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後藤紘未&遠山るりか(後編)

――まさか、高校でも中学時代の私を知られる羽目になるとは・・・。知ってる子がいないからといって迂闊だった。

   でも、私は中学時代と同じ、ぼーっとしてて何の取り柄もない地味な女の子のままだ。環境が変わったからといって、クラスメイトからの評価は、中学の時と比べて上がるわけじゃない。

   ただ一人、遠山るりかは違うと思っていた。しかし、私は完璧な彼女とは"つり合い"がとれていない。私はどうして彼女が私に何回も話しかけてくるのか不思議だった。

   最近、彼女の中学時代にいじめで悩んでいた子を"見殺し"にした過去があることを知った。同じようなタイプの私に接するのは・・・

   

過去の罪滅ぼしのため・・・。


   だとすると、彼女が私と仲良くしようとしたことも納得できる。

   そう、るりかも本心から私と友達になりたいなんて思っていなかった。


 そんなこと分かり切っていたのに、なぜか涙が止まらない。私はメガネを外し、ベッドの上で横たわりながら泣いていた。携帯をのぞいたら、るりかから留守電とメールの履歴が何件かあった。もちろん私は無視した。

 

 私が泣き疲れて寝ていると、玄関から『ピンポーン』と音が鳴った。お母さんが様子をうかがい、階下から私を呼んだ。

 「紘ちゃーん、お友達よ。遠山さんって子」私はドキッとした。まさかこんな遠くまで来るとは・・・。

 「ごめん、ちょっと体の具合悪いからまた今度って言っといて」

 「もう、しょうがないわね」お母さんはるりかを申し訳なく思いながら、追い返していた。


 数日後の日曜日

 私はあれから学校には行かなかった。ずっとベットで寝ころび、気分が落ち着いたら小説やマンガを読んでいた。

 『ピンポーン』玄関で音がして、お母さんが出ようとした。そして、階下から、

 「紘ちゃん、遠山さんって子来てるわよ」

 「ごめん、ちょっと頭痛いから出れない」

 「遠山さん、何回も来てもらってごめんね。うちの子ちょっと体が弱いから・・・」するとるりかは、

 「いや、私も無理に行ったから悪かったです・・・」と申し訳なさそうに言った。るりかは、私に借りていた本をお母さんに渡して、家を出て行った。


 お母さんは私の部屋に入り、「これ、遠山さんから預かってきた物よ」と本を手渡した。お母さんはベッドに座り、

 「いいの?2回も来てくれたのに追い返しちゃって」

 「あの子、本当は私と仲良くなろうとなんて思ってないから」

 「そう?私はよく知らないけど、紘ちゃんの体調を気遣ってくれたり、こんなものを用意してくれたりしてるわよ」お母さんは、授業の内容を分かりやすくまとめたノートを差し出した。るりかが作ったものだ。続けて、

 「あと、お金のことは言いたくないけど、あの子岐阜市から来たって言ってたわ。1回来るだけでも往復3000円以上はかかるだろうから、何回も来ると高校生の女の子にとっては痛手になるわね・・・」

 何故そこまでするのか、やっぱり分からない・・・けど話だけでも聞こうか・・・。

 「お母さん、遠山さんいつ出て行った?」

 「5分くらい前よ」私は走って家を出て、駅に向かった。その途中で、るりかをつかまえた。

 「後藤さん!」

 「話、聞こうか・・・」私はるりかと一緒に家に行き、私の部屋へ連れて行った。お母さんは紅茶とクッキーを2人分差し出した。

 「すみません、わざわざ」るりかが礼を言うと、「いえいえ」お母さんはにこにこしながら部屋を出た。


 「具合は大丈夫?」 

 「んー、あんまり・・・」

 「ねえ、後藤さんが早退した日、何かあったの?」

 「・・・トイレの前で、うちのクラスの女子が噂話してて。遠山さんと私は釣り合わないって話と・・・。私が中学のときにいじめられていたことがクラスの子にばれちゃって・・・」

