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2話 登校!隣のお嬢様?

制服に着替えると居間へと向かう。

そこには既に用意されていた簡単な朝食と本日の弁当が食台に鎮座していた。


母ちゃんは俺が起きる頃にはとっくに家を出ている。

だからこれが変わらぬ朝の風景。


さて、そうそう悠長にしている時間も無いので朝食を頂く事にする。

ご飯に味噌汁、鮭と海苔と漬物。

基本的に1汁3菜

それらをありがたく食べ終えると弁当を学生鞄代わりに愛用しているリュックへとしまい込み玄関へ。


学校指定の革靴もあるんだけど、どうも性に合わないらしく

愛用の少しくたびれた運動靴の方を履く。

そして振り


「行って来ます。」


誰も居ない家へと向かいそう声をかける。

返って来る声が無い事は重々承知してるんだけど。

まぁ、習慣みたいなもんで、深い意味は無い…と、思う。


「うぁ…今日も外は眩しい…鬱だ。」


毎朝思うのだが、どうも自分は朝というものは苦手らしい。

何故だ?

どこぞのお嬢様の凶行が知らない間にトラウマに?

………………………。

………………………。

………………………。

本気でありそうで怖いからあまり深く考えるのは止そうじゃないか!うん!!


「しゅーちゃん、遅いよ!ほらほら、早くしないと遅刻しちゃうよ!」

なんて事を考えてたらくだんのお嬢様が小憎たらしいぐらい元気にこちらへ走ってくる。


「あぁ?平気だって、この時間に家出りゃ歩いてもギリギリ間に合う。」

俺計算では走ればもう15分遅れても間に合うハズ。


「もぉー。ギリギリじゃなくって、たまには余裕もって行こうよー。」

その余裕を睡眠に回したいお年頃なのよ。


「じゃ、俺待ってないで勝手に先行ってりゃ良いだろうが。」

正論を振りかざしてみる。


「うわぁ〜、今日も良い天気で眩しいね〜。気持ち良いね〜。」

無視ですか。


「ったく、もの好きな奴。…ふぁあ、眠ぃ。」


そんなくだらない会話をしながら、学園へと続く道を歩き始める。

2年生ともなると、やっぱり1年生の時の新鮮な気持ちのままでっていうわけにもいかない。

色んな事に慣れが生じ始める。

古文教師である増田の授業は期末考査前のまとめの時に真剣に起きておけば平気とか。

数学教師である加藤の授業は小テストでそこそこ点数とっておけば期末考査はそれほど頑張らなくても良いとか。

体調不良を言い訳に保健室で寝るテクニックとか。

体育の持久走のショートカット場所とか。

慣れというか楽する事を覚えるというか…

だから、こうして学園に通う道は半ば惰性で歩いている感が強かったりする

距離はあまり大したことがないんだけど、だるいんだな、これが。


慣れと言えば、隣で何が楽しいのか笑顔で空を見上げている馬鹿娘と、こうして一緒に歩くのにも別段違和感が無い

高校生にもなって女と登校?(逆に、だからこそか?)

え?ラブラブ?

バカップル?

とか、思われそうなんだけど、そういう事なんてこれっぽっちの一欠けらだって無い、うん、無い。

絶対無い。


平 凛 (たいら りん)

身長は…女子の中じゃ高いってわけでもなければ低いってわけでもない。背の順で言えば真ん中ぐらいか?

体重は…体躯から想像するに重くはないと思う。詳しくは知らね。

顔は…どうなんだろう?そういう目で見たことは無いから、これも知らね。


で、平流剣術道場の一人娘=跡取り


本人は長刀の名手でその手の筋の人に言わせれば有名人らしい。

長刀以外の剣術も一通りこなせるらしく

1年生の時、体育で女子は創作ダンスを、男子は柔道or剣道の好きな方を選択、とかいうのがあるんだけど

『私は創作ダンスじゃなくって男子と一緒に剣道がしたいです!』とか言って

一躍有名人になってた事件もあった。

結局駄目だったらしく『創作ダンスもやれば楽しいね。』とか言ってたっけ。

まぁ、そんな感じで基本的に運動能力は持久力・瞬発力共に高し。

頭も悪くは無い。

少なくとも俺よりは頭が良い…(ちっ)

