第一話 10匹
ある所に、ヤギの親子が住んでおりました。
ある日、お母さんヤギは食料を調達しに町へ出かけます。
そして子供たちに言いつけました。
「いいかい、坊やたち
家の外には悪いオオカミがいるから、
私が帰ってくるまで決してドアを開けてはいけませんよ」
「はーい」
7匹の子ヤギたちは素直に返事し、母の帰りを待つことにします。
母が出かけてからしばらくして、
誰かが玄関のドアを叩く音がしました。
軽くコンコンと叩く音ではなく、
ドンドンと力強く叩く音でした。
「お、オオカミだ!
きっと悪いオオカミが来たんだ!」
末っ子ヤギはとても臆病な性格で、
急いで柱時計の中に隠れました。
そんな弟の行動を、兄ヤギたちは笑います。
「なんだよお前、本当に臆病だなー
きっとお母さんが忘れ物とかしただけだよ
だって帰ってくるのが早すぎるもん」
そう言い、兄ヤギは能天気にドアを開けてしまいました。
そして、そこにいたのはお母さんヤギではありませんでした。
悪いオオカミでもありませんでした。
そこには、3匹の子ブタが立っておりました。
「た、助けておくれ!
オイラたちは悪いオオカミから逃げてきたんだ!」
ブタたちは身を寄せ合い、体を震わせていました。
どうやらオオカミから逃げてきたというのは本当のようです。
これは放ってはおけない。
兄ヤギたちは3匹の子ブタを受け入れ、
急いで玄関のドアに鍵を掛けました。
そして殺し合いが始まったのです。