 「え、後藤さん、中学のときにいじめられてたの?」

 「あ、聞かなかったんだ。うん、中学のときにさ・・・」私はるりかに中学でいじめにあったいきさつと、遠くの鳩谷学園まで通うようになった理由を説明した。

 「そう、後藤さんにもそんなことあったんだ・・・。バレー部を勧めてしまって申し訳なかったね」

 「あ、それはいいよ。もう平気。ただ、1つ知りたいことが・・・」

 「知りたいこと?」

 「遠山さんは・・・私に近づいたのは、死んだ子に似てるからなの?」るりかはハッとした表情で、目を反らした。そして、申し訳なさそうな表情で私に言った。

 「・・・そうじゃないといえば嘘になるかな。後藤さん、ふとした時に、あの子と同じような悲しげな目をしてたから、もしかしたら、って思ったの」私は目を潤ませていた。

 「やっぱり同情からだったんだ!・・・そうだよね、好き好んで、こんな冴えない子と友達になりたくないよね!?」

 「違う、後藤さんとは本当に友達になりたかったの!・・・後藤さんは女の子っぽくて、大ざっぱな私は憧れてたの」意外な発言がるりかの口から飛び出た。

 「私、女の子っぽいかな?」

 「うん、髪がさらさらでいい香りがするし、しぐさとか喋り方もすごく可愛いなーって」

 「そんなふうに言われたの、生まれて初めて・・・」るりかが私をそんなふうに見ていたなんて・・・。私は顔が赤くなった。

 「あ、照れてるところ、可愛い~」るりかは興味深そうに私の顔をのぞきこんだ。

 「え、そう・・・」私は思わずはにかんだ笑みを浮かべた。

 「後藤さん、笑ってるだけで大分印象変わってくるね。それにさ・・・」

 「!?」るりかはわたしがかけていたメガネをおもむろに外してきた。

 「メガネ取ったらますます可愛い♪」るりかの持っていた手鏡に私の顔を映し出された。確かにメガネを外すとイメージが変わるかな・・・。

 「あ、そうだ。ちょっと髪いじっていい?」

 「あ、ああ、いいけど・・・」私はちょっと押され気味になりながら答えた。るりかは、クシとゴムを用意して、私の髪を触り出した。

 「結構イケてるかも」るりかは手鏡にまた私を映した。だらっと伸ばしただけの髪が、耳から上の髪を左右に分けてた髪型(ツーサイドアップっていうのかな?)に変身していた。ゴムは小さめのシュシュみたいな感じで可愛らしいものだった。

