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私を弟子にしてください!!—4

 私の住む町、トーリは小さく静かな町である。

当然重要な建物、施設もないので村と言っても差し支えないはずだ。

メインストリートとなる道は石畳で舗装されているが一本路地に入ると砂利や地面がむき出しのままという状況だ。

昔この辺りを治めていた領主が私財をなげうって整備をしていたらしいが途中で家が傾いただか病に伏しただかで大体が手つかず、中途半端といった有様である。

それでも辺りの村々に比べると整っているため便宜上は町、とされている。


 一方ウルの町は町ではない。 都市だ。

規模も大きく町全体は喧騒に包まれいつも祭りが行われているかのような活気に満ち溢れている。

この町の石畳が自然の石をそのまま使っているのに対し、ウルの町では表面を滑らかに加工した物を使っているため歩きやすさは比べものにならない。

また国の首都に通じる街道に面しているため商いや人の出入りも盛んであり第二の首都なんて呼ばれ方をされたりもするらしい。



「なぜウルの町からこんな片田舎に引っ越してきたんだ?」


「それは、ししょーがいるからですっ!!」


さっぱりわからん。


「なぜ私なんだ?

 魔法を使いたいというならウルの町にも魔法使いはたくさんいるだろう?

 その人たちの弟子ではだめなのか?」


「ししょーは私を助けてくれた…いわば恩人ですからっ」


私が助けた?彼女を?

…記憶にないな。

あまり外に出ない私にとって人助けの機会なんてそうそうないはずだ。


「すまないが全く身に覚えがない…誰かと間違っているんじゃないか?」


「それはあり得ません!!

 助けてもらったときトーリの町に住んでるって言ってましたしアンバーさんに聞いたらこの町で魔法使いはししょーだけだって言ってましたっ」


アンバーさん…八百屋のおかみさんの名前だったかな。

あまり話さないから合っているか怪しいが…


「まだ思い出せないな…助けてもらったっていつの話でどう助けてもらったんだ?」


「3年前の夏でしたっ。

 夏休みに両親と旅行に行った帰りに助けてもらったんですっ」


3年前の夏…?

あの年は確か雨がたくさん降った年だったような…

あれ…もしかして…あれか…

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