第四話 7匹
ブタたちは兄弟喧嘩をしました。
原因は、兄弟の1匹が隠し持っていた藁です。
お腹が空いていたのに、それを持っていたことを言わなかったのです。
きっと隙を見計らって自分だけで食べる気だったのでしょう。
「今は仲間割れなんてやめよう!
それより、どうやって家の中に入るかを考えよう!」
張本人の藁ブタが言うのは腹が立ちますが、たしかにその通りです。
彼らはヤギの家に戻ることができずに困っていました。
長男ヤギの命懸けの抵抗が功を奏し、
中にいた弟たちが玄関に鍵を掛けたのです。
ブタたちは作戦を練り、実行しました。
「ただいま、坊やたち
お母さんが帰ってきましたよ
早くこの玄関の鍵を開けておくれ」
ヤギたちが母の帰りを待っていることを利用して、
裏声を使ってお母さんヤギになりすまそうとしたのです。
「わーい、お母さんが帰ってきたー!」
五男ヤギが鍵を開けてしまいそうになりますが、
次男ヤギが慌ててそれを止めました。
「待つんだ!
お母さんはこんなにくぐもった声じゃない!」
ブタたちは鼻にかかったような声を修正することができず、
なりすまし作戦は失敗に終わりました。
やがて夜が明け、朝がやってきました。
ブタたちは昨晩2匹のヤギを食べたというのに、
もうお腹が空いていました。
家の中にはまだ食料があり、諦めたくはありません。
再びブタの兄弟たちが作戦を考えていると、
突然現れたオオカミが3匹に飛び掛かり、
あっという間に藁ブタを食べてしまいました。