 「すごい、普段と全然イメージが違う・・・」私は思わず言葉をもらした。

 「気に入らなかったらごめんね。でも、後藤さん可愛いから、もっと可愛さを強調してもいいのにって思って・・・」

 「これで学校に行ったら、みんなのイメージ変わるかな?」ちょっと興奮しながらるりかに聞いた。

 「うん、絶対変わるって!あと、笑顔も忘れずにね」

 「笑顔か・・・こんな感じでどう?」

 「あー、さっきと比べて目が笑ってなくてイマイチかな」手鏡を見ると、ぎこちない笑顔の私が映っていた。

 「うーん、もう少し自然に笑顔になるよう頑張ってみる・・・」

 「まあ、無理に笑顔を作ろうとせずに、もっと肩の力抜くといいよ。あ、あとずっと思ってたんだけど・・・」

 「何?」

 「遠山さんっていわずにさ、るりかって呼んで」

 「そう呼んでいいの?・・・じゃあ、私のことも紘未でいいよ」私は、久し振りに思いが通じ合える友達が出来たことに心が高ぶっていた。

 「あ、今の笑顔良かった」るりかにそう言われて、私はすぐに手鏡を見た。笑顔って自然に出てくるものなんだ・・・。

 「紘未じゃなくてヒロでもいい?」

 「もちろん!・・・私、明日から頑張って学校行くね」

 「本当に!?良かった~。じゃあ、明日学校でね」

 「うん。ねえ、るりか・・・」

 「?」

 「私のために、ありがとうね・・・」

 「ヒロが学校に来てくれるんだったら何でもするって。それじゃね」るりかはニコニコしながら帰って行った。


 翌日、私は久し振りに学校に行った。

 「おはよう!」私は笑顔で挨拶した。

 「あ、おはよう」「おはよう」クラスメイトは口々に挨拶を返していった。皆、驚いた面持ちで。

 「おはよう!あれ、ヒロ早速イメチェンしたね~」るりかもびっくりした顔で挨拶した。

 「おはよう、るりか。まわりの見る目がいつもと明らかに違ってたよ。イメチェン成功かな」髪型はるりかにしてもらった通りにして、メガネをコンタクトレンズに変えてみた。

 「いいじゃん、前より可愛くなったよ」

 「ありがとう」

 男子が私たちの方を見て、「後藤さん、何か可愛いよな」「俺たち今まで全然気付かなかった」などと噂していた。私とるりかは二人で目を見合わせて笑った。


 イメチェンして、柔かい表情を心がけていたら、自然とクラスの女子たちが話しかけてくるようになった。心が明るくなって、ポジティブ思考に変わっていった。

 「ねえ、私、前より明るくなったかな?」イメチェンしてしばらく経った頃、お弁当を食べているときにるりかに聞いてみた。

 「うん、すごく。それにさ・・・」

 「それに?」

 「ヒロ、部活の練習や勉強も前に比べてすごく頑張ってる気がする」

 「え、そうなんだ・・・」私は顔をほころばせた。中学のときの私と、完全に決別できたかもしれない!今の調子で進んでいこう、私は心に誓った。


 梅雨に入り空がどんよりして、気分まで淀みそうになったある日、るりかと一緒に音楽室から教室に戻ろうとした。その途中で、掲示板に貼ってあったポスターが目が入った。

 「『萱ヶ瀬商店街を盛り上げるアイドルグループ オープニングメンバー募集 興味があれば高等部2-F隣りの空き教室まで 毎日放課後います』」私はポスターの文を読み上げた。

 「これ、名前書いてないし、何か怪しげだね・・・」るりかはそうつぶやいたが、私はちょっと気になっていた。

 まあ、アイドルになりたいなんて思ってないし、そもそも目立つのは好きではないけど・・・。ただ、どんなものかは興味がある。

 放課後、私はるりかを誘った。

 「るりか、さっきのポスター、やっぱり気になって・・・。一緒に行かない?」

 「今日は何もないから、まあ付き合ってあげようか。でも、ヒロも積極的になったね~」

 「えっ!?」

 「イメチェンしてから大分性格変わったけど、アイドルをやってみたいだなんて・・・」

 「いや、アイドルをやりたいんじゃなくて、変わった企画だからつい気になっただけで・・・」私は恥ずかしがりながら必死で弁明した。うーん、自意識過剰みたいに思われたかな・・・。

