9話
感想クレメンス
目が覚めると病院で寝かされていた。
若干魔力不足で頭痛がするが何とか生き残れたようだ。
とりあえずナースコールかな。
ナースコールを押して直ぐに看護師来て両親に連絡をしてもらった。
看護師に聞くと、どうやら俺は丸一日寝ていたらしい。
原因は正確には知らないらしい。
多分だが魔力不足と魔力で無理矢理体を強化したことが原因だろう。
部屋に人がいなくなってしばらく不恰好な形でも魔物を倒せたことに喜びを感じていたが、そんなことも言ってられない。
いくら魔法が使える年齢だとしても小学生で魔物倒せばまず注目を受けるだろう。
小学生の年齢で凶悪な魔物を倒す力があると分かれば周囲や今の両親は自分を恐れるかもしれない。
両親の前ではあまり魔法を使っていなかったのでいったい何と言われるだろうか。
こちらの世界の両親も俺にしっかりと愛を注いでくれているので、今突き放されればかなりくるものがある。
そんなことを考えている内に両親と医者そして警察も一緒に入って来た。
両親は病室に入ってくるなり俺に抱きついて。
「もう体は大丈夫なの?」「起きてて大丈夫なのか?」
と不安そうに心配する言葉を投げかけてくれた。
俺を恐れるかもと思ってもいたが己憂だったようだ。
警察の話では魔物が街に出現したのは、数十年止まっていたダンジョンが突然活性化して急に魔物が発生し警備が緩くなっていたこともあり数匹魔物が街に逃げてしまったのだとか。
本来ダンジョンの魔物はスタンピードが起きなければ外に出ることがないのだが、突如出現した魔物は簡単にダンジョンから抜け出してしまったのだとか。
子供達も無事だったようで倒れた俺を病院に全員で運んできたらしい。
後でお菓子と一緒に感謝を伝えに行こう。
周辺への被害も俺が倒したことによってあまり出ておらず国から感謝時が送られるらしい。
そして、俺は特別に中学から通う学校を変更し、貴族の通う魔法専門の学校に通えるらしい。
いくら魔物を倒したからと大袈裟じゃないかと思うが大袈裟ではなかったらしい。
その年齢であれだけの魔法を発動できる子供を普通の学校に通わせても教える事がない、と警察の人に言われてしまった。
意外とこの世界での魔法のレベルは低いのかもしれない。
そしてしばらくは無理に魔法を使わないことと不用意に魔力で体を強化しないことを約束させられた。
俺は全治二週間ということでしばらくの間は病院に入院することになった。
入院の間魔力を使わないという約束をした手前魔法の練習をするわけにも行かず、『マイホーム』をどれだけ小さく開けるかをベットで練習し続ける羽目になったのだった。