第三話 8匹
末っ子ヤギは、長男ヤギに言いました。
「あのブタたちは悪いブタたちだ!
僕たちみんなを食べる気なんだ!」
兄ヤギたちが寝る準備をしていた頃、
末っ子ヤギは柱時計の中で、
ブタたちが悪巧みをしているのを聞いてしまったのです。
「こら!
なんてことを言うんだ!
ブタさんたちに失礼だろ!」
しかし長男ヤギには信じてもらえませんでした。
ブタたちはオオカミに怯えており、
お互いに助け合うべき仲間だと思っているようです。
しばらくして長男ヤギは、六男ヤギがいないことに気がつきました。
「君の弟ならさっき、トイレに行くと言って外へ出てったよ
オイラたちは止めたんだけど、聞いてもらえなかったんだ」
その嘘に、末っ子ヤギは怒りを覚えました。
しかし何を言ったところで兄は信じてくれないだろうし、
ブタたちに姿を見られたら、次に食べられるのは自分だとわかっていました。
彼にはただ、柱時計の中で怯えることしかできませんでした。
弟の帰りが遅いので、長男ヤギは探しに行こうと決めました。
「オイラたちも一緒に探すよ!」
ブタたちが名乗り出ます。
彼らの目的はおかわりです。
そして外へ出てからしばらくして、ブタたちは長男ヤギに襲い掛かりました。
しかし長男ヤギの力は強く、3匹がかりでも取り押さえることはできません。
「みんな……家の鍵を閉めろ!
ブタたちを中に入れるな!」
末っ子の言っていたことが本当だとわかり、長男ヤギは戦いました。
ブタの1匹は隠し持っていた藁を長男ヤギの口に突っ込み、黙らせました。
ヤギは草食性の動物なので藁を食べることはできますが、
そのあまりの量に口の中がいっぱいになってしまい、
必死の抵抗虚しく、長男ヤギは喉を詰まらせて死んでしまいました。