 「あはは、でもヒロは可愛いから案外アイドルも似合うと思う」

 「あ、そうかな・・・」私はつい照れてしまった。

 「うん、アイドルの衣装着てるとこ見てみたいな。・・・で、結局行くの?」

 「じゃあ、行こうか」私はるりかにおだてられて、赤面しながら空き教室に一緒に向かった。


 空き教室の前まで来ると、中から話し声が聞こえてきた。男子生徒と女子生徒の2人が会話してるっぽい。2人の会話が止まったところでドアを開けようとるりかに打ち明けた。

 「にしても、なかなか集まらないな」

 「神様が私と優弥くんをずっと2人っきりにしてくださってるんじゃない?」

 「おいおい、冗談でも辞めてくれよ・・・」

 「うふふ、照れちゃって♪ところでさ、真面目な話、アイドルってお金とか曲とか必要じゃない?どこから調達するの?」

 「いや、それも重要だけどな。まず、商店街のアイドルってからには俺たちだけで作れないわけで・・・」

 「まー、うちらだけで勝手に商店街のアイドルって名乗れないよね」

 「ああ、だから商店街の管理組合に話をしないといけないんだが・・・」

 「え、まだ話してなかったの?」

 「管理組合の理事長が超保守的な爺さんでな。どう話したらいいか迷ってるんだよ」

 「んー、違うアイドルのCD適当に並べて、この中のアイドルで萱ヶ瀬商店街にぴったりなのはどれか聞いてみたら?」

 「話の切り出し方としてはいいかも知らないけど、あいつ多分今のアイドル嫌いだぜ?」

 「それだと商店街公認は難しいね~。・・・奥の手で、非公認アイドルとして活動して、人気が出てくれば公認をおねだりするのはどう?」

 「その手もあったか。お前結構冴えてるな」

 「やっと私のこと認めてくれたわね、うふふ。ま、このままメンバー集まらなかったら、萱ヶ瀬商店街はこの茉祐ちゃんがピンのアイドルとして盛り上げるとしますか」

 「ちょっと見直したけどやっぱ辞めとくわ。お前のピンだと盛り上がるどころか避けられるんじゃね?」

 「あ、ひどい!優弥くん、私の魅力に気付いてないのね~。・・・ねえ、せっかく2人っきりだから、私の魅力、教えてあ・げ・る♪」

 「何だよ、いきなり近づいて・・・あ、おい辞めろ・・・」


 会話が途切れた。私たちはドアを勢いよく開いた。すると、私たちの目に飛び込んできたものは・・・。

 「きゃあああああああああああああああああああああああああああああ」中にいた女子生徒が叫んだ。女子生徒は、制服のブラウスのボタンをいくつか外していて、胸の谷間が見えていた。ブラウスの合間から見える豊満な胸に、私は思わず目がいった。女子生徒は顔を真っ赤にしながら、急いでボタンを留め直した。

 「ご、ごめんなさい!!」私たちは気まずくなり、慌てて出て行こうとした。

 「おい、待て。もしかしてあのポスターを見て、ここに来たのか?」男子生徒は私たちを呼び止めた。

 「は、はい・・・」私は弱々しく言った。

 「さっきからこの部屋に入ろうとしたんですけど・・・その、おふたりがなかなか良い雰囲気だったので入りづらくて・・・」るりかはおどおどしながら弁明していた。

 「もう!入るときはノックくらいしてよね。あんなとこ見られてすごい恥ずかしいじゃない」女子生徒は怒りながらそう言った。顔はまだ紅潮している。

 「すみません・・・」私たちはしょんぼりしながら謝った。

 「いや、俺はもう少し早く入ってきてもよかったがな。あとちょっとでこいつに襲われそうになったし」男子生徒は女子生徒を見ながら言った。

 「あ、カップルじゃなかったんですか?」るりかが思わず聞いてみると、

 「全然」男子生徒はそっけなく答えたが、「あと一歩でカップルになってたところ。うふふ」女子生徒の方はさっきとはうって変わって嬉しそうに答えていた。なるほど、女子生徒が男子生徒に片想いしてるってところかな。


