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第九話 2匹

オオカミを仕留めた煉瓦ブタは喜びました。

ここには食料がある。


今殺したオオカミ、鍋の中にいる兄弟、これから仕留めるヤギ。


全部独り占めです。



煉瓦ブタはお腹が空いており、

グツグツと煮え立つ肉の匂いに我慢できませんでした。

なので死にかけのヤギにトドメを刺すことよりも、

目の前の調理済みの兄弟を食べることを優先しました。



その隙を、見逃さない者がいました。



食事に夢中になっているブタの背中に、何かがぶつかりました。

何事かと振り向くと、そこには小さなヤギがいるではありませんか。


柱時計の中に隠れていた末っ子ヤギです。


彼はブタを暖炉に押し込もうとしたのですが、

いかんせん体が小さく、その力がありませんでした。


ブタはこのハプニングに驚きましたが、

デザートが向こうからやってきたのだと思うと嬉しくなりました。



すぐさま末っ子ヤギは捕らえられ、椅子に縛り付けられてしまいました。


末っ子ヤギは泣きました。


これから食べられてしまう恐怖もありますが、

家族のために何もできなかった自分の無力さを嘆きました。


せめて最期に兄に謝ろうとしましたが、

さっきまで床に倒れていた次男ヤギの姿がそこにありません。



彼はブタの後ろに立っていました。


手には煉瓦を持って。



末っ子ヤギのしたことは無駄ではありませんでした。

次男ヤギが動けるようになるまでの時間稼ぎにはなっていたのです。



次男ヤギは渾身の力を振り絞り、ブタの頭をかち割りました。

殺された兄弟たちの分まで、その怒りをぶつけました。




やがて次男ヤギは疲れ果て、血まみれの煉瓦を手放しました。

そして末っ子ヤギの拘束を解き、急いでこの場から離れるよう提案しました。

窓が割られてしまった以上、ここはもう安全な場所ではないのです。


2匹は母のいる町へと向かい、走りました。

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