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1話 起床!過激な目覚まし時計?


―――ジリリリリリン

けたたましく目覚ましのベルが鳴る。

すぐさま布団から手を出す

鳴ったら止める、これ必然


「んぁ…」

眠い、もうこれ以上どうしようもないってくらいに

寝る時は、そんな事はなかったってのに起きる時っていうのはどうしてこうも眠いんだろう…


「おはよ〜…って、うわっ、相変わらず汚いなぁ…。」


「…ぅん。」

現在の所その誘惑に勝てる気はしない

こういうモノは無理に抵抗するよりも、素直に受け入れた方が楽なんだ

苦行じゃないんだし、眠いなら寝る、これが自然の摂理というものだ

そもそも、起きれないってことはまだ体が睡眠を欲しているからなんだから、このまま寝るのが体のためなんだ


「おはよー?しゅーちゃーん?朝だよー?」


「………すぴょ。」

色々と屁理屈を考えて惰眠を貪る事に決定

そうだ、俺はまだ寝なきゃいけないんだ。


「おーい!しゅーちゃーん!あ・さ・だ・よーーー!」


「……………。」

何か、大事なことを忘れてる様な気がしないわけではないが

今、こうして眠ている事は仕方のない事なんだ…

うん、そうだ、仕方がない、しかたがない、シカタガナイ…


「うるぁおおおおおおおおおおおおおお!起きんかぁああああああああああああ!!」


「ぐむぁっ!?ってぇえええ!!!」

○×△■☐×○△!!!!!!


「あ、起きたー♪おはよー。」


「ッォォォォぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…。」

痛い、理不尽なぐらい痛い、嫌、理不尽だから痛いのか

いやいや、というか、落ち着け、何が起こったのかわからない。

現状を整理しろ。


俺、みなもと しゅう

時間、朝

場所、俺ん家、正確に言うなら俺の部屋

行動、寝ていた、起きようとして、また寝ようと考えた、でも起きてる

原因、頭部に何らかの外的物理要因が作用

結果、痛みを認識し、覚醒


「ねぇ?しゅーちゃん、何してるの?ほらほら、早くしないと遅れちゃうよ〜。」


「…あぁ、そうだな遅刻しちまう…って、おい!凛、またやりやがったな!その起こし方禁止つってるだろぉがぁ!!」


「ぶー。残念でしたー今日は木製バットだよ?」


「得物の問題じゃねぇええええええええ!たんこぶ出来てんだろがぁっ!!」

超痛い。あぁ、冷静になる必要もなければ、現状認識をする必要もない

お隣に生息する筋肉馬鹿娘のたいら りんが起こしにきたんだ、今日の得物は木製バットらしい


「でも、そうでもしないとしゅーちゃん起きないもん〜。」

さも正当そうな事を言っておきながら、やってる事は殺人未遂だ、てめぇ


「そういう問題でもねぇえええ!!ほら!みれ!これをみれ!タンコブできやがんぞ、痛ぇ!お前のせいでマジ頭の形が変わるぞ!どうしてくれんだ!」


「えぇ〜?木製バットで一度ぐらい叩いても頭の形は変わんないよ?」

毎朝、ほぼ同じことをされる身としては、本当に頭の形が変わっていないのか非常に心配なのだが


「ダンベルよりはマシかもな!!でも広辞苑以上だ!お前、そのうち俺を殺す気だろ!!!」


「ヤだよ、私捕まりたくはないよ。」


「だったらもう少しマシな起こし方しろよ!他にあるだろう!!違う起こし方が!!!」

あぁ、血圧が急上昇してるのが分かる。

頭がスッキリしてきた、痛いけど。

大声だしてるせいか、意識は落ち着きはじめてる。


「他?どんな風に?」


「優しく揺するとか!甘く耳元で囁くとか!」

そういう、甘くてスィートなエッセンスが寝起きには必要なんだ!

決して、木製バットや、ダンベルや、広辞苑による殴打じゃない!!


「ヤ。それは何か私がヤだ。」


「どういう事だテメェ、そこへなおりやがれ!」

態勢を整え、お返しに凛に頭一発お見舞いしようと襲い掛かか…


「ねぇ?何するつもり?その振り上げた拳をどうするの?」

凛は木製バットを杖代わりに片手を腰にあててコチラをジーっと見つめている


「…………………ナンデモナイデス。」

弱者は常に強者に虐げられるのです、悲しいけどこれが現実なのよね


「ほらほら、くだらない事してないで、早く着替えて着替えて!」

母親かってーのお前は


「わーってるよ、着替えるから出てけよ。」


「へ、何で?」

素っ頓狂な声を上げましたよ、この娘

しかも疑問系ですよ、この娘


「殴るよ?」


「殴り返すよ?」

ごめん、バットによる殴打はもう勘弁して欲しい


「だぁーーーーーーーーーーー!いいから出てけ!恥ずかしいの!!俺が!!!」


「まぁーったく、しゅーちゃんったら、恥ずかしがり屋さんなんだから。」

お前は痴女ですか?


「うっせぇ!うっせぇ!しっしっ、早く行け!」


「はぁーい、しょうがないなぁ〜。」

しょうがないじゃねぇ、アイツ本当に女なのだろうか。


しぶしぶと窓から出て行く凛

自然と片足を上げる形となって、少し小ぶりだが引き締められた形の良いヒップを包む小さな布キレが制服のスカートの合間から姿を見せる

毎度毎度の事ですが見えてますよ?

ふむ………今日はピンクか。


「む。殺気。」

振り返ったと思った瞬間、流れる様な動作で手に持たれていた得物が放たれる

その動作の無駄のなさといったら、まさに獲物にトドメを刺さんとする狩人の一撃


「ゴフッ!?」

み、み、鳩尾にバットがぁあああ…

メリコンんでる!メリコンじゃってるよ!ボクのミゾオチに木製バットが!


「しゅーちゃんの、えっち…。」

少し顔を赤らめながらスカートを片手で抑えながらこちらに文句を垂れてくる

まぁ、見てしまう俺も俺だと思うのだが、こちらは半ば不可抗力に近いものがある

それに引き換え、学習能力ってモンがないのかお前は!

見て危害をくわえられるこっちの身にもなってくれ!


「…ごめんなさい、もう、本当にお願いします。早く出てってください。」

ここまで一方的に理不尽な攻撃を受けてるが。

もうこれ以上被害を大きくしない為には、俺が大人になって一歩退けばがすむのだ。

凄く腹立つけど


「もー、しらない!本当っ!しゅーちゃんはお子様だなぁ。」

お前が言うな!!!!!!!




こうして俺の一日が始まる

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