 「あ、紹介遅れた。俺は高等部2年の御田園優弥。ポスター作ったのは俺」男子生徒は自己紹介を始めた。顔をじっと見ると、確かにもてそうな雰囲気だ。

 「あの、私は高等部1年の遠山るりかと申します。よろしくお願いします」るりかは緊張した面持ちで自己紹介をした。

 「私は後藤紘未といいます。るりかと同じ高等部1年です」

 「2人とも、萱ヶ瀬商店街のアイドルになりたくてここに来たんだよな?」優弥は私たちに聞いてきた。

 「何となく、興味があって・・・」私はそう答えた。るりかは、

 「私は、ヒロが興味あると言ったのでちょっと付いて行こうかな、と」あくまで私のついでということを優弥に伝えていた。

 「まあ、せっかく来たから、ちょっと萱ヶ瀬商店街を盛り上げるアイドルについて説明しとこうか」優弥は、萱ヶ瀬商店街のことやアイドルを作ろうとした動機を話した。

 「やってみたい?」優弥は私たちにアイドルをやる意志を尋ねてきた。

 「私は、バレー部に入っているから、遠慮しておきます」るりかは断った。

 「私は・・・」私もバレー部に入っているが、アイドルとして人前でパフォーマンスしたり、商店街を盛り上げることにも興味が出てきた。


 「私、やってみたいです」


 「ヒロ、でも部活は・・・」

 「私、両方は出来ないから、バレー部は辞める。でも、その分アイドルを頑張ろうかな、と思って」

 「ヒロがそう言うなら・・・。私もバレー部辞めて、やってみようかな」

 「えっ!?でも、るりかはバレー部の貴重な戦力なのに・・・。もったいないよ」

 「確かにもったいないと思ってる。ただ、バレーやってるだけじゃ見えてこない、色々な世界が見えるかなって」

 「るりか・・・」

 「それに、アイドルだったら可愛い衣装とか着ることが出来るしね」

 「よーし、2人追加で3人だな」優弥は嬉しそうに言った。

 「ちょっと、何で私のときは条件出しといてこの子たちは無条件でアイドルに入れるの?」女子生徒は憤っていた。

 「お前、条件出さないと暴走するからな」優弥は女子生徒にあっけらかんとそう答えた。

 「あーあ、このまま優弥くんとずっと2人っきりになれると思ったのにな」女子生徒は残念そうな顔で私たちに言った。

 「あの、さっきから気になってたんですけど、お名前は・・・」私は女子生徒に名前を尋ねた。

 「あー、紹介し忘れちゃった。私は佐藤茉祐。高等部2年。さしずめ、学年一の美少女ってとこかしら。まあ、よろしくね」テンションの高い人だ。

 「おい、冗談きついぞ・・・」優弥は茉祐を呆れながら見ていた。


 すると、茉祐の背後から声がした。

 「ちょっと、誰が学年一の美少女って?」

 「私が。・・・って!?」茉祐は後ろを振り返ってびっくりした。見慣れない女子生徒が立っていた。

 「この顔でよくそんな恥ずかしいこと言えるよね?」

 「うるさいわね、顔だけしか取り柄ない癖に」

 「何ですって!?」茉祐と女子生徒は言い争いを始めた。

 「喧嘩は辞めろよ。1年生が見てるだろ」優弥は茉祐たちを制止しようとした。

 「ねえ、御田園く~ん。ヒナ、ポスター見てここに来たんだけど~」女子生徒は恥ずかしげに上目づかいで優弥に話しかけた。

 「ヒナもアイドルになっていい?」

 「まあ、いいけど。ただ、他の奴と喧嘩するなよ」優弥はしぶしぶ女子生徒の加入を許した。

 「わーい、ヒナもアイドルの仲間入りしちゃった。うふふ。あ、知らない子たちがいる~」女子生徒は私たちを見つけてそう言った。私たちは名前と学年を伝えた。

 「2人とも1年生なんだ~。うふふ、可愛い~。私は藤沢雛ふじさわひな、高等部2年」女子生徒は自己紹介した。ダークブラウンの髪色のきれいなストレートロング、目が大きく、顔立ちは人形のようで、その美貌は私たちとは別世界に住んでいるようだった。

 「アイドルだったら、ヒナみたいな騎麗どころがいないと映えないよね~」

 「普通、自分で騎麗って言わないわよ」茉祐は雛にそうつっこんだ。

 「一気に4人になったな」優弥は少し気が重そうに言った。


 アクの強そうな人が揃い、今後やっていけるか不安だった。

 でも、私は高校に入って変わった。今の私なら乗り越えられる、そんな気がした。

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