お酒にたどり着くまで
私は小さい頃から正月に飲めるお酒が好きだった。
初めて赤酒を飲ませてもらったときお酒ってこんなに美味しいのかと思った。
でもその時はアルコール特有の癖があるし多くは飲めなかった。
20歳の時、ビールの味を知った。すごく苦くて正直美味しいとは感じなかった。
レモンサワーや甘口のワインなど、ジュースに近いお酒は飲めた。
25歳、ビールが美味しいと感じた。この頃になると日本酒や焼酎なども飲めるようになった。
………が、私はお酒に弱い。
会社の同僚の話では「良い飲みっぷりだけど飲み過ぎると奇行に走る」ということらしい。
例えば、
・宴会の途中「暑い」と店を飛び出し街を全力疾走してきた
・公衆電話の中で倒れていた
・部長のヅラを剥がそうとした
……など。
まぁまだあるがここらへんにしておこう。
ま、そんなお酒に弱い私だが、飲むのが本当に好きだ。
お酒が好きすぎて自分で作ろうとしたくらいお酒が好きだ。
そんな私は………
「酒?ジュースの一種かい?」
「魔法の技名かな………」
異世界に来ちゃったようです。
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こうなったのは一週間前、いつものように家でビールを飲んでた時。
ボーナス日でもあったのでいつもはなかなか手の出せないビールを帰りに買って、
夕飯のチキン南蛮と一緒に飲んでいた。
「あ゛ー………!!!!!さいっこう!!!」
幸せに浸かりながらふと気まぐれにテレビをつけた。
テレビでは高校生から大学生まで好きだった異世界系のアニメが再放送されていた。
「そういえば、私がちで昔異世界とか魔法とか信じてたなー……」
“お酒を作り出すための魔法の開発をしたい”や“異世界で広まっていないお酒を飲ませたい”
など、まぁ構想の大半は酒関連しか考えてなかったのだが…
「いせかいのおさけ……飲んでみたいなぁ………」
私はそのまま眠ってしまった。
「ままーあの人へんな服ー」
「シッ!!もしかしたら変装した王族の方かもしれないでしょう!?そんなこと言っちゃダメ!!」
ま、そしたら異世界ですよ。うん。
そしてこの世界の王族どうなってんだ。
いや異世界のお酒は飲みたいけど異世界に行きたいとはこの歳になってから一度も思ったことないよ!?!!??
…まぁ、とにかく生きてお酒を飲むための衣食住!!そしてその後酒!!
……どうやって衣食住手に入れるんだ……?
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街の近くに海もあったから水分を蒸発させ塩に、
隣の森で取れたアケビや栗もありなんとか野宿をして一夜を過ごした。
まぁトラブルめあったのだが…………
次の日。熊が目の前にいた。
why?????????
いや分かってるんだけどね??
……多分原因は昨日川で魚が取りたくて奮闘している時に会ってしまったのだ。
元の世界でもいっぱい出てくる中、異世界にも熊がいたのだ。
いや、温度的にいてもおかしくないくらいには暖かいんだけどね??
多分時間軸とか色々違うんだろうし。
まあその熊、私が背中を見せないように後退りすればのそのそとこっちにくるんですよ!!
終わったと思ったね。ここで短編終了タイトル詐欺バッドエンドになるかと思った(笑)
まぁそれで「クルミを割ることができます!!」って言っちゃったんだよ。
ま、そしたら急に動くのをやめてついて来いとでも言うように視線が合った。
流石に行かないと襲われそうだったから行ったら……
クルミ割らされた
いや、クルミ割れるって言ったの私なんだけどね。
その時なんかやっちゃったかな?クルミを思うように出せなかったとか?
アケビ一つ置いてったこととか?熊にとってアケビ毒だったとか…?
いやそんなことないはずだけど…
「わ、私なんかしちゃいました………?」
「え、どこいくの?」
そしたら昨日同様について来いと訴えかけてきた。圧すごいよ………
ついていくと昨日の川辺。
大量の魚が岩場に置いてあった。
熊はそれをつっつくと私の方を向いた。
「くれるの……?」
熊は何も反応せずに去っていった。
お礼みたいな…?異世界の熊は食べ物に困ってないのか……
「よしっ……!これがあれば街で売れるし食べられる…!」
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さーてと。朝ごはんの魚めっちゃ美味しかったし!!
営業部の本気、少し見せてあげましょうか!!
どうやら誰でも商売して良いみたいだしね!
まず観察!どうやって売れるのか、平均の値段とかもどれくらいか!
「今日の品は俺の嫁が作ってくれた布のバッグ!!麻じゃなくて布!!!麻のチクチクに怪我をさせられた人、少なくないんじゃない!?銀貨1枚でどう!?」
チクチクって言い方可愛いな。
「久しぶりの開店!!!今日の注目品は今が美味しい葡萄!!一粒食べればみんな笑顔!!
一房銅貨5枚、5房で銀貨2枚!!」
多分銅貨は100円単位、銀貨は1000円単位かな?
なら………
「さぁさぁ!!!!!!寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!
この魚、今日の朝一番に取れた新鮮な魚だよ〜!!!私も朝食べたけど塩ひとつまみだけでその美味しさにびっくり仰天!!焼き魚にはもってこい!!一匹銅貨4枚!三匹買えば8枚でどうかな!?!?」
「それ!!私に三匹ちょうだい!!」
「はいどうも!!なるべく早く食べるのをお勧めするよ!!」
それは次第に売れていき…………
「みんな三匹欲しがる……まあいいや。大量にお金儲かったし」
銀貨とかもあって合わせて元の世界でも12万くらい…
え!?12万!?
これは宿代いけるな……?
よし!衣はそこら辺の人から買お!
ついでに両替してもらおー
「一週間の泊まり分、食事代合わせて金貨4枚です」
円安なのかな………それかこれが正常?よくわかんないけど、これならお酒すぐに手に入りそう!
「………お酒がない???」
「???はい、まずそのようなものは聞いたことがないですね……」
ま じ か




