Nine
ガララッ
「志紀さんっなんで怒ってるんですか!?」
「.....。」
「志紀さぁ〜ん(泣)!!」
「うざ....」
ねぇ、教室の人達ガン見してるよ?
これでもかって位目見開いてるよ?
「陸都、授業」
はぁ.....。面倒。
「あ、そうですね。席ついて下さい」
ずっと不機嫌な志紀にビクつきながらも
授業を始めた。
「ルー授業サボりたい」
ぎゅっと抱きついて首に顔を埋めてきた。
あ、今の状況はというと
志紀が座った隣に座ろうとしたら
引っ張られて膝に乗せられた...って感じ。
「駄目だよ。陸都がまた探しに来る」
そうなればさらに不機嫌になる。
まったり抱きついてたのに陸都が乱入してきて
不機嫌になってたんだから。
「こんなの出来る」
確かにココの授業は簡単すぎる。
今やってるところだって中学の範囲。
「寝ててもいいよ」
眠れてなかったと思うから......
私が側にいなかった時。
「ん....」
抱きしめる力が強まって寝息が聞こえた。
変わってないね、志紀。
有輝達と出会った時も私しか視界に入れなくて、
みんな頑張ってたよ?
話した時は凄く喜んでた。
「.......有輝....」
私が、みんなが会いたい人の名は
授業が終わり煩い教室に掻き消された...
「ルー...」
「うん、行こう」
志紀に連れられて教室を出た。
ガチャ
ノックも無しに勝手に入ったのは理事長室
「勝手に入ってんじゃ...瑠羽っ!!」
殺気でてたけど私って分かった瞬間
抱きついてきた。
「ルーに触んな馬鹿皐月」
馬鹿だね、皐月。学ぼうよ?
志紀もいるんだからね...
「ヒィィッ...い、嫌だ!!」
ドカッ
「ってぇぇぇ!!!!志紀酷ぇ!!」
自業自得でしょ。
志紀が強い事分かってんのに。
「煩い」
私の手を握ってソファーに座った。
隣に座ると膝に寝転がってきた。
「ズルいぃぃ!!」
何が?てか煩い皐月
「...ルー.....」
ふわふわしてる志紀の髪を撫でると、
気持ちよさそうに目を閉じた。
......猫みたい。
最初は威嚇して、懐けば引っ付いてくる。
「うぁー!!ココでイチャつくなぁッ!!」
イチャつくって...そんな事してないし。
「ルー...ここも煩い」
不機嫌そうに私の手を握って扉を開けた。
「行くなら瑠羽を置いてけ!!!!」
皐月オール無視で。
バタン...
「.....。」
「.....。」
「.....。」
どこに行くのかわからないけど、
沈黙で進んでく。でもこの静けさは、
心地いいものだった。
キィィ
着いたのは、空に有輝に近い屋上....
でもそこには
「臥龍......」
呟いた瞬間志紀が私を後ろに隠した。
「お前に話がある」
佐竹稜がはっきりとした口調で言った。
こいつは似てるんだ、有輝に。
顔とか声じゃなくて総長としての雰囲気が。
「私は無い」
有輝の顔が思い浮かんで、涙はでないのに
泣きそうになって怖いから。
「俺がある。お前は何に怯えてる?」
ほら同じ。有輝も言ったよね、私達に。
【お前等は何に怯えてんだ?】
私と志紀。二人で大人人数と喧嘩してた。
「....まれ」
志紀が何かをいった。
「は?」
「黙れッ」
そんなに殺気だしていいの?
皐月や陸都が気付くよ。
ドンッ
「ッ...」
後ろにいた私が邪魔だったのか、
志紀に突き飛ばされた。
普段はしないけどキレると周りが見えなくなる。
「「「瑠羽!?」」」
椎名千年、山岸歩夢、加島昴が
寄ってこようとしたけど自分で立ち上がる。
志紀を止めないと...
「志紀....」
志紀に近寄った。
「瑠羽ちゃん危ないよ!!」
山岸歩夢の言葉も無視して近寄る。
ギュゥ...
前から抱きついて静かに呼んだ。
「ーー志紀.....」
「....あ......」
殺気がおさまって正気になった。
「ルー...ごめん...」
突き飛ばした事とキレた事を言ってるんだ
と思う。
「ん。大丈夫」
ちょっと背中がズキズキするけど
これくらい大丈夫。
「嘘....帰ろ」
それさえも分かっちゃうみたいだけど...
「家で冷やすから....」
「わかった」