Fifteen
.....なんだろう?暖かい。
「し、き....」
お腹あたりを締め付ける感覚がして
目が覚めた。
「おはよ、ルー」
「ん...今何時?」
くるっと後ろを向いて、向き合う様に
寝転がった。
......近い。
「8時」
もう、蜜達帰ったのかな...
物音がしない。
「ご飯何がいい?」
「炒飯」
好きだね、炒飯...
どっか食べに行っても炒飯ばっか。
...わたしも似た様なものだけど。
「作るから待ってて」
で、起き上がろうとしたんだけど。
「...志紀?」
「俺もいく」
抑えられて動けなかった。
「作りにくい」
キッチンにきて炒めてるんだけど、
後ろからだきついてくる。
いつにもましてベッタリだな...
「....。」
炒め終わってお皿に盛り付け、
折りたたみ式の小さいテーブルに運んだ。
「どうしたの?」
いつもなら正面に座るのに今日は
私を膝に乗せた。
「ルーが、あいつらの所に行って....
俺...要らないって...」
夢、か...あいつらは臥龍の事だろう。
私が志紀を要らないなんて言うわけない。
「志紀が私を必要としてくれる限り私は志紀から
離れないよ」
志紀に要らないって言われたら私は.....
どうなるんだろう?
きっと生きる事をやめる。
有輝がいなくなって、壊れて....
でも志紀や皐月達の存在で生きてる。
「俺がずっと一緒にいろって言ったら...」
「いるよ」
志紀といられるなら本望。
“愛してる”志紀が昔私に言った。
でもその時私は有輝を失った絶望で、
応えなかった。
「ルー...愛してる」
今も有輝を愛してる。
でも、同じくらい...、それ以上に
志紀を愛してる。
「.....私も」
「ぇ....」
なんで驚く?
「俺、は有輝じゃ...ない..」
「知ってる」
もしかして私が志紀のキスを受け入れるのは
有輝と重ねてる、とか思ってたのか。
「じゃ...ぁ、なんで...」
「志紀だから好き」
よくキスしたり触ったりしてくるけど、
それ以上はしてこない。
それは、有輝に遠慮してるんでしょう?
「ッ...ルー......」
「ん?炒飯冷めるよ」
志紀の膝に座ったままお皿を手に取って
食べ始めた。
まだ暖かい...
「ありがとう...ルー」
「ん...」
優しい笑顔を見せてくれて、一瞬魅入ると
軽く唇にキスされた。
「ッん、ふ..っ..ぅ...」
離れたと思えばまたすぐキスされて、
いつもみたいな深いキスじゃなくて
噛み付くようなキスがくりかえされた。
「はぁっ...」
唇が離れた時にはもう力が体から抜けてて
動けなかった。
お互い好き合ってても私達に付き合うとかない。
この関係は変わらないから。
何も、変わらない。
だけど...今まで以上に触れてくると思う。
「...ッ....」
「ルーは、俺の...」
また首筋にキスして印を残した。