産技術本部。俺の一つ下の後輩。ブラックなエンジニア。生存者の中で唯一の男。

・高坂えり:材料技術部マドンナ3人組の一人。24歳。Cカップ。オジさんキラー体質。

・田中ミドリ:材料技術部マドンナ3人組の一人。20歳。Eカップ。オジさんキラー体質。

・石原里美:材料技術部マドンナ3人組の一人。29歳。Aカップ。オジさんキラー体質。

・植田由香:生産技術本部。32歳。友里の同級生で元レースクイーン。スタイル抜群。

・本多カナ:生産技術本部。27歳。Hカップのメロンちゃん。身長148cmで重心異常。

・日高沙織:生産管理部。23歳。活発な性格で人気者。婚約者は赤目になり目の前で俺に殺された。



説明に使ったホワイトボードにはシンプルに、いくつかのキーワードだけが書かれているだけだ。

立ち上がった鬼頭がホワイトボードを指しながら、


「つまり現状わかっていることは、寺沢さんは創造主とやらに勇者指定されて、スキルを自由に設計できるチートスキルを与えられて絶滅に向かう世界を救う冒険に巻き込まれた。外のモンスターは全て寺沢さんが創り出したもので、命令に従うので安全。寺沢さんはレベルアップするとHPとMPが満タンになる。実際に死にかけたけど生き返ったので証明されている。寺沢さんは他にも最大64人のパーティが組めるマネージャースキルを持っていて、寺沢さんのパーティに入れば経験値が分け与えられて他のみんなもレベルアップできて強くなれるかもしれない。」


「そうだ。」


「眼が血走った奴らは何故そうなったのかは分からないんですよね?」


「うん、そうだな。俺は赤目あかめと呼んでいるんだが、確認されている限り、すべて男だった。どうして鬼頭が狂わないのかは全く見当もつかない。何故か女性は乱暴され、男性は殺されている。」


「俺もわかりませんよ。でも狂ったら、高田みたいに、やっちゃって構いませんからね。」


おい、いくらなんでもデリカシー無さすぎだろ。日高さん震えてるじゃねぇか。

高田というのは、日高さんの元婚約者で、了解を得て、さっき目の前で俺が殺した奴だ。


部屋を飛び回る金色のアゲハ蝶と光るオニヤンマはやることがなくなったようにホワイトボードに止まっている。こいつらも俺が創り出した魔法生物で、アゲハ蝶の鱗粉は体力回復、オニヤンマの光は精神的ストレスを和らげてくれる。


「で、これから俺たちがまずやるべき2つの作戦とそのための下準備について、説明したい。このフロア制圧から、掃除やら身支度やらですでに1時間以上経過している。時間との勝負だと思うから、俺の話をよく聞いて、みんなの意見を聞かせてほしい。」


「一つ目は情報収集だ。まだネットが生きている。情報収集チームを発足して本部をこの部屋に置く。

今世界で、日本で、この中部地方で、そしてこの町で、何が起きているのか、を集めて今日中にまとめてほしい。」


みんな黙って聞いている。俺はホワイトボードに、情報収集プロジェクト、と書く。杏は疲れて友里に抱っこされて寝てしまっている。花は俺を尊敬のまなざしで見ているように思える。完全に主観ではあるが。


「二つ目はこのビルからの脱出だ。ただし3日かけてじっくり行く。時間との勝負とはいえ数日で世界が滅びるとは考えにくい。警察や自衛隊やアメリカ軍もいるしね。問題は家族や友人の安否だが、無理に一人で助けに行っても死ぬだけだと思う。ここにいる皆が協力し合わないと生き抜く事すらできないと俺は思ってる。そこで、脱出は3つのステップに分けて行おうと思う。」


そう言って、俺はホワイトボードに書き込む。


・ステップ1 6階カフェテリア、7階倉庫、屋上の制圧

・ステップ2 1~4階の制圧

・ステップ3 安全ルートの確保と輸送ルートの確立


「まず第1段階として、リスクヘッジのために上の階を制圧する。目的は食糧と安全と電力の確保だ。6階は幸いなことにカフェテリアがある。おそらくこの人数であれば数か月分の食糧のストックがあるはずだ。

