私を弟子にしてください!!—2
謎の少女を火魔法による爆発の音で撃退した私は床で伸びている彼女をソファーに寝かせ濡れたタオルを頭に置いた。
椅子に座りなおした私は彼女と距離を取りつつ観察を始めた。
少女はとても小柄で私と並ぶと親子ほども身長が離れているように思われた。
また先ほどまで興奮していたせいか頬は赤く染まりさらに少女というよりもっと幼いようにも感じられた。
髪は短く切りそろえられていて活発な感じというのだろうか、運動部系の女子がこんな感じだったな…と。
髪の色は薄く青みがかった緑といったところか…日差しを浴びて光っているように見えるそれは昔絵本で読んだエルフを思い出させる綺麗なものだった。
ソファーに運ぶため抱えた時の感じからすると痩せぎすというより締まっている感じだった。運動部系という説はあながち間違ってはいなさそうだ。
服装はどこかの学校の制服だろうか?胸の部分に校章のような模様が入っているようだが少なくともこの町の学校ではないようだ。
春間近で暖かいとはいえまだ冬が居座っている今日、コートのような防寒着を着ていないところを見るとどこか近くまで来ていてそこからやってきたのだろうか。だとしても寒がりの私には無理そうだな…
あとは…たしかこの少女は弟子にしてほしいと、魔法が使いたいと言っていたような気がする。
同業者には弟子を取って技術や知識を教えている者も確かにいるが、私は特に必要だと思っていなかったので考えたこともなければどうすればいいのかもわからないな…
彼女の目が覚めたら少し話を聞いて文句を言ってお引き取り願うとするか。
今度は落ち着いて話を聞いて欲しいものだが…
「…ん…あれ?」
彼女の目が覚めたようだ。
寝ぼけ眼であたりを見渡して状況を理解しようとしているようだが…なんだか小動物っぽいな。
私と目が合うと何が起きたかを把握したようだった。
さて…さっさと話をしてこの家から出て行ってもらおうか。私はこれから昼寝の続きをしなくてはいけないのだから。
そう思って椅子から立ち上ったつもりがまた椅子に座らされ、またもや目の前の少女が言ってきた
「私を…弟子にしてください!!ししょー!!」