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ありがとう  作者: 檸檬
10/19

Ten




「ルー...」



家に帰りソファーでボーッとしてると

アイスノンと湿布を持った志紀が

眉を下げて近寄って来た。



「背中...見して」



言われた通りに服を捲って背中を向けた。



「....ごめん」



シュンとする志紀はやっぱり仔猫。

...可愛い。



「大丈夫だよ」



ヒヤっと背中にアイスノンのあてられて

熱を持ってた所が気持ちいい。



「赤くなってる...」



じゃぁアザになるかな。

それくらいどうも思わないけど。


冷たい感覚が離れて柔らかい感じがする。



ビクッ


「し、き...」



背中に唇を這わせてる事に気付くのに

少し時間がかかった。



「んっ...」



チクリと首筋に痛みが走ると共に

唇が離れて湿布が貼られた。



「ルー...背中、痛い?」



服も下ろされて前から抱きしめられてる。

優しく背中を撫でられながら。



「冷やしてくれたから大丈夫だよ」



志紀にふにゃと笑いかけた。

多分、私が笑えるのは志紀の前だけ。



「ん...よかった」



ウトウトしてて眼も虚ろな志紀を見ると

眠いみたい。



「寝る?」



「ルーも...」



ベッド二つあるけど....

でも志紀が近くにいる方がよく寝れる。



「いいよ。一緒に寝よ」



私の部屋のベッドに入って寝転ぶと

志紀も寄ってきたからスペースを開けようと

奥に詰めると引き寄せられた。



「離れないで」



哀しそうな声色に切なくなって

ぎゅっと抱きついた。



「離れないよ」



優しく囁いて。


.....ーーーーーーーーーー



「んぎゃー!!!!!」



....うるさ。



「る、るるる瑠羽?!」



教室に入って椎名千歳がこっち向いた

瞬間叫んで、今この状況。

その叫びにこっちを向いた臥龍達も

教室の奴らも陸都も固まってる。



「瑠羽さん!?そ、それ....」



それってどれよ。



「嫌だァぁぁ!!!!」



勝手に叫んで泣きながら去っていった

陸都。...わけわかんない。



「えと...瑠羽ちゃん...?その首の...」



加島昴に言われた事も

わけわからなくて手持ち鏡で

指差されたトコをみた。



「......あぁ」



納得。でもそんな気にする事?



「誰にやられたんだ!?俺が潰してやる!!」



なんでそんな怒ってんの?



「誰って...志紀?」



昨夜の冷やしてた時の首筋の痛み。

あれだと思う。



「....俺だけど」



眠そうだけど握ってる手は絶対離さないで

隣にいる。



「はぁぁぁぁあぁ!!?」



うるさいって....



「ちょ、何平然と言っちゃってんの!?

当たり前ですけど的な雰囲気おかしい!!

た、確かにスキンシップ多いけど、

まさかそんな関係だったなんて...!

付き合ってんのか!?そうだよな?!

つーか昨日も疑問だったんだけど!!

“家に帰る”って何!?普通“送る”だろ!?」



マシンガントーク....うざ。

うざい。皐月並にうざい。

コイツラ嫌いだから尚更うざい。



「付き合ってないし...」



私が付き合ったのは有輝だけ。

志紀も皐月達とは違うけれど....



「一緒に住んでるし...」



「「「「えぇぇぇ!!!?」」」」



教室中の人間が叫んだ。



「じ、じじじゃぁなんでキスマーク...?」



志紀に触られたりするのは嫌じゃない。

むしろ安心するんだ。だから抵抗しない。

...皐月とかがやったらぶっ飛ばすけど。



「志紀の気分...?」



結構な気分屋だしね。



「気分でそうゆう事するの?」



志紀もかなり独占欲強いし...

わざわざこんな服で隠れないトコに

つけたのも他の男に触られないためでしょ。



「うん」



有輝や皐月、陸都、蜜、大翔みたいに

志紀も私も認めた人ならOKらしい。

有輝だけはキスしたり恋人らしい事を

するのもよかったみたい。



「じゃぁ瑠羽は処女じゃないのか...」



.....なにこいつ。死ねばいいのに。

この手で殺してあげようか?



「....うっざ」



つい声でちゃったし。

ほんとめんどくさい奴ら....

さっきからずっと白崎陽の視線が痛い。

視線ってゆうか睨まれてる?



「うざうざうざ。志紀、どっか行こ」



とりあえず気持ちだけ表しといた。



「ひど!!あ、次りっくんの授業だから

サボらんほうがいいぜ?殺されるし....」



陸都?尚更都合がいい。

無言で携帯とりだして陸都のメモリーを

だした。


《ただいま電話に出る事ができません。

ピーッという発信音の...ブチッ》


なんで出ないわけ?



「志紀のでかけてみて」



....やっぱりでないらしい。



「仕方ないか...」



出来ればかけたくなかった。アレに。



「もし..《おっはよ!!いやぁー瑠羽から

電話してくれるとか感激!!》



「さつ....《マジこの世に悔いはない!!

今なら死ねる!!!!》



じゃあ死ねよ。



「り....《あ、んで何の用ー?》



ブチッ



《え...今なんか聞こえた...》



「皐月。陸都知らない?

知らないんだったら馬鹿に用はない」



《ご、ごめんなさい...

えと陸都はここにいます...》



「あっそ。じゃ、サボるって伝えて」



《....はぃ》



電話を切ると引きつった顔でこちらを見る

臥龍達。



「り、りっくん呼び捨て....?

皐月って...もしかして.......」



....陸都の事今更?



「理事長.....」


「そうだけど」



(((((瑠羽ちゃん何者⁈)))))



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