「死亡フラグが立ちすぎてる彼女を何とか救いたい」というゲームの世界に転生してしまったので彼女を救おうと思います?。 ホムンクルスの少女
私は人造生命体、ホムンクルスです。
名は瑠奈と呼ばれています。
見た目は人間の十四、五才の少女の姿をしています。(自己主観)
私の役目は”光の超越者”と呼ばれているご主人様の補助をすることです。
主に時空移動装置の操作がお仕事になっています。
時空移動装置の操作は普通の人には難解すぎて操作できないそうです。
この世界でなんでそんなに難解な操作の物を作ってるのかって?、それは容易に操作できると収集がつかなくなるからだそうです。
簡単に操作されては困るのです。
だから私達ホムンクルスが必要なのです。
ホムンクルスは異世界の幼き魂の救済という大義名分で製造されています。
作られる過程でホムンクルスは無垢な脳を与えられます。
そこに時空移動装置の難解な操作方法をブレインライティングによって書きこまれるのです。
普通の人の脳に書き書き込んでもすぐに忘れてしまって中々モノにならないそうです。
ホムンクルスの無垢な脳に書き込まれた記憶は高い精度でモノになるそうです。
これが私達の存在理由なのです。
私の魂の根源は異世界人らしいです。
でも私は前身が誰だったのとかは憶えていません。
あたりまえですが、記憶は一切ありません。
前身が死亡した時に無くなってしまっています。
魂の根源が引き継いでいるのは恐らく本能と呼ばれているモノです。
行動基準のみ引き継がれているのだと思います。
魂の根源とは何か?そう聞かれると、生命体の電池の様なものだと私は答えます。
魂の根源は転生するまでの間、自然の循環作用のなかで生命力を蓄えるそうなのです。
人間が行動する為の操作信号、精神・魂と呼ばれる物をその生命力によって作り出すそうなのです。
魂の根源の生命力は、人が生きている間は補給されることは無いそうです。
魂の根源の生命力が無くなると人の肉体は死を迎えるのです。
転生する魂の根源が何処に宿っているのかは私は詳しくありませんが、受精卵が子宮内膜に着床した時に黄身から胎児に憑依するそうです。
そこから本当の人間としての成長が始まるそうです。
そして生まれてくるまでにその生命力を半分以上使ってしまうそうなのです。
魂の根源が人間のどこに宿ってるのか?。
心臓の最も心筋に近い房室結節に宿ってるそうです。
私達ホムンクルスは死亡した幼児の魂の根源を採取し作られています。
なので寿命は非常に短いのです。
約三十年だそうです。
ホムンクルスの肉体を作るのも生命力が必要です。
私達ホムンクルスは延命のため、いろんな生命活動を制限されてます。
普段しゃべれないのはこの為です。
喋らない事によって寿命が二から三年延びるのだそうです。
おっと、色々関係ない事を説明してしまいましたが、今は自宅で起床したところです。
今日は非番なので久しぶりにご主人様と一緒に過ごせそうです。
隣に寝ているご主人様を起こさにように寝台から出ます。
何も着てないので急いで身なりを整えます。
何故そんな恰好なのかって?、ホムンクルスのお役目の一つです。
けしてやましい事ではありません。
急いで朝食の準備をします。
ご主人さまの好物の料理を腕に縒りを掛けて作ります。
栄養のバランスもしっかり考えています。
料理が出来上がる頃にご主人様が起きてきました。
ご主人様は無言で食卓に座りました。
私はいつも通りご主人様に配膳します。
ご主人様は眠いのか何も言わずに食事を始めました。
私はご主人様を無言で見つめます。
どうやら食事の味に問題は無さそうです。
食事が終わるとご主人様は私の頭を撫でながら食事の礼を言ってくれました。
私は表情にも制限が掛かっているので無表情ですが、本当は凄く嬉しいのです。
「今日は午後から出かけよう。色々買いたいものがあるだろう?」
私はうなずきます。
かなりクールに見えますが、内心は嬉しくて仕方ありません。
でも一つ気になる事があります。
私は初めてご主人様を見た時に初対面の人には思えませんでした。
まるでずっと一緒にいた人の様に思えたのです。
何故だかは解りません。
でもそうなのです。
ホムンクルスとして私は作られました。
悲しい事なのですが、私はそうは思いませんでした。
魂の根源がそれを望んでいたのでしょか?
きっとそうなのでしょう。
私は一ついえる事があります。
ご主人様が人類の敵になって、悪い存在になったとしても、たとえこの世界の全ての人間を敵に回しても私はご主人様のホムンクルスであり続けます。
この命は短いかもしれません。
でも今私は確かに生きています。
この命が燃え尽きるまで私はご主人様のそばを離れる事はありません。
今を精一杯ご主人様のホムンクルスとして生きようと思います。
転生といえば30年ぐらい前の作品で西谷史先生のデジタルデビルストーリー(1巻、女神転生 2巻、魔都の戦士 3巻、転生の終焉)が元祖なのでしょうかね?。
後、日渡早紀先生のぼくの地球を守ってが有名です。
これらの作品は奇跡のロマンスですごく感動的なものでした。
まあ、これに反して車田正美先生の風魔の小次郎は輪廻に異を唱えてました。
これも私は好きでした。
最近の作品はやたら悪役貴族に憑依して、誰が何のために主人公を憑依させたのかを書かれてなく、非常に設定が出来ていないと感じています。
異世界転生ははじめは面白かったです。
でも今は設定の不出来もあって気持ち悪くすら感じてしまいます。
今回は転生とは何か?魂とは何か?を書いてます。
自分の独学ですが、転生が本当の事であれば信憑性があるものだと思っています。
転生とはやはり奇跡のロマンスだと思います。
最近の作品にはこれが一ミリも感じません。
ゆるい話で面白ければいいとは思いますが、これから作品を書く方は一度原点を見直した方がよろしいのでは?最近はそう思ってます。
これを読んで不快にさせた方には心からお詫び申し上げます。
最後まで読んで貰えてありがとうございました。