Four
「ねぇ名前なんて言うの?」
前の席の女顔負けの可愛い男の子が
話しかけてきた。
「雨城瑠羽....」
普通ここなら聞き返すとこだろうけど
関わるつもりないから必要ない。
「僕は山岸歩夢【アユム】よろしくね!!」
「歩夢抜け駆けすんな!!
俺、椎名千年【チトセ】よろしくなっ」
「俺は加島昴【スバル】よろしくね瑠羽ちゃん。
後、この眠そうなのが白崎陽【ハル】。
それと佐竹稜【リョウ】」
何故か自己紹介してもらった。
「女...お前俺に近寄るなよ...」
そして上から目線な白崎陽。
......自惚れないでよね。
「白崎!!お前瑠羽さんに向かっ「陸都」
流せばいい物をつっかかる人がいるから。
「私は貴方に限らず他も関わるつもりはない」
無表情ではっきり言った。
女に初めて言われたのか、驚いている。
......めんどくさい。
「はぁ...陸都、帰る」
もともと財布と携帯、予備のスプレー、
カラコンのケースしか入っていない
鞄を持ち席を立った。
「明日ちゃんと来てくださいよ?」
こうも簡単に早退を認めていいの?
まぁ楽でいいけれど。
「分かってるよ。じゃ」
微妙に疑われてるようだし、
住所でも送っとくか....
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To.陸都
家、学校から10分位の◯×マンションの
最上階
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To.瑠羽さん
さすが瑠羽さんですね!!
ありがとうございますっ
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授業中の筈なのに返信ある......
それって教師としてどうなの?
pppp.....
家でボーッとしていると、
不意に携帯がなった。
ーー着信 志紀
一年前から毎日何度も鳴り続ける。
皆、毎日メールと電話をしてくる。
「もしもし、志紀?」
志紀の電話なら出てもいいかなと思って
受話ボタンを押した。
「ーッ!!ルゥッ...!!!!」
後ろから声が聞こえるから、
皆も一緒らしい。
「ルゥ...会いたいよ......!!
俺、ルゥがいないとっ....」
弱々しい声に陸都と皐月の言っていた事は
本当なんだと確信した。
「私も志紀に会いたい.....
もうすぐ会える筈だから。
死なないでね...蜜と大翔には内緒だよ」
「ほんとに...?会える?」
「うん。陸都と皐月に聞いてみて?
じゃぁそろそろ切るね.....」
「嫌だっ...ルゥ...嫌ッ...ブチ..ツーツー」
志紀、すぐ。会えるよーーー。