多少(というか、かなり)思考回路には問題があるとは思うのだが。


あちらは父親も母親も祖父母もご健在。

といっても父親・母親は欧州の方にある平流の道場の運営や管理やらででてんてこ舞い。

年に数える程しかここには帰ってこない。

平流ってのは結構ワールドワイドな活動をしているらしい。


しかし…言ってたとか、思うとか、らしいとか。

今ひとつパっとしない表現だなぁ…他人の俺が評価してるんだから仕方ないんだけどさ。


話を戻して、凛と俺の家はお隣同士なんだけど

屋敷と道場を囲む塀が2つ合わさってその地域の区画を結構占領してるもんだから

付近では、わりと有名。

地図の上に真ん中を区切ったティッシュ箱を置いた様な感じ?

うわっ、表現が貧相だな、俺

なんか始祖辺りの関係で、道場が隣り合っててそのままソコに屋敷を構えてとかそんな話があるんだけど

詳しい事は忘れた

そういった昔話を詳しく知ってる人は、少なくとも俺の家にはもう居ない。

だから、悪いけどあまり良く覚えていない。


家が隣同士だと、どうしても幼稚園・保育園・小学校・中学校っていうのは同じになっちまう

のが避けられない運命って奴らしい。

両親が向こうの両親と仲が良かったってのもあるかも知れないけど。

だから、生まれた時から凛とはずっと一緒でつまり現在進行形で幼馴染、

こうやって一緒に歩く事に全然違和感は感じてはいない。

むしろ、アレを異性として見ろという方のが難しい。


だってそうだろ?幼い頃ならまだしも、

俺にとっては妹に(妹と言うと奴は猛反論してくるが、俺のが大人だ絶対姉じゃない。)欲情しろって言ってる様なもんなんだぜ?

世の中にはそういった嗜好を持ち合わせた人も居るらしいが、俺はそうじゃないから、それを理解する事はできない。

だから、こいつと一緒に歩くのは家族と出かけてるそれと同じ気持ちなんだと思う。




何時だって側にいるから―――

何時だって隣にいたから―――

だから―――

それが当たり前だったから―――




「って、しゅーちゃん!何ボーっとしてるの!ほら、もう着くよ!しゃきっとしないとダメだよ!」


「あぁ?」

知らない間に考え込んでいたらしく、凛の声に気づいた時はもう学園の正門に辿り着いていた。


「もー。さっきの話も全然聞いてなかったんでしょ!」

さっきの話?へ?何の事?

少々ご立腹のらしく頬を膨らませコチラを軽く睨んでいる。

面白い顔だ。


「その顔ブサイクだな。」

直球ストレート。やべっ、つい本音が。


「私思うんだけどさ。鞄の角ってさ、金具とかで補強がしてあるから結構痛いと思うんだ。」

凛が満面の笑顔で物騒な事を口走っている。

冷や汗が背中を伝わっていくのを感じた。


「嘘です、ごめんなさい。」

ホームランを打たれる前に、全力で敬遠させていただきます!


「んもぉおおおお!しゅーちゃんの馬鹿っ!!!」

凛の腕が動いたと思ったが否や

ヒュッという音と共に鼻に走る激痛。


「いっでぇえええええええええええええええ!?!?!?」

敬遠した球打たれちゃったよ!!!

やばいよ、奴は本物のスラッガーだよ!!!

いや!それよりも鼻が!鼻が!!


「もー!知らないっ!」

一人で、駆け出し校舎を目指す凛の背中は次第に小さくなって消えていった

うずくまり鼻を押さえる俺、すれ違う生徒の視線がちょっと痛い

とりあえず我慢して立ち上がる

目じりに浮かんだ涙を制服の袖で拭くと鼻を抑えながら同じく校舎へと向かって歩きだす


私立青陵学園

ここが俺達が通う学び舎

さて、今日も代わり映えのない退屈な一日が待っていそうだ。

こういった文章を書くのが初めてで

句読点の付け方などに悪戦苦闘しながら書いています

読んで下さった方、ありがとうございます


助言や感想など頂けると凄く勉強になるので

忌憚の無いご意見・ご感想を下さると凄く嬉しいです


そして、今一つシステム操作が分からない私は今頃挨拶

―――ダメすぎ

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