Three
「でも本当吃驚しましたよ!
アイツらも喜ぶでしょ「陸都」
廊下を歩いて、教室へ行く途中。
陸都にも言わなければいけない事。
言えば悲しむだろうけど....
「お願いがあるの」
「なんですか...?」
大体予想がついたのか、顔が歪んでいる。
「志紀以外には言わないで欲しいの」
皆にとって大切な人を......
何千人の人に慕われていた人を.....
奪ってしまったのは私だから....
「ッ...有輝の事は貴女の所為じゃない!!
あいつ等だけじゃないんですっ...
下の奴らも貴女がいなくなって
悲しんでた......」
だって....総長だった有輝がいなくなって、
蒼龍が解散したのは私の所為でしょう?
「でも、私はまだ逢えない......」
「分かりました....志紀はいいんですね?」
「えぇ...」
明らかに沈んだ陸都が教室に入って行った。
ざわざわしていた教室も一気に静まる。
「瑠羽さん....どうぞ」
呼ばれて入っていくとまた騒がしくなる。
「るせぇ....」
聞こえるか聞こえないか位の声で呟いてるのに
クラスはまた静まり返る。
陸都....一度キレたんだ......
「瑠羽さん、自己紹介してください」
「雨城瑠羽。よろしく..?」
あまりよろしくしたくないけど。
「席は後ろの窓際です」
やっぱ転入生ってそこなんだ?
日当たりよくてよく寝れそう.....
「.......?」
でも何故か周りは空席。
まぁどうでもいいや......寝れれば。
早速寝る体制に入ると、周りがヒソヒソ。
「おい、あの子ヤベェって」
「陸都さんの授業で寝るなんて
死ににいくような物じゃん.....」
ガラッ
「りっくん遅刻してごめーん!!」
「皆おっはよー☆」
「すいません」
「眠....」
「.......」
........煩い。
「またお前等か...遅刻ばっかりじゃねぇか」
陸都も呆れて怒れない程遅刻してんの?
「あれー??あの子誰?」
「顔見えないー!!」
明らかに私の事だよね。
でも無視していっか.......眠いし。
「うるせぇ!!瑠羽さんが起きるだろ!!」
いや、起きてるんですけど。
「陸都....五月蝿い」
「す、すみませんっ!!」
そんなにどもらなくても.....
確かに寝起きは悪いけど。
「えー!!!!りっくんが謝った!?」
「さん付け!?」
この二人...本当五月蝿い。
「あれ?君、迷子の子だよね?」
一番まともそうな人を見ると、
確かに見た事ある様な無い様な....
「もしかして覚えてない?
昇降口で会ったんだけど...」
あ、あれだ。理事長室聞いた人。
「覚え「瑠羽さん俺よ「陸都」
「はい...すみません」
少しは落ち着きなさいよ....教師なんだから。
「取り敢えずお前等席座れ...」
席に座る時女子に睨まれた理由分かった。
席順がこんなんだからか....
窓 男男
窓 男男男
窓 私空空
でもこればかりはどうにも...いや、できる。
私が言えば席を変えてもらえるだろう。
でも窓際がいいし。これでいいか。