Six
「知っ、てた....の...?」
明らか過ぎる程動揺している山岸歩夢。
椎名千年も明らか過ぎる。
後の三人も分かりにくいけど動揺してる。
「当然」
私が知らないからこういう態度だと
思ってたんでしょうね。でも、違う。
「じゃ、なんで....?」
「興味ナイ」
蒼龍の深い絆を壊したのは私。
あれ程信頼しあっていた暴走族だったのに。
大切な人を奪ってしまった....
「分かったらもう関わらないで」
踵を返して屋上を後にした......
バンッ
「皐月、陸都呼んで」
理事室に行くとソファでDSをしてる皐月。
「俺、いますよ」
お茶を4つ持った陸都がでてきた。
流石、気配で気付いたんだろう。
「蒼桜、あれ私」
陸都のお茶を飲む手が、
皐月のDSを操作する手が、
志紀の私の髪を撫でる手が止まった。
「「はぁぁぁ!!?」」
「瑠羽確かにお前の容姿と一致するが
お前は喧嘩も俺等より強いが!!!!
お前夜行性じゃないよな!?
夜めちゃめちゃ弱いよな!!?」
「瑠羽さん何危ない事してんですか!?
汚い族一人で潰してるらしいですよね!!!
今度から俺も連れてって下さい!!」
志紀は何も言わないけど、
多分、呆れてる。
「ねぇ志紀、家どうしたの?」
地元から此処までそう離れた距離じゃないけど
蒼龍の倉庫に住んでる志紀にとっては遠い。
「こっちで住むけどまだ見つかってない」
「じゃあ、私の家に住む?」
っていうか住んでほしい。
私には志紀がいた方がいい。
「....住む」
志紀に私の心情が分かったのか、
志紀自身私が必要なのかわからないけど
恐らく両者だろう。
「えー!!俺も瑠羽さんの家に住みたーい!
......ごめんなさい」
陸都の言葉は志紀の殺気により抹消。
「瑠羽と志紀そろそろ帰れよ。
とっくに下校時間過ぎてるぞ」
珍しく皐月が教師らしい事を言ったのに
理由がなんとも自己中。
「お前等が帰らねぇと俺が帰れねぇ」
....いや、皐月らしい。
「分かった。帰ろう志紀」
フラリと立ち上がって校舎を後にした。
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「志紀、気付いてる?」
「あぁ」
誰かに尾けられてる。学校をでた辺りから。
「撒くよ」
曲がり角をいきなり曲がって、
上へ、塀に飛び、屋根に飛び乗った。
「...ッ!?捜せっ」
「どこに行った!!」
複数の男達が走り去って行った。
「アレ...何処だと思う?」
「臥龍........」
やっぱり。
あいつらも馬鹿ね....
「面倒な所に会ったわね....臥龍」
二つの影は月に照らされ闇に消え去った...