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One
「グッ....!!カハッ...」
狭い路地から聞こえる呻く声。
「ねぇ、もうお終い?」
数分前まで数十人の男の声が聞こえたのに。
「喧嘩売る相手、間違えてるよ?」
その男達の中でただ1人立っている影。
「....おまっ..まさか.....!!
蒼桜.......!!!!」
まだ意識のあった男が呟いた《蒼桜》
「......正解。でも、もう遅いから。」
蒼桜と呼ばれた者はその男の意識を飛ばした。
《蒼桜》....1年程前から急に現れた。
汚い事を行う族を潰していく。
性別不明。
名前不明。
容姿も分かっているのは、
髪の色と瞳の色のみ。
「はぁ........」
蒼桜.....それは1人のある少女。
金髪にエメラルドブルーの瞳。
引きつけられるような綺麗な顔。
それが雨城瑠羽【アマシロルウ】彼女だ。
「明日......か...久しぶりだな....」
彼女は明日から高校へ行く。
彼女はある人との約束のために行くのだ。
「ねぇ....どうして私を人と関わらせるの?
貴方はこうなる事が分かってたの...?」
彼女は独り、呟きながら眠りに堕ちた....