第六話 5匹
次男ヤギと三男ヤギは兄弟を失った悲しみに打ちひしがれながらも、
これからどうやって生き残ろうかと考えました。
外にはブタが2匹とオオカミが1匹。
対してこちらはヤギが3匹。
戦力差は明らかです。
このまま家に閉じこもっていれば敵は諦めてくれるかもしれませんが、
この状況でお母さんヤギが帰ってくるのはまずいと思いました。
なんとかして外の連中の注意を引き、
お母さんヤギが安全に帰れるようにしないといけません。
「僕が外に出て、あいつらの注意を引いてみるよ」
名乗り出たのは、兄弟の中で一番脚の速い三男ヤギでした。
彼ならばその困難な任務を果たせるかもしれません。
お日様が真上に来た頃、三男ヤギは行動に移しました。
彼は煙突から上り出て、敵の背後に回ろうと考えたのです。
ヤギは高い所が好きなので、その作業は苦ではありませんでした。
三男ヤギはヒョイヒョイと煙突の中を駆け上がり、難なく頂上に達しました。
そして、その光景を木ブタが目撃していました。
しかしどういうわけか、木ブタはそれを報告しませんでした。
木ブタは兄弟とオオカミを出し抜き、
残りのヤギを独り占めしたいと考えたのです。
オオカミとブタたちの背後に三男ヤギが現れます。
彼は3匹を挑発し、森の中へと走っていきました。
いつの間に家から出てきたのだろう。
オオカミとブタは急いで彼を追いかけました。
木ブタはその場に留まり、煙突に登りました。
これで最後のヤギを独り占めできる。
木ブタはよだれを垂らしながら煙突の中に入りました。
しかし次男ヤギは敵の侵入を警戒しており、
暖炉で油の入った鍋を沸かし、待ち構えていました。
そんなことは露知らず木ブタは鍋の中へと落ち、
地獄のような熱さに身を悶えながら死にました。