安全の確保は、言わずもがな。上と下から挟み撃ちにされて数で押されると俺一人ではみんなを守り切れない。まずは早い段階で防衛ルートを限定できるようにする。最後に電力だが、サーバー、Wifiルータ、非常用発電機などが倉庫に設置されている。万が一破壊されるようなことがあれば、情報収集が困難になりリスクが大幅に増加する。」


「制圧って、やっぱり上も下も赤目で溢れてますかね?」


「楽観視するのは危険だな。常に最悪を想定してリスクヘッジしておくことがプロジェクトリーダーの基本だろ?鬼頭係長?」


「はい、わかってますよ。寺沢課長。」


みんなの理解を助けるように、わざといいタイミングで質問してくる。やっぱりこいつは使えるな。


「次の第2段階は、下の階を順次制圧していく。我々の安全圏としては5階6階7階の3階層で構築するので、基本的に敵殲滅後は放棄する。維持管理する人的リソースを充てる余裕はない。あくまで安全にビル全体を制圧するための行動だ。」


「そして第3段階は、情報収集結果次第となるけど、明日詳細を固めようと思う。つまりどこへ逃げるのが最も良いか、を情報に基づいてみんなの意見を聞いて決めたい。そのうえで、その目的地までの安全ルートと移動手段を確保する。そして、順次もしくは一気に移動する。ここの食糧や発電機などの機材もできれば移送したい。その労力を考えたうえで、移動せずに、ここを本拠地とするという選択肢ももちろんあり得る。以上だけど、何か質問ある?」


「じぃじとばぁばは、いつ助けに行くの?」

花の率直な質問に、一瞬言葉に詰まる。


「もちろん、お父さんができるだけ早く助けに行ってくれるよ。見たでしょ、花ちゃんのお父さんはめちゃくちゃ強いんだから。ねぇ寺沢課長?」


鬼頭がスマートに答えてフッと笑う。目には『貸し1つ』と書いてある。

ちっ、こいつだけはマジでメンドクセー。


そのあと、いくつか質問が出たが、本質をついていないというか、現実を受け止められていないようなものばかりだ。やれ、明日から会社はあるのかだとか、給料はどうなるのだとか、今週末に大事な発表会があるとか、結婚式のキャンセルはどうしたらいいかだとか。。今までの常識は一旦忘れるように諭す。寺沢さんに裸見られたとか、私は初めてだったのにとか、答えようのないものもあったが、無視する。ひとしきり納得したようなので、先に進める。


「最後に、作戦遂行のための下準備だが、俺と全員パーティを組んで欲しい。つまり、俺の部下になるということだ。」


誰も何も言わず、じっと聞いている。友里が小さく微笑み、先を促す。


「さっきも説明した通り、俺のパーティになれば経験値が分け与えられる。つまりみんなが強くなれるんだ。多分、俺ほどではないにしても魔法や武術も身につく。それだけみんな一人ひとりの生存確率が上がるし、チーム全体の力も底上げされ、作戦の柔軟性も増す。」


「あと、これは提案なんだが、ステップ1の6階7階の制圧作戦は俺一人でやろうと思う。」


少しざわつくが、続ける。


「正直言ってみんなは今はまだ足手まといだ。みんなを守りながらだと、逆にリスクになる。パーティに登録すれば半径100mは管理範囲内なので、5階にいても問題なく作戦遂行している形になると思う。」


「なるほどぉ、パワーレベリングですね。」

初めて本多カナが口を開く。


「なんでそんなゲーム用語知ってんだよ。」

鬼頭がツッコむ。


「え、私ガチのクソゲーマーですよー。内緒にしてましたけど。」

とメロンを二つ机に乗せて言う。


「まぁ、本多の言う通りだ。俺が無双して、みんなのレベルをノーリスクで上げる。その間は全員で情報収集に当たってほしい。もう15時すぎか。今から30分後に出発する。暗くなる前にケリをつけたいからね。晩飯抜きは嫌だろ?」


友里が何か言いたそうだったが、諦めたように頷いた。

誰もパーティに入ることには反対しなかった。パーティ登録条件の「お互いの合意」というのがよく分からなかったので、「パーティに入るか?」と聞いて「OK」と答えハグをする、というルールであることにした。はい、決して下心はございませんよ。神に誓って。

ということで、めでたく俺は色んな弾力を味わいつつパーティ設定を完了させた。

友里がジト目で見ていたが、気づかなかったですよ、ワタシは。はい。



◆ ◆ ◆


「それじゃあ、行ってくる。」


「いってらっしゃい。ホントに無理しないでね。」

友里と花を抱きしめて気合を入れる。


「すんません、微笑ましい感じのところ申し訳ないんですが、一つだけいいですか?」

鬼頭、もうちょい空気読めよ。


「さっきから警察に電話しているんですが、やっぱり回線が込み合ってるようで、つながりません。ネットには、まだ各地で暴動が起こっている、という程度です。寺沢さんが帰ってくるまでに、判断を迫られるような状況になった場合、俺の判断で動いていいですか?」


さらっと権限移譲を求めてくるあたり、さすがだね。まぁ性格はともかく能力は申し分ないし、信頼してるので問題ない。


「わかった。ただし、友里にだけは相談してほしい。子供のこともあるからな。」


ちらりと友里を見る。目で感謝の意が伝わる。


「あい、わかりやした。んじゃ気を付けて行ってきてください。旨い晩飯食えるといいですね。」

「ああ。」


俺は踵を返して非常階段へ向かう。


よっぽど大丈夫だとは思うが、防火シャッター付近と非常階段前にスノーカイマンを2体ずつ新たに創成し、連絡係として先ほど呼び出したブラックホーネット4体を残していくことにした。班として余る2匹のアゲハ蝶も置いていく。

知性アップしているスノーカイマンには、この部屋のメンバーに危害を加えようとするものを排除するように指示し、ブラックホーネットにはこのフロアにパーティメンバー以外が侵入した場合、俺に知らせるように指示をした。


カフェテリアおよび倉庫制圧チームは俺+22体。6階は5階よりは少ないはずなので十分余裕のある戦力だと思う。不測の事態が起こらない限り消化試合だろう。

指揮官 :俺

射撃部隊:サーペント1班、サーペント2班、計6体

遊撃部隊:ホーネット1班、計4体

前衛部隊:カイマン1班、計4体

治療部隊:アゲハ1班、計4体

偵察部隊:オニヤンマ1班、計4体


俺は非常階段の扉を開け、階段を慎重に上がっていく。



◆ ◆ ◆


6階の扉を少しだけ開き、まずは偵察部隊オニヤンマ1班を突入させる。戦力把握と生存者確認だ。

生存者発見の場合は八の字旋回、5体以上が固まっているポイントではただの旋回をするように指示している。

俺はマネジメントモニタを展開し、VR映像でその様子を確認する。

フロアの地図は頭に入っている。非常口から入ってすぐに左手に大エレベータ、右手はトイレ。その先は小さなロビーのような広間になっていて、左手に焼きたてパンが売りの売店があり、右手は西側へ行く一本道の廊下。東ロビーの奥にカフェテリアの東出入り口がある。入ると奥行10mx幅30mの横長のカフェテリアの100席以上の客席があり、左手に麺類のカウンター、30m先の右手に定食類のカウンターがある。南側は全面窓ガラスだ。右手の先にある西側入口側には会議室がいくつかあり、エレベータホールがある。そこへはカフェテリア内から行く方法と一本道の廊下を行く方法がある。


偵察隊の動きをモニターで確認してフロアの状況は概ね把握した。生存者ポイントは全部で5ヶ所。そのすべての場所に5体以上が固まっている。おそらく襲われているんだろう。西側入口付近には少なくとも10体以上がいるようだ。3匹のオニヤンマがそこでグルグルと輪を描いている。


生存ポイント①入ってすぐの女子トイレ

生存ポイント②入ってすぐの売店内部

生存ポイント③麺類カウンターの奥の厨房

生存ポイント④⑤定食カウンターの奥の厨房に2名


敵部隊ポイント①入ってすぐの女子トイレ5~10体

敵部隊ポイント②入ってすぐの売店内部5~10体

敵部隊ポイント③麺類カウンターの奥の厨房5~10体

敵部隊ポイント④定食カウンターの奥の厨房15~20体

その他徘徊する赤目が50体ほどで合計100体前後と推測


よし集まられて数で押されると厳しい。パーティを組み直そう。①②ポイントを別働隊で同時刻に叩きつつ主力は廊下を特攻して西ロビーを目指す。①②を制圧した別働隊がポイント③制圧と客席を徘徊する赤目の掃討に当たる。主力は西側出入り口から突入し、敵主力の定食カウンターへ急襲、制圧する。その後、エレベータの防火シャッターを封鎖する。作戦所要時間は15分目標。

パーティ構成上、カイマンを2体追加創成し、準備OK。


別働隊1:カイマン、サーペントx2、アゲハ

別働隊2:カイマン、サーペントx2、アゲハ

主力前衛1:カイマンx4

主力後衛1:サーペントx2、アゲハx2

情報部隊:オニヤンマx4

近衛部隊:ホーネットx4

本部:俺


最大戦力で指揮官の俺は主力後方からオペレーションに注力。状況に応じ、追加戦力を投入する。

念のため、俺の周りには毒針を飛ばせる中距離タイプのホーネットを待機巡回させる。なんかファンネルみてぇだな。


「よし突入するぞ。行動は可能な限り静かに行うこと。間違っても吠えたりするなよ!ってかワニも蛇も吠えないか。」


俺は上げた手を静かに前へ振り下ろす。映画で見た特殊部隊の突入のシーンを真似てみた。

ペット達がこちらを見て苦笑いしたように思えた。



◆ ◆ ◆


「ってゆうか、凄まじいな、お前ら。。。」


ポイント①、②ともに1分で制圧。西側ポイント④⑤へ向かう廊下に10体以上うろついていたのが予定外だったが、カイマンが単独で間をすり抜けて突破し廊下中央で止まった。群がろうとする赤目に無作為にメガンテ!じゃなくてアイスクラッカー。背中の氷のうろこを全方位発射。まるで散弾型の地雷クレイモアのように赤目の大半が被弾したところへ残り3匹が突撃。一瞬の出来事だった。上空のオニヤンマも飛んでくる氷弾をいとも容易く、その飛行能力で回避。先行して西側偵察。西側赤目は動かず、腰振りに余念がないようだ。襲撃されても止めないって、何か抵抗不可避な指令が脳に行ってんじゃねぇかな。命より大事な情事。うーん、何か引っかかるな。


ポイント①②を制圧し東側からカフェテリアに突入した別働隊も危なげなくポイント③を制圧し、2部隊で東から西に向けて進軍。まったく統制も何もない赤目を確実に殲滅していく。サーペントはむき出しの天井配管を進み、上方からの不可避の熱湯ブレスで一体ずつ確実に足止めし、カイマンがとどめを刺していく。

西側にたどり着いたころには、すでに主力部隊が西側の厨房を制圧し終わっていた。主力部隊のカイマンの1体が黄色いマーカーになっていたが、すぐに緑のマーカーに戻った。アゲハの鱗粉だろう。厨房の中には刃物があるからな。


俺は信〇の野望のイージーモードを思い出した。

敵兵力の何倍もの力で、全く危なげなく国を落としていく、あの感じ。日本全国が一切のピンチなく自分の国の色に確実に染まっていく感じ。

俺は頭をぽりぽりと掻きながら、西側ロビーに歩いていく。

防火シャッターを下ろそうとしたとき、2基あるエレベータのうち1基の上向きのランプが光った。

エレベータが上がってくる?



違和感。



この状況下で狂った赤目がエレベータを使う?どう見ても知能が大幅に低下しているように映る赤目が?生存者かもしれない。1階から4階は普通の暮らしのままかもしれない。でも、そうじゃなかったら?


「みんな!集まれ!主力前衛部隊はエレベータ横で待機!後衛部隊はやや後方から警戒!俺の指示があるまで攻撃するな。別働隊1班は退路を確保!東側ロビーにて非常階段および周囲警戒。敵意がある場合は攻撃していい。偵察隊は残党がいないか探索しつつ、別働隊2が殲滅。ホーネットは俺の護衛だ!!」


すばやくペット達は動き出す。

配置につくと同時に、キンコンという音が鳴りエレベータの扉が開く。中から小学生くらいの赤黒い肌の醜い人たちが出てきた。。


血の気が引いていくのがわかる。ここでファンファーレが鳴る。



◆ ◆ ◆


書斎。冷や汗をかいていた。

何なんだ、あの生き物は。醜い人?いや違う。あれは絶対に人ではない。一瞬だったが、人ではない何か。それらが談笑するようにエレベータから出てすぐ、俺のワニたちを見てギョッとしていた。3,4人だったか。

さて、どう対処しようか。


------------------------------------

名   前:寺沢文也てらさわふみや

種   族:人間

レ ベ ル:8

性   別:男性

職   業:エンジニア

基礎能力 :心 23、技 10、体 6

アビリティ:スキルデザイン ランク2|(ユニーク、アクティブ)

      リセット|(SSR、パッシブ)

      マネージメント ランク3|(SR、パッシブ)

ス キ ル:棒術2、物理1、化学1、生物5、水魔法4、土魔法2、日魔法2、金魔法1、ユニーク7

      残ポイント6pt

パーティ :ファミリー、生産技術チーム、材料技術生産管理チーム

      カイマン本部護衛1、ホーネット本部護衛1、アゲハ本部護衛1

      別働隊1、別働隊2、主力前衛1、主力後衛1、情報部隊、近衛部隊

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さっきの気持ち悪い赤黒い子たちを見たときから、俺自身の戦闘力の上昇の必然性を感じていた。ペット達だけで乗り切れるならいいが、人知を超える強い個体がいて、ペット達が押さえこまれるケースになったら?それが数で押し寄せてこられたら?

魔法生物は強化付与で強い個体は創り出せるが、一気に状況を打開できるだけの知性が足りない。


そして何より確認する限り、ペット達はパーティの一員なのにも関わらず、レベルが上がらない。職業一般というのが問題なのかもしれない。ゲーム的に言うとNPCや召喚獣のようなものか?

俺一人で戦況をひっくり返せるような隠し玉がないと、この先詰む可能性がある。それに仮に俺が死んだら守るべき身近な仲間たちはおそらく全滅する。世界にとって俺の生存が最優先事項なのだ。


今後のケースをゲーム的に考えると、対ボス戦用の単体攻撃力と対軍勢用の面制圧能力、あと飛び道具対策の範囲型防衛能力だ。


スキルリストを眺める。


同じ魔法をかけ合わせると2乗されて威力が指数関数的に上昇するようだ。これだな。一番近い攻撃手段は土魔法3のスリングショットだな。石つぶてみたいなもんだ。周囲の鉱物から創り出すので、コンクリートのビルやアスファルトが普通の日本ならかなり硬度の高い弾が作れるしな。


|(土魔法3x土魔法3)x4÷2=18

【高位土魔法18】:ショットガン


魔法の威力は心ステータスに依存するから、相当な威力になるんじゃないかな。それを4発同時発射。コントロールが難しそうだけど、その制御も俺の心23なら問題ナッシング。


面制圧と範囲防衛は、水魔法を上げていく先に答えがありそうなので、今回は貯金だ。次回に期待。

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名   前:寺沢文也てらさわふみや

種   族:人間

レ ベ ル:8

性   別:男性

職   業:エンジニア

基礎能力 :心 23、技 10、体 6

アビリティ:スキルデザイン ランク2|(ユニーク、アクティブ)

      リセット|(SSR、パッシブ)

      マネージメント ランク3|(SR、パッシブ)

ス キ ル:棒術2、物理1、化学1、生物5、水魔法4、土魔法3、日魔法2、金魔法1、ユニーク8

      残ポイント3pt

パーティ :ファミリー、生産技術チーム、材料技術生産管理チーム

      カイマン本部護衛1、ホーネット本部護衛1、アゲハ本部護衛1

      別働隊1、別働隊2、主力前衛1、主力後衛1、情報部隊、近衛部隊

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あと、忘れちゃいけないのが、パーティに入れた友里たちの能力だ。

順番に見ていく。

ふむふむ、おっ、おぉお、えっ、ふーん、ごぶぁあっ、うっ、ほぉ、えぇぇぇえええっ。。。


ふぅ、これは楽しい。人の能力を見れるのって、最高だな。しかも知らなかった個人情報まで垣間見れるなんて。


時間はいくらでもある。じっくり検討してキャラづくりしていこう。昨日まで一緒のフロアで働いていた奴らの能力を俺が自由にいじれるって、神にでもなった気分だな。まぁゲームなら普通にパーティの育成方針とかを決めるわけだから、それくらいのノリで気楽にいこう。あいつらの命が懸ってるとか考えだしたら全く進まない気がするし。


俺は再びモニターを睨みつけて、唸り始めた。

この時の選択が後になってそこまで影響するとは、この時は思ってもみなかった。